
看護師のなかには、コールセンターで働きたいと考える方もいるでしょう。コールセンターで働く看護師は、その専門性を活かして健康の悩みや薬、医療機器の取り扱いに関する相談などに対応します。この記事では、コールセンターで働く看護師の仕事内容や働くメリット・デメリットを解説。求められる経験やスキル、向いている人の特徴に加え、転職時のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コールセンターで働く看護師の仕事内容とは、電話をとおした、お客さまの医療問題の解決・サポートなどです。勤務先により受信が主、発信が主など、サービス内容は職場によってさまざま。看護師は医療職の専門知識を活かし、日頃の健康問題や子どもや高齢者の体調不良、生活習慣病予防、急変時の緊急相談などに対応します。
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コールセンターで働く看護師の仕事の一つは、健康相談のサポートです。健康状態に関する相談対応では、以下の対象者に対し、救急や健康の相談をします。
| 対象者 | 仕事内容 |
| ・保険会社・共済組合の加入者 ・ホームセキュリティーサービスの利用者 ・コールセンターと連携している介護施設のスタッフ | ・子どもの発熱 ・健康維持や救急に関する相談 ・介護施設の利用者さまの転倒や体調不良 |
感染症が流行する時期は、健康相談の件数が増加する傾向にあります。夜間の相談を受け付けている職場もあるようです。
電話の相手から聞き取った症状から健康状態を把握し、以下の内容を行うのもコールセンターで働く看護師の仕事です。
| 対象者 | 仕事内容 |
| ・医療施設や介護施設と連携しているコールセンターの利用者 ・救急相談センター ・自治体が設置する感染症等の問い合わせ・窓口の利用者 | ・問診 ・受診タイミングの助言 ・配食の手配 ・救急車への通報判断 ・近隣の医療機関の案内 ・医療機関との連携 |
スムーズに受診できるように、保健師や医療事務などとも協力しながら医療機関と連携を取ります。
コールセンターで働く看護師は、感染症にかかった人からの相談やワクチン接種後の症状への相談などにも対応します。
| 対象者 | 仕事内容 |
| ・自治体が設置する感染症等の問い合わせ窓口の利用者 ・自治体から委託を受けた企業の窓口の利用者 | ・感染症の自宅療養者の症状・受診相談 ・療養後の後遺症への相談 ・ワクチンの副反応へのトリアージ ・医療機関への要受診者の情報提供 |
自治体の相談窓口のほか、自治体から委託を受けた企業の窓口をとおして電話を受けることもあります。
薬に関する相談対応では、正しく服薬できるように以下のような仕事も担当しています。
| 対象者 | 仕事内容 |
| ・製薬会社の問い合わせ窓口の利用者 | ・薬の飲み方や取り扱いの指導 ・薬の効能や副作用に関する説明 ・医療職への医薬品の説明 ・問い合わせ内容をまとめた資料作り |
製薬会社のコールセンターでは、医師や薬剤師といった医療職に医薬品の説明を行う場合もあるでしょう。
医療機器の問い合わせ対応も、コールセンターで働く看護師の仕事です。医療従事者からの製品トラブルの相談や購入検討中の医療機関への対応があるので、看護師として医療機器を扱った経験が大いに活かせるでしょう。
| 対象者 | 仕事内容 |
| ・医療機関の購入担当者 ・看護師や薬剤師 ・医療機器メーカーの問い合わせ窓口 ・医療機器を使用する患者さま | ・機器の取り扱い方法の説明 ・製品トラブルの相談 ・購入を検討している医療機関への対応 ・機器の使用相談や使い方の説明 |
患者さまにインスリン注射器・血糖値測定器やバルーンカテーテルの使い方を説明したり、使用に関する相談を受けたりすることもあります。
コールセンターで働く看護師は、保険会社が運営するコールセンターの利用者さまに向けて、以下のサービスを提供する場合もあります。
| 対象者 | 仕事内容 |
| ・保険会社が運営するコールセンターの利用者 | ・健康や疾病に関する相談 ・病院受診の相談 ・救急外来への受診判断 ・受診時の医療機関との連携 |
受診の緊急性が高い際に、救急外来への連携を行うことも、コールセンターで働く看護師の仕事内容の一つです。
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看護師がコールセンターで働くメリットには、「残業が発生しにくい」「デスクワークで身体的疲労を減らせる」「直接的なケアがないため精神的な負担が少ない」などの理由があります。各項目を詳しく解説しますので参考にしてみてください。
コールセンターは受付時間が決まっているので、残業は少ない傾向にあります。プライベートと両立しやすいといえるでしょう。夜勤がない場合は、生活リズムも整い、日中の決まった勤務時間で生活リズムも整いやすいといえます。一方、急患対応や看護記録の記入などで、残業が発生することもある病院です。
コールセンター勤務はデスクワークで体力の消耗が少ないので、身体的疲労を減らせるといえます。病院や介護施設では以下のような力のいる作業があり、基本的に立ち仕事です。
自身の病気やケガによって医療機関で働くのが難しい看護師にも、働きやすい環境といえるでしょう。
医療系のコールセンターは、直接的なケアが必要でない分、精神的な負担は少ないといます。病院やクリニックなどの医療機関では、以下のように、高い集中力や細かな確認が必要です。
これらの医療ミスは、感染症・医療ミスなどのリスクと隣り合わせなので、不安やプレッシャーを生むでしょう。コールセンターでは直接患者さまへの処置をしないので、命に関わる精神負担は和らぐといえます。点滴や採血などの手技が求められないため、募集要件を満たしていれば、医療機関での勤務経験が浅い方も応募できます。
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コールセンターは業務に入る前に、言葉遣いや提供サービスの手厚い研修があったり、開始直後は先輩のサポートもある傾向にあります。電話越しで信頼を獲得するための話術やマナーが身につくでしょう。電話応対に自信がない場合でも、研修を通して言葉遣いやサービスの知識を学べるので、デスクワーク未経験の看護師も挑戦できる仕事だといえます。
ここでは、看護師がコールセンターで働くデメリットとして、「電話のみでの状況判断」「クレーム対応によるストレス」「看護師歴のブランクになりやすい」などを紹介します。
電話のやり取りだけで状況を判断するのが難しいのは、看護師がコールセンターで働くデメリットの一つです。表情や顔色、声色などの非言語的コミュニケーションで判断できないので、状況や症状を正確に把握するのが難しいといえます。「何時間、症状が続いているか」といった具体的な質問で、状況を絞り込む力が必要です。
コールセンターで働く場合、看護師は苦情・クレームに耳を傾けなければならない場合があります。顔が見えない分、電話越しに不満や不信感を強い口調でぶつける方も。ときには理不尽な要求もあり、言葉を受け止める看護師は疲労やストレスを感じることもあるでしょう。
コールセンターの業務は、医療的ケアを行わないので、のちに病院勤務を希望する際にブランクと捉えられてしまう可能性もあります。転職で不利になる場合もあるため、注意が必要です。一方で、コールセンターで得た豊富な医療知識や接遇スキルは、幅広い場で役立てられるので自身の人生設計次第といえるでしょう。
ここでは、看護師がコールセンターで働く際に求められる経験とスキルの「臨床経験」「PCスキル」「説明力」について解説します。コールセンター勤務を目指す方は、ぜひご一読ください。
コールセンターでは直接的な医療ケアは行いませんが、正看護師・准看護師の資格を持っていることで応募可能な仕事もあります。医薬品メーカーの問い合わせ窓口や在宅療養患者の相談対応では、応募に3~5年以上の臨床経験を求められる場合も。応募前には募集要項を丁寧に確認しておきましょう。
専門的なPCスキルが必要なわけではありませんが、問い合わせ内容の記録や情報収集をPCで行うため、基本的なPC操作スキルやメール操作のスキルが必要です。Word・Excelなどの文章作成ソフトや表計算ソフトの使用経験が求められることもあります。電子カルテの入力でPCを使っているといった場合は、業務に慣れやすいといえます。
医療系のコールセンターでは、視覚による情報を相手に見せられない分、専門用語を分かりやすく説明する力が求められます。疾患名を相手が日常的に使う言葉に置き換えて話せる力があると、重宝されるでしょう。たとえ話ができるスキルも、より相手の理解を助けられるといえます。血圧の説明をホースや水にたとえて説明するなど、病態や身体の仕組みを分かりやすく伝えられると活躍しやすいでしょう。
ここでは、看護師としてコールセンターで働くのに向いている人の特徴として、「相手目線で冷静なコミュニケーションをとれる」「事実と自分の感情を切り替えて仕事ができる人」について解説します。
基本的に問い合わせや相談などの受電が多いので、相手の話をよく聞き、正確に理解できる力が求められます。相手の話や声色から「どのような症状に困って相談したのか」「緊急性はあるのか」といった内容を判断する必要があるためです。電話の内容だけで適切な判断をする必要があるため、相手に寄り添いつつも、臨機応変に対処する冷静さも必要です。
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起きている事実と自分の感情を切り替えて仕事ができる看護師は、コールセンターで働くのに向いているでしょう。コールセンターでは、クレーム対応で否定的な言葉を向けられたりすることもあるため、ストレス耐性が高く、自身の感情と状況を切り離せる人は仕事に適応しやすいといえます。プライベートの時間は仕事のことは考えず、自分でリフレッシュできる人はコールセンターの仕事を続けやすいかもしれません。
職業情報提供サイト(日本版O-NET)の「コールセンターオペレーター」によると、コールセンター求人の月額賃金は23.2万円です。ただし、看護師が働くコールセンターは、看護師免許が必要なことから、一般的なコールセンターに比べて給料の相場が高い傾向にあります。コールセンターで働く看護師の目安の給与は、以下のとおりです。夜勤の有無や会社の規模、地域などによっても金額は異なるため、あくまで月収を考える参考としてご覧ください。
| 正社員の給与 | 約20万円~35万円程度 |
| 日勤の時給 | 約1,500円~2,500円程度 |
| 夜勤の時給 | 約2,000円~3,500円程度 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師全体の給与は約36万円。働き方にもよりますが、コールセンターに正社員として勤務する看護師の給料は、看護師平均よりも少し低い程度といえます。コールセンターで高収入を狙いたい場合は「夜勤あり」にしたり、大阪・東京・名古屋・福岡などの都心部で会社規模の大きな求人を探したりするのも一つです。
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看護師がコールセンターに転職する際は、「医療機関のコールセンターならではの役割を理解する」「日勤や夜勤の働き方の違いを知る」「志望動機や自己PRで熱意を伝える」などがポイントです。
専門性を発揮して、世の中に貢献することが、医療機関のコールセンターならではの役割といえるでしょう。医療機関のコールセンターは、ケガの応急処置や病気の判断・対処など、緊急性を要する問い合わせが多いのが特徴です。看護師には、ケガへの処置や病気に合わせた服薬の種類といった医学的知識を活かし、対応することが求められます。
看護師が働くコールセンターには日勤のほかに、24時間体制の職場もあります。24時間体制の場合、「日勤と夜勤の両方」または「夜勤のみ」の働き方も選択可能。日勤は、健康・介護・医療機器に関する相談が多いのが特徴です。日勤の仕事は「子どもの体調不良」「介護やメンタルヘルス相談」「感染症にかかった方からの相談」に加え、「コロナウイルス関連の健康観察」「医療機関との連携」があります。
夜勤は、「発熱などの赤ちゃんの体調不良」「高齢者の転倒や急変」「医療機器の故障や使用トラブルへの相談」など緊急性の高い対応が多いのが特徴。迅速な判断をするために、夜勤勤務にはある程度の経験やスキルが求められます。
求人へ応募するにあたり、自己PRや志望動機を作成する際はコールセンター業務への適性をアピールすることが重要です。臨床経験がある方は患者さまとのエピソードを交えると具体性が出るでしょう。看護師経験がない場合は、看護学校で身につけた知識や、接客の経験をアピールするのも一つです。必要に応じて、転職エージェントに相談して内容を洗練させましょう。
以下のように、医療機関のコールセンターに特化した志望動機で説得力を出しましょう。
電話によるコミュニケーションでさまざまな年代のお客さまの健康支援ができる、貴社の仕事内容に惹かれております。前職では、病院の外来看護師として、幅広い年代の患者さまと接しておりました。一般のお客さまからの問い合わせが多い貴社で、医療の専門用語を分かりやすく説明する力を活かしたいと考えております。
「シフト制で働きやすそう」「残業がない」などの働き方だけではなく、看護師の役割や仕事内容への理解をアピールするのがポイントです。
自己PRは、医療知識を活かした患者さまへの対応力や、コミュニケーションで心がけていることを書くのがポイントといえます。
これまで、小児科の看護師として〇年間勤務しておりました。小児科では、患者さま自身で痛みや症状を具体的に説明できないため、保護者の方との細やかなコミュニケーションが重要です。その経験から、相手の話を丁寧に聞き、状態を正確に把握する力が培われたと自負しております。この経験を活かし、貴社の電話での問診や応急処置を指示する業務に貢献できれば幸いです。
電子カルテの操作経験も書くと、「すぐに業務に慣れてもらえそうだ」と採用担当者に安心感を与えられるので、必要に応じて記載しましょう。
ここで、コールセンターの看護師求人に興味がある方の疑問について、Q&A形式でお答えします。
コールセンターの仕事が大変で、辞めたいと感じる看護師もゼロではありません。電話越しのコミュニケーションに難しさを感じたり、クレームや苦情の対応でストレスを抱えたりする方も。この記事の「看護師がコールセンターで働くデメリット」を確認し、自分に合っているかどうか検討してみましょう。
経験を積むことでスーパーバイザーとして現場リーダーを任されたり、センター長になったりする道があります。リーダーやセンター長になると、新人育成や医療職の知識を活かした難易度の高い問い合わせ対応のほか、応答率といったセンターの数値管理などに携われます。医療知識や対人での調整力を活かし、企業看護師や治験コーディネーターやフィールドナースへの転職も目指せるでしょう。
コールセンターの看護師の給与は職場によって異なりますが、看護師資格が求められる求人の場合、高時給の可能性もあります。夜勤の場合は、時給3,000円を超えるアルバイトやパートもあるでしょう。コールセンターの給料が気になる方は、この記事の「看護師がコールセンターで働く際の給与相場」を参考にしてみてください。
コールセンターの求人は単発のアルバイト、パート、派遣で募集されていることもあります。医療現場に比べて、体力的な負担や残業が少ない傾向にあるため、無理なく働けば疲れは溜まりにくいでしょう。在宅で可能な求人もあるので、口コミも参考にしながら自分に合った働き方ができるか検討し、応募するのがおすすめです。転職エージェントで非公開求人を調べるのも有効です。
コールセンターで働く看護師は、電話でお客さまの医療問題の解決・サポートなどをします。看護師は医療職の知識を活かし、健康問題や子どもや高齢者の体調不良、生活習慣病の予防、急変時の緊急相談などに対応する役割を担います。
仕事内容は、「健康相談のサポート」「自宅療養者向けの健康観察と助言」のほか、「ワクチン接種や感染症に関する相談対応」「医薬品の問い合わせ対応」「医療機器の問い合わせ対応」「保険会社の相談窓口」など。
「残業が発生しにくい」「デスクワークで身体的疲労を減らせる」「直接的なケアがないため精神的な負担が少ない」などがメリットです。一方で、「電話のみでの状況判断」「クレーム対応によるストレス」「臨床現場の業務がなく看護師歴のブランクになりやすい」といったデメリットも。
求められる経験とスキルには、「3~5年以上の臨床経験」「文書やビジネスメールを作成できるPCスキル」「専門用語を避けられる説明力」などがあるでしょう。「相手目線で冷静なコミュニケーションをとれる」「事実と自分の感情を切り替えて仕事ができる人」は、コールセンターの看護師に向いているといえます。
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