
基本的に、妊娠中の看護師が転職できないということはありませんが、妊娠中の転職は慎重に検討すべきです。
この記事では、妊娠中の転職に関わる産休や給付金、妊娠中の転職の考え方を解説します。
結論からいうと、看護師は妊娠中であっても転職できます。ただし、採用してくれる病院や自分が行える仕事内容には制限が出てくるでしょう。また、本来受けられるはずの育児休暇や給付金についても注意が必要です。以下で詳しく解説します。
転職直後でも基本的に育児休業は取得できます。2022年の法改正によって雇用期間の条件は撤廃されたため、勤続年数にかかわらず取得は可能です。ただし、労使協定の内容次第では育児休業の対象外となる可能性があるため、転職先の規定を事前に把握しておきましょう。また、有期雇用の場合は契約更新に関する要件を満たす必要があります。
育児休業給付金に関しても、条件を満たせば転職後1年未満の受給は可能です。ですが、育児休業給付金は育児休業の取得者のみが受け取れる給付金のため、求人を選ぶ際は注意するようにしてください。
転職しようと思っても、妊娠中の看護師の場合採用してくれる職場は限られてしまうでしょう。たとえば、座り仕事がメインの検診センターや、イベント会場で救護を行う短期のイベントナースなどが挙げられます。妊娠中は極力体への負担を避けなければならないため、夜勤のある病院やフルタイム勤務を募集する職場への転職は難しいでしょう。
体のことを考慮すると、妊娠中の転職活動はおすすめできません。詳しくは後述しますが、妊娠中は転職せず、現職で産前休暇や育児休暇をとるほうが良いといえます。どうしても転職の必要がある場合は、前述した座り仕事がメインの単発・短期のアルバイトを安定期に行うことが望ましいでしょう。
ここでは、転職の検討中に妊娠した場合にどうすれば良いか、その後の選択肢についてご紹介します。
転職を考え始めた、または転職活動中の場合はいずれも保留して、現職での産休・育休を検討するのがおすすめです。「転職直後でも休暇や給付金はもらえる?」でも解説しましたが、妊娠中に転職してしまうと、育児休業や育児休業給付金の条件を満たさない可能性があります。転職理由が給与アップ・キャリアアップなどであった場合は、転職先が制限される妊娠中の転職はなおさら控えるべきといえるでしょう。
退職後に転職活動を始めるつもりで、前の職場をすでに辞めてしまったという場合は、パート・アルバイトとして働ける職場を探してみましょう。正社員としての転職は難しいものの、期間が限定的な非正規雇用であれば妊娠中でも採用の可能性があります。自分の体調や赤ちゃんのことを最優先に考え、出産予定の病院の医師や看護師、助産師などと相談しつつ働きやすい仕事を見つけましょう。
妊娠が発覚したら転職活動をストップすると同時に、現在の職場を退職するという選択肢もあります。妊娠中はつわりをはじめとする体調の変化が増えるため仕事がつらくなったり、「出産後は家事と育児に専念したいかも」と考えが変わったりすることもあるでしょう。
ただし先述したように、妊娠が発覚したときは産休・育休の取得がおすすめです。退職してしまうと、もし復職したいと思ったときに、出産・育児明けのブランクが選考で不利になることもあります。休職であれば育児が落ち着いた後、問題なく看護師に復帰できるので、ブランクを気にせず再び働けるようになるでしょう。
ここでは退職・転職をしない場合に、現在の職場で妊娠中の看護師がすべきことをご紹介します。
妊娠が発覚したら、早めに職場に報告しましょう。一般的に安定期といわれる妊娠12週目以降になるまで報告を待つ方もいますが、その前につわりが悪化して働けなくなる可能性も考慮し、早めに報告したほうが安心といえます。
妊娠の報告をした後は、産休に備えて引き継ぎの準備をしましょう。早めに準備をしておくことで、周囲に迷惑をかけずスムーズに休職できます。体調不良で急な休みを取るときもほかの看護師が対応できるように、少しずつ引き継ぎの書類を作成したり口頭で自身の仕事の状況を共有したりしましょう。
夜勤やフルタイム勤務といった体に負担がかかる業務を避けるため、上司と働き方の相談も進めていきましょう。勤務時間の変更や夜勤の免除などがあれば、それらをほかの看護師に交代・穴埋めしてもらう必要があります。妊娠報告や引き継ぎの準備と同様、早めに話を進めていきましょう。
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ここでは、出産や育児に関わる給付金の種類について簡単に解説します。給付金を受け取ることで出産や子育ての金銭的な負担が軽減されるので、妊娠中の看護師は以下について認識しておきましょう。
出産手当金は、出産を控えて仕事を休んだ方が受け取れる手当です。出産日(出産予定日)の42日前から56日後まで、支給開始以前12ヶ月の標準報酬月額平均÷30×3分の2の金額を受け取れます。なお、この期間中に職場から給与が支払われていた場合、給与を受けた期間は出産手当金の支給対象外です。
出産一時金は、健康保険の被保険者や扶養家族が出産したときに受け取れる手当です。出産した赤ちゃん一人につき、50万円が支給されます。出産一時金は健康保険に加入している方なら誰でも受け取れるため、転職直後であっても問題ありません。
育児休業給付金は、出産後に育児休暇を取得した際に受け取れる手当です。雇用保険に加入していて、かつ育休取得以前の2年間に被保険者期間が12ヶ月ある方が支給対象になります。支給される金額は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%です。(ただし、育児休業開始から6ヶ月経過後は掛け率が50%になります)
看護師の方のなかには、転職直後に妊娠が発覚したというケースも見受けられます。たとえ転職直後であっても、自身の体調を最優先に早めに職場へ報告しましょう。「転職直後なのに迷惑をかけてしまう」と引け目を感じる必要はありません。
これまでに解説したとおり、官公庁や公的機関の最新情報を適宜確認しながら、出産・育児に関わる給付金や制度を最大限活用することをおすすめします。
転職直後の妊娠で人間関係を悪化させないコツは、無理のない範囲で仕事に真摯に取り組むこと。「復職してからまた頑張りたい」という気持ちが仕事の姿勢から伝われば、同僚や上司も温かい目で見守ってくれるでしょう。円満に産休に入りスムーズに復職できるよう、少しずつ信頼関係を築いていくことが大切です。
ここでは、看護師の「妊娠中の転職」に関してよくある質問を紹介します。
プライベートな情報のため、自ら伝える必要はないでしょう。たとえ採用担当者からの質問であっても、出産に関する内容は男女雇用機会均等法に抵触する可能性があるため、詳しく伝える必要はありません。ただし、不妊治療によって勤務時間の調整が必要な場合や、業務への影響が考えられる場合は、あらかじめ面接で伝えておいたほうが良いといえます。
産前・産後の休業は労働基準法で認められている制度であり、就業期間や雇用形態にかかわらず取得することが可能です。ただし、中には「精神的な負担を軽減したい」といった理由から、妊娠を期に退職する看護師もいると考えられます。詳しくは、この記事の「退職する」をご覧ください。
派遣看護師が妊娠した場合は、派遣会社とその後の働き方を調整することになります。一定の条件を満たしていれば産休や育休を取得できるため、産休に入るまでは自分にできる業務を進めることになるでしょう。ただし、手続きのスムーズさやサポート体制の充実度は派遣会社によって異なるため、事前に調べておいたほうが確実です。
通院や入院が必要な場合は、シフトの融通がきくパートや派遣などの働き方を選ぶと良いでしょう。また、不妊治療の方法によっては、職場を変えなくても仕事と両立できる可能性があります。詳しくは、「看護師の妊活について考える〜不妊治療と仕事の両立は可能か?~」の記事をご覧ください。
妊娠中であっても転職自体はできるものの、転職直後は育児休業の取得や受け取れる給付金の種類が制限される可能性があります。そのため、転職を考えていたときに妊娠が分かった看護師の方は、焦って退職するよりも現職で産休・育休を取得するのがおすすめ。職場への報告や引き継ぎは早めに行い、円満に出産の準備に入れるようにしましょう。
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