看護師が人手不足だとどうなる?原因や定着率の高い職場の特徴を紹介

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「どうして職場の看護師は不足しているの?」と疑問に感じている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、看護師の人手不足が生じる原因や起きる問題点などについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、看護師の定着率の高い職場が分かり、人手の充足した職場を探すヒントが見つかるでしょう。
職場の深刻な人手不足に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

看護師は人手不足って本当?

多くの病院や施設で慢性的な人員不足が続いており、欠員が出ても補充できない状態が常態化しています。
そこで、看護師がどのくらい深刻な人手不足に陥っているのか、統計データに基づいて分かりやすく解説するのでご覧ください。

今後も看護師の人手不足が予測される

看護師の人手不足は、将来に向けてさらに深刻化すると予測されています。
厚生労働省の「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況(P8)」によると、2025年の感補職員就業者数の合計は180.1万人と推計されています。
また、同じく、「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況(P9)」では、2025年の看護師の需要は194.5万人としており、約14万人不足していることが分かるでしょう。

出典
厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況(P8)」2023年7月7日(2026年1月7日参照)

看護師の有効求人倍率

有効求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標で、看護師は他職種と比べて常に高い水準で推移しています。
有効求人倍率が高いと、「需要が拡大している」というメリットがある一方で、人手不足でもあることの裏返しです。
厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況(P8)」によると、2022年における看護師の有効求人倍率は2.20であり、職業計の1.19倍よりも2倍近く高いことが分かります。

出典
厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況(P8)」2023年7月7日(2026年1月7日参照)
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看護師の人手不足が生じる原因

看護師の人手不足は、個々の職場努力だけでは解決できない構造的な問題です。
ここでは、看護師の人手不足が生じる原因を下記のように解説します。

  • 高齢化社会で看護師の需要が高まっているから
  • 業務負担が増大しているから
  • 勤務時間が不規則になりやすいから
  • メンタルヘルスの不調が多いから

それぞれの原因を分かりやすくお伝えするので確認してみましょう。

高齢化社会で看護師の需要が高まっているから

日本は急速な高齢化社会を迎えており、医療や介護を必要とする人は年々増加しています。
高齢の患者様は複数の疾患を抱えていることも多く、入院期間が長期化しやすいです。
そのため、急性期だけでなく回復期・慢性期・在宅医療など、看護師が活躍する場は広がっています。
一方で、現場で働く看護師の人数は十分とは言えず、需要の増加に供給が追いついていないのが現状です。

業務負担が増大しているから

看護師の業務は患者様のケアやご家族の対応、看護記録の作成、他職種との連携など多岐にわたります。
特に近年では医療技術が進歩しており、医療が複雑化していることから、看護師にも専門性の高い知識・スキルが求められるようになりました。
看護師の業務負担が大きい中、人手が不足すれば、看護師一人一人の負担がさらに増大するのは避けられません。
また、業務に追われる日々が続くことで、やりがいを感じにくくなり、モチベーションの低下や離職につながり、人手不足をさらに深刻化させるでしょう。

勤務時間が不規則になりやすいから

多くの看護師がシフト勤務制で働いており、夜勤があると生活リズムが乱れやすいです。
人手不足の職場では、下記のような理由から不規則さがさらに強まる傾向があります。

  • 急な欠勤をカバーするために休日出勤する
  • 夜勤を引き受ける看護師が減って夜勤回数が増加する
  • 係や委員会の仕事など業務以外の理由によって残業時間が増える

勤務時間が不規則になることで、ワークライフバランスを保つのが難しくなり、看護師の離職率を引き上げる原因となります。

メンタルヘルスの不調が多いから

看護師の人手不足が解消されにくい理由のひとつに、メンタルヘルスの不調を抱える看護師が多いことが挙げられます。
日本看護協会の「2024年病院看護実態調査報告書(P23)」によると、メンタルヘルスの不調により、1カ月以上の連続休暇を取得した正規雇用看護職職員の割合は下記のとおりです。

項目件数(件)割合(%)
いた1,930件80.7%
いなかった449件18.8%

およそ8割の病院で「1カ月以上の連続休暇を取得した正規雇用看護職職員がいた」と回答しています。
人手不足による業務過多や連勤、休みづらさが重なると、心身の疲労が蓄積しやすいです。
不眠や気分の落ち込みを感じながらも、「迷惑をかけられない」と無理を続けてしまう看護師も少なくありません。

結果として休職や離職につながり、現場の人手不足をさらに深刻化させてしまいます。

出典
日本看護協会「2024年病院看護実態調査報告書(P23)」(2026年1月28日参照)

看護師の人手不足によって起こる問題点

看護師の人手不足は、単純に「忙しくなる」というだけでなく、深刻な問題を引き起こします。
看護師の人手不足によって起こる具体的な問題点は下記のとおりです。

  • 医療ミスのリスクが高まる
  • スタッフの業務負担が増える
  • 看護師の離職率が高まる
  • キャリアアップしにくくなる
  • 病床数が減少傾向になる
  • 病棟閉鎖や閉院のリスクがある

「看護師が足りないとどうなるの?」と不安に感じている方はチェックしてみましょう。

医療ミスのリスクが高まる

看護師一人あたりが受け持つ患者様の人数が増えると、観察や確認にかけられる時間が限られ、ダブルチェックの抜け漏れにつながりやすいです。
また、夜勤や残業が続けば集中力が低下し、ミスが増える原因になりかねません。
本来であれば落ち着いて対応すべき場面でも、次の業務に追われている状態が判断ミスにつながることもあるでしょう。

スタッフの業務負担が増える

看護師が不足すると、必然的に出勤しているスタッフの業務負担が増えます
業務量が増えるだけでなく、急変対応や残業、休日出勤といったオーバーワークは、心身の疲労につながるでしょう。
また、欠員が出ても看護師が補充できなければ、少ない人数で現場を回さなければなりません。
フォローする側に負担が偏りやすく、不公平感によって職場の雰囲気も悪化します。

看護師の離職率が高まる

人手不足の環境で働き続けることは、多くの看護師にとって大きなストレスになります。
業務量の多さや休みづらさが続くと、「このままこの職場で働き続けられるだろうか」という不安から、離職を検討する看護師が増えるでしょう。
真面目で責任感の強い看護師ほど無理をしがちなので、気が付いた時には限界を迎えているケースは珍しくありません。

キャリアアップしにくくなる

慢性的な人手不足の職場では、看護師のキャリアアップが後回しにされがちです。
本来は研修や勉強会への参加といったスキルアップのために必要な時間が、日々の業務に追われて確保できなくなります。
その結果、経験年数を重ねても成長を実感しにくく、将来の選択肢が狭まってしまう可能性があるでしょう。

病床数が減少傾向になる

看護師が確保できない状況が続くと、病院は病床数を減らさざるを得なくなります。
診療報酬上、病床数に応じた看護配置基準を満たさなければならず、人手不足のままでは運営が難しくなるためです。
病床を減らすことで一時的に現場の負担は軽減されますが、地域全体で見ると入院を受け入れられる医療機関が減り、医療体制が崩壊しかねません。

病棟閉鎖や閉院のリスクがある

十分な人員の看護師を確保できなければ、安全な医療体制を維持できず、病棟閉鎖や閉院のリスクを伴います。
病棟が閉鎖されれば看護師の配置転換や雇用条件の変更が発生し、看護師自身の働き方にも影響が及ぶでしょう。
雇用の不安定さは離職を招き、さらに人手不足に陥る要因にもなります。

看護師の人手不足を解消するには

看護師の人手不足を解消するためには、現場の努力や個人の我慢だけに頼るのではなく、組織全体での仕組みづくりが欠かせません。
ここでは、看護師の人手不足を解消する方法について詳しく紹介します。
なかなか看護師の人手不足が解消しない職場で取り入れてみましょう。

給与や手当を増額する

業務量や責任に見合った収入が得られなければ、モチベーションの低下や離職につながりやすくなります。
給与や手当が十分に支給されない職場では、「負担の大きさに対して報われない」と感じる看護師は少なくありません。
待遇が改善されることで、人材の定着や入職希望者の増加が期待できます。

福利厚生を充実させる

福利厚生の目的は、従業員が安心して働き続けることができる環境を整えることです。
代表的な福利厚生として、家賃補助や住宅手当、健康診断の実施、育児支援などが挙げられるでしょう。
福利厚生の拡充によって下記のようなメリットをもたらすとされています。

  • 従業員の満足度が高まり、離職防止につながる
  • 健康や家庭環境が整うことで仕事に集中しやすくなる
  • 他の職場との差別化になり、優秀な人材を集めやすくなる

現場の看護師のニーズに合った福利厚生を整えることで、離職率が低下し、人員を確保しやすくなります。

医療DXを導入する

看護師の業務負担を軽減する手段として、医療DXの導入が注目されています。
医療DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略称で、業務効率化のためにデジタル化を進めることです。
具体的には電子カルテや情報共有のデジタル化などが挙げられ、無駄な業務を削減することで、看護師が本来注力すべき患者様のケアに時間を使えます。
人手をすぐに増やすのは難しくても、テクノロジーを活用した業務改善であれば、現実的と言えるでしょう。

キャリア支援を整える

人手不足の職場では、看護師のキャリア支援が後回しにされやすいです。
しかし、資格取得支援や研修参加へのサポートがあれば、看護師一人一人が成長を実感しながら働くことができ、将来のキャリアパスを描きやすくなります。
学びの機会を保障することで、看護師のやりがいや定着率が高まり、結果として人手不足の解消につながるでしょう。
また、看護師一人あたりのスキルアップが図られれば、提供される医療・看護の質の向上も目指せます。

求人方法を見直す

条件や業務内容が十分に伝わらない求人では、ミスマッチが起こりやすく、早期離職の原因になりかねません。
働き方や職場の雰囲気が分かりやすければ、求職者は自分に合った職場であるか判断しやすくなります。
レバウェル看護では、キャリアアドバイザーが内部情報も併せてお伝えするため、入職後のミスマッチを防げるでしょう。

看護師の定着率が高い職場の特徴

看護師の人手不足を解消するには組織全体での取り組みが必要となるため、人手不足による問題が解消されない場合、人手が充足している職場への転職も選択肢の一つです。
実は看護師の定着率が高い職場には、下記のように共通する特徴があります。

  • 福利厚生が手厚い
  • 自分に合ったキャリアパスを目指せる
  • 人間関係のストレスが少ない

定着率の高い職場で働きたい方は、転職時の参考にしてみましょう。

福利厚生が手厚い

福利厚生が手厚い職場は、ライフステージが変化しても安心して働き続けることができるため、看護師の定着率が高まります。
しかし、制度そのものがあっても実際に利用しにくかったり、ニーズに合っていなかったりする福利厚生では意味がありません。
看護師一人一人の権利として、十分な福利厚生を享受できるような環境を整えることが大切です。

自分に合ったキャリアパスを目指せる

キャリアパスの方向性は、「専門性の高い知識・スキルを磨きたい」「家庭と両立しながら無理なく働きたい」など人によって異なります。
定着率の高い職場では、個々の希望に応じた配置転換やキャリア支援が行われていることが多いです。
将来の選択肢が見えることで前向きな気持ちで働けるため、離職を防ぐ要因となります。

人間関係のストレスが少ない

人手不足の職場は多忙であり、業務負担も大きいため、精神的な余裕のなさから周囲に対する指摘が強くなりがちです。
しかし、お互いにフォローし合う文化が根付いている職場では、普段から円滑なコミュニケーションを図っていることから、良好な関係性が築かれています。
気軽に相談しやすい雰囲気が整っていることで、精神的な負担が軽減され、看護師の定着率が高まるでしょう。

看護師の人手不足についてよくある質問

ここでは、看護師の人手不足についてよくある質問を紹介します。

人手不足による連勤続きで辛いときはどうすればいいですか?

人手不足による連勤が続くと、心身ともに大きな負担がかかり、疲労やストレスにつながります。
師長や上司に業務量や体調面について相談し、シフトを調整してもらうと良いでしょう。
もしも相談しても改善がみられない場合、働き方を見直すことも選択肢の一つと言えます。
無理を重ねて体調を崩してしまう前に、「続けられる環境かどうか」を冷静に考えることが大切です。

看護師の配置基準を満たしている職場は人手不足とは言いませんか?

看護師配置基準を満たしているからといって、必ずしも人手不足ではないとは限りません。
配置基準はあくまで最低限の人数を示すものであり、急な欠勤や業務量の増加までは考慮されていない場合が多いためです。
実際には、基準上は問題なくても「毎日ギリギリで回している」「休みが取りづらい」と感じている現場は少なくありません。
現場で働く看護師が常に余裕を持てているかどうかが、人手不足かどうかを判断する重要なポイントになります。

まとめ

近年、高齢化社会による看護師の需要の高まりや、業務負担の増大などにより、看護師の人手不足が深刻化しています。
看護師の人手不足は、医療ミスのリスクが高まったり、スタッフの業務負担が増えたりと、さまざまな問題を引き起こす可能性があるでしょう
しかし、看護師の人手不足を解消するには、組織全体での取り組みが欠かせません。
勤めている職場で人手不足によって負担が増大している場合、看護師の定着率の高い職場への転職も検討してみましょう。

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この記事を書いた人
村山 夕梨恵
看護師ライター
看護学校卒業後、公立病院の循環器内科・脳神経内科の混合病棟に配属。特別養護老人ホームやデイサービス・訪問看護の事業所への転職を経験する。 現在はフリーランスの看護師ライター/Webディレクターに転向。看護師転職/美容医療/審美歯科/介護分野に関するコンテンツ作成に従事。
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