保育園看護師に転職して「フルタイム夜勤なし」にしたら、自分の子育てに余裕が持てた話

話を聞いたのは、大学病院の病棟から最終的に保育園ナースへ転身したみいこさん。

ほぼ残業なしで手取りにも満足、園児に癒やされる毎日を過ごしているそうです。保育園看護師になるにはどうすれば良いか興味がある方、転職するか悩んでいるけれどなかなか勇気が出ない方は、ぜひお読みください。

プロフィール みいこ 看護師
2歳のおてんば娘のママ。引越しや主人の転勤で転職が多く、今は保育園看護師として奮闘中。
「家族との時間をたくさん取るにはどうすればいい?」と日々考えながら過ごしています。
※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

保育園看護師にキャリアチェンジした背景

ーー初めに、みいこさんの経歴を教えてください。

みいこ:新卒で大学病院に入り、4年間、混合病棟(眼科、耳鼻科、泌尿器科、形成外科、骨盤底筋科)と内科で働きました。

そのあとは有料老人ホームで1年間、訪問看護で5年間働き、今の保育園に至ります。今年で2年目で、今は0歳児クラスを受け持ちながら看護師業務もこなしています。

病棟から保育園にキャリアチェンジした看護師

ーーいくつかの領域を経験したあと、保育園看護師に転職したきっかけはなんだったんですか?

みいこ:主人が働いている会社が保育園も経営しているのですが、引っ越ししたタイミングでちょうど看護師を募集していて入職した流れです。

こだわりはあまりなかったのですが、保育園看護師を選んだ理由を挙げるなら「子どもが好きだから」ですかね。看護師業務より“保育”が多いと聞いていたので、子どもたちと遊べるのか!と率直に面白そうに感じました。

ちょうど自分にも娘が生まれて、保育園の環境がどんなものか知りたかったのもあります。

主人が仕事のときは、
娘とふたりでおでかけもたくさんします。

ーー看護技術を忘れてしまうのが心配という声も聞きますが、その点で不安はなかったですか。

みいこ:私の場合は不安はなかったです。臨床経験が10年あって人生3度目の転職だったので、正直現場での看護はやり尽くしたと感じていて。

確かに保育園だと点滴や注射、採血などの医療行為をする機会はなくあくまでも保育中心なので、看護師としてスキルアップするのは難しいです。私ももう病棟には戻れないと感じています。

でも、子育て中の今の私にとってはスキルアップより、プライベートに余裕を持てる働き方のほうが断然大事なので、後悔はありません。

娘の誕生日に記念で撮影してもらいました

現場への未練がない中で事務など別の職種ではなく看護師を選んだのは、やっぱり年収が比較的良いからですね。

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保育園看護師の実態!

3度転職した背景についても気になるところではありますが…まずは本記事のテーマでもある保育園での看護師の役割や仕事内容について見てみましょう。

0歳児クラスを受け持つ保育園看護師の業務

ーー病棟看護師を4年されていたときと比べて、働き方は変わりましたか?

みいこ:病棟勤務のときは二交代で、残業は多くて1時間ほどでした。今は、8時半から17時半までのフルタイム勤務で、ほぼ残業なしで帰れています。

園の子どもが体調不良やケガで病院に連れて行く場合は、付き添いで残業が発生しますが、それも年に数回のみで基本的には定時であがれます。

ーーほぼ残業なし、魅力的です。クラスを受け持つのは、保育士の資格がなくても可能なんですね!

みいこ:私が今0歳児クラスを持っているように、看護師は乳児クラスであれば受け持ちができるんです。

月案、週案(月や週の目標を決めること)の作成は保育士さんの仕事で、看護師は手をつけられないですが、それ以外の、子どもの保育、保育日誌・連絡帳のチェックと記入、掲示物の制作などは看護師でもできます。

ーーなるほど!加えて、みいこさんは看護師業務も両立されているのですよね。

みいこ:そうですね。看護師業務としては、健康管理や、体調不良・ケガの子どもの対応はもちろん、ほかにも園内の掃除やおもちゃの消毒、看護計画(歯磨きや手洗いの指導計画など)などがあります。

最近は忙しくて、日中はほぼ保育業務で過ぎてしまうので、園児のお昼寝タイムにできる限り看護師業務を進めるようにしていますね。

保育園看護師の仕事

▼詳しい仕事内容はこちらの記事をご覧ください
保育園看護師の仕事内容を解説!業務に役立つ経験・知識や転職のコツは?

収入面での変化

ーー病棟と保育園で比べると、収入に変化はありましたか?

みいこ:一般的に保育園看護師はお給料が少ないと言われているように、病棟のときからは数万円減って、いま手取りで25万円ほどです。基本給は少ないのですが、今の職場は家賃補助として自治体から月8万円の支給があるので、手取りには満足しています…!

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今までの知識やスキルが活かせる場面

ーー保育園看護師に転職するにあたって勉強や準備はしましたか?

みいこ:特にしていません。基本的なことはマニュアルがあって…たとえば、蜂に刺されたときの対処法や、下痢、発熱時の対応など、困ったらマニュアルを見ながら対応できるので、入職前の勉強は特に要らなかったです。

ーー逆に、これまでの知識が活かされる場面はありますか?

みいこ:保育士さんが知らないことをお伝えできたり、状況に応じた判断ができたりすると、臨床経験が活きていると感じますね…!

たとえば、ある子どもが発熱したとき保育士さんは身体を冷やしていたのですが、その子が「寒い寒い」と言っていて…「寒いときは一度暖かくして、熱が上がりきってから冷やしたほうがいいですよ」とお伝えしたことがあります。

保育園看護師は1人だけど、プレッシャーは感じない!

ーー看護師が1人だけの保育園が多いようですが、プレッシャーは感じますか?

みいこ:私は感じていないです。というのも今の園では園長先生がすごく協力的なんです。

体調不良やケガの子どもを事務所で預かる場合も園長先生が見ててくれていて、何かあったときだけ私に声がかかるようになっています。私は「こうしておいてください」と指示を伝えて、保育をしたり遊んだりしていますね。

ーー対応に困る状況のときはどうしていますか?

みいこ:体調不良やケガをした子がいたら、「園で対応するか?病院を受診するか?」を私と園長で判断します。

病院に行ったほうが良さそうだな…というときは、保護者に状況報告と「病院に行こうと思うのですが、どうしますか?」と確認をしてから対応するイメージです。

緊急時は園医さんに電話で相談することもありますね。

保育園看護師になって感じた2つのこと

ーー保育園の看護師として働き始めて、正直どうでしたか?

みいこ:今は職場環境も人間関係も良く、プライベートも充実しているので、心が安定しています。

病棟時代は「今日の夜勤、忙しかったら嫌だな…」とストレスを感じることもあったのですが、今はなくなりました。

今の仕事でも疲れることはもちろんありますが、子どもたちと触れ合っていると可愛くて癒やされますし、手紙を書いてもらえたり「大好き」とくっついてくれたりする子がたくさんいて…嬉しいですね!

▲職場でもらった手紙。「いつもありがとう」「せんせい」

ーー保育園ならではの良さですね!一方、子ども相手という点でやはりストレスを感じる瞬間もあるのでしょうか?

みいこ:園児の保育でストレスを感じることはないですが、余裕をなくすことは全然あります(笑)。たとえば、お昼寝の時間で全然寝ない子がいると「早く寝て~」って思うとか。

でも最近では「寝かそうと思うからダメなんだ」と捉え直して、「寝ないなら遊ぼう!」と割り切るようにしました。

自分の子育てにも良い影響が…!

ーー1日仕事で保育をして、家でまた育児…正直疲れたりしないですか。

みいこ:仕事で疲れて帰っても、娘の顔を見て「やっぱり娘が一番!」とそこでも癒やされるんですよ。園児に癒やされて帰ってきたのに、また癒やされて…。

休日は家族でよくお出かけしています。

保育園での保育と、娘の子育ては全然違いますね。やっぱり保育園では、とにかく怪我させないようにと気を張っていますが…私自身はのびのび育児したいタイプなので、娘はちょっと危なっかしいことをしていても、怪我したら覚えるだろうなくらいの考えで見守っています。

ーー保育園での保育が、自分の育児でも役に立つことはありますか?

みいこ:そうですね。保育園で働くうちに、いろんな子どもがいることを知って「こんなとき娘に怒っていたけれど、別に怒ることじゃないかも」みたいに考えるようになりました。発達も人それぞれだと分かったので、「〇歳ならこれができて当たり前」という考えはなくなりましたね。

逆に、この時期にうちの子はこんなことできてすごくない!?と感じることも。前と比べたら、自分の娘に優しくなったなぁと感じます。

▲娘の成長記録を残せるようにと自宅でやった製作。保育園で働いたからこそ、始めたことです!

保護者との関わりの難しさと工夫

ーー病院時代も患者さんの家族と関わってこられたと思いますが、保護者との関わり方で難しいと感じることはありますか?

みいこ:共働きのご家庭が多いので、保護者との関わりは意外と少ないのですが…「体重が重すぎるんじゃないかな?」「ご飯を全然食べなくて」「まだ歩かない…」など、この月齢にはこれが出来ているのが当たり前だと考える方もいます。

特に初めてのお子さんだと、周りと比べたりネットや育児本をベースに考えてしまいがちですが、個人差も子どものペースもありますし、検診で指摘されていないのであれば、少しでも安心してもらえるよう「焦らずゆっくりでいいと思います」と声をかけるようにしていますね。

あとは、体調が優れない子どもを無理に預ける保護者も中にはいます。今の園では、37.5度以上出たら24時間登園できない決まりなのですが、夜中に発熱しても朝の時点で熱が下がっていれば登園してくることも…。

私も働いているため休みづらい状況はすごく理解できるのですが、結局日中に発熱し早退するケースもあります。子どものことを考えると体調不良のときは無理に登園せず自宅療養してほしいと思いつつ、どう保護者に伝えればいいのか悩むことがありますね。

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保育園看護師に向いている人

ーーどんな人が保育園看護師に向いていると思いますか?

みいこ:向いている人を3つ挙げてみます。

  • 子どもが好きな人
  • 長く働き続けたい人
  • 今後のキャリアとして、病棟に戻ることをすぐに考えていない人

ーー小児科の経験はあった方が良いと感じますか?

みいこ:子どもとの関わり方や小児科疾患の知識などはきっとプラスになると思います。

でも、私のように小児科経験がなくても全然仕事はできますね。「子どものことはあまり知らないから…」と考えてハードルを高くしている人は、そんなに心配しなくて良いと思います。

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理想の看護師像に縛られないからこそ、自分らしい転職ができた

保育園看護師としての働き方が垣間見えたところで、みいこさんの転職に対する思いを覗いてみましょう。異なるジャンルの職場を選んだ背景には、「理想の看護師像に縛られない」という考え方がありました。

ーー職場によって看護師像や求められるものが異なると思いますが、そのあたりはどうでしたか?

みいこ:私は、いわゆる「理想の看護師像」が本当に何もないんです(笑)。

やりたいことがないし、こういう看護師になりたいというのもない。だからこそ何でも挑戦できるのかもしれないです。

今後のライフスタイルを見越して職場選びする看護師

将来のライフスタイルを見越した職場選び

ーー職場を選ぶ際に意識したことはありますか?

みいこ:これまで3度の転職のきっかけは毎回引っ越しなんですけれど、職場を探すときは「絶対に病棟を選びたくない!」と思っていました。理由は、夜勤をやりたくなかったからです。

最初に病棟から有料老人ホームに転職したときは…、新しい家から自転車で10分以内の範囲で探したときに、クリニックと有料老人ホームと訪問看護がヒットしたんですよ。

クリニックは、午前と午後の診療時間の空きが長いのと、20時までの勤務だったので却下。訪問看護は、夜にコールを持たないといけなかったので却下しました。有料老人ホームだけ、労働条件が理想と一致したので、そこに決めた感じです。

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ーー夜勤をやりたくない理由はありますか?

みいこ:元々生理痛がひどくて、痛み止めを1日4~5回飲まないと倒れそうなくらいでした。結局、婦人科系の疾患が見つかって手術をしたのですが、生活リズムが崩れるのは身体に良くないから、夜勤は向いていないなと。

それに、将来子どもが産まれたときに、育児と夜勤の両立は難しそうだなとも考えていましたね。

ーー大学病院に限らず病院自体を避けたい理由は、夜勤以外にもありましたか?

みいこ:外来も良いなと思っていたんですが、外来で勤務していた友達から「とにかくいつも患者さんに怒鳴られるし忙しい」と聞いて…。自分に子どもができたら育児だけでも必死だろうに、職場で他人から怒鳴られるのは嫌だなと思ったんです。もちろんこの点は職場によるとは思うんですけれど。

ーー「病棟で夜勤なし」は選択肢にはなかったでしょうか?

みいこ:そうですね…!病棟で働いているときに同僚にママさんがいて、日勤だけのシフトで働いていました。私はそのママさんたちを定時で帰してあげたいと思っていたので、仕事が残っていたら引き受けたり、子どもの熱で早退する場合は「どうぞどうぞ」と言ったりしていたんですが…申し訳なさそうにして帰っていく姿を見て、働きにくそうだなとも感じていたんですよね。

それもあって、子育てを優先できる職場のほうが自分は向いているだろうなと思っていました。

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転職での決め手は「笑って面接を終えられたかどうか」

ーー職場選びで工夫したことや、転職の方法を教えてください。

みいこ:職場は、転職サイトとハローワークを使って調べました。

面接では、職場や職員の雰囲気をよく見て、自分に合わないと感じたところを消していく方法で選びました。最後は3つに絞って、面接のときにアットホーム感があったか?笑って面接を終えられたか?を重視して選んだ感じです。

転職するか悩んでいる方へのメッセージ

ーー最後に、転職するか悩んでいる方へメッセージをお願いします。

みいこ:私自身看護師として3回転職していますが、「辞めたいな…」と思いながら働くより、思い切って退職し自分に合う職場を探したほうが、ずっと良いと思っています。

「今の職場を離れたら、新しい職場でうまくやっていける?」と不安に感じることもあるかもしれませんが、そんなときはまず挑戦してみるのがオススメです。

働きながらでも知識や技術は習得できますし、実際に働いてみないと職場の雰囲気や仕事の合う・合わないは分からないですしね。

私は今の職場に転職して、大好きな子どもたちと走り回ったり一緒に何かを作ったときの喜びを共有したりして、毎日すごく楽しいなと思っています。

さいごに:レバウェル看護より

理想の看護師像ややりたいことがなかった中でも、「将来のライフスタイルを見越した転職」のおかげで、今は子どもたちに癒やされながら保育園看護師としていきいき働けているみいこさん。

「結婚してから」「子育てをしてみてうまくいかないから」などの理由で転職を決める方もいる中で、自分が理想とするライフスタイルに合わせて職場や働き方を変えることも選択肢の1つです。

もし「転職するか迷っている」「自分に合う働き方が分からない」とお悩みの方は、「レバウェル看護」にご相談ください。アドバイザーが、一人ひとりの悩みに合わせて親身に対応いたします。

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本記事の感想やご自身のご経験、「この職場で働いている人のエピソードを見てみたい」など、コメントお待ちしています。

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イラスト:かのう みちゃ
5歳女の子と8歳男の子のママ。元病院内保育士、病棟と外来のクラーク経験あり。挿絵や広告漫画のお仕事募集中です!
X:@micha4869
取材・執筆:島田綾乃
大学病院で10年間、病棟看護師として勤務。 耳鼻咽喉科、腎臓外科、循環器小児科、脳神経外科、SCUでの臨床経験があり、得意分野は外科系。 現在は育児をしながら、看護師ライターとして医療分野の記事を専門に執筆

編集:「レバウェル看護」編集部

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コメント

  1. ルカ

    夜勤なしの働き方やってみたい、、

  2. 理恵子

    保育園ナースやってみたいし、大学院も気になるー!生涯現役で頑張るぞ❗️

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