割に合ってないのに看護師の給料が高すぎるって本当?給料アップの方法も

看護師の給料は高すぎる?給料アップの方法も解説のイメージ

「給料が高いと言われるけど割に合わない」と悩んでいる看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは看護師の平均的給与や他職種との比較、給料アップの方法などについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえたら、看護師の給料が一般的に高いのか分かるでしょう。
現職の給与に不満がある方はぜひ参考にしてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

看護師の給料は高すぎるって本当?

「看護師の給料って高すぎるよね」と言われた経験がある看護師は少なくありません。
特に年末の帰省時や地元の友人との会話では、夜勤手当やボーナスのイメージだけで語られがちです。
ここではケース別の看護師の平均給与を紹介するので、現職の給与と比較してみましょう。

看護師の平均年収・給与・賞与

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、看護師の平均年収や給与、賞与は下記のように算出できます。

職種きまって支給する現金給与額年間賞与・その他特別給与額平均年収*
正看護師36.35万円83.5万円519.7万円
准看護29.43万円65.01万円418.17万円

※算出方法=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額
ただし、看護師の給与は夜勤の回数や地域、病院の規模などによって異なるため、必ずしも平均通りの給与が支給されるとは限りません。

出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」(2025年1月6日参照)

看護師の初任給

日本看護協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査(P6)」によると、新卒看護師の平均初任給について下記のように報告しています。

最終学歴平均基本給月額(円)平均税込給与総額(円)
看護3年課程卒21万2,077円27万4,840円
看護系大学卒21万7,934円28万2,453円
看護系大学・大学院卒22万2,736円28万7,936円

看護師の初任給には夜勤手当が含まれておらず、夜勤に入らなければ手取り額が20万円前後になる可能性があることが分かります。
新人看護師は覚える業務量が多く、精神的な負担も大きい時期であり、初任給は決して余裕のある収入とは言えません。

出典
日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査(P6)」(2025年1月6日参照)

地域別の看護師の給与

看護師の給料は勤務する地域によって差が生じており、厚生労働省の「職業情報提供サイト(job tag)」によると、看護師の平均年収の高い都道府県の順位は下記のとおりです。

順位都道府県年収
1位東京都568.9万円
2位京都府564.0万円
3位大阪府559.8万円
4位神奈川県546.3万円
5位奈良県542.7万円

都市部では物価が高い分、給与水準も高い傾向にありますが、家賃や生活費を差し引くと手元に残る金額は意外と少ないことも珍しくありません。
一方、地方では基本給や手当が低めな場合が多く、「看護師=高収入」というイメージと実態にギャップが生じやすいでしょう。

出典
厚生労働省「看護師 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)」(2025年1月6日参照)

病院規模別の給与

大学病院や大規模急性期病院では、夜勤回数が多く手当も充実しているため年収は高くなりやすい傾向にあります。
その一方で、中小規模の病院やクリニックでは夜勤が少ない分、年収は下がりやすいです。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」では、就業先の規模別の看護師の平均年収は下記のように報告されています。

職種きまって支給する現金給与額年間賞与・その他特別給与額平均年収*
1,000人以上38.77万円99.6万円564.84万円
100~999人35.1万円73.82万円495.02万円
10~99人32.91万円64.72万円459.64万円

※算出方法=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額
看護師が1,000人以上の大規模な病院と、99人以下の小規模の病院を比較すると、平均年収に100万円以上の開きがあることが分かります。

出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」(2025年1月6日参照)

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看護師と他職種の給料の比較

「看護師の給料が高すぎる」と言われる背景には、他職種の給与があいまいなまま比較されているケースが多いです。
そこで看護師と他職種の給料について、下記のように比較します。

  • 全職種と看護師の平均給与の比較
  • 一般的な初任給との比較
  • 医療分野における他職種の給料
  • 介護・福祉分野における他職種の給料

他職種と比べて看護師の給料は高いのか確認してみましょう。

全職種と看護師の平均給与の比較

厚生労働省の「令和6年 賃金構造基本統計調査の概況(P7)」によると、令和6年度の一般労働者の賃金について下記のように報告しています。

項目賃金
男女計33.4万円
男性36.31万円
女性27.53万円

看護師のきまって支給する現金給与額は、正看護師で36.35万円、准看護師で29.43万円であり、一般労働者の賃金に比べても高い部類と言えるでしょう。
ただし、看護師や夜勤を始めとしたさまざまな手当てが支給されているため、日勤のみだと給与が下がる傾向にあります。
そのため、必ずしも一般労働者に比べて、労働に見合った給与であるとは限らない点に注意してください。

出典
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査の概況(P7)」(2025年1月6日参照)

一般的な初任給との比較

厚生労働省の「令和6年 賃金構造基本統計調査の概況(P17)」によると、新規学卒者の学歴別の賃金は下記のとおりです。

項目高校専門学校高専・短大大学大学院
男女性19.75万円22.28万円22.39万円24.83万円28.74万円
男性20.50万円21.93万円23.1万円25.13万円29.2万円
女性19.17万円22.48万円22.11万円24.49万円27.81万円

新卒看護師の平均税込給与総額は27~28万円前後であり、大学院卒者の初任給と同等程度です。
看護師の初任給は一般的な初任給よりも相場が高いと分かります。

出典
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査の概況(P17)」(2025年1月6日参照)

医療分野における他職種の給料

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、看護師の平均年収や給与、賞与は下記のように算出できます。

職種きまって支給する現金給与額年間賞与・その他特別給与額平均年収*
医師102.59万円106.93万円1338.01万円
薬剤師43.08万円82.36万円599.32万円
保健師35.11万円99.92万円521.24万円
助産師39.96万円101.04万円580.56万円
診療放射線技師37.56万円99.13万円549.85万円
理学療法士・作業療法士31.14万円70.47万円444.15万円

※算出方法=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額
職場によっては夜勤や当直に対応するため、薬剤師や診療放射線技師は看護師と同じく、年収が500万円台となっています。
また、基本的に夜勤のない働き方となる場合が多い理学療法士や作業療法士の場合、年収は400万円台と看護師よりも低いです。
医療分野において、看護師の給料は一概に高いというわけではないことが分かるでしょう。

出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」(2025年1月6日参照)

介護・福祉分野における他職種の給料

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、介護・福祉分野における他職種の平均年収や給与、賞与は下記のように算出できます。

職種きまって支給する現金給与額年間賞与・その他特別給与額平均年収*
保育士27.72万円74.17万円406.81万円
ケアマネジャー30.16万円67.67万円429.59万円
介護職員(医療・福祉施設など)27.1万円50.83万円376.03万円
訪問介護従事者28.58万円38.27万円381.23万円

※算出方法=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額
介護・福祉分野の他職種は年収400万円前後となっており、看護師の給与水準は高い傾向にあることが分かります。

出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」(2025年1月6日参照)

看護師の給料が高すぎると思われる理由

看護師の給料が「高すぎる」と思われやすいのは、実際の働き方や給与の内訳が十分に知られていないことが大きな原因です。
ここでは、看護師の給料が高すぎると思われる理由について、下記のように解説します。

  • 夜勤手当などが上乗せされている
  • 女性の一般的な平均給与よりも高い傾向にある
  • 医療・福祉業界の中では給料が高い

それぞれの理由について分かりやすくお伝えするのでご覧ください。

夜勤手当などが上乗せされている

「看護師の年収は高い」と思われるのは、夜勤手当や危険手当、残業代などの各種手当が基本給に上乗せされているためです。
特に病棟勤務の看護師は夜勤回数が多いので、年収ベースで見ると高く見えますが、実際は基本給そのものが高いわけではありません。
身体的負担の大きな業務に対する手当であることは、一般的に知られていないのが現状です。

女性の一般的な平均給与よりも高い傾向にある

女性比率が高い看護師は、女性の平均年収と比較されることが多いです。
女性の平均給与は男性よりも低い傾向にあるため、手当が充実している看護師は「給料が高すぎる」と思われやすいでしょう。
ただし、同年代の男性正社員や他の専門職と比べると、看護師の給料が突出して高いわけではありません。

医療・福祉業界の中では給料が高い

看護師に求められる判断には重い責任が伴うほか、専門性も高いです。
そのため、医療・福祉業界全体で見ると、看護師は比較的給与水準が高い傾向にあります。
その一方で、介護職や福祉職は給与が上がりにくく、看護師との収入差が目立ちやすいです。
同じ現場で働く職種同士の比較によって、「看護師は給料が高い」という印象につながります。

看護師が給料アップを目指すには

「看護師の給料は高すぎる」と言われる一方で、実際に現場で働く側としては「もっと評価されてもいいのに」と感じる場面は少なくありません。
給与アップにつながる仕組みを理解したうえで、自分に合った選択をすることが大切です。
そこで、看護師が給料アップを目指す方法を紹介するので、給与面で悩んでいる方は参考にしてみましょう。

夜勤の回数を増やす

短期的に収入を増やしたい場合、夜勤の回数を増やすのがおすすめです。
1回あたり1~2万円の夜勤手当が支給されるため、夜勤回数を増やせば手軽に給料アップが目指せます。
ただし、夜勤の回数を増やすと心身への負担が大きくなり、長期的な働き方としては無理が生じやすいです。
あくまで一時的な収入アップとして割り切って考えると良いでしょう。

専門性の高い資格を取得する

長期的に給料アップしたいなら、専門性の高い資格取得をしてみましょう。
保健師や助産師、認定看護師、専門看護師などは資格手当が支給される職場が多く、給与に反映されやすいです。
また、専門性の高い資格は評価されやすく、転職時の強みとなります。
ただし、資格取得には時間や費用がかかるため、キャリアパスに合った資格であるか慎重に検討することが大切です。

管理職を目指す

主任や師長などの管理職に昇進すると、役職手当がつき、年収アップが期待できます。
現場から離れる場面は増えますが、組織運営や人材育成に関わることで人によってはやりがいを感じられるでしょう。
長期的に病院でキャリアを積みたい人に合った選択肢と言えます。

基本給の高い職場に転職する

夜勤手当で年収を上げている場合、将来的に夜勤が難しくなると収入は大きく下がってしまいます。
そこで、長期的な視点で給料アップを目指したいなら、基本給の高い職場への転職は有効な手段です。
基本給は賞与にも影響するため、年収ベースで見ると給料アップにつながりやすいでしょう。

副業を始める

近年では副業を認める職場も増えており、看護師のスキルを活かした副業に注目が集まっています。
医療ライターや動画編集、SNSの運用など、体力に依存しない副業なら、本業に支障をきたさず気軽に始めやすいでしょう。
また、キャリアの幅が広がることで、看護師以外の働き方を選べるようになるのも魅力の一つです。

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看護師は年収800万円を目指せる?平均給与と収入アップの方法も紹介

看護師の給料が高い職場

看護師の給料は、勤務する職場によって大きく差があります。
病棟勤務にこだわらず、選択肢を広げることで、年収アップを目指せるケースは少なくありません。
看護師の給料が高い職場は下記のとおりです。

  • 美容外科クリニック
  • 訪問看護ステーション
  • 介護老人保健施設

それぞれの職場の特徴をお伝えするので、自分に合った職場を探している方は参考にしてみましょう。

美容外科クリニック

美容外科クリニックは、看護師の中でも給料が高い職場として知られています。
自由診療が中心のため経営が安定しており、インセンティブ制度を導入しているクリニックも多いため、売上次第で収入アップにつながるでしょう。
また、日勤帯中心で働くことができ、オンコール対応が求められないため、身体的な負担を軽減しやすいです。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、夜勤なしでも高収入を目指せる職場の一つです。
オンコール対応や訪問件数に応じた手当がつくことで、病棟勤務と同等、もしくはそれ以上の年収になるケースもあります。
自立した判断力や在宅医療の知識が求められますが、その分専門性が評価されやすい働き方です。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、医療と介護の中間的な役割を担う施設で、夜勤手当や管理職手当が充実している傾向にあります。
病棟ほどの急変対応は少ない一方で、医療的判断を任される場面が多く、看護師の裁量が大きいのが特徴です。
夜勤回数によっては年収アップも期待できますが、施設ごとに給与差が大きいため、あらかじめ条件をよく確認しておくと良いでしょう。

看護師の給料が高すぎることについてよくある質問

ここでは、看護師の給料が高すぎることについてよくある質問を紹介します。

看護師の給料は将来的に上がっていくでしょうか?

看護師の給料は、勤続年数や役職、勤務先によって緩やかに上がっていく傾向にあります。
ただし、一般企業のように年功序列で大幅な昇給が見込めるケースは多くありません。
特に病棟勤務では、若いうちは夜勤手当で年収を保てますが、年齢とともに夜勤が難しくなると収入が頭打ちになりやすいのが現実です。
将来的な収入アップを目指すなら、早めにキャリアを意識した選択が重要になるでしょう。

正看護師と准看護師の給料はどのくらい差がありますか?

正看護師と准看護師では、正看護師のほうが基本給が高く、年収だと50~100万円以上の差が出ることもあります。
また、昇進や管理職への道、専門資格の取得など、キャリアの選択肢にも違いが生じます。
短期的には大きな差を感じにくくても、長期的に見ると収入や働き方に影響が出やすいため、将来を見据えたキャリア設計が大切です。

まとめ

看護師の給与は、基本給に各種手当が上乗せされているので、年収ベースで見ると高く見えます
また、医療・福祉業界の中で給与水準が高い職種であるほか、女性の一般的な平均給与よりも高い傾向にあるため、「看護師の給料は高すぎる」というイメージを持たれがちです。
しかし、負担の大きな業務に対する手当が手厚く支給されているに過ぎず、「業務負担に給料が見合わない」と感じる看護師は少なくありません。
積極的に給料アップを目指したい方は、専門性の高い資格の取得や基本給の高い職場への転職などを検討してみましょう。

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この記事を書いた人
村山 夕梨恵
看護師ライター
看護学校卒業後、公立病院の循環器内科・脳神経内科の混合病棟に配属。特別養護老人ホームやデイサービス・訪問看護の事業所への転職を経験する。 現在はフリーランスの看護師ライター/Webディレクターに転向。看護師転職/美容医療/審美歯科/介護分野に関するコンテンツ作成に従事。
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