「とにかく忙しかった…」急性期を辞めて、重心児施設で叶えた“一番やりたい看護”【体験談】

急変やナースコールに追われる急性期。

やりがいがある反面、ふとした瞬間に「一人ひとりとゆっくり向き合いたい…」そう思う瞬間はないでしょうか。

今回お話を伺ったのは看護師18年目の伊藤さん。急性期病棟や治験など4回の転職を経て、「重症心身障害児施設(重心施設)」にたどり着きました。

「今の仕事が一番楽しく、自分に合っている」
そう言い切る伊藤さんが、生活支援病棟で見つけた看護の形に迫ります。

プロフィール:伊藤さん(※仮名)
看護師18年目。急性期病棟や治験などさまざまな分野を経験し、現在は障害児専門病院で障害児の生活支援に携わっています。
急性期とはまったく異なる分野で最初は戸惑いもありましたが、今は可愛い子どもたちの笑顔に癒されながら日々仕事に励んでいます。
※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

急性期、CRC…5つ目の職場に重心施設を選んだ理由

編集部
伊藤さんは、現在看護師18年目で、今の重心施設が5つ目の職場とのことですね。

まず、新卒で入った総合病院はどんな環境でしたか?
伊藤
整形外科と膠原病リウマチ内科の混合病棟で、救急の受け入れもオペも多くて忙しかったです。

当時のやりがいは、いかに仕事をうまく回すか(笑)。
お給料も人間関係も良くて、6年続けましたね。
編集部
良かったところと、大変だった部分があった感じですね…!
総合病院からの転職のきっかけは何だったのでしょうか。
伊藤
とにかく忙しくて…一度、看護師の仕事から離れてみたいと思うようになったんです。

それで、以前より薬に興味があったことから治験コーディネーター(CRC)に転職しました。
伊藤
CRCは、いろいろな病院に赴いて、被験者対応、スケジュール管理、医師との調整などをやります。

病棟に比べてデスクワークが増えて体力面では楽になりましたが、業務を1人で黙々とこなすシーンが多く、孤独に感じることが多かったですね。

それで、自分はチームで連携して働くのが好きなんだ!と気付き、2年でCRCを辞めて病院に戻りました。
チームで看護をすることが好きだと気付いた重心施設の看護師のイラスト

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編集部
そのあと、外科系の病棟と眼科クリニックを経て、現在の重症心身障害児施設に入職されたとのこと。

どういう経緯だったのでしょうか。
伊藤
結婚を機に県外のクリニックで働いていたんですが、東京に戻ることになって。

当時新型コロナウイルスが流行していたのですが、コロナ病棟配属を避けたかったことから、専門病院を探していたんです。

そんなとき元同期の紹介で今の職場を知って入職を決めました。

配属先は、3歳から18歳が入所する生活支援病棟です。
二分脊椎症や麻痺などさまざまな障害のある子どもたちが生活しています。

▼伊藤さんの経歴

総合病院(整形外科と膠原病リウマチ内科の混合病棟)
治験コーディネーター(CRC)
総合病院(外科系病棟)
眼科クリニック
【現在】重心施設(生活支援病棟)
編集部
重心の生活支援病棟ですね。それまでの急性期病棟とは、業務内容も大きく違いそうです。
伊藤
そうですね。日常生活の支援や精神的ケアなどの療育がメインになります。

日常生活の支援は、食事介助やおむつ交換、着替え、車椅子への移乗などをやります。

忙しいのは朝と夜で、朝は子どもたちが特別支援学校に通う準備で慌ただしいです。夜勤では、看護師1人で1部屋に6人いる子どもたちの食事介助を行います。

もちろん、導尿や浣腸といった医療処置や服薬管理も看護師の重要な役割ですね。

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重心看護では、子との距離感・身体介助が難しい

編集部
小児科未経験でのスタートだったそうですが、転職当初はどうでしたか?
伊藤
最初は子どもたちとの距離感に苦労しましたね…。施設で長く暮らしている子たちって、新しく来たスタッフが「信頼できるか」を見極めていて。

最初は話を聞いてくれなかったり、複雑な背景から愛着形成が難しく、わざと困らせる「お試し行動」をしたりする子もいるんです。
編集部
その壁をどうやって乗り越えたのでしょうか。
伊藤
現場のスタッフさんの接し方を観察したり、専門書を読んだりして学びました。
同僚からおすすめされて読んだ本。忙しい中でも、子どもに対する自分の行動や言葉かけを振り返るきっかけになりました。
伊藤
子どもたちと向き合ううちに、真っ向から正論で指導するよりも、話題を変えて楽しい雰囲気を作ってから徐々にやるべきことを伝えた方が入りやすいと知りました。

それに、自分が焦ると子どもにもそれが伝わって落ち着かなくなるので…忙しい中でも、精神的な余裕やゆとりを持って関わることが大切だなと学びました。

今では子どもたちの反応一つひとつが愛おしく、毎日が本当に楽しいです。
誕生日に、子どもたちからもらった手紙・プレゼントです。
編集部
重心施設ならではの大変さについても、伺えますか。
伊藤
身体介助による負担は確かにあって、手や腰を痛めるスタッフもいます。

たとえば脳性麻痺の子は、不意に体にグッと力が入ることがありますし、健常児よりも骨が弱い子が多く骨折リスクも高いんです。

なので、緊張を緩めてから動かすなど、安全を守るための力の使い方には神経を使っていますね。
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重心施設でこそできる、チームで子どもの人生を動かす看護

編集部
CRCを辞めるきっかけだった「チームで働きたい」という希望は、今の病棟で叶いましたか?
伊藤
はい!まさに日々多職種で連携することが多いです。

たとえば季節の行事。保育士さんが子どもたちの遊びやイベントを企画してくれます。休日にみんなでかき氷を作ったり、夏祭りやクリスマス会を開催したり。

医師、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、心理士とも頻繁に相談します。
障害特性によって食事でむせやすい子がいたら、PTさんに座位保持椅子の調整を依頼したり、OT、STさんに摂食機能評価を依頼したり。

それぞれの専門性を持ち寄って、その子にとって最適な生活環境を作れている実感がありますね。
多職種連携で重心施設の最適な生活環境を作る看護師のイラスト
編集部
専門性を持ち寄る。転職軸が叶ったようで何よりです…!

重心で働く中、これまでの支援で、特に印象に残っているエピソードを聞いてみたいです。
伊藤
転院してきた子のケースが忘れられません。

その子は当初、元の病院で腸瘻(ちょうろう)が造設されていました。

ですが状態が不安定ですぐに抜けてしまい、漏れ出した消化液で皮膚もひどく荒れていて…本人はお喋りもできてよく動けるのに、トラブルのせいで学校に通えていませんでした。

「このままではいけない」と思い、以前の入院先である急性期病院へ相談を持ちかけました。
最初はなかなか協力的な返答をいただけなかったのですが、直近の全身状態や「学校に行きたい」という本人の強い希望をお伝えし、結果的に胃瘻(いろう)への変更手術ができることになったんです。
編集部
伊藤さんの粘り強い働きかけのおかげですね…!
伊藤
はい。手術を経てトラブルも改善し、念願だった通学ができるようになって…本人やご家族からも「ありがとう」と言葉をもらえて、嬉しかったですね!

日々のルーティン業務をこなすだけでなく、急性期病棟で培ったアセスメント力を活かしてその子の人生を良い方向に変えられたと実感した出来事でした。
今まで培ってきたアセスメント能力を活かす重心施設の看護師のイラスト

急性期と違い、重心施設では「残業ほぼゼロ、関わりが純粋に楽しい」

編集部
急性期病棟で働いていた頃と比べて、精神面での変化はありましたか?
伊藤
ストレスが格段に減って、心にゆとりが生まれました。

急性期では、患者さんも余裕がないことが多く、時には「看護師なんだからやって当たり前」という態度を取られたり、細かな要件でナースコールが続いたり…。

でも今は、対象が子どもということもあり、日々の関わりが純粋に楽しいです。

大変なこともありますが、それ以上に可愛くて癒やされることのほうが多いくらいですね!
編集部
日中は通学されているお子さんも多いとのことで、働き方についてはいかがでしょうか?
伊藤
今は、日中も夜勤もわりとゆったりと働けて、ほぼ定時で帰れるのが大きいです。

夜勤は月に3〜4回ありますが、21時の消灯後は子どもたちが寝てくれるのとナースコールも基本的にないので、記録や翌日の準備に集中できます。

嬉しいのが、夜勤の回数は以前より減ったのに、年収が少し上がったこと。
無理なく働けて、しっかり評価もしていただけていると感じます。
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キャリアや働き方に悩む看護師さんへ、伊藤さんから伝えたいこと

編集部
今の職場では5年目を迎えるとのこと。
今後のキャリアで考えていることってありますか?
伊藤
実は今年度、看護学生の指導者になるための研修を受ける予定です!

現場で子どもたちとじっくり関わりながら、看護学生さんたちにもこの仕事の魅力を伝えていけたらいいなと考えています。
編集部
新しいチャレンジですね!

最後に、働き方に悩んでいる看護師さんへメッセージをお願いします。
伊藤
私自身せっかちな性格なのもあり、次々と仕事をこなしていく急性期の忙しさが好きでした。

でも世の中には、私が働いているような専門的な施設も含めて、本当にいろいろな働き方があるんですよね。

なのでもし今の環境に違和感があるなら、興味のある分野に思い切って飛び込んでみると良いと思います。

仕事の本当の面白さって、1年では分からないことも多いので、新しい環境に行ったらまずは3年くらい続けてみる。そうすると、自分に合う居場所が見えてくるはずです。
編集部
看護師資格があると、いろんな施設形態だったり、雇用形態、勤務地…と本当にさまざまな選択肢の中からキャリア・働き方を選べますよね。

「1年では分からないことも多い」、これまで各職場を数年単位で続けてこられて、そして今のお仕事を楽しんでらっしゃる伊藤さんならではの金言だと感じました。

貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
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急性期病院や治験コーディネーターを経て今の重心施設へ転職され、チームで働く楽しさ、そして自分も心に余裕を持って子どもたちとじっくり関わり、「子どもたちの反応一つひとつが愛おしく、毎日が本当に楽しい」、そう話してくれた伊藤さんの様子が印象的でした…!

私たち「レバウェル看護」では、今回ご紹介した重心施設のような専門的な職場のほかに、病院、クリニック、治験コーディネーター、介護施設、訪問看護など、幅広い求人を取り扱っています。

働く形態については、直接雇用(正社員・パート)のほかに、派遣の求人もございます。

たとえば、

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など、まだ転職を迷っている段階のご相談も大丈夫ですので、一度お気軽にお問い合わせください。

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※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024 年2 月7 日~2 月13 日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者 かつ 対象看護師転職サイト利用経験者、20~29 歳 107s(※1)、20~34 歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10 サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)
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イラスト:仲川麻子
埼玉県在住のイラストレーター・漫画家。自然体で表情豊かな人物、ストーリー性のあるイラストを描くのが得意で、教育、医療、児童書など色々な分野で活動中。漫画作品に『ハケンの麻生さん』、『飼育少女』(講談社)がある。サイト:https://nakagawa-a.com/



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