看護師が地元に戻るUターン転職は難しい?不安な点や求人探しのコツを解説

2023.1.30

看護師さんのなかには、「そろそろ地元に戻るのも良いかな…」とUターンを検討している方もいるでしょう。地元に戻りたいと考えつつも、収入ダウンや職場の選択肢が減るなどの不安から迷ってしまう人は少なくありません。そこで本記事では、看護師がUターンを考える理由や地元で転職するメリット・デメリットをまとめました。地元に戻って仕事を探す方法やUターン転職を成功させるコツもご紹介するので、あわせてご覧ください。

看護師が地元に戻りたいと考える理由

看護師が地元に戻ることを考える理由として考えられるのは、「生まれ育った故郷で子育てをしたい」「都会での生活に疲れてしまった」など、さまざまな事情が考えられます。

実際、独立行政法人労働政策研究・研修機構が2016年に実施した「UIJターンの促進・支援と地方の活性化(p.19)」によると、出身市町村へUターンをした人の割合は、72.9%と高い水準です。出身市町村以外へのJターンは27.1%と3割に満たないことから、「生まれ育った地元に戻りたい」と考える方は非常に多いことが分かりますね。

ここからは、同調査の結果を踏まえて看護師さんが地元に戻りたいと考える理由を解説します。現時点でUターンをするかお悩みの方は参考にしてみてください。

地元へ就職して地域に貢献したい

地元への就職・転職のためにUターンを検討する方は非常に多いようです。前述の調査結果(p.17)によれば、Uターンをするきっかけとして多いのは「就職(30.4%)」。次いで、「仕事を辞めた(19.0%)」「転職(16.0%)」という結果が出ています。最初から「地域の医療への貢献」を目指していた方もいれば、都心部で看護師としての経験を積むうちに、地元に戻りたい気持ちが強くなる人もいるでしょう。

都会での生活に疲れてしまった

都心部の人の多さや慌ただしさに疲れてしまい、地元に戻ることを考えるパターンもあるようです。病院やクリニックにもよりますが、大きな病院の場合は来院する患者さまの数も多く、地元とのギャップを感じる人も。看護師の仕事だけでなくプライベートでも、物価や環境の違いを感じやすい場面はたくさんあります。都心部での生活に疲れてしまった場合、「安心して過ごせる地元に戻りたい」と考えるのはごく自然なことでしょう。

家族(実家)の事情のため

「実家での同居を提案された」「両親に介護が必要になった」といった家族の事情により、地元に戻ることを考える看護師さんもいます。都心部で働いていても、家族が地元に残っている場合は「いつか地元に戻ろう」と考えていることも少なくありません。家族から相談されたことをきっかけに、「そろそろ地元に戻ろう」と決断する方も多いのかもしれません。

地元で結婚や出産をするため

結婚や出産を機に、地元に戻ることを決める方もいます。都心部で働いていても、「出産や子育てをするなら生まれ育った故郷がいい」と考える人は多いようです。実家の近くに移り住めば、出産や子育ての際に家族からのサポートを受けやすいのも、地元に戻る決め手になるでしょう。

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一人暮らしによる経済的な負担

実家から出て一人暮らしをするためには、家賃や食費、光熱費といった費用が掛かります。まして、都心部は地方よりも家賃相場が高い傾向にあるため、看護師の収入によっては一人暮らしの経済的な負担を感じる場合があるでしょう。地元に戻れば、家賃の安い物件を探したり、実家に戻ったりするなどの選択肢が増えるのも魅力です。

出典
独立行政法人労働政策研究・研修機構「UIJターンの促進・支援と地方の活性化」(2023年1月26日)
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看護師が地元に戻るUターン転職をするメリット

「地元に戻っても看護師を続けたい」と考えている方は、看護師がUターン転職をするメリットやデメリットについても知っておきましょう。まずは、メリットからご紹介します。

1.地元にいる安心感がある

看護師の仕事は、患者さまの命にかかわる責任のある仕事のため、仕事中はプレッシャーで気を張っている方も多いでしょう。仕事の疲れはプライベートで発散させたいものですが、慣れていない地域ではなかなか落ち着いて過ごせないかもしれません。

地元に戻って親や友人と交流しやすい環境にいれば、仕事終わりに食事をしたり休日に遊びに行ったりするなど、リフレッシュしやすいのが魅力です。もちろん、地元から離れて働いていても楽しく過ごせる人はいます。そうでなく、「地元にいる安心感が良い」と感じるのであれば、Uターン転職をするのも選択肢の一つでしょう。

2.住み慣れた地域で育児や介護がしやすい

看護師がUターン転職するメリットは、住み慣れた地域で育児や介護がしやすいことも挙げられます。実家やその近くに住む場合は、仕事中の子の面倒を親に見てもらうことも可能。幼少期を長い間過ごした地域であれば、子育てのイメージもしやすいでしょう。

また、親に介護が必要になった場合も、地元に戻れば親が住み慣れた地域を離れる必要はなくなります。住み慣れた地域で高齢期を過ごしたいと考える方は多いもの。よく知っている家や地域であれば、「要介護者が無理なく行動できる範囲」を把握するのもそれほど難しくないでしょう。

3.自治体のUターン支援金・助成金がもらえる場合がある

自治体によっては、Uターン転職をする看護師に対して支援金や助成金を支給する制度を設けている場合があります。たとえば新潟県の場合、東京圏から新潟県へ移住する看護師へ移住支援金を支給する取り組みを実施。移住や就業などに関する各種要件を満たせば、単身世帯の場合は30万円、2人以上の世帯の場合は50万円が受け取れます。このようなUターン者への制度を利用すれば、引っ越し費用などを賄える可能性も。地元に戻るか考えている方は、支援金や助成金がもらえないかを調べてみると良いでしょう。

出典
新潟県ホームページ(2023年1月26日)
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看護師がUターン転職をするデメリット

続いて、看護師がUターン転職をするデメリットをご紹介します。今の時点で地元に戻るかどうかをお悩みの方は、下記のようなデメリットを懸念しているのではないでしょうか。

1.職場の種類や選択肢が少ない

看護師が地元に戻る場合、都心部に比べて職場の種類や選択肢が少ないと感じるかもしれません。都心部の場合は、最新の医療を提供する大規模な病院や専門のクリニックなど勤務先の選択肢が豊富です。地方で働く場合は、勤務先の選択肢がある程度限られることも考えておきましょう。

給与が下がる可能性がある

看護師の給与は地域によって異なります。職業情報提供サイト(日本版O-NET)の「看護師」から看護師の平均年収を比べてみると、東京都は541.6万円、茨城県は472.6万円、山形県474.2万円、富山県は480.2万円という結果でした。こちらはあくまで例ですが、都心から地方の病院やクリニックへ転職すれば収入のギャップを感じる可能性は十分にあるでしょう。

出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)トップページ(2023年1月26日)

経験が浅いと好条件の職場へ転職しにくい

看護師は全国各地にニーズがあるため、求人募集は比較的多いといえます。それでも、人気の病院は応募が集中しやすく、経験豊富でスキルのある人材が優遇されるのは全国的に変わりません。看護師歴が浅い場合は、ある程度の経験を積んでからUターン転職をすることも検討してみましょう。

地元ならではの人付き合いがある

看護師に限ったことではありませんが、「地元ならではの人付き合いが苦手」という方もいるでしょう。ご近所付き合いが活発な地域に住んでいた場合、地元に戻ることで再び付き合いが発生することも。親戚や友人同士が頻繁に集まるような地域の場合、「もう少し距離感がほしい」と思う人もいるようです。

職場が遠い場合は車が必要になる場合がある

地域によっては、電車やバスといった公共交通機関が発達していない場合があります。看護師として働く職場が遠ければ、自家用車が必要になることもあるでしょう。Uターン転職をする前に、車を購入する必要がないか、維持費はどの程度掛かりそうかなど、経済的な負担の有無を考えておかなければなりません。

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看護師が地元に戻るUターン転職で仕事を探す方法

看護師が地元に戻って仕事を探す方法には、下記の4つの方法が考えられます。自分に合った方法でUターン転職を進めましょう。

転職エージェント

地元に戻って転職活動をする場合、看護師専門の転職エージェントを利用してみる方法があります。転職エージェントとは、求人を出す病院やクリニックと求職者をマッチングさせる会社のこと。看護師専門のエージェントであれば、プロのサポートを受けながら求人探しや面接対策をしっかり進められます。ポイントは、地元の転職活動に強い転職エージェントを探すこと。併用することが可能なので、複数のエージェントに登録しておくと良いでしょう。

私たちレバウェル看護も、看護師専門転職エージェントサービスの一つです。各地域に詳しいアドバイザーがサポートいたしますので、お気軽にご利用ください。

求人サイト・求人情報誌

求人サイトや求人情報誌から探す方法も一般的です。どちらも非常に多くの求人を扱っているので、効率よく検索するなら一括で検索ができる求人サイトがおすすめ。検索窓に条件や希望の勤務地を入力すれば、ある程度数を絞り込むことができますよ。

ハローワーク

ハローワークは誰でも利用できる公共職業安定所です。看護師の方も、もちろん利用できます。ハローワークは地域の求人を豊富に扱う傾向があるので、地元に戻る場合はその地域を管轄するハローワークを利用すると良いでしょう。

知人の紹介

看護師として働く友人・知人に紹介してもらうのも手です。Uターン転職を考えている場合であっても、都心部の職場に在籍している間は地元に戻って職場見学をするのは難しいといえます。その点、友人や知人からの紹介であれば、開いている時間に職場の雰囲気や待遇などの細かい情報を聞くことが可能です。採用する病院やクリニックとしても、紹介者側からどのような人物なのかを詳しく聞くことができるので、採用の判断をしやすいかもしれません。

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看護師がUターン転職を成功させる5つのポイント

地元に戻ることを決めた看護師さんは、ここでUターン転職を成功させるポイントを見ておきましょう。ただ闇雲に転職活動をするだけではより良い転職は叶いません。「地元に戻って転職してよかった!」と思えるよう、万全の状態で転職活動を進めましょう。

1.地元に戻って転職する理由を明確にする

まずは「何のために地元に戻るのか」を明らかにして、転職活動の軸にしましょう。「結婚・子育てのため」「家族のため」「地域に貢献するため」など、事情は看護師一人ひとり異なります。採用担当者は「なぜほかでもなくこの病院を選んだのか」を聞き、応募者の意欲や熱意を知ろうするものです。採用担当者が納得できるような理由かどうか、今一度考えてみてください。

今の職場が不満なだけなら地元に戻らず転職するのも手

地元に戻る理由が「人間関係が悪くてつらい」「多忙過ぎて疲れてしまった」といった内容であれば、Uターン転職する必要はないかもしれません。職場に対する不満が転職したい理由になっている場合は、Uターンではなく職場を変えることで解決することもあります。今の生活が気に入っているのであれば、その土地での転職活動を考えてみましょう。

2.多くの情報を集めて自分に合った求人を探す

地元に戻って転職をする場合は、できるだけ多くの情報を事前に集めておきましょう。職場の規模や診療科目、看護師の業務範囲、交通アクセス、給与、待遇など、分かる範囲で大丈夫なので調べておくことが大切です。よく調べずに転職先を決めてしまうと、地元に戻ったあとに「こんなはずではなかった」とミスマッチを感じる恐れも。特にUターン転職を在職中に行う場合は、後悔のないように自分に合った求人を探しましょう。

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3.地元に戻ったあとの生活をシミュレーションする

Uターン後は、都心部での生活面とギャップを感じることもあります。そのような状況にならないよう、地元に戻ったあとの生活を具体的にシミュレーションしておくことも大切です。たとえば、地元の物価や家賃相場、交通網の発達の程度、子どもの学校・遊び場など、自分や家族に必要な生活環境がどの程度整っているかをチェックしてみましょう。事前にシミュレーションしておけば、ある程度安心して新生活をスタートできるはずでしょ。

4.引っ越しのスケジュールに余裕を持つ

地元に戻る際の引っ越し日程は、早めに立てるようにしましょう。学生や新社会人の新生活がスタートする4月前後は、引っ越しシーズンともいえます。引越し業者の繁忙期にUターンしようとしても、なかなかスケジュールが決まらないばかりか、高額な料金が発生する事態になりかねません。同様の時期に物件を探そうとしても、人気で良い物件はすぐに埋まってしまうことも。費用や物件の探しやすさを考えるなら、引っ越しの予定はできるだけ早めに行うのが賢明です。

5.「地元に戻りたい」以外の志望動機を考えておく

「地元に戻りたい!」という強い気持ちでUターン転職を希望している場合でも、それだけでは採用担当者には響かない可能性があります。採用者側が見ているのは、「責任を持って看護業務を行える人物か」「長期的に働く意欲があるか」といった部分です。「都会での生活が大変だったため」といったネガティブな内容では、採用後も同じような理由で辞めてしまうのではないかと懸念されてしまいます。そのため志望動機では、「地元に戻って何かしたいのか」「応募先でどのように貢献できるのか」をしっかり伝えられる志望動機を考えておきましょう。

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まとめ

将来的に地元に戻りたいと考える方は多く、Uターン転職をするのは決して珍しいことではありません。とはいえ、看護師が地元に戻って転職をするのは、求人の選択肢が少なかったり、収入ダウンに繋がる可能性があったりするなど、不安な点がいくつかあります。

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