
「HCUで働いてみたい」「HCUの看護師はどんな仕事を担当するの?」と気になっている看護師は多いのではないでしょうか。
ここで、HCUで働く看護師の役割・仕事内容について詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、HCUで働く看護師について分かり、キャリアチェンジに役立てることができるでしょう。
HCUの看護師に興味がある方はぜひ参考にしてください。
HCUは「ハイケアユニット」もしくは「高度治療室」と呼ばれ、一盤病棟とICUの中間的な役割を担います。
ここでは、HCUの施設基準や入院患者様の特徴などについて分かりやすく解説するのでご覧ください。
HCUには診療報酬で定められている施設基準があります。
地方厚生(支)局の「ハイケアユニット入院医療管理料1」によると、HCUの施設基準は下記のとおりです。
| 医師 | 専任の常勤医師が常時1名以上 |
| 看護師 | 4対1もしくは5対1 |
| 病床数 | 30床以下 |
| 施設の基準 | ・ハイケアユニット入院医療管理を行うのにふさわしい専用の治療室を有している ・下記の装置および器具を治療室内に常時備えている 救急蘇生装置(気管内挿管セット、人工呼吸装置など) 除細動器 心電計 呼吸循環監視装置 |
| 入院基準 | 「ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」の基準を満たす患者が8割以上いる |
| 平均在院日数 | 19日以内 |
HCUでは、医師や看護師の配置基準、施設基準などのほか、医療・看護を必要とする患者様を一定数受け入れるように定められています。
ICUで治療を受けて重篤な状態を脱した患者様や、術後に一般病棟に戻るのが難しい患者様などを幅広く受け入れています。
どのような患者様が入院対象となるかは病院によって異なるものの、一般的な疾患は下記のとおりです。
| 患者様の特徴 | 具体的な疾患 |
| 循環系の疾患を抱えている患者様 | 脳血管疾患や心筋梗塞、急性心不全、大動脈解離、肺血栓塞栓症 |
| 外科手術を終えた患者様 | 開腹手術後や呼吸器手術後、脳・循環器の手術後 |
| 救急科の患者様 | 意識障害やショック状態、中等症熱傷、重症な外傷、急性中毒、急性呼吸不全 |
| 入院中の患者様 | 呼吸・循環動態の悪化、臓器不全のリスクが高い |
ICUに比べて容体は安定しているものの、依然として重症化リスクの高い患者様や、きめ細やかな経過観察が必要な術後の患者様などが、HCUの入院対象となります。
HCUでは、多職種が連携しながら、患者様の治療計画や看護計画、リハビリ計画、退院支援計画の検討・評価を行っています。
HCUにおいて、病棟看護師以外に患者様に関わる主な職種は下記のとおりです。
| 職種 | 業務内容 |
| 医師 | 患者様の状態に合った治療方針を決め、治療や処置を行う |
| 薬剤師 | 医師の処方箋に基づいて薬剤を調合する |
| 理学療法士 | 身体機能の低下や後遺症のある患者様に対して、運動機能の回復をサポートする |
| ソーシャルワーカー | 患者様・ご家族からの相談を受ける |
| 退院支援看護師 | 退院後も療養や介護を受けながら安心して地域で暮らしていけるように、入院中から退院に向けてサポートを行う |
医療機関の規模によっては、衛生士や歯科衛生士などが関わることもあります。
高度な医療を提供するユニットケア病棟はHCUだけではありません。
ここでは、HCU以外のユニットケア病棟について詳しく紹介します。
入院患者様や提供するケアについてもお伝えするので、HCUと比較してみましょう。
ICUではHCUに比べて重篤な患者様を受け入れており、高度な医療技術を用いながら患者様の生命維持や治療に取り組んでいる部署です。
日本集中治療医学会によるとICUの定義について、「集中治療のために濃密な診療体制とモニタリング用機器、ならびに生命維持装置などの高度の診療機器を整備した診療単位」としています。
また、HCUとの違いとして看護基準も挙げられ、ICUは患者様2名に対して看護師が1名担当するのが特徴です。
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CCUでは、心不全や不整脈、心筋炎、大動脈解離など心臓血管疾患を発症した患者様に対して、集中治療を行う部署です。
日本集中治療医学会によると、CCUとは「主たる疾患は冠状動脈疾患でありますが、循環器内科が担当する重症患者様を収容する集中治療病棟」としています。
循環器疾患の集中治療に特化している点がHCUとの大きな違いです。
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SCUでは脳出血やくも膜下出血、脳梗塞などを急性発症した患者様に対して、集中治療とリハビリに取り組みます。
疾患による後遺症を最小限に抑える以外にも、早期離床・機能回復もSCUの重要な役割です。
HCUに比べて積極的にリハビリを行うことから、専任の理学療法士または作業療法士を1名配置するように定められています。
HCUも一般病棟と同様に入院患者様のケアや看護を行いますが、HCUならではの仕事も数多くあります。
HCUで働く看護師の役割・仕事内容は下記のとおりです。
HCUならではの役割・仕事内容を紹介するので確認してみましょう。
HCUでは人工呼吸器や心電図、除細動器など、さまざまな医療機器を用いて患者様の全身管理が行われています。
そのため、患者様の全身状態に異変がないか、患者様の状態をしっかりモニタリングすることが大切です。
また、医療機器の設定が適切であるか、誤作動はないかなど、点検・メンテナンスも欠かせません。
中には患者様が医療機器を取り扱うケースでは、医療機器の正しい取り扱い方法や使用上の注意などを患者様・ご家族に教育することもあります。
HCUではADLが低下している患者様が多く、全身清拭やおむつ交換など日常生活援助も提供します。
また、ICUに比べて重症度が低いため、HCU自力で歩行できる患者様も少なくありません。
ただし、患者様の状態によっては歩行時の見守りやサポートなど、転倒防止に努める必要があります。
もしも患者様の異常や急変を発見した場合、HCUの看護師は迅速に医師に報告しなければなりません。
医師の指示に基づき、輸血や点滴、薬物の投与などの処置を実施します。
患者様の生命が危機に瀕している状況では、胸骨圧迫や気管挿管の介助など、救命処置も担うでしょう。
HCUに入院している患者様はICUに比べて容体は落ち着いているものの、依然として急変リスクの高い重症患者様がほとんどです。
そのため、患者様本人やご家族は、今後の見通しに対して強い不安を抱いています。
時には、急変に直面したご家族が精神的に動揺する場面もあるでしょう。
HCUの看護師は、患者様・ご家族の不安に寄り添い、心理的にサポートする役割が求められます。
HCUに入院している患者様は、容体が落ち着けば一般病棟へ転棟するのが一般的です。
転倒時は一般病棟の看護師へ、病状や今後の方針などを申し送ります。
また、回復状況によっては退院を検討することもあり、看護師は退院を見据えた支援も提供します。
例えば、退院後も療養や社会資源が必要であると見込まれる場合、ソーシャルワーカーや退院調整看護師に介入してもらい、退院調整を行っていきます。
HCUに勤務する看護師の日勤帯のスケジュール例を紹介します。
| 時刻 | 業務内容 |
| 8:30 | ・業務を開始し、患者様の状態や手術・検査・転倒予定などを情報収集を行う |
| 8:45 | ・夜勤者から申し送りを受ける ・点滴や医療機器の設定確認をする |
| 9:00 | ・清潔援助や排せつ援助、創部の処置を行う |
| 9:30 | ・受け持ち患者様のバイタルサイン測定や全身状態の観察を行う ・必要に応じてドレーン管理や喀痰吸引、点滴交換を実施する |
| 10:00 | ・患者様の検査・手術出しをする ・転棟先の病棟への申し送りやカルテ処理を行う |
| 12:00 | ・患者様によって血糖測定・インスリン投与や経管栄養を実施する ・昼食を配膳し、患者様の状態に合わせて介助する ・食後に与薬や口腔ケアを行う |
| 12:30 | 交代でお昼休憩に入る |
| 14:00 | ・患者様の排せつケア・体位交換を行う ・受け持ち患者様のバイタルサイン測定や健康観察、点滴交換を実施する |
| 15:00 | ・手術が終了した患者様を受け入れる ・看護記録を作成する |
| 16:30 | 夜勤者に申し送りをする |
| 17:00 | 業務が終了したら退勤する |
HCUでは患者様の容体が変化しやすく、定時に退勤するのが難しいこともあります。
「積極的にスキルアップしたい」「専門性の高い医療に携わりたい」という看護師なら、モチベーションを保ちながら働ける職場です。
HCUは高度な医療を提供するため、看護師としてさまざまなやりがいを感じることができます。
HCUで働く看護師のメリット・魅力は下記のとおりです。
HCUで働く看護師にはどのようなメリットがあるのかチェックしてみましょう。
HCUでは術後で容体が安定していない患者様や、人工呼吸器での管理が必要な患者様など、一般病棟での受け入れが難しい患者様が入院しています。
そのため、最先端の高度な医療について学ぶ機会が多い病棟と言えるでしょう。
また、HCUで身につけた専門性の高い知識やスキルは、ほかの診療科目でも役立てることができるのは大きな魅力です。
急変に遭遇する多くの看護師は、「焦ってしまってどうしたら良いのか分からない」と困惑しやすいです。
一方、HCUは一般病棟よりも急変リスクが高く、異常の早期発見に努めていても急変に遭遇する回数が多くなります。
実際に数多くの急変に遭遇することで、次第に落ち着いて対応できるスキルが身につくでしょう。
ICUでは重症度が高く、意識がない患者様が多く、コミュニケーションをとりにくいです。
しかし、HCUではICUほど患者様の重症度が高くないため、意識のある方とはコミュニケーションをとることができます。
「集中ケアに興味があるけれど、患者様とのコミュニケーションも重視したい」という看護師に向いているでしょう。
HCUは魅力ややりがいの多い職場ではありますが、「合わない」と感じる人もいます。
ミスマッチが生じると長く働くのが難しくなるため、あらかじめデメリットも把握しておくことが大切です。
ここではHCUで働く看護師のデメリットや注意点について解説するので確認してみましょう。
HCUでは一般病棟に比べて急変や緊急入院が多いことから、通常業務に加えて緊急時の対応が求められ、多忙になりがちです。
また、一般病棟のように夜勤時間の制限もなく、2交代制の夜勤が月に6回以上あることも珍しくありません。
多忙さに生活リズムの乱れも加わり、身体的な負担がかかりやすいでしょう。
HCUの入院患者様は重症度が高いので、些細な変化の見逃しやミスによって、患者様の生命が危険にさらされる可能性があります。
そのため、HCUで働く看護師は、患者様の容体にしっかりと気を配り、集中して業務に取り組まなければなりません。
常に緊張感を強いられることから、精神的なプレッシャーを感じるでしょう。
「HCUの看護師は務まるの?」と不安に感じる方は少なくありません。
ここではHCUで働くのに向いている看護師の特徴を紹介するので、当てはまる特徴はあるのかチェックしてみましょう。
HCUの患者様は急変リスクが高い状態であるため、看護師は患者様の変化を見逃さない観察力が求められます。
高い観察力があれば異常の早期発見につながるので、適切な処置により患者様の状態悪化を防ぐことができるでしょう。
例えば、心電図のモニター波形からVTやVFの徴候を見抜ければ、迅速に医師に報告・対応が可能です。
HCUでは患者様の病状が目まぐるしく変化することも多く、急変時の対応について学んでおく必要があります。
しかし、急変時の対応について理解しておくだけでなく、実際に急変が起きた際に冷静に対応・判断できることが重要です。
HCUの看護師を目指すのであれば、普段から冷静に物事をとらえる視点や、問題を解決していく決断力を意識してみると良いでしょう。
HCUでは重症度や急変リスクの高い患者様が多く入院しているため、「報われない」「精神的にしんどい」と感じる場面に遭遇することも少なくありません。
また、24時間体制で注意深く患者様をケアする診療科目なので、マルチタスクも多く、体力が求められる傾向にあります。
心身ともにタフである看護師は、HCUでの勤務を負担に感じにくいでしょう。
HCUは特定の診療科目の疾患を取り扱っているのではなく、循環器疾患や脳血管疾患、術後など幅広い診療科目の疾患をケアしなければなりません。
また、人工呼吸器の管理や心電図のモニター波形の読み取りなど、専門性の高いスキルも必要不可欠です。
そのため、退勤後や休日も学習の時間を設け、常に学び続けられる人材が求められます。
HCUは病院によって位置付けや受け入れ患者様の特徴が異なる場合があります。
そのため、イメージしていたHCUとは異なる職場に転職すると、「思っていたような働き方ができない」と残念に感じてしまうかもしれません。
看護師がHCUの求人を選ぶ際のポイントをお伝えするので、転職先を決めるのにお役立てください。
病院によってHCUの位置づけが下記のように異なります。
ICUに併設されたHCUではICUの看護師として働くため、ICUの患者様も受け持つこととなります。
より重症度の高い患者様のケアにも興味があるなら、ICUに併設しているHCUがおすすめです。
一方、HCUとして独立していれば、HCUの患者様のみ受け持つので、「患者様とコミュニケーションを取りながら集中ケアに取り組みたい」という看護師に向いているでしょう。
HCUは幅広い患者様を受け入れているからこそ、病院によって雰囲気や業務範囲が異なります。
例えば、手術を終えた患者様が多ければ、患者様の重症度はそこまで高くないことがうかがえるでしょう。
しかし、救急搬送後の患者様や一般病棟で増悪した患者様を多く受け入れている場合、患者様の疾患が予測しにくいうえ、比較的重症度が高いのが一般的です。
ここでは、HCUで働く看護師についてよくある質問を紹介します。
急性期が苦手な看護師でもHCUで働くことは可能ではあるものの、適性の合わない職場ではストレスや負担がかかり、不調が生じてしまうこともあります。
しかし、「慢性期向きの看護師だと思っていたら、急性期看護が向いていた」というケースは珍しくありません。
興味のある職場であるなら、思い切って働いてみるのも良いでしょう。
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HCUをはじめとした高度急性期病棟で働く看護師の待遇は、一般病棟で働く看護師の待遇とほとんど変わりません。
そのため、人によっては「業務の負荷が給与に見合っていない」と感じることもあります。
ただし、職場によっては危険手当が支給されるうえ、夜勤や残業が多いことから一般病棟より給与アップを目指しやすいです。
HCUの入院患者様は重症度が高いですが、ICUに比べて容体が安定しているのが特徴です。
そのため、HCUに勤務する看護師は、医療機器を装着している患者様の全身管理や日常生活援助、急変対応などが主な仕事内容となります。
HCUでは最先端の高度な医療や急変対応などについて学べるうえ、入院患者様とコミュニケーションを取れるなど、メリットが多いのも魅力です。
病院によってはICUと併設しているHCUもあり、受け入れ患者様の状態・疾患によっても雰囲気が異なるため、条件に合った職場を探しましょう。
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