
術後出血は、周術期の看護において注意するべき合併症の1つです。原因やリスク、観察ポイントを理解して、術後出血が起きた際には早期発見・対策することが大切です。
この記事では、術後出血の基本知識について解説します。また、早期発見するために必要な観察項目や看護計画についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

術後出血が起きる原因はたくさんありますが、主な原因は、以下の3つです。
原因を理解しておくと出血の早期発見につながるため、早い段階での止血も可能です。ここでは、それぞれの原因について解説します。
術後出血が起きる原因の1つとして、手術時の止血が不十分であるケースが挙げられます。たとえば傷口を塞ぐ縫合が甘かったり、手術時に別の場所を傷つけてしまっていたりする場合です。
特に血管が硬い方やもろい方は血管壁の強度が弱く、健康な血管を持つ方に比べて止血に時間がかかります。そのため、高齢の患者さんや動脈硬化、単純性紫斑病などを抱える患者さんなど血管壁が弱くなっている可能性がある場合は十分な止血を行わないと術後出血も起きやすくなります。術後出血のリスクも考え、注意深く観察しましょう。
手術によって体が侵襲を受けると、循環血液量の変化や炎症反応が引き起こされることがあります。術前や術後の検査で、血液凝固に関連した検査値が異常を示していると止血されにくく、術後出血が起こりやすくなるのです。血液凝固因子は出血した傷口を塞ぐ役割を果たすため、値が異常値を示していると再出血しやすくなります。
術後出血の看護において、血液凝固因子の値は重要です。術前にも、血小板の数やプロトロンビン時間など検査値を確認して、出血しやすい状態なのかを把握しておきましょう。
手術前に抗凝固剤を内服していると通常よりも止血しにくいため、術後出血が起きるリスクも高まります。抗凝固剤は血液が凝固するのを防ぎ、血栓の形成を予防する目的で使用される薬剤です。血液をサラサラにする働きがあるため、一度止血を確認できても、術後の体動によって再出血を伴うおそれもあります。
手術の数日前になると、抗凝固剤が中止になる指示が出されるので、患者さんが服用を中止できているか確認しましょう。

術後出血が進行すると体内に循環する血液量が低下し、循環血液量減少性ショックが起きる可能性があります。以下は、循環血液量減少性ショック時に見られやすい5つの兆候です。

術後出血によるショックを疑う場合は、まず顔面蒼白や四肢冷感が起きていないかを確認しましょう。特に顔面蒼白は、ショックによる典型的な兆候のため、見逃さないことが大切です。
術後出血により、循環血液量減少性ショックが起きると、血圧低下や頻脈などの症状が見られます。実際のショックの診断では、「収縮期血圧が90mmHg未満もしくはいつもの血圧から30mmHgの低下が見られる」「心拍数は100回/分以上」と定義されています。しかし、術後出血の初期では交感神経が優位となり、血圧が維持されている場合もあるので注意しましょう。
また、血液には酸素を運搬するヘモグロビンが含まれているため、循環血液量が減ると、手指のチアノーゼや頻呼吸、酸素飽和度の低下などを引き起こす場合もあります。
術後出血を早期に発見するには、以下4つの観察項目が重要です。
観察項目に関する理解が足りず異常を見逃してしまうと、術後出血に対して早期に対処できず、状態を悪化させるリスクがあるため注意が必要です。
ここでは、それぞれの項目について観察項目やポイントを解説します。
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術後出血を早期発見するには、バイタルサインの確認が必要です。バイタルサインは、患者さんの生命機能の状態を数値で示しているため、確認により異常を早期発見できます。
変化にいち早く気付けると、術後出血に対して早期に対処できるため、状態悪化を防げます。バイタルサインを確認する際は、表情や顔色など視覚的情報もあわせて注意深く観察しましょう。
ドレーンの挿入を伴う手術のあとは術後出血の有無を判断するために、排液の量と性状をこまめに観察しましょう。術後出血が起きていると、ドレーンバッグ内に血性の排液が通常よりも多く確認されます。

患者さんの体格によっても異なりますが、目安として1時間に100ml以上血性の排液が見られたら、術後出血の疑いがあるとされています。また、ドレーン挿入直後だけでなく、時間が経過しても血性の排液が続いたり、淡血性や漿液性から血性に変わったりした場合も注意が必要です。
ドレーンを挿入した患者さんを担当する場合は、ドレーンの排液の量と性状を注意深く観察し、異常があれば医師に報告しましょう。
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血液検査の結果は、術後出血を早期発見するために重要な観察項目のため、必ず確認しておく必要があります。術後出血を判断するためには、以下の血液検査項目を押さえておきましょう。
それぞれ血液凝固に関わる検査項目です。異常値を示していると、術後出血が疑われます。
術後出血が悪化すると循環血液量も減少し、尿量も低下します。体格に合った尿量を把握するには、「0.5ml×体重×時間」の数式に数値を当てはめて計算しましょう。
尿量が計算した数値を下回っていると、術後出血により循環血液量が減少している可能性があります。循環血液量が低下した状態は、臓器不全のような命にかかわる合併症を引き起こすリスクもあるので、尿量の変化は重要な観察項目といえるでしょう。
術後出血が起きた場合は、保存的治療と再手術による止血の2種類の治療法が一般的です。治療方法は、術後出血の程度や原因をアセスメントしたうえで、適切な方法が選択されます。
保存的治療には種類が複数あり、以下が代表的な治療方法です。
保存的治療では、上記の方法を単独または組み合わせて出血の対応をします。
一方で術後出血の程度が重篤な場合は、再手術による止血処置が必要です。多量出血は循環血液量減少性ショックを引き起こし、臓器不全などの命に関わる合併症を起こすおそれがあります。
続いて看護計画の例を解説します。術後出血の看護計画を立案する際は、ぜひ参考にしてください。
今回の目標は「術後出血を起こさずに過ごせる」として、以下の看護計画を立案しました。
【O-P(観察)】
【T-P(実施)】
【E-P(教育)】
上記の看護計画はあくまで例です。実際の現場では、それぞれの患者さんの状態に合った看護計画を立案・実施することが大切です。

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Q. お礼奉公中でも転職は可能?
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