
看護師のなかには、コールセンターで働きたいと考える方もいるでしょう。コールセンターで働く看護師は、その専門性を活かして健康の悩みや薬、医療機器の取り扱いに関する相談などに対応します。
この記事では、コールセンターで働く看護師の仕事内容や働くメリット・デメリットを解説。求められる経験やスキル、向いている人の特徴に加え、転職時のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コールセンターで働く看護師の主な仕事は、電話を通じて相談者の医療的な疑問や健康不安を解消・サポートすることです。勤務先によって対象者やサービス内容は異なり、大きく以下の4つに分類できます。
| 仕事内容 | 働き方の特徴 | 未経験者の挑戦しやすさ |
| 健康相談の対応と受診案内 | 日勤メイン (一部24時間シフト・夜勤あり) | 非対面で相手の状態を迅速に判断するスキルが必要なため、臨床経験が必要 |
| 感染症や予防接種に関する相談の対応 | 日勤メイン・土日祝休み | 明確なマニュアル・対応基準があるため未経験者も挑戦しやすい |
| 医薬品の問い合わせ対応 | 完全日勤帯・土日祝休み | 高度な薬学知識と継続的な学習が必要 |
| 医療機器の操作案内 | 日勤メイン・シフト制 | メーカーの手厚い研修体制があり未経験者も挑戦しやすい |
ここでは、看護師がコールセンターで働く場合の4つの仕事内容の特徴や職場の代表例を紹介するので、参考にしてみてください。
コールセンターで働く看護師の代表的な仕事が、相談者の健康相談対応や適切な受診先への案内です。保険会社のコールセンターに看護師として勤務する場合、加入者からの日常的な健康管理や受診のタイミング、適切な診療科の選び方についてアドバイスを行います。
一方、「#7119」や「#8000」などの自治体から委託を受けた相談窓口の看護師は、急病・けがの際の救急車の要請の必要性の判断(トリアージ)や、夜間・休日で対応可能な医療機関の案内を担当します。
相手の状況に応じた臨機応変な対応が必要ですが、先輩看護師や嘱託・常駐の医師に相談できるサポート体制が整っているケースが多いでしょう。
自治体や委託企業の窓口のコールセンターでは、看護師が感染症や予防接種に関する相談対応を行っています。かつてコロナ禍では多くの自治体で受診やワクチン接種に関するコールセンターが設置され、看護師が対応を行っていましたが、これらはすべて運営が終了し、現在はインフルエンザをはじめとした総合的な感染症相談窓口として一本化されています。
基本的な対応フローが細かくマニュアル化されているため、コールセンター未経験の看護師も挑戦しやすいでしょう。
製薬会社のコールセンターで看護師が患者さまや医療従事者からの医薬品に関する問い合わせの対応を行うこともあります。添付文書に基づく医薬品の正しい飲み方や効能、副作用の説明、保管方法のアドバイスなど、メーカー側の立場としての情報提供を行うのが仕事です。
医療従事者から専門的な確認を受けることもあり高度な薬学知識が求められますが、基礎から学べる事前研修や対応マニュアルを通して専門性を身につけられる職場が多く存在します。
医療機器メーカーでのカスタマーサポートも、コールセンターの看護師の仕事内容として挙げられます。医療機器を使用する医療従事者や患者さまからの問い合わせに対して、操作方法やトラブル発生時の対処法の助言を行うことが、看護師の役割です。
医療機器メーカーでは研修体制が整っているケースが多く、製品の取り扱いに関する知識を十分に学んでから業務に入るため、未経験から挑戦する場合も安心して取り組めるでしょう。
▼関連記事
看護師が病院以外で活躍できる職場を紹介!転職の注意点やポイントも解説
看護師資格が使える珍しい求人は?病院以外に転職できる選択肢を紹介
コールセンターで働く看護師の一日は、受電対応と対応記録の処理を繰り返すのが一般的な流れです。以下に、「健康相談の対応」を行うコールセンター看護師の日勤タイムスケジュール例をまとめました。
| 時間 | 業務内容 |
| 8:45 | 出勤。PCおよび電話システムを起動し、当日の連絡事項や医療機関検索ツールを確認する |
| 9:00 | 朝礼に参加し、チーム内で当日の注意事項や前日からの申し送り事項を共有する |
| 9:15 | 急な体調不良や怪我についての電話を受け、症状の聞き取りと適切な受診案内を行う |
| 12:00 | 窓口の稼働を維持するため、交代で昼休憩をとる |
| 13:00 | 午前に続き、「何科を受診すべきか」「近隣の対応医療機関」などの案内を行う |
| 16:00 | 夕方に増える子どもの発熱相談や、急患の応急手当のアドバイスを行う |
| 17:30 | 当日の電話対応記録に誤りや入力漏れがないか最終チェックを行う |
| 18:00 | 業務を終了し、退勤する |
勤務先のサービス内容により相談内容や対応フローは異なりますが、看護師が一日に対応する件数は20~40件程度が目安です。1件あたりの対応時間は約10~20分で、簡易的な相談であれば数分で終わるケースもあるでしょう。
なお、24時間体制のコールセンターでは夜勤シフトが発生しますが、業務の基本的な流れは日勤と変わりません。また、求人によっては在宅勤務を選択でき、通勤時間を省いて柔軟に働くことも可能です。
コールセンターの勤務形態や業務の流れは職場によって異なるため、自身の希望するライフスタイルに合う働き方かどうかを確認したうえで応募先を選ぶと安心です。
求人情報を参考に算出したコールセンターで働く正社員や非正社員(パート・アルバイト)の給与相場は、以下のとおりです。
| 働き方 | 給与相場 |
| 正社員の給与 | 約20~35万円 |
| 日勤(パート・アルバイト)の時給 | 約1,500~2,500円 |
| 夜勤(パート・アルバイト)の時給 | 約2,000~3,500円 |
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、看護師全体の平均月給(きまって支給する現金給与額)は36万5,900円となっており、コールセンター勤務の給与相場を上回っています。夜勤手当が支給される病院勤務の看護師に比べ、コールセンター勤務は日勤メインの求人が中心となることが理由として考えられるでしょう。
なお、実際の給与額は勤務先の給与体系や労働条件、勤続年数などによって異なります。コールセンターが都市部にあったり、運営規模が大きな企業や自治体関連だったりする場合は、給与水準が高めのケースも少なくありません。
給与の額面はもちろん、夜勤の有無や労働条件など、総合的に自身の希望に合っているかを見極めたうえで応募を検討するのが大切です。
ここでは、看護師がコールセンターで働く主なメリットを紹介します。自身の希望する働き方のイメージと照らし合わせながらチェックしてみてください。
コールセンター勤務は電話を通じた相談対応が中心となるため、直接的な医療行為やケアを実施することはありません。体位変換や移乗介助のような力仕事はなく、看護手技のミスが医療事故につながるプレッシャーも避けられるため、病院勤務に比べると心身の負担を抑えられるはずです。
急病やケガに対する緊急性の高い相談対応を行う職場がある一方で、日常的な健康相談に応じる職場もあるため、自身の希望に合わせて無理のない働き方を選択できます。
▼関連記事
「医療行為なし」の看護師求人を紹介!転職のメリット・注意点も解説
看護師が働くコールセンターは夜勤がない職場が多く、受付時間が決まっていて残業が発生しにくいケースが多く見られます。病院勤務のような突発的な急変や緊急入院対応のような予定外の対応が起こりにくいため、業務スケジュールどおりに退勤しやすい傾向があります。
日曜祝日が休みで日勤のみの働き方が可能な求人も存在するため、規則正しい生活リズムを維持しながらプライベートと両立して働きやすいでしょう。
▼関連記事
看護師が夜勤なしで働ける職場を紹介!日勤メインの年収や転職の注意点も
コールセンターの求人は、雇用形態や勤務スタイルの選択肢が豊富な点も魅力です。正社員求人はもちろん、単発アルバイトや派遣での募集も多く見つけられます。なかには、在宅勤務が可能なコールセンター看護師の求人も存在します。
自身のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能なため、本業の合間の副業や育児・介護との両立を目的に応募するケースも少なくありません。
看護師が働くコールセンターでは、電話対応の接遇マナーや対応フローを段階的に学べる教育体制が設けられている傾向があります。実務に入る前に、マニュアルや過去の事例を使って、受け答えの仕方を一から学べる場合が少なくありません。
さらに、実際に電話対応を行う際も、受け答えに迷ったらその場で相談できる環境が用意されていることが一般的です。
入職後に無理なく仕事を覚えられる体制があれば、病院勤務以外の経験がない看護師の方も、安心して挑戦できるでしょう。
コールセンター勤務には多くのメリットがある一方で、非対面業務ならではの難しさやリスクも存在します。入職後のギャップを防ぐためにも、以下で紹介するデメリットを把握しておきましょう。
コールセンター勤務の場合、電話口のやり取りや声色のみで相談者の状態を判断しなければならない難しさがあります。直接傷病の視覚的変化やバイタルサインの観察も行えない環境で、限られた情報から迅速に判断しなければいけません。
相談内容の緊急性が高いほど、プレッシャーを感じやすいでしょう。
非対面での判断力は実務経験を通して身につきますが、慣れるまでは判断に迷った際に周囲へすぐ相談できるサポート体制のある職場を選ぶと安心です。
コールセンター業務では、体調不良や急なトラブルで不安を抱えた相談者の対応を行うため、クレーム対応を行う機会もあります。電話越しでの対応になるため、対面以上に丁寧な受け答えが必要であり、厳しい意見や苦情を受け止めるなかで精神的な疲労やストレスにつながることもあるでしょう。
クレーム対応は、職場ごとに対応の仕方がマニュアル化されていることもめずらしくありません。対応フローやクレーム対応を行う際のフォロー体制の有無などを事前に確認しておき、無理なく働き続けられそうかをイメージしてみるのが大切です。
コールセンター勤務は直接的な医療行為を行う機会がないため、将来病院へ復帰する際に看護師歴のブランクとみなされる可能性があります。勤務期間が長くなるほど採血や点滴などの手技の感覚が鈍りやすくなり、臨床現場への転職時に選考で即戦力になりにくいと懸念されるケースも否定できません。
将来的に病院への復職を視野に入れている場合は、コールセンターで働く期間をあらかじめ定めておいたり、習得した問診スキルの生かせる外来のような職場へ応募したりするのも一つの方法です。
コールセンター勤務では、相談内容に適した回答をするための臨床経験や説明力はもちろん、デスクワークとして対応記録をまとめるPCスキルも必要です。以下で、コールセンターの看護師に求められる経験・スキルを解説します。
看護師が働くコールセンターでは、非対面で相談者の傷病をアセスメントするため、3~5年以上の臨床経験を求められる傾向があります。特に健康相談の対応では、さまざまな疾患の看護経験から身につく知識や判断力が必要です。
なお、現場管理・スーパーバイザーといった役職者の募集では、スタッフを指導するマネジメントスキルが求められます。より豊富な臨床経験に加え、プリセプター・チームリーダーのような教育担当を担った経験を求められやすいでしょう。
コールセンター業務では電話で話しながらスムーズにタイピングでシステムに入力しなければいけません。対応記録を入力したり、必要に応じて関係施設に送るビジネスメールを作成したりします。
高度なPCスキルが求められるわけではないため、日ごろから電子カルテの入力でPC操作に慣れていれば、問題なく業務に適応できるはずです。
医療系のコールセンターでは視覚情報を共有できない分、専門用語をわかりやすく噛み砕いて伝える説明力が求められます。疾患や症状に関する言葉を、相談者が日常生活で使う表現に置き換えて話せるスキルがあると重宝されます。
相手の理解度に合わせて言葉を選んで説明できれば、スムーズなやり取りにつながり、より多くの対応をこなせる人材として活躍できるでしょう。
▼関連記事
看護師の電話対応のコツは?好印象に繋がる例文や言葉遣いのマナーを解説
ここではコールセンターの看護師に向いている人の特徴を紹介します。どのような適性があるとコールセンター勤務の看護師として働きやすいのか、参考にしてみてください。
多くの相談者は不安や焦りを感じている状況で電話を掛けているため、相手の気持ちに寄り添い丁寧に話を聞ける人がコールセンターの看護師に向いています。相手の状況に共感しながら、相談者が落ち着いて話せるような声掛けをすることが大切です。
相談者が話しやすいような対応ができれば、通話の時間で信頼関係を築けて、より必要な情報を聞き出しやすくなるでしょう。
相談内容を聞く際に、客観的な事実を冷静に受け止めて、自分自身の感情に引っ張られずに対応できる人も適性があります。相談者の状況や感情に直面して自分自身も動揺するのではなく、「今の状況で何をするべきか」を整理して判断しなくてはいけません。
クレーム対応のように相手からネガティブな感情を訴えられる際も、自分を責めて落ち込むのではなく、事実を冷静に受け止められる姿勢があると、無理なく働き続けられるはずです。
コールセンターへの転職を目指す際は、自分の希望の働き方に合う職場を見極めるための情報収集や働く熱意を効果的に伝えるための選考対策を行うことが大切です。ここでは、看護師がコールセンターへの転職を成功させるコツを解説するので、何から始めたらいいか分からない方はご覧ください。
希望の働き方に合う職場を選ぶためには、仕事の希望条件や優先順位を明確にしておくのが大切です。「在宅勤務や単発アルバイト・派遣などさまざまな働き方を選べる」で先述したように、コールセンターは働き方の選択肢が豊富にあります。
仕事の希望条件が抽象的だと、「どの職場が自分に合っているのか」がイメージしにくくなり、応募先を絞るのが難しくなるでしょう。
まずは、希望の働き方を思い浮かべて、「自宅から徒歩圏内」「日勤のみで日祝日休み」など、具体的な条件を書き出してみてください。そのうえで、譲れない条件が何かを整理すれば、仕事選びの軸が定まり、自分と相性のよい職場を選びやすくなります。
入職後に仕事選びのミスマッチに気づくのを防ぐために、事前の職場見学が可能な求人を中心に選ぶのもおすすめです。求人情報だけでは、実際の職場の雰囲気やスタッフの年齢層、電話対応の実際の流れなどがイメージしにくいことが少なくありません。
職場見学ができれば、実際の職場の雰囲気を確認できるのはもちろん、現場で働くスタッフからリアルな働き方を確認できます。「実際に働いていてつまずきやすいことは何か?どのようなフォロー体制があるのか?」など、業務で不安な点も確認しておけば、無理なく働き続けられる職場なのかを判断しやすくなるでしょう。
複数の転職情報サイトに登録して求人を見比べれば、応募先の選択肢が広がります。似た仕事のコールセンターの求人であっても、比較検討してみることで、より自分に合う職場が見つかるかもしれません。
転職情報サイトによって扱う求人の特徴やサービスの強みも異なるので、併用して活用してみるのがよいでしょう。
転職エージェントのレバウェル看護では、コールセンターを含むさまざまな看護師求人を豊富に取り扱っています。キャリアアドバイザーが数多くの求人のなかから、自分の希望の働き方・適性に合う働き方を見つけるサポートをするので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
選考では、「なぜ病院ではなくそのコールセンターで働きたいのか」を明確に伝えて、応募先への熱意をアピールすることが内定獲得のポイントになります。以下では、志望動機や自己PRの伝え方を例文とあわせて紹介するので、応募先への伝え方に迷う方はご活用ください。
志望動機では、働き方の希望だけでなく、応募先の業務のどのような点に魅力を感じたのかを具体的に伝えるのがポイントです。応募先の働き方の特徴を踏まえたうえで、働く熱意をアピールしましょう。
自己PRでは、これまでの看護師経験から応募先で活かせる強みを見つけて、アピールポイントにします。具体的なエピソードも交えることで、説得力が高まり、役立つ人材として評価につながるでしょう。
ここでは、看護師が働けるコールセンターの仕事に興味がある方の疑問について、Q&A形式でお答えします。
「電話越しで状況を迅速に判断しなければいけない」「緊急性が高く焦りで動揺している相談者からクレームを受ける場合がある」のような点に精神的な負担を感じやすいようです。業務の何が大変なのかが気になる場合は、実際にコールセンターで働く看護師の方の口コミを参考にするのも一つの方法です。
職場の教育・フォロー体制によっては、職員の働きやすい環境を確保するための取り組みが実施されているケースもあるため、応募先の求人情報を丁寧にチェックしてみるのがよいでしょう。
夜勤シフトがあり、運営規模が大きなコールセンターであれば、時給3,000円以上のパート・アルバイトの求人が見つかる可能性があります。求人サイトの絞り込み検索を活用すれば、高時給のコールセンターの仕事が見つかりやすくなるでしょう。
看護師を募集しているコールセンターの求人で、どれくらいの給与が多いのかは、本記事の「看護師がコールセンターで働く際の給与相場」で解説しているので、参考にしてみてください。
コールセンターの看護師求人は正社員だけでなく、単発のアルバイトや派遣など、さまざまな雇用形態の仕事を見つけられます。近年では在宅勤務が可能な求人が増えており、ライフスタイルに合わせた働き方を選びやすい点が魅力です。
仕事選びのミスマッチを防ぐためにも、雇用形態や労働条件だけでなく、実際の業務内容・待遇などを丁寧に調べて、無理なく働き続けやすいかどうかを見極めましょう。
コールセンターで働く看護師は直接的な医療ケアがなく、日勤メインのデスクワークで心身の負担を抑えて働ける点が魅力です。病棟勤務とは異なり電話越しでの適切な状況判断や丁寧な説明力が求められますが、事前の研修体制が整った職場も多いため、コールセンター勤務が未経験の方も挑戦しやすいでしょう。
コールセンターでの働き方に魅力を感じても、求人情報だけでは実際の職場の雰囲気や自分との相性を判断するのは難しい場合が少なくありません。「自分に合う職場を見極めたい」「本当に転職すべきか迷う」という方は、ぜひ「レバウェル看護」にご相談ください。
「レバウェル看護」では、職場の雰囲気に関する情報提供を受けられるほか、LINEで気軽にキャリアアドバイザーへ相談できます。転職を決断していない段階から無料で利用できますので、まずは気軽にお問い合わせください。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載
「レバウェル看護」転職サポート
Q.現状はどちらに近いですか?