
看護していると「環境整備って本当に必要なの?」と疑問を感じることがあるかもしれません。しかし、環境整備を怠ると患者さんに危険をおよぼす可能性があります。
この記事では、環境整備が看護に必要な理由や手順、実践方法を分かりやすく解説しています。環境整備を理解することで、患者さんに安全かつ質の高い看護を提供できるでしょう。

看護における環境整備の目的は、大きく分けて以下の3つです。
整っていない環境での療養生活は、患者さんにとってストレスの原因であり、心身の回復を妨げます。さらに安全性や清潔を保てないため、思わぬ事故やトラブルの要因になるおそれがあるのです。

たとえば、輸液管理中の患者さんの周囲に、物が散乱していたとします。そうすると、トイレに行く際、点滴棒が物に引っ掛かりバランスを崩して転倒してしまうかもしれません。
治療中や術後の患者さんなどは、状態によって周囲への配慮が至らない場合もあるため、自分で整理整頓をしたり安全を確保したりが難しいケースもあります。看護師が環境整備を徹底することで、安全が保たれるのです。
環境整備を行う際には、患者さんの安全を確保するだけではなく、快適な空間を作り出すことが大切です。患者さんに対するストレスの原因は、目に見えるものだけではありません。匂いや空気、音なども原因につながります。患者さんのストレスをなくすことは、身体機能の向上につながり、回復を早めることも期待できるのです。
また、看護師にとっても患者さんの療養環境が整っていることで、業務の効率化につながります。
正しく環境整備を行うことで、患者さんと看護師のどちらに対しても良い影響があるといえるでしょう。
環境整備を行う際には、以下の目標を意識してみましょう。
なかには業務が立て込み、環境整備に時間を費やすことにためらいを感じてしまう方もいるかもしれません。
一般的な企業において環境の作業改善を図るための考え方に、「5S」と呼ばれる技法があり、内容は以下のとおりです。
5Sは職場の安全性や生産性の向上が期待されており、内容は環境整備と似ています。環境整備は、患者さんの快適な環境づくりだけでなく、看護師の働きやすい環境づくりでもあるのです。
効果的な環境整備を行うには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。ただ単に物の配置を整えたり物品を拭いたりするだけでは、環境整備の目標を達成することは難しいでしょう。

環境整備の1つひとつに行う理由があります。これから説明する看護手順や注目するべきポイントについて理解し、効果が期待できる環境整備を実施しましょう。
環境整備の手順は以下のとおりです。
環境整備は患者さんとコミュニケーションを取れる機会でもあります。患者さんと会話しながら、看護に必要な情報も取れるように意識しましょう。
実際にいくつかの手順におけるポイントを解説します。
環境整備をスムーズに行うには、事前の準備が大切です。必要な物品には以下のものがあります。
スタンダードプリコーション(標準予防策)を守ることは、看護師の感染予防にもつながります。患者さんの個別性に配慮して、ほかにも必要な物品があれば準備しましょう。
入院中に転倒や転落、挿入物の抜けなどを起こさないための予防策を取ることが大切です。具体的な方法として、以下の点に留意しましょう。
指示が理解できなかったり安静度が守れなかったりする患者さんには、離床センサーやセンサーマットなどの検討が必要です。
環境整備では、患者さんのADLに合わせた予防策を取ることがポイントです。患者さんができることと、できないことを踏まえて環境整備をしましょう。
入院されている患者さんは、免疫力の低下や治療などによって、感染を起こしやすい状態になっているかもしれません。患者さんの生活環境にある、オーバーテーブルやベッド、床頭台などを常に清潔に保つことは、感染の予防に有効です。
消毒クロスで拭く際のポイントは以下のとおりです。
拭き方を工夫することで、より長い時間清潔を保持できます。
患者さんにとってのストレス要因を取り除くことも重要です。ストレスは心身ともに影響をおよぼすおそれがあります。入院生活における主なストレス要因は以下のとおりです。
上記のストレス要因を取り除くためには、以下の方法に取り組みましょう。
ストレスのない快適な環境を整えることは、患者の回復を早めることにもつながります。
ここまでは、成人の患者さんを対象とした環境整備について説明してきました。年代によって環境整備における留意点は異なります。なかでも注意が必要な年代は新生児や小児、高齢者です。
それぞれの年代における留意点を解説します。
新生児や小児は、ベッドからの転落やベッド周囲での転倒のリスクがあります。目を離したわずかな時間に、ベッドから降りてしまう可能性もあるため注意が必要です。子どもの目線に立ち、障害物やベッドから降りるための踏み台が置かれていないかなどを観察しましょう。
ほかにも、新生児や小児の手が届く所に危険物を置かないことも大切です。新生児や小児は、何でも物を運ぼうとする傾向があります。食べ物以外の物も口に含んで誤嚥や窒息の可能性があるため、物の配置も意識する必要があるでしょう。
高齢者の患者さんは、筋力の低下や認知力の低下などによって、転倒するリスクが高くなるため注意が必要です。物品の配置だけでなく、滑りやすい靴や裾の長い服は避ける、床が濡れていないかを確認するなどの意識も転倒予防につながります。
環境の変化も、高齢者の患者さんが落ち着かなくなる要因の1つです。普段と違う環境がストレスとなり、認知症やせん妄を発症する可能性があります。患者さんにとってストレスとなっている要因を把握して、安全な環境を整えましょう。
環境整備の目的や手順、留意点などを一通り理解したうえで実践したとしても、患者さんの認識不足や不十分な環境整備が原因で、問題が生じる可能性もあります。
この章では、思わぬ事故を避け、安全な環境を提供するための看護計画を紹介します。
患者さんが環境整備の重要性を理解しても、実際の行動への移し方が分からない方もいます。改善策として、以下の看護計画を参考に情報収集してみましょう。
【O-P】
【T-P】
【E-P】

患者さんの個性に合わせた環境整備の内容を看護師間で共有し、統一して行うことが大切です。
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患者さんに合わせた環境整備とはどういったものか知りたい
安全でない療養環境が原因で、患者さんが転倒してしまうおそれがあります。予防策としては、患者さんの状態に応じた転倒リスクを把握することが大切です。
【O-P】
【T-P】
【E-P】

患者さんの転倒リスクにつながる要因を見つけることで、個別性に配慮した転倒予防が見つかるでしょう。
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・環境整備を行う上で注意すべき留意点って何?
・夜間の環境整備(特に音について)を指摘された理由が知りたい
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看護師から寄せられる“よくある質問”
Q. 現役看護師が一番稼げる科はどこ?
一般的に、高度な医療を提供する診療科や収益の多い診療科・クリニックは、高収入を得られる傾向にあります。病院だと救急救命科やICU(集中治療室)など、クリニックでは美容クリニックや人工透析クリニックなどが挙げられます。「看護師が一番稼げる科はどこ?高年収のクリニック・病院や転職のポイント」では、看護師が稼げる科を、詳しく解説しています。規模別の平均給与や、高収入な職場へ転職する際のポイントも紹介しているので、求人探しの参考にしてください。
Q. 看護師がのんびり働ける勤務先は?
病院であれば緊急対応や体力を消耗する業務が少ない外来や回復期・慢性期病棟。病院の外来やクリニックであれば重症患者の処置が少ない診療科は比較的落ち着いた環境といえるでしょう。自身のペースを大事に働きたい方は、現職の悩みを解決できるような環境・働き方を選ぶことがポイントです。「のんびり働きたい看護師向け!おすすめの職場や病院以外の仕事を紹介」では、のんびり働ける勤務先の条件や、おすすめの職場・診療科、のんびり働ける仕事のメリットやデメリットも解説しています。職場探しの参考にしてください。
Q. 看護師1年目で転職しても大丈夫?
1年目であっても転職は可能です。新卒として入職後3年以内に転職する「第ニ新卒」を歓迎する求人も多数出ている状況です。心身に不調がある場合や、職場でハラスメント・法律違反が横行している場合は、無理せず環境を変えたほうが安心です。「看護師1年目で転職しても大丈夫。病院以外の職場や好印象の退職理由を紹介」では1年目の看護師が転職したくなる理由や、仕事が辛いときの対処法、 おすすめの職場などをまとめています。新人看護師が転職に成功するコツや退職の際の注意点も解説しているので、参考にしてみてください。
Q. お礼奉公中でも転職は可能?
お礼奉公の途中でも、看護師が仕事を辞めることは可能ですが、途中で退職してトラブルに繋がるケースもあるので、辞める場合は注意が必要です。「お礼奉公中だけど辞めたい看護師へ!奨学金に関する疑問に答えます」では、「お礼奉公中の看護師は仕事を辞めても良いか」「途中で辞めると奨学金の支払いはどうなるのか」といった疑問や不安にお答えしています。また、奨学金の一括返済を求められたときや、退職を拒まれたときの対処法についてもご紹介しているので、お礼奉公がネックで前に進めずにいる方は、ぜひ参考にしてください。
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