
「今後、看護師の給料が上がるのか知りたい」という人もいるでしょう。看護師不足が深刻な現在、診療報酬改定に伴う賃上げ政策も施行されています。しかし、給料が上がっている実感がなく、収入に不安を感じる看護師は多いようです。
この記事では、看護師の賃上げの現状や、年収をアップさせる方法などを解説します。転職で収入を上げるためのポイントも紹介していますので、給料に悩んでいる看護師さんは参考にしてみてください。
ここ数年の間で行われている看護師の処遇改善により、給料が上がった方もいれば、あまり変わらなかった方もいるかもしれません。看護師の賃金の改定や見直しは、各職場だけでなく、政策でも重要課題として取り組まれているようです。ここでは、近年の診療報酬の改定による処遇改善や賃上げの現状を解説します。
厚生労働省「令和6年度診療報酬改定について」によると、2024年度の診療報酬改定は以下のような観点を柱に行われたといいます。
なかでも、医療分野での「現下の雇用情勢も踏まえた人材確保」「働き方改革等の推進」は重点課題として挙げられました。厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の基本方針(3~4p)」では、医療分野はほかの産業と比べると賃上げが進んでいない状況にあり、医療従事者の人材確保のために処遇改善を目指していくことが必要と明言されています。
ベースアップとは、各職場の給料基準となる賃金表を改定し、基本給や毎月決まって支給される手当の水準を引き上げることとされています。
厚生労働省「令和6年度診療報酬改定と賃上げについて(3~6p)」によると、2024年度には賃上げの特例対応として「ベースアップ評価料」が新設され、診療報酬+0.61%の改定が行われました。ベースアップ評価料として算定されるものは以下のとおりです。
| 種類 | 対象施設 | 概要 |
| 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ) | 病院・診療所・歯科診療所・訪問看護ステーション | 初再診料等と合わせて算定可能 |
| 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ) | 無床の診療所等 | 初再診料等と合わせて算定可能(評価料Ⅰだけでは、賃上げが不十分な施設のみ) |
| 入院ベースアップ評価料 | 有床の病院・診療所等 | 入院基本料等と合わせて算定可能 |
参照:厚生労働省「令和6年度診療報酬改定と賃上げについて(6p)」
職員の賃金ベースアップは、2024年度+2.5%、2025年度+2.0%を目標に、報酬措置に加えて賃上げ促進税制による税額控除が実施されており、各施設に職員の処遇改善が求められています。
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この項では、看護師の給料は「2024年度の診療報酬改定でどのくらいの賃上げが行われたのか」「近年でどのくらいアップしてきたのか」を、具体的なデータをもとに解説します。
厚生労働省「令和6年度診療報酬改定と賃上げについて」で目標に掲げられていた、2024~2025年の間に「+2.5%」「+2.0%」の賃上げが実現したと仮定すると、以下のようになります。
基本給25万円の看護師なら
ただし、施設ごとにベースアップ評価の算定は異なり、すべての看護職員が賃上げの対象に当てはまったわけではないようです。看護職員以外にも、医師を除いた30以上の職種が対象となるため、施設側で職種・職位の給料ベースにどう振り分けるかゆだねられている。
日本看護協会「2024年度『看護職員の賃金に関する実態調査』結果(3p)」によると、2012年と2024年の病院看護師の給料比較は以下のとおりです。
| 調査年 | 平均基本給月額 | 平均税込給与総額 |
| 2012年 | 25万4,583円 | 35万2,157円 |
| 2024年 | 26万451円 | 38万2,093円 |
参照:日本看護協会「2024年度『看護職員の賃金に関する実態調査』結果(3p)」
※「税込給与総額」には、通勤手当・住宅手当・家族手当・夜勤手当・当直手当・看護職員処遇改善等事業に基づく手当などを含む(時間外手当および新型コロナウィルス感染症に係る危険手当などは含まない)
※夜勤をした場合には、当該月に三交代で夜勤8回、二交代で夜勤4回をしたものとしている
2012~2024年の12年間で、病院看護師の平均基本給月額は約6,000円、平均税込給与総額は約3万円上がっています。実際の賃金の変化は小さいように見えるものの、10年以上ほとんど変わっていない看護師の給料ベースが、2024年の診療報酬改定をきっかけに少しでも上がったと捉えることもできるでしょう。
先述のとおり、医療従事者不足の解消は急務であり、物価高も進んでいることから、この先もさらに看護師の賃上げの政策が取られる可能性はあるといえます。
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レバウェル看護公式 Instagramで行ったアンケート「今のお給料に満足してる?」に、「もう少しほしい」と回答した看護師さんは約50%でした。「不満」と答えた約30%と合わせると、約8割の看護師は今の給料に満足していないといえます。
以下では、看護師が自分でできる年収アップの方法を紹介しますので、参考にしてみてください。
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに算出した、看護師の年齢別平均年収は以下のとおりです。

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額で計算
50代後半になるまで、看護師は年齢を重ねるごとに平均年収が上がっています。看護師としての経験年数やキャリアを積んでいくことで、年収はアップする傾向にあるといえるでしょう。
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日本看護協会「2021年看護職員実態調査(16p)」より、中間管理職の看護師(看護師長・副看護師長・主任)の平均給料は以下のようになっています。
| 平均基本給額 | 平均税込給与総額 | |
| 中間管理職の看護師 | 31万4,454円 | 43万4,895円 |
参照:日本看護協会「2021年看護職員実態調査(16p)」
看護師が昇給して管理職に就くと、基本給がアップしたり、役職手当が支給されるようになったりする職場もあります。役職に就いてリーダーシップを発揮したい看護師は、キャリアアップに応じて給料アップも行っている職場を選ぶようにするのがおすすめです。
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看護師として経験を積み、特定の分野でスペシャリストを目指したい人は、専門看護師や認定看護師の資格を取得する道もあります。職場によっては、資格に対する手当が支給される場合も。
日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する 評価・処遇に関する調査(26p)」によると、各病院が専門看護師・認定看護師に対する資格手当を支給しているかどうかは以下のような状況です。
| 資格手当がある | 資格手当がない | |
| 専門看護師 | 34.1% | 65.9% |
| 認定看護師 | 41.2% | 58.8% |
参照:日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する 評価・処遇に関する調査(26p)」
資格手当が支給される病院の割合は、3~4割です。支給の方法は、専門看護師・認定看護師ともに「毎月支払われる」が約9割。「毎月支払われる」場合の平均支給額は、専門看護師資格では 1万1,279円、認定看護師資格では 8,530 円です。
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看護師の給与には、夜勤手当の支給額が少なからず関係しています。夜勤手当の一回あたりの支給額は、職場ごとに定められるのが一般的。日本看護協会の「2023年病院看護実態調査報告書(31p)」によると、病院の病棟看護師の平均夜勤手当額は以下のとおりです。
| シフト形態 | 1回あたりの平均支給額 |
| 三交代制・準夜勤 | 4,234円 |
| 三交代制・深夜勤 | 5,199円 |
| 二交代制・夜勤 | 1万1,368円 |
参照:日本看護協会の「2023年病院看護実態調査報告書(31p)」
シフト形態や1ヵ月の夜勤回数によっても異なりますが、夜勤手当だけで給与が数万円アップするという病棟看護師もいるはずです。年収を上げたい方は、無理のない範囲で夜勤をこなしたり、夜勤手当額が高めな職場に転職することも検討してみてください。
「勤務時間が不規則になるのは辛い」「休みを増やしつつ年収水準を下げたくない」という方は、夜勤帯のみに勤務する夜勤専従という働き方もあります。夜勤専従の勤務が気になる方は、「看護師の夜勤専従の働き方を解説!平均年収やシフト例、メリットも紹介」もご覧ください。
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「レバウェル看護」の独自調査(2024年3月)によると、看護師の給与が高めなのは、大学病院・国公立病院・一般急性期病院といった、規模が大きめで難易度の高い医療を担っている病院です。また、病院で看護師の給与が比較的高い部署は、救急や集中治療室、手術室など。
希望年収を1つの軸に、キャリアや転職先を選ぶのも手です。ただ、看護師が高年収の職場は、緊急時の素早い対応や専門的な技術・知識の習得が求められる傾向にあるため、やりたい看護も踏まえて検討することが大切になります。
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この項では、看護師が転職で給料を上げるためのポイントを解説します。収入をアップさせたい看護師は、以下のポイントを押さえて転職活動をしてみましょう。
転職先を探す際は、基本給とは別に、手当やボーナス額も確認するのが大切です。ボーナス支給額は業績によって変動するケースがあり、想定より低くなる可能性も。また、資格手当や交替勤務手当など、職場によって支給の有無が分かれるものもあります。
求人情報では、給与面だけでなく福利厚生もチェックしましょう。有給休暇の消化率や職場ごとの休暇制度は、働きやすさや満足感に繋がります。
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希望の年収額がある場合、可能なら転職の際に給与交渉するのも手です。アピールできる経験やスキルは積極的に伝えましょう。規模が大きい病院ほど、給与の希望は通りにくい傾向にあるようです。個人病院や訪問看護ステーション、介護施設などの事業所だと、比較的給与交渉がしやすいかもしれません。交渉する場合は、前の職場ではいくらもらっていたかなど、柔らかく伝えるのがポイントです。
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転職で年収を上げるためには、転職エージェントの活用が有効です。お金の話を自分から応募先にするのは気が引けるかもしれません。そのような場合は、キャリアアドバイザーが収入面の確認や給与交渉を代わってしてくれます。求人紹介も高給与に絞ってくれるため、自分で探すよりも効率良く転職活動ができるでしょう。
ここでは、看護師の給料が上がるのか気になる方によくある質問に対して、Q&A形式でお答えします。
2024年6月に2年に一度の診療報酬改定が施行され、医療従事者の賃上げを目標とした評価が新設されました。賃金のベースアップにいつから乗り出すか、ペースアップ評価の算定を用いるかどうかは施設ごとに異なるようです。ベースアップ対象の職種は看護師だけではないため、大幅な賃上げを実感できていない人もいるかもしれません。
他職種の時給水準が上がっていることや看護師不足の現状から、人員確保のためにパート看護師の時給もこれから上がっていく可能性があります。看護師の時給相場は地域差も大きく、都市の中心部や、反対に人手不足の地方都市が高めになっていることもあるでしょう。
2024年度の診療報酬改定で行われた賃金のベースアップにかかわる施策は、病院・診療所・歯科診療所・訪問看護ステーションで働く医療関係職種が対象になっています。そのため、介護施設で働く看護師は対象外です。施設看護師の給料事情は、「介護施設で働く看護師の給料は?施設形態別の平均給与や賞与、年収も解説」も参考にしてみてください。
看護師は、責任や負担に見合うほどの高給与とはいえず、数字での評価が難しい仕事のため昇給もしにくい傾向にあります。処遇改善や人手不足解消のために、国の政策でも賃金ベースアップが取り組まれていますが、各施設にゆだねられている部分があり、すべての看護師にすぐに効果があったわけではないようです。看護師の賃上げは、今後も目指されていく可能性が高いでしょう。看護師が、自分の力で収入をさらにアップさせたい場合は、副業や給料が高い職場に転職する方法もあります。
「収入面で不安があり、今の職場で働き続けるべきか悩んでいる」という看護師は、「レバウェル看護」の活用がおすすめです。今のお悩みをヒアリングし、キャリアアドバイザーが解決策をアドバイスいたします。転職で年収をアップしたい方も、キャリアアドバイザーにお任せください。15万件以上の豊富な求人のなかから、希望条件に合った求人紹介が可能です。
応募先とのやり取りや面接日程の調整、選考対策などのサポートも受けられ、転職活動を効率良く進められます。サービスはすべて無料で利用できますので、1人で悩まずお気軽にご相談ください。
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