看護師に腰痛が多い理由とは?予防法・対策や腰への負担が少ない職場も紹介

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「腰痛のせいで仕事や生活に支障をきたしている」「腰痛がひどいときはどうすればいいの?」など、腰痛に悩む看護師は多いのではないでしょうか?
ここでは、看護師に腰痛が多い理由や予防法・対策、腰への負担が少ない職場などについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、腰への負担を軽減しながら働くにはどうすればいいのか分かるでしょう。
健康面に配慮しながら看護師としてのキャリアを続けたい方は、ぜひ参考にしてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

腰痛に悩む看護師の割合はおよそ8割

急性期病棟で働く2,116名の常勤看護職を調査対象者とした、吉武 幸恵氏の「急性期病院における看護業務に関連する腰痛の実態調査」によると、過去に看護業務に関連する腰痛を発症した経験を有する者は1,648名(77.88%)でした。
このうち腰痛を繰り返し発症している人は1,380名(83.74%)、最近1年以内の発症歴を有する人は1,340名(81.31%)となっています。
およそ8割の看護師が腰痛に悩んでいることが分かるでしょう。

出典
吉武 幸恵「急性期病院における看護業務に関連する腰痛の実態調査」『日職災医誌』2022年 70巻P49-54 2021 年8月25日(2026年2月15日参照))
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看護師に腰痛が多いとされる理由

先述したとおり、看護師のおよそ8割が腰痛に悩まされています。
看護師に腰痛が多いとされる理由は下記のとおりです。

  • 足腰に負担がかかる動作が多いから
  • 立ち仕事が中心だから
  • 生活リズムが不規則だから
  • ストレスによって自律神経が乱れるから

具体的にどのような理由があるのかお伝えするので、当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。

足腰に負担がかかる動作が多いから

看護師の業務には、患者様の体位変換、移乗介助、入浴介助、ベッドから車椅子への移動補助など、腰に大きな負担がかかる動作が多く含まれます。
自分より体格の大きな患者様を支える場面もあり、無理な姿勢で持ち上げることで腰椎に強い圧力がかかるでしょう。
特に、忙しい現場ではボディメカニクスを意識する余裕がなく、自己流の動きになりがちです。
日々の腰への負担が筋肉や関節のダメージとして積み重なり、慢性的な腰痛につながる原因になります。

立ち仕事が中心だから

看護師は患者様のバイタルサイン測定や処置など、1日の大半を立ったまま過ごすことが多いです。
長時間同じ姿勢を続けると、血流が滞りやすくなって筋肉が硬直し、腰や下半身に持続的な負担がかかります。
また、中腰姿勢や前かがみの姿勢が加わることで、腰椎への負担は増大するでしょう。

生活リズムが不規則だから

夜勤や交代制勤務がある看護師は、生活リズムが乱れやすい傾向にあります。
睡眠不足や疲労の蓄積は筋肉の回復を妨げると共に、腰回りの筋肉が緊張し、身体のバランスを崩す原因になりかねません。
また、食事時間が不規則になることで栄養バランスが偏り、筋力低下を招く場合もあります。

ストレスによって自律神経が乱れるから

看護師は責任の重い仕事であり、精神的なストレスを感じやすい職種です。
強い緊張状態が続くと自律神経のバランスが崩れ、血行不良や筋肉のこわばりが起こりやすくなります。
特に腰回りの筋肉はストレスの影響を受けやすく、慢性的な痛みにつながるでしょう。
また、心身の疲労は姿勢が崩れ、腰への負担が増す悪循環に陥ることもあります。

腰痛に悩む看護師におすすめ!予防法と対策

看護師の腰痛は完全に避けることが難しいものの、日々の意識や工夫によって負担を軽減することができます。
腰痛に悩む看護師は、下記のような予防法と対策がおすすめです。

  • 長時間同じ姿勢は避ける
  • ストレッチや体操を取り入れる
  • コルセットを着用する
  • 作業姿勢や動作を見直す
  • 福祉用具を積極的に利用する

「仕事中に腰痛が辛い」「業務に支障をきたしている」という方は、積極的に取り入れてみましょう。

長時間同じ姿勢は避ける

看護師は記録業務や観察業務などで、同じ姿勢を長時間とり続けることが多いです。
そこで、可能であれば30分〜1時間に一度は軽く体を動かし、姿勢を変えることを意識しましょう。
ナースステーションでの業務中でも、立ち上がって背筋を伸ばすだけで筋肉の緊張は緩和され、腰への負担軽減につながります。

ストレッチや体操を取り入れる

腰回りの筋肉をほぐすストレッチや簡単な体操は、腰痛予防に効果的です。
勤務前後や休憩時間に数分行うだけでも、筋肉の緊張が和らぎます。
特に太もも裏やお尻の筋肉は腰と密接に関係しているため、重点的に伸ばすと良いでしょう。
日常的に体をほぐす習慣を持つことで、慢性的な腰痛のリスク低減が期待できます。

コルセットを着用する

腰への負担が大きい業務が続く場合、コルセットの着用も有効な対策の一つです。
腰部を適度に固定することで、無理な動きや姿勢の崩れを防ぎ、筋肉や関節への負荷を軽減しやすくなります。
ただし、常時使用すると筋力低下につながる可能性があるため、痛みが強い日や身体介助が多い日に限定して使うのが望ましいでしょう。
また、腰部をしっかりサポートするためには、自分の体型に合ったものを選び、正しく装着することが大切です。

作業姿勢や動作を見直す

腰痛予防には、日々の作業姿勢を見直すことが欠かせません。
患者様の移乗や体位変換を行う際は、腰だけで持ち上げるのではなく、膝を曲げて下半身の力を使うボディメカニクスを意識すると良いでしょう。
また、ベッドの高さを調整し、前かがみの姿勢を減らすだけでも腰への負担は大きく軽減されます。
忙しい現場ほど動作が雑になりやすいため、意識的に正しい姿勢を心がけましょう。

福祉用具を積極的に利用する

リフトやスライディングシート、移乗ボードなどの福祉用具は、看護師の身体的負担の軽減につながります。
多忙な職場では「自分で行ったほうが早い」と感じる場合もありますが、無理を重ねると腰痛が悪化しかねません。
福祉用具の活用は看護師の健康を守りながら、長く働くために必要なツールであると同時に、安全で質の高いケアの提供に役立つでしょう。

腰痛が看護師にもたらすデメリット

腰痛は一時的な不調として軽視されがちですが、仕事だけでなく私生活にも影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、腰痛が看護師にもたらすデメリットを紹介するので確認してみましょう。

身体的な負担が増える

腰痛を抱えたまま勤務を続けると、無意識にかばう姿勢が増え、腰以外の部位にも負担が広がります。
肩こりや膝の痛み、足のしびれなど、二次的な不調が現れることも少なくありません。
また、痛みを我慢し続けることで筋肉の緊張が慢性化し、回復までに時間がかかることもあります。

治療が長期化する場合がある

軽度の腰痛であっても、適切な対処を行わないと腰痛が慢性化しやすくなります。
椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などに発展すると、通院やリハビリが長期化することもあるでしょう。
仕事を続けながら治療を行う場合、十分な安静が取れず、回復が遅れるケースも珍しくありません。
症状が悪化すると勤務制限や休職を余儀なくされる可能性もあり、キャリア形成にも影響を及ぼすリスクが考えられるでしょう。

日常生活に支障をきたす

腰痛が悪化すると、仕事以外の時間にも支障をきたすこともあります。
家事や買い物、子どもの抱っこなど、日常の動作が辛くなり、生活の質が低下しかねません。
また、十分な睡眠が取れずに疲労が蓄積し、さらに痛みが強まる悪循環に陥ることもあり得るでしょう。

看護師の腰痛が悪化した時の対処法

腰痛が強くなった場合は、無理を続けるのではなく早めに対処することが大切です。
看護師の腰痛が悪化した時の対処法として下記が挙げられます。

  • 業務内容を調整してもらう
  • 医療機関で治療を受ける
  • 労災の休業給付を活用する
  • 腰への負担が少ない職場で働く

それぞれの対処法について詳しく紹介するので、腰痛に悩んでいる方は試してみましょう。

業務内容を調整してもらう

腰痛が悪化してしまい、通常通りの業務をこなすのが難しければ、上司に業務内容の挑戦を相談してみましょう。
業務内容の調整に関する提案として下記が挙げられます。

  • 身体介助の少ない患者様を受け持つ
  • 受け持ち患者様の人数を減らす
  • 身体介助の際は他の看護師に代わってもらう

業務内容を一時的に変更してもらうだけでも腰への負担が軽減され、早期の回復が期待できるでしょう。

医療機関で治療を受ける

腰痛が続く場合は自己判断で放置せず、整形外科などの医療機関を受診しましょう。
原因を正確に把握し、適切な治療やリハビリを受けることで早期の回復につながります。
また、早期受診は重症化の予防にも役立ち、仕事への早期復帰も目指しやすくなるでしょう。

労災の休業給付を活用する

業務中の身体介助や移乗動作が原因で腰痛が発症・悪化した場合、労災保険の対象となる可能性があります。
労災の休業給付を利用すれば、一定期間の収入補償を受けながら治療に専念できるでしょう。
労災(労働災害) 無料相談センターによると、労災認定される腰痛は下記のとおりです。

腰痛の種類詳細
災害性の原因による腰痛・腰に受けた外傷によって生じる腰痛
・外傷はないが突発的で急激なつ用力が原因となって筋肉等(筋、筋膜、靱帯等の軟部組織)が損傷して生じた腰痛
災害性の原因によらない腰痛・日々の業務による腰痛への負荷が徐々に作用して発症した腰痛

適用条件を確認し、必要であれば職場や労務担当者に相談しましょう。

出典
労災(労働災害)無料相談センター「腰痛が労災認定されるには?その事例」(2026年2月15日参照)

腰への負担が少ない職場で働く

慢性的な腰痛に悩んでいる場合、思い切って職場環境を見直すことも選択肢の一つです
外来や検診センター、デイサービスなど、身体介助が比較的少ない職場に転職することで、腰への負担を大幅に軽減できる可能性があります。
無理に同じ環境で働き続けるよりも、自分の身体に合った働き方を選ぶことで長期的なキャリアを継続しやすくなるでしょう。

看護師の腰への負担が少ない職場の特徴

腰痛に悩む看護師が長く働き続けるためには、職場環境の見直しが欠かせません。
看護師の腰への負担が少ない職場の特徴は下記のとおりです。

  • 身体介助の頻度が少ない
  • 規則正しい生活を送りやすい
  • ワークライフバランスを保てる
  • 休みやすい環境が整っている

「今の職場で働き続けるのが難しい」と悩んでいる方は、転職活動時の参考にしてみましょう。

身体介助の頻度が少ない

病棟勤務では移乗介助や体位変換、排せつ介助といった身体介助が日常的に発生します。
しかし、外来や検診センター、デイサービスなどでは比較的自立した方が多いため、重度の身体介助が少ない傾向にあるでしょう。
患者様を持ち上げる動作や中腰姿勢が減るだけでも、腰への負荷は大幅に軽減されます。

規則正しい生活を送りやすい

夜勤のある働き方だと睡眠の質が低下することで、腰痛が悪化しやすくなります。
腰痛の改善には十分な睡眠と休養が不可欠であり、規則正しい生活を送りやすい働き方がおすすめです。
生活リズムが整うと筋肉の回復が促されて、慢性的な疲労を防ぎやすくなり、腰痛の改善につながるでしょう。

ワークライフバランスを保てる

事に追われる日々が続くと、ストレッチや休養の時間が取れず、腰痛の慢性化につながります。
一方、定時で退勤できる職場であれば、通院や運動、セルフケアの時間を確保しやすくなるでしょう。
また、プライベートの充実は精神的な余裕にもつながり、結果として身体の緊張緩和も期待できます。

休みやすい環境が整っている

腰痛がある場合、急な通院や休養が必要になることも少なくありません。
そのため、有給休暇が取得しやすい、代替スタッフが確保されているなど、休みやすい職場環境は大きな安心材料となります。
休暇取得の実績やシフト調整の柔軟性などをあらかじめ確認しておくことで、働きやすさを判断しやすいです。

腰痛に悩む看護師におすすめの職場

慢性的な腰痛を抱えている場合は、身体介助が少なく勤務時間が安定している職場を選ぶのがおすすめです。
自分の体調や生活スタイルに合った環境を選ぶことで、無理なく看護師として働き続けやすくなります。
ここでは、腰痛に悩む看護師におすすめの職場を紹介するので、転職先活動の際にお役立てください。

クリニック

クリニックは外来診療が中心であり、患者様の身体介助がほとんどありません。
診療補助や採血、問診対応などが主な業務となるため、腰への負担は比較的軽いです。
また、日勤のみで夜勤がないクリニックが多く、生活リズムを整えやすい点も魅力と言えるでしょう。

▼関連記事
クリニック看護師の仕事内容は?平均給料・年収や転職するメリットも解説

介護施設

介護施設は身体介助のイメージが強いものの、施設形態によって負担の度合いは大きく異なります。
医療依存度の低い有料老人ホームやデイサービスだと、看護師の業務は健康管理や服薬管理が中心となり、重度の移乗介助が少ない場合もあるでしょう。
また、日勤のみの求人も多く、夜勤による疲労を避けやすいです。

▼関連記事
介護施設で働く看護師の仕事内容とは?メリット・デメリットや向いている人

検診センター

検診センターで働く看護師の主な業務は採血、身体測定、問診補助などであり、身体介助が発生する場面はほとんどありません。
勤務時間も日中に固定されていることが多く、規則正しい生活を送りやすいです。
繁忙期は忙しくなるものの、基本的にはルーティン業務が中心で精神的負担も比較的軽いため、腰痛を抱える看護師でも無理なく働きやすいでしょう。

▼関連記事
検診センターで働く看護師の仕事内容とは?給料や転職のポイントも紹介

看護師の腰痛についてよくある質問

ここでは、看護師の腰痛についてよくある質問を紹介します。

腰痛が原因で仕事を辞めるのは甘えですか?

腰痛を理由に転職や退職を考えることは、決して甘えではありません。
腰痛を抱えたまま無理に働き続けると、長期の休職や手術が必要となるケースもあります。
今後のキャリアにも影響するため、環境を変えるのは前向きな選択肢と言えるでしょう。

腰痛を抱えながら看護師として働き続けることはできますか?

腰痛があっても、職場環境や働き方を見直すことで看護師として働き続けられます。
例えば、身体介助が少ない部署や日勤中心の職場へ異動・転職するだけでも、腰への負担は大きく軽減されるでしょう。
また、ストレッチやコルセットの使用、福祉用具の活用など日常的なセルフケアも大切です。

まとめ

看護師は足腰に負担のかかる動作が多く、立ち仕事中心であるほか、不規則な生活リズムやストレスが原因となって腰痛が生じやすくなります。
そのため、およそ8割の看護師が腰痛に悩んでいるとされており、腰への負担を軽減するために適切な対処法を取り入れることが大切です。
腰痛が悪化した場合、業務内容の調整や医療機関での治療、労災の休業給付を検討してみましょう。
また、腰痛によって今の職場で働き続けるのが難しければ、転職も選択肢の一つと言えます。

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この記事を書いた人
村山 夕梨恵
看護師ライター
看護学校卒業後、公立病院の循環器内科・脳神経内科の混合病棟に配属。特別養護老人ホームやデイサービス・訪問看護の事業所への転職を経験する。 現在はフリーランスの看護師ライター/Webディレクターに転向。看護師転職/美容医療/審美歯科/介護分野に関するコンテンツ作成に従事。
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