
看護師のなかには、ワークライフバランスに悩む方も多いでしょう。仕事とプライベート両方の充実を目指すワークライフバランスは、看護師として長く働くために大切なことです。この記事では、看護師がワークライフバランスの実現に悩む理由や充実させるメリット、改善に向けてできることを解説。ワークライフバランスと向き合う病院の取り組み事例や、看護師の体験談も紹介していますので、ぜひご確認ください。
一般的にワークライフバランスとは、「仕事と生活の調和」を指すものです。日本看護協会の「看護職のワーク・ライフ・バランスの推進」では、看護師のワークライフバランスを、仕事と生活を両立し、相乗効果を高めることと定義しています。
命を預かる責任から、常に緊張感に包まれている看護師は多いでしょう。そうした看護師にとって、「休日は趣味や地域活動で楽しく過ごす」「スキルアップして患者さまに喜んでもらいたい」など、自分なりにモチベーションを維持できる状態もワークライフバランスの充実といえます。
レバウェル看護公式Instagramのストーリーズにて、「ワークライフバランスは取れている?」とアンケートを実施したところ、回答結果は以下になりました。
| 取れてます! | 309票(31%) |
| ぜんぜん取れていません | 672票(69%) |
※回答数981
7割近くの方が「全然取れていない」と回答していることが分かりました。「プライベートと両立できていない」と悩みながら働き続けている方もいれば、転職を検討している方もいるでしょう。
看護師の仕事は人手不足や時間外労働でハードワークになりやすく、職場によっては、連休が取りにくい傾向にあります。以下では、看護師ならではのワークライフバランスの両立に悩む理由を解説します。
看護師は勤務時間外に勉強会へ参加したり、未経験の診療科で働く際は退勤後や休日も勉強したりすることもあります。「平成29年度『看護職のWLBインデックス調査』(P.9)」によると、全体の79.5%の看護師が時間外労働を実施。同資料(P.10,P.11)によると、3割近くが持ち帰り仕事をし、57.8%の看護師が始業前残業をしています。時間外労働でプライベートの時間が減ってしまうと、オンオフの切り替えの難しさから「ワークライフバランスが取れない…」と感じ、仕事へ不満を抱く恐れもあるでしょう。
夜勤があると、生活リズムの乱れから疲れが抜けなかったり、寝不足になったりしやすくなります。特に今まで日勤のみで働いていた方や、体力に自信がない方は夜勤業務になかなか慣れないでしょう。生活リズムが崩れることで心身に余裕がなくなり、家事や育児、趣味といったものへの集中力や意欲が減ってしまうことも考えられます。
小規模で看護数が少なかったり、離職率が高めであったりする職場だと、一人あたりの業務量が多いと残業時間も増え、プライベートとのバランスに悩む原因になります。以下は日本看護協会の資料を参考に、正規雇用看護師の離職率をまとめたものです。
| 2022年 | 2023年 | 2024年 |
| 11.6% | 11.8% | 11.3% |
参照:日本看護協会「2022 年 病院看護・助産実態調査(P.7)」「2023 年 病院看護実態調査(P.9)」「2024 年 病院看護実態調査(P.11)」
離職率事態は過度に高くないものの、横ばいの状態なので、看護師の職場は比較的ハードワークになりやすいといえるでしょう。
日本看護協会の「2024年看護職員実態調査(P23)」によると、正規雇用の看護師の有給休暇取得率は「69.7%」です。3割近くの方は有給休暇を十分に消化できていない現状です。取得しにくい理由としては、「仕事が忙しい」「周りが取らないので取りづらい」などが考えられます。
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固定の休みが「休診日の平日1日と日曜日」という職場では、自ら休みを入れない限り、連休を作るのは難しいといえます。夏季休暇や年末年始休暇といったまとまった休暇を取る際、希望の日程を取るのが難しい場合もあるでしょう。
日本看護協会の「2023年度『ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析』結果(P.10)」によると、看護職は子育てや結婚で仕事を辞める方が多いです。一般的に看護師は女性が多い仕事なので、職場内でタイミングが重なると、思うように休みにくいことも。職場によっては人手不足で有給休暇を申告しにくく、家族や友人と予定が合わせにくいといったこともあり、ストレスに感じるかもしれません。
結婚や妊娠・出産、産後の復帰といった生活スタイルに変化があると、これまでの働き方が難しくなる可能性もあります。看護師の仕事は早番や夜勤などもあるため、私生活に影響を与えやすいでしょう。職場の理解や自分の家族の協力を得られない場合、思うように働けないと感じるかもしれません。
日本看護協会の「2024 年 病院看護実態調査(P.30)」によると、短時間勤務や職務限定の正職員の制度を採用する職場はありますが、全体の6割程度は未導入なので働き方に悩む方もいるかもしれません。
ワークライフバランスの課題には、看護師の仕事の特性も関係します。看護師の仕事は、ナースコール対応や看護記録の記入などマルチタスクが多いのが現状です。人手不足の職場では特に激務になりやすいので、意識しなければワークライフバランスを取るのが難しいともいえるでしょう。
忙しい看護師がワークライフバランスを充実させることで、仕事への意欲が上がったり、プライベートを楽しめたりするようになります。以下で詳しく紹介しているので、ご覧ください。
ワークライフバランスが改善され、心身ともにゆとりができると「仕事をさらに頑張ろう」と、モチベーションアップにつながるでしょう。看護師として、業務で貢献できると職場から評価もされやすく、さらに好循環を生み出します。
ワークライフバランスを充実させることで業務に集中しやすくなれば、結果的にスキルアップにつながるかもしれません。多忙な環境では、疲労による判断力の低下といった事態が起こりやすく、ミスが発生しやすくなるもの。ワークライフバランスを整えることで、そうしたトラブルを回避できるかもしれません。
ワークライフバランスが整うと、自由に過ごせる時間も確保できるようになります。運動や読書、旅行といった趣味をはじめ、友人や家族とゆっくり過ごすなど、充実したときを過ごせるでしょう。退勤後や休日を有意義に使えることで、ストレス発散にもなります。
ワークライフバランスを整えたい看護師は、1日の過ごし方を振り返ってみたり、理想の働き方を考えてみましょう。
1日の仕事をどのように進めているかを見直すことで効率よく働け、ワークライフバランスが整う可能性もあります。たとえば、時間をかけている業務がある場合は、ほかの人の取り組み方を参考にすることで、仕事がスムーズに進められるかもしれません。「自分だけ忙しくしていないか?」と感じる方は、ほかの看護師さんに仕事を割り振ったり手伝ってもらったりすると、担当業務に専念できるでしょう。
現在の仕事に求められる看護のスキルを磨くことによって、業務効率が上がることもあります。「今まで仕事が終わらず残業していた」という方は、お悩みが解決する場合も。専門的なスキルを磨けば、キャリアアップするチャンスもあるでしょう。キャリアアップによって、理想のワークライフバランスを実現できるかもしれません。
1人でワークライフバランスを実現するのは難しいこともあるでしょう。その場合は、同じ悩みを持つスタッフと話し合い、上司に相談することも有効です。「夜勤回数を減らしてもらう」「夜勤の前後はインターバルとして短時間勤務にしてもらう」など、職場全体でシフトの組み方を工夫してもらうよう頼んでみることも一つです。
ライフイベントや家族のことなども含め、長期的なプランを立ててみましょう。将来どのような働き方がしたいかを考えることで、今何をすべきかや、どのような経験が必要なのかが具体的に見えてくるはずです。
たとえば、結婚や出産を視野に入れている方は、日勤のみや時短勤務の働き方も視野に入れてみてください。「残業は避けたいけどキャリアアップしたい」という方は、効率よく働けるように工夫しつつ、空いた時間は勉強や研修参加などにあてると良いでしょう。
今の職場で理想のワークライフバランスが叶いそうにない場合、プロに相談して転職するのも一つの方法です。今の生活や看護師としてのキャリア、今後の目標なども含め、理想のワークライフバランスを一緒に考えてくれるはずです。プライベートを大切にしながら、看護師として長く活躍できる環境について、プロの目線でアドバイスをもらえるでしょう。
日本看護協会の「看護職のワーク・ライフ・バランスの推進ガイドブック(p.66,67)」を参考に、実際の取り組み例を紹介します。
「診療補助といった事務作業に追われ、ケアに集中できない」「時間外労働が多くて定時で帰りにくい」といった声があった大阪府S病院。そこで、以下のような取り組みを行いました。
上記の取り組みの結果、看護師の月の時間外労働時間が半分に減少。認定看護師資格を取得する看護師も増えるなど、スタッフの意欲向上にもつながったようです。
鳥取県W・U病院は、中間理職職の負担が大きいことやスタッフが定着しにくい課題などに悩まされていました。そこで対策として、以下の取り組みを実施。
働き方が多様になったことで、採用数が安定し、管理職もワークライフバランスを維持したまま活躍できる職場になりました。
ここでは、ワークライフバランスにお悩み、レバウェル看護に相談し転職した方の例をご紹介します。
一般企業に勤めながら救急救命士を目指していたTさんは、公務員試験に合格できなかったことから、救急分野の看護師を目指すことになりました。急性期病院へ就職したものの、サービス残業が当たり前で過酷な労働環境に疑問を抱き、相談しても改善されないため5ヶ月で退職を決意。しかし看護経験が浅く、短期退職したため面接へ進める事業所自体がなかなかありません。「労働環境を良くしたい」という熱意を持つTさんの転職をサポートするため、アドバイザーが懇意にしている病院に相談しました。
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会社員から看護師になるも、労働環境が疑問で早期退職。見つけた打開策とは
一般病院で8年の勤務経験がある、シングルマザーのIさん。仕事と子育てを両立していましたが、勤務先の透析センターは常に人手不足で、体力的にも精神的にも限界を感じ退職されました。
心機一転、新しい土地で訪問看護の仕事を探しているというIさんですが、不慣れな土地で担当エリアを回る訪問看護は難しいものです。訪問看護を希望する理由をお聞きしたところ、「夜勤がない」「子どもや趣味の時間を大事にできる」といったものでした。そこで、前職の経験も活かしながら理想の働き方が叶う職場を提案しました。
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子育ても収入も趣味も!理想の働き方を叶える転職で重要なことは?
ここでは、ワークライフバランスに悩み看護師によくある質問を、Q&A方式で解決します。
看護師のワークライフバランスを叶えやすい職場の特徴は、「電子カルテの導入」「無理のない人員体制」など、効率化や余裕のある人材配置を行っていることです。シフト制であれば、希望通りの休みが取得できるかも重要なチェックポイントといえます。
日本看護協会の「看護職の働き方改革」によると、「働き方改革関連法」の施行で「時間外労働の罰則付き上限規制が導入」「労働時間の状況把握や記録」などが進められているので、看護師の労働環境は改善されていくと予想されます。転職の際は、勤務条件だけではなく、応募先が看護師の働き方に関してどのような取り組みをしているのかもチェックすると良いでしょう。まずは病院のWebサイトで確認してみてください。
看護師のワークライフバランスとは、一人ひとりが働きやすい環境があり、仕事以外のプライベートも充実できることを指します。看護師がワークライフバランスに悩む理由には、「勤務時間外に勉強することが多い」「夜勤で生活リズムが崩れやすい」「人手不足で多忙になりやすい」などがあるようです。結婚や出産といったライフイベントの変化によって、仕事と家庭の両立に悩む方も多いでしょう。
ワークライフバランスを両立させるためには、仕事の取り組み方を見直してみたり、働きやすい環境へ転職したりするといった方法があります。しかし、長い目で見てワークライフバランスを大切に働ける職場を探すのは、なかなか難しいものです。
看護業界に特化した転職エージェントの「レバウェル看護」では、キャリアアドバイザーがお悩みをヒアリングし、理想の働き方の実現をサポートします。プロの目線で求人選びをアドバイスいたしますので、視野が広がり自分に合った環境を探せるでしょう。豊富な情報をもとに、希望条件や適性に合った求人をご紹介します。
「すぐには転職を考えていない」という方も、ワークライフバランスに関する相談のみの利用も可能です。話していく中で転職を検討する場合は、求人紹介から面接日の調整、選考対策など幅広く行います。求人情報はLINEやメールで取得可能ですので、ぜひご活用ください。
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