
NICUの看護師はどのような仕事内容や、やりがいがあるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。NICUは新生児看護を行う専門性の高い部署で、看護師には赤ちゃんが安全に成長できる環境を整える役割があります。本記事では、仕事内容や1日のスケジュール例、やりがいなどを解説します。辛いと感じることや向いている人の特徴なども紹介しますので、ぜひご一読ください。
NICUの看護師は、集中的な治療や全身管理が必要な生後間もない赤ちゃんを対象に看護を行います。ここでは、NICU看護師の役割やほかの集中治療室との違いについて解説します。
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NICUの看護師の役割は、治療を受ける新生児が安全に成長できる環境を整えることです。医師や助産師、リハビリスタッフなどと連携しながら、一人ひとりに合わせた看護を実践します。また、ご家族が安心して赤ちゃんと関われるよう支援し、退院後の生活を見据えたサポートも重要な役割です。
NICUと似た名称の病棟にはGCU・PICU・ICUがありますが、受け入れる患者さんや治療の目的は異なります。以下の表では、各病棟の特徴や対象となる患者さんを比較しています。
| 部署の名称 | 治療の特徴 | 対象の患者さん |
| NICU(新生児集中治療室) | 高度で専門的な治療が必要な新生児が集中的なケアを受ける | 早産児や低出生体重児、生後28日未満の重篤な新生児 |
| GCU(新生児回復室) | NICUでの治療で容体が安定した新生児が続けて治療を受ける | 早産児や低出生体重児、生後28日未満の新生児 |
| PICU(小児集中治療室) | 重症度の高い疾患や外傷を持った子どもが、専門的で高度な治療を受ける | 0歳~15歳までの小児 |
| ICU(集中治療室) | 重症度の高い疾患や外傷など、手術後の治療を受ける | 成人 ※病院によっては小児も対象 |
どの病棟も専門的な看護が必要な点は共通していますが、求められる知識や技術は異なります。それぞれの特徴を理解しておくと、自分の実践したい看護や将来のキャリアを考える際にも役立つでしょう。
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NICUの看護師は、新生児の命と成長を支えるために幅広い業務を担当します。全身観察や医療処置だけでなく、医療機器の管理やご家族の支援なども欠かせません。ここでは、NICUで日常的に実践する主な内容を紹介します。
NICUでは、ハイリスクな状態で生まれてきた新生児を24時間体制で観察し管理します。バイタルサインを測定するほか、授乳量や尿量などの確認も重要な観察項目となります。また、皮膚の色や泣き方、睡眠なども重要な観察項目です。新生児は短時間で状態が変化するため、異変に気づいた際は、医師への迅速な報告と指示に基づいた対処が求められます。
NICUでは、新生児の状態を維持するためにさまざまな医療機器を使用します。安全な医療を提供するには、機器ごとの役割や操作方法を理解し、適切な管理が欠かせません。代表的な医療機器は次のとおりです。
保育器(クベース)は、体温調整機能が未熟な新生児のために温度や湿度を保つ医療機器です。看護師は、保育器の設定温度や湿度だけでなく、新生児の体温や皮膚の状態なども確認しながら管理します。また、感染予防のために保育器内を清潔に保ち、安全に治療を続けられるようにします。
シリンジポンプや輸液ポンプは、薬剤や点滴を決められた量と速度で投与するための機器です。新生児は体が小さく、わずかな量の違いが体調に影響することもあるため、設定値や投与量を丁寧に確認します。投与中も機器のアラームやルートの状態に気を配ることで、赤ちゃんの治療を支えています。
光線療法装置は、新生児黄疸の治療と予防に用いられる医療機器です。看護師は照射中の体温や皮膚の状態、水分バランスなどを確認しながら、安全に治療が進められるよう見守ります。また、光が目に入らないようにアイマスクが適切に装着されているかも確認し、赤ちゃんへの負担をできるだけ減らせるよう配慮します。
輸送用人工呼吸器は、検査室への移動や転院などで人工呼吸管理が必要な新生児に使用されます。搬送中も呼吸が安定するよう、酸素濃度や作動状況を確認しながら対応することが大切です。また、NICUの看護師は医師やスタッフと協力し、赤ちゃんが安全に移動できるよう準備や確認を行います。
NICUの看護師は、医師の指示に沿って採血や吸引、点滴管理、経管栄養などの処置を行います。新生児は体が小さく、わずかな刺激でも負担になりやすいため、状態に合わせた対応が求められます。
NICUでは、新生児の体重や日齢に合わせて薬剤の量を細かく調整します。看護師は医師の指示に沿って、処方内容や投与量、投与方法などを確認し、誤投薬を防ぐためのチェックを徹底しなければなりません。また、投薬後は薬の効果や副作用が現れていないかを継続的に観察し、必要に応じて医師や薬剤師へ共有します。
新生児の成長には、状態に合わせた栄養管理が欠かせません。NICU看護師は哺乳の練習サポートや、経管栄養から授乳へ切り替えるタイミングの見守りが必要です。また、母乳育児を希望するご家族には、搾乳方法や授乳の進め方を伝え、退院後の育児につながるような支援をします。
赤ちゃんがNICUへ入院すると、ご家族は大きな不安や戸惑いを感じることがあります。看護師は治療状況を分かりやすく伝えるだけでなく、ご家族の気持ちに耳を傾け、安心して赤ちゃんと関われるようなサポートが必要です。また、NICUの看護師は、退院後の生活も見据えながら、育児への自信につながる関わりを大切にしています。
NICUでは24時間体制で新生児を見守るため、日勤と夜勤で担当する業務が異なります。基本的な流れは決まっていますが、急変対応や緊急入院によって予定が変わることも少なくありません。ここでは、一般的な勤務スケジュールの一例を紹介します。
NICUの日勤勤務は、新生児の看護だけでなく、ご家族との関わりや多職種との情報共有も重要になる時間帯です。業務内容は病院の規模や受け入れる症例によって異なりますが、ここでは一般的な1日の流れを紹介します。
| 8:00 | 出勤 担当する赤ちゃんの情報収集 |
| 8:30 | 朝礼、夜勤スタッフからの申し送り |
| 9:00 | バイタルサイン測定、モニター画面のチェック 呼吸器や点滴管理、哺乳量チェック |
| 10:00 | 清潔ケア、授乳介助、ご家族への指導 |
| 12:00 | 交代で休憩に入る |
| 13:00 | カンファレンス、バイタルサイン測定 |
| 15:00 | 呼吸器や点滴管理 授乳介助やおむつ交換 |
| 16:00 | 看護記録を作成 夜勤スタッフへの引継ぎ |
| 17:00 | 後片付け、退勤 |
日勤は予定通りに進むとは限らず、緊急入院や容体の変化によって優先順位を判断しながら対応する場面もあるでしょう。スタッフ同士で連携し、安全な看護を実践することが大切です。
NICUの夜勤勤務は、少ない人数で新生児の状態を見守りつつ、安全な医療環境を維持する役割があります。ここでは、一般的な夜勤の流れを以下にまとめています。
| 8:00 | 出勤 担当する赤ちゃんの情報収集 |
| 17:00 | 日勤スタッフからの申し送り |
| 18:00 | バイタルサイン測定、モニター画面のチェック 呼吸器や点滴管理、哺乳量チェック、内服薬の準備 |
| 19:00 | 清潔ケア、授乳介助、ご家族への対応 |
| 20:00 | 消灯 |
| 21:00 | バイタルサイン測定、内服薬の準備 観察・記録 |
| 23:00 | 交代で休憩 |
| 3:00 | バイタルサイン測定 栄養管理・採血、緊急入院の対応 |
| 5:00 | バイタルサイン測定、モニター画面のチェック 呼吸器や点滴管理、哺乳量チェック、清潔ケア |
| 7:00 | 点灯、検査が必要な赤ちゃんの準備 |
| 8:00 | 日勤スタッフへの申し送り |
| 9:00 | 退勤 |
夜間は保護者の面会や予定された処置が少ない時間帯ですが、急変は時間帯を問わず起こる可能性があります。そのため、急変時でも落ち着いて対応できるよう、知識や技術を身に付けておくと安心でしょう。
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NICUは高い専門性が求められる一方で、大きなやりがいを感じられる職場でもあります。しかし、その分だけ責任や精神的な負担を感じる場面もあるでしょう。ここでは、NICU看護師として働く魅力と大変さの両方を紹介します。
NICUでは、専門的な看護を実践しながら、新生児やご家族と長く関わる機会が多くあります。責任の大きい職場ですが、日々の仕事にやりがいを感じる場面も少なくありません。代表的なやりがいは次のとおりです。
NICUならではの経験を積むことで、新生児に関する知識や技術を深められるだけでなく、看護師としての自信にもつながります。NICUでは、日々の積み重ねが大きな成長を実感できる職場といえるでしょう。
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NICUで働く看護師の本音は?辛い理由や新生児ケアのやりがいなどを解説
NICUは高度な医療を提供する現場でもあるため、命に関わる素早い判断や対応が求められる場面も少なくありません。そのため、やりがいを感じる一方で、精神的・身体的な負担を抱えることもあります。代表的な例は以下のとおりです。
施設によってはNICUを担当する常勤医師の人数が限られており、看護師が自ら判断して迅速に報告・対応するケースが増えることもあります。あらかじめ負担になりやすい点を把握しておくと、働くイメージも持ちやすくなるでしょう。
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NICUの看護師を辞めたい理由と対処法は?経験が活かせる転職先を紹介
NICUでは専門性の高い看護を実践するため、知識や技術だけでなく、仕事への向き合い方や適性も大切になります。ここでは、NICU看護師に向いている人の特徴を紹介します。
NICUでは、新生児特有の疾患や発達に関する知識を学ぶ機会が多くあります。そのため、小児看護や新生児看護に関心があり、「もっと専門的な知識を身に付けたい」「この分野で経験を積みたい」と考えている方に向いています。患者さん一人ひとりの成長を見守りながら関われるため、モチベーションを保ちながら仕事にも取り組めるでしょう。
新生児は自分で症状を伝えられないため、看護師がわずかな変化を読み取ることが重要です。呼吸や皮膚の色、表情などの変化を総合的にとらえ、適切な判断につなげる力が求められるでしょう。細かな変化に気づいて冷静に対応できる方は、NICUでも力を発揮しやすいといえます。
NICUでは、新生児だけでなくご家族への支援も欠かせません。不安や戸惑いを抱えるご家族の気持ちに寄り添いながら、育児の自信につなげることが大切です。そのため、人と上手にコミュニケーションを取り、相手の立場を考えながらサポートしたい方にも向いています。
NICUでは、医師や助産師、薬剤師、リハビリスタッフなど多くの職種と協力しながら看護をします。患者さんの情報共有が遅れると治療やケアに影響する可能性もあるため、相手に分かりやすく伝える力も重要です。チーム医療を意識しながら行動できる方は、円滑に業務を進められるでしょう。
NICUで働くために必須となる資格は看護師免許ですが、専門資格を取得することで知識や技術をさらに深められます。キャリアアップや専門性の向上を目指す際にも役立つため、将来像に合わせて取得を検討するのが望ましいでしょう。
新生児集中ケア認定看護師は、NICUで必要となる専門知識や技術を高めたい方に役立つ資格です。重症新生児への看護を実践するだけでなく、院内スタッフへの指導や相談対応を担う場面もあるでしょう。より専門性の高いキャリアを目指したい方に適した資格です。
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NCPRインストラクターは、新生児蘇生法に関する知識や技術を指導できる資格です。新生児の急変に備えるスキルを身に付けられるだけでなく、院内研修やスタッフ教育に携わる機会も広がるでしょう。教育に関心がある方にとって、取得するメリットは大きい資格です。
助産師資格を取得すると、分娩直後から新生児の状態を継続して把握しやすくなります。母体への状況も踏まえて支援を実践できるため、ご家族への関わりにも役立つでしょう。また、NICUだけでなく産科との連携が多い病院では、助産師の経験を活かせる場面があるかもしれません。
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NICUへの転職を考える際は、給与や休日だけでなく、看護を実践する環境にも目を向けることが重要です。入社後のミスマッチを防ぐために、確認しておきたいポイントを紹介します。
病床数や年間入院件数を確認すると、そのNICUがどの程度の症例を受け入れているのかを把握しやすくなります。症例数が多い病院では幅広い経験を積める一方で、忙しさを感じる場合もあるでしょう。自分がどのような環境で活躍したいのかを考えながら、病院の特徴を比較するのが望ましいです。
NICUでは専門的な知識や技術を学び続けることが欠かせません。そのため、新人教育の進め方やプリセプター制度の有無、院内・院外研修への参加支援などを確認しておきましょう。各種資格の取得を支援する制度があるかどうかも、長く働くうえで参考になります。
NICUでは新生児の状態に応じて手厚い看護が必要になるため、新生児3名に対して1名以上の看護師配置が義務付けられています。一般病棟と比較して、集中しやすい看護体制なのもポイントでしょう。また、配置に余裕がある職場では、相談しながらの業務や、教育を受ける時間も確保しやすくなります。そのため、病院見学ができる場合は、実際の人員体制や職場の雰囲気を確認しておくと安心です。
NICUで使用する医療機器の導入状況は病院によって異なります。保育器や人工呼吸器だけでなく、どのような設備が導入されているかを確認しておくと、入社後に実践できる看護もイメージしやすいでしょう。また、高度医療機器の操作方法の教育体制が整っているかどうかも、確認しておきたい点です。
NICU看護師になるには、看護師免許を取得し、NICUを設置している病院へ就職または転職する必要があります。新卒や経験の浅い看護師が配置されるケースもありますが、ある程度の経験やスキルを身に付けてから配属されることの方が多いかもしれません。まずは小児科や産科などから経験を積むのも一つの手でしょう。応募する際は、病院ごとに募集条件が異なるため、経験者を優遇しているか、未経験者向けの教育体制があるかも確認しておくと安心です。
ここでは、NICUで働く看護師によくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は525万7,200円です。NICUでは、新生児3名に対して1名以上の看護師配置義務があります。そのため、夜勤回数も増えて、その分夜勤手当が多くもらえる可能性があります。また、夜勤手当だけでなく、残業手当や資格手当などが出る場合は、看護師の平均年収よりも多くなる傾向があるでしょう。
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NICU看護師には、新生児の小さな変化を見逃さない観察力や、状況に応じた判断力が求められます。また、高度な医療機器を扱う知識や技術に加え、医師や助産師、そのほかのスタッフとスムーズに連携できるコミュニケーション能力も欠かせません。不安を抱えるご家族へ寄り添う姿勢も、NICUで働くうえで大切なスキルの一つです。詳しくは「NICU看護師に向いている人の特徴」を参考にしてください。
NICUの看護師は、集中的な治療を必要としている新生児に対し、24時間体制での医療管理や日常的ケアなどを提供します。NICUでは、高い専門的な知識や技術が身に付けられる一方で、緊張感のある職場で働くプレッシャーに負けないメンタルの強さや、緊急時に迅速に対応できる冷静さが必要です。また、看護師資格があればNICUへの転職は可能ですが、経験やスキルを重視する病院もあります。NICU看護師を目指し転職をお考えの方は、病院の傾向を理解し、教育体制の整った職場を選ぶと良いでしょう。
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