患者さんから差し入れのお礼が!看護師の対応方法は?病院ごとで違う?

患者さんからお礼の差し入れ 角が立たない適切な対応とはのイメージ

看護師の中には、患者さんからお礼の差し入れがあり、対応に苦慮している方もいるでしょう。差し入れに関する規則は医療機関ごとで異なるため、勤務先によっては患者さんとの関係性が悪化しないかと悩んだり、罪悪感を抱いたりすることもあるかもしれません。本記事では、患者さんからの差し入れへの対処法や、施設規模別のルールの違いについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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患者さんからお礼の差し入れをされることはある?

医療機関によっては患者さんからお礼の差し入れをされることはあるようです。以前までは、医師への謝礼や心付け、ナースステーションへの差し入れが慣習として行われていました。そのため、特に上の世代の患者さんからは、感謝の気持ちを伝えたいと菓子折りなどを渡されることがあるでしょう。

しかし、時代の移り変わりに伴い、規定を設ける職場も増えていることから、現在はお礼の差し入れを受け取らないのが一般的となっています。そのため、患者さんの残念そうな顔を見ると「心苦しい」「無下にできない」と感じて対応に戸惑う看護師も少なくありません。

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医師や看護師への差し入れを禁止する病院が多い理由

差し入れに対して規定を設ける職場が増えている理由は、職業倫理上の問題や、差し入れを行う患者さんの負担を考慮しているためです。差し入れを受け取っている場面をほかの患者さんが見ることで、疎外感や不安を抱いたり、誤解を招いてトラブルが起きたりする可能性もあるでしょう。このようなリスクへの懸念、また、一人ひとりの患者さんへの配慮から、差し入れを禁止する病院が増えているのが現状です。

なお、日本医師会「医師の職業倫理指針[第3版](p.22)」では、医療行為に対する報酬や謝礼に対して以下の見解を示しています。ここでいう「謝礼」とは、現金・贈答品を問いません。

「医師は医療行為に対し、定められた以外の報酬を要求してはならない。また、患者から謝礼を受け取ることは、その見返りとして意識的か否かを問わず何らかの医療上の便宜が図られるのではないかという期待を抱かせ、さらにこれが慣習化すれば結果として医療全体に対する国民の信頼を損なうことになるので、医療人として慎むべきである。」

日本医師会「医師の職業倫理指針[第3版](p.22)」(2024年7月17日参照)
出典
日本医師会「医師の職業倫理指針[第3版]」(2024年7月17日参照)

患者さんからの差し入れの対応は医療機関ごとで異なる

患者さんからの差し入れは、国公立病院や民間の医院・クリニックなど、医療機関によって対応が異なります。特に国公立病院に勤めている看護師は、公務員の規定があるため注意が必要です。以下で詳しく見ていきましょう。

国公立病院での受け取りは全面禁止となっている

国公立病院に勤める看護師は、公務員の規定で収賄罪(刑法第百九十七条)が成立する可能性があるため、差し入れを受け取ることは禁止されています。

大学病院や総合病院といった公務員の立場を有していない看護師においては、法的な問題はありませんが、職務規定によっては懲戒事由に該当する可能性も。特に、規模が大きい病院ほど規則を厳しくしている傾向にあるため、自身の職場のルールをしっかりと把握しておくようにしましょう。

出典
e-Gov法令検索「刑法(明治四十年法律第四十五号)」(2024年7月17日参照)

民間の医院・クリニックではお礼を受け取ることもある

大規模病院と異なり、医院・クリニックでは、お礼を受け取ることもあります。その理由としては、以前までの風習が続いていたり、地域密着型で患者さんとの距離が近かったりすることが挙げられます。中には、お礼の意味合いだけに留まらず、野菜や旅行のお土産といった差し入れを行う患者さんもいます。そのため、信頼関係の構築として、また、近所付き合いの一環として、有難く受け取る医院・クリニックも多いようです。

現に、日本医師会「医師の職業倫理指針[第3版](p.22)」では「謝礼」について「医療行為に関係なく地域の慣習による類のものとは本質的に異なる」と解説しています。患者さんからの差し入れは、それぞれの医療機関が担う役割によっても対応に違いがあるといえるでしょう。

出典
日本医師会「医師の職業倫理指針[第3版]」(2024年7月17日参照)

患者さんからのお礼で基本的なのはお菓子や手紙

患者さんからのお礼の品で一般的なのは、菓子折りや果物です。菓子折りは和菓子・洋菓子問わず、定番の差し入れといえるでしょう。また、手紙も医療従事者にとって大きな励みになる品の一つです。

その一方で、注意したいのが「現金」の受け取りです。現金は、税法上、事業所得または雑所得の扱いになるため、申告しなければ追徴課税になる恐れもあります。それゆえに、リスク回避として、どの医療機関でも原則的に受け取らないようになっています。

出典
国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」(2024年7月17日参照)
国税庁「No.1500 雑所得」(2024年7月17日参照)

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患者さんから差し入れのお礼をされたときの対処法

差し入れの受け取りが禁止されている職場では「看護師としてどう断るのが正解?」とお悩みの方もいるでしょう。ここでは、そのような場面に遭遇した際の対処法を紹介します。

院内のルールを伝えて丁寧に断る

患者さんの差し入れをお断りするときは、無理やりではなく丁寧な対応を心がけることが大切です。「規則により処罰される」といった病院側の事情とともに「お気遣いいただき恐縮ですが、お気持ちだけ頂戴します」と患者さんを不快にさせないように配慮しましょう。嬉しさや有難さを伝えつつ、後味が悪くならないような対応を意識するのがポイントです。なお、医療施設や研究費への寄付であれば手続きを通しての受け入れは可能となっています。

出典
日本医師会「医師の職業倫理指針[第3版]」(2024年7月17日参照)

個人的なお礼も受け取らないように注意する

患者さんの中には、病院側の事情を伝えた際に、自宅へ郵送したいと申し出る方がいるかもしれません。その場合も個人情報は伝えずに個人的なお礼はお断りするようにしてください。万が一受け取ってしまうと患者さんとのトラブルに発展する可能性も。たとえ手紙であっても、病院宛てに郵送してもらうといった手段をとり、柔軟に対応しましょう。

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患者さんのご家族に返却する

患者さんから受け取ってしまい、断りづらい状況になった場合は、患者さんのご家族に返却するのも一つの方法です。「申し訳ありません。規則で受け取れないことになっていますので」とご家族にお返しすることで、角も立ちにくいでしょう。なお、ご家族に返却した後は、師長(上司)への報告も忘れないようにしてください。

師長(上司)に報告して対応してもらう

看護師の中には「断ると患者さんの荷物になるのでは」「突き返すと失礼にあたるのでは」といった罪悪感から、差し入れを断るのが苦手な方もいるかもしれません。どうしても断れずに押し切られそうになった場合は、師長(上司)に報告し、対応してもらうのが適切な方法といえるでしょう。

患者さんからの差し入れのお礼に悩む看護師によくある質問

ここでは、患者さんからの差し入れに関して、よくある質問を紹介します。

患者さんから物をもらってはいけない理由は何ですか?

患者さんからの差し入れの受け取りが禁止されているのは、公務員の立場を有している看護師および規定を設ける職場に勤務している看護師です。禁止されている理由としては、公務員看護師であれば、収賄罪が成立する可能性があること、また、規定を設ける職場であれば、職業倫理上の問題や患者さんへの配慮が挙げられます。

患者さんからの頂き物はどう対応するのが一般的ですか?

患者さんからの頂き物は、病院の規定や師長(上司)の方針に従って対応するようにしてください。一般的には、受け取りを禁止している医療機関が多いものの、民間の医院・クリニックでは以前からの風習が続いている場合もあります。

看護師から患者さんにプレゼントを渡すことはありますか?

病院の規定や師長(上司)の方針にもよりますが、小児病棟の場合は、お金をかけずに、手紙や寄せ書き、折り紙などの手作りの品を渡すことはあるようです。子どもが好きなキャラクターの絵を取り入れると、特に喜んでもらえるかもしれません。

まとめ

今日、患者さんからの差し入れに関しては、規定を設ける職場が増えており、社会通念上は受け取らないようになっています。特に、国公立病院に勤める看護師は、公務員の規定で収賄罪が成立する可能性があるため注意が必要です。お礼の品を断る際は、病院側の事情を丁寧に伝えた上で、心のこもった言葉選びを意識しましょう。状況によっては、患者さんのご家族に返却したり、師長(上司)に対応してもらったりすることが大切です。

なお、差し入れの対応に苦慮している看護師は、ルールが徹底されている職場に転職するのも一つの手です。看護師専門の転職支援サービス「レバウェル看護」では、差し入れに関する規則も含めて、職場の内部事情を詳しくご説明。現状のお悩みをヒアリングしながら、あなたにマッチした働き方や求人をご提案します。情報収集や相談のみの利用も可能なため、ぜひお気軽にチェックしてみてください。

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この記事を書いた人
「レバウェル看護」編集部
「レバウェル看護」は累計利用者数47万人(※)を超える看護師専門の転職支援サービス。 編集部の制作体制には看護師経験者や現役看護師を交え、これまでに1,000記事以上(※)を執筆。看護師にとっての悩み・不安・疑問を一番に相談する"相談窓口"になることを目指し、医療・介護の現場で尽力している方々をサポートするためのコンテンツを発信中。 (※)2023年6月時点
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