
「業務が時間内に終わらない」「忙しくて時間に余裕がない」など悩んでいる新人看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、新人看護師に時間管理が大切な理由やおすすめの時間管理術、業務の優先順位を決める基準などについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、時間管理の方法について分かり、明日から安心して業務に取り組めるでしょう。
時間管理を意識して働きたい方はぜひ参考にしてください。
看護師にとって、時間管理は業務を安全かつ効率的に進めるための重要なスキルです。
特に新人看護師に時間管理が大切な理由として、下記が挙げられます。
それぞれの理由について分かりやすく解説するのでご覧ください。
時間に追われた状態で業務を進めていると、患者様一人一人のケアに十分な時間を確保できなくなり、看護の質の低下につながります。
その一方で、時間管理ができれば業務の見通しが立つので、処置やケアに十分な時間をかけられるでしょう。
また、患者様の想いにしっかりと耳を傾けたり、より丁寧な説明を行えたりと、より質の高い看護の提供が目指せます。
定時までに業務を終えられず、残業となってしまう新人看護師は多いものです。
日本看護協会の「2024年病院看護実態調査報告書(P30)」によると、2024年9月における正規雇用看護師の月平均超過勤務時間は下記のように報告しています。
| 超過勤務時間 | 件数(件) | 割合(%) |
| 0時間 | 116件 | 3.4% |
| 0時間超~1時間未満 | 392件 | 11.5% |
| 1~4時間未満 | 1,098件 | 32.1% |
| 4~7時間未満 | 768件 | 22.5% |
| 7~10時間未満 | 525件 | 15.4% |
| 10~15時間未満 | 336件 | 9.8% |
| 15~20時間未満 | 77件 | 2.3% |
| 20時間以上 | 26件 | 0.8% |
1~4時間未満が32.1%と最も多く、次いで4~7時間未満が22.5%、7~10時間未満が15.4%と続きます。
残業時間や回数が多いほど、プライベートの時間が失われ、心身の疲労も感じやすくなるでしょう。
しかし、時間管理がうまく行えるようになれば、就業時間までに必要な業務を終えられるようになり、定時退勤を目指せます。
業務に追われて焦ってしまうと、確認不足や手順の抜けが生じやすくなります。
特に新人のうちは慣れない処置や情報量の多さに圧倒され、ミスやインシデントを起こすリスクが高まるでしょう。
時間管理を意識できるようになると、業務ごとに必要な時間を確保しながら落ち着いて対応でき、ミスの防止につながります。
「どうやって時間管理を意識すればいいのか分からない」と悩む新人看護師は少なくありません。
そこで、新人看護師におすすめの時間管理術は下記のとおりです。
具体的な方法をお伝えするので、自分に合った時間管理術を見つけるのにお役立てください。
患者様の疾患や治療の経過、検査・治療の予定など、患者様に関する情報をあらかじめ理解できていると、業務の流れが理解しやすくなり、無駄な動きを減らせるでしょう。
逆に、患者様の情報が不足したまま業務を始めると、後から確認のための時間をとられ、予定通りにスケジュールを進められなくなります。
また、新人のうちは情報の優先度が分かりにくいため、受け持ち患者様の注意すべきポイントや、特に収集しておきたい情報を先輩看護師に確認しておくと安心です。
▼関連記事
新人看護師が知っておきたい情報収集のコツ!ポイントを押さえて効率的に
入院患者様の処置や検査は時間が決まっていることが多いので、各業務を行う時間帯をざっくり決めておけば業務の流れが頭に入りやすくなります。
ただし、突発的な対応で予定が崩れる場合もあるため、「午前中のうちにバイタルサイン測定と点滴交換、処置は終わらせる」といったように、大まかなスケジュールで問題ありません。
スケジュールを立てる習慣が身につくと、時間に追われる感覚が減り、落ち着いて業務に取り組めるようになります。
▼関連記事
看護師が残業を減らすための工夫とは?残業時間が少なめの職場も紹介
看護師は処置やリーダーや医師への報告、薬の管理、看護記録など、覚えておくべきタスクが多く、頭の中で管理するのは限界があります。
特に、業務に慣れていない新人のうちは、忙しさのあまり業務を忘れてしまうことも少なくありません。
業務の抜け漏れはインシデントのリスクが高まるだけでなく、時間のロスにもつながります。
そこで、ToDoリストを書き出しておくことで、タスクが明確になり、優先順位を判断しやすくなるでしょう。
ワークシートのほか、メモ、付箋など使いやすいアイテムを活用して、タスクを管理するのがおすすめです。
新人のうちは業務の優先順位を判断しにくいものですが、優先順位づけが身につくと、業務の効率アップが期待できるでしょう。
また、後から慌てて業務に取り掛からずに済み、時間のロスも減ります。
緊急度や重要度の高い業務は最優先に行い、後回しにできる作業は時間のあるタイミングで対応すると良いでしょう。
処置の度に必要物品が準備されていないと、その都度取りに戻らなければならず、時間を無駄にしてしまいます。
特に新人看護師は処置そのものに慣れておらず、緊張感から必要物品の準備にミスが生じやすいでしょう。
そのため、スムーズに処置を始められるように、必要な物品に不足がないか、あらかじめ確認しておくことが大切です。
新人のうちは時間感覚がつかみにくいため、アラームでリマインドを設定しておけば、忘れてはいけないタスクも時間前に気が付くことができます。
アラーム機能の備わったツールとして、スマホやスマートウォッチ、電卓などがおすすめです。
ただし、アラーム機能を活用するためであっても、スマホやスマートウォッチの使用が制限される病棟もあるので、病棟のルールに従ったツールを選びましょう。
看護業務は予定通りに進まない場合も多く、状況に応じて優先順位を判断する力が求められます。
新人管理が業務の優先順位を決める基準は下記のとおりです。
なかなか優先順位が振り分けられない新人看護師は参考にしてみましょう。
患者様が意識消失や心停止、血圧の急低下など、生命の危険が及ぶ状態に陥った場合、速やかに救命処置を行う必要があります。
患者様の生存率にも関わるため、急変時は他の業務よりも最優先で対応しなければなりません。
ただし、新人看護師のうちは患者様の容体について判断するのが難しいため、異常を感じたら報告・相談を行い、必要な処置を迅速に進めることが大切です。
歩行が不安定な患者様の移動介助、薬剤のダブルチェック、点滴の速度調整などは、重大なインシデントにつながる可能性が高いケアです。
忙しいと患者様の対応が後回しになったり、薬剤関連の確認がおろそかになったりしやすいですが、適切な対応でミスを防ぐのに役立ちます。
転倒リスクの高い患者様の移動介助は速やかに対応し、薬剤や点滴に関する業務はゆとりを持って取り組みましょう。
生命に直結するわけではなくても、容体が不安定な患者様は溶剤の悪化につながりやすいです。
不安定な患者様への対応を後回しにすると、急変のリスクが高まり、結果的に業務全体の負担も増えることとなります。
血圧変動、呼吸状態の悪化、意識レベルの変化などが生じている患者様は、ほかの患者様よりも注意深くケアや観察を行いましょう。
検査や内服、点滴交換など、時間が定められている業務はスケジュール通りに進めなければなりません。
特に検査は他職種との連携が必要なため、新人が遅れてしまうと病棟全体の流れに影響を与えることもあります。
時間が決まっている業務は、あらかじめスケジュールに組み込み、余裕を持って動けるようにしておきましょう。
時間管理が上手な看護師は、単に業務スピードが早いだけでなく、状況判断力やリスク予測力、コミュニケーション力など、多くのスキルがバランスよく備わっています。
ここでは、時間管理が得意な看護師の特徴を紹介するので、チェックしてみましょう。
計画的に業務を組み立てられる看護師は、時間管理が得意な傾向にあります。
受け持ち患者様のスケジュールや業務量を踏まえ、どのタイミングで何を行うかを明確にし、効率よく動けるでしょう。
また、優先順位が崩れた場合でも、柔軟に予定を立て直す力があるため、イレギュラー対応にも強いです。
患者様や環境に潜むリスクを事前に察知できる看護師は、トラブルを未然に防ぐ能力が高い傾向にあります。
例えば、「この患者様は呼吸状態が悪化するリスクが高い」「この処置は必要物品の準備に時間がかかる」といった予測が立てば、先回りして動けるでしょう。
結果的に時間に追われる場面を減らし、より安全で効率の良い看護につながります。
患者様の軽微な変化が状態悪化の前触れであるケースは珍しくありません。
しかし、業務に追われて観察が後回しになり、異変の兆候を見逃してしまうと、患者様の容体が悪化してイレギュラーな急変対応が必要となることもあります。
その一方で、患者様の容態の変化に気付けることで、早期対応が可能となり、患者様の容体悪化を防ぎやすくなるでしょう。
時間管理が得意な看護師は、日々の業務の中で「どうすればもっと効率的に動けるか」を主体的に考えています。
時間に余裕を持って業務を進めるためには、患者様の容態や起こりえるリスク、必要なケアなどに関する知識が欠かせません。
積極的に学びを深めている看護師は、無駄な時間を省くことにつながります。
チームワークを発揮できると、互いにフォローし合いながら働けるので、時間に追われにくい働き方ができます。
また、患者様やご家族との丁寧なコミュニケーションは、関係構築がスムーズに進み、業務の効率化にもつながるでしょう。
新人看護師の場合、報連相を意識しながらコミュニケーションをはかり、一人で悩みを抱え込まないことが大切です。
時間管理でつまずき、落ち込んでしまう新人看護師は少なくありません。
しかし、気持ちを立て直す方法を身につけることも大切です。
そこで、時間管理がうまくいかずに落ち込んでしまった時に、どのように気持ちを立て直すと良いのか紹介します。
新人のうちは経験が浅く、業務の優先順位や段取りがうまくつかめないのは当然のことです。
特に、先輩看護師や同期のスピードについていけず、焦ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、日々の成功体験を積み重ねながら自信がつき、自然と動きや時間に余裕が生まれてきます。
周囲と自分を比較する必要はなく、自分のペースを大切にしながら成長していきましょう。
時間管理術を取り入れてもなかなかうまくいかず、自信を失ってしまう新人看護師は少なくありません。
しかし、失敗した原因や改善点を分析することで、自分に合った時間管理術が見つかることもあります。
失敗を恐れるのではなく、失敗から学んで成長する姿勢がスキルアップにつながっていくでしょう。
時間管理で悩み続けると、心身ともに疲れが溜まり、余計に思考がまとまらなくなることがあります。
そこで、休日に趣味や運動、友人との食事など、息抜きの時間を設けることで気持ちをリセットするのがおすすめです。
しっかり休息をとることで疲労が回復し、前向きな気持ちを保ちやすくなります。
時間管理がうまくいかずに悩んでいるなら、プリセプターに相談するのも選択肢の一つです。
自分では気が付かなかった改善点を知るきっかけになります。
業務の優先順位の付け方や動線の工夫など、実践的なアドバイスをもらえることもあるでしょう。
ここでは、新人看護師の時間管理についてよくある質問を紹介します。
新人看護師が時間管理に苦戦するのは自然なことであり、ほぼ全員が経験すると言って過言ではありません
入職したばかりだと病棟のルールや業務の流れ、処置の手順などを学びながら業務を進めなければならず、一つ一つの業務に時間がかかるものです。
先輩の動きを参考にしたり、自分なりの工夫を取り入れたりすることで、数か月〜1年ほどで徐々に時間管理術を身につけられるようになります。
「新人だから」「時間管理が苦手だから」といった理由で残業代が出ないのは、労働基準法に違反します。
新人のうちは記録や処置に時間がかかるため、退勤が遅くなりがちですが、自己責任として全て負う必要はありません。
もし残業申請をしづらい雰囲気がある場合、人事課や労働基準監督署に相談してみましょう。
入職したばかりの新人看護師は、業務や環境に慣れておらず、時間のコントロールに苦労しがちです。
しかし、事前の情報収集やスケジューリング、ToDoリストの作成といった時間管理術を取り入れることで、業務を効率よく進められるようになります。
特に優先順位を明確にしておけば、突発的な業務にも落ち着いて対応できるでしょう。
もしうまくいかずに落ち込んでしまっても、焦る必要はありません。
失敗を学びに変え、自分のペースで着実に成長していく姿勢が大切です。
「スキルアップのために勉強したいけれど時間がない」とお悩みなら、レバウェル看護がおすすめです。
レバウェル看護では、新人看護師のスキルアップに役立つ記事を日々更新しています。
通勤途中や休憩中などスキマ時間を活用して勉強できるので、忙しい新人看護師にぴったりです。
2年目以降の看護師を対象とした記事も更新しているので、ぜひご活用ください。

記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載