
看護師の中には「認定看護師の更新はどのような手順で行うのか知りたい」「認定看護師の資格を更新するか悩んでいる」という人もいるでしょう。認定看護師の更新は、レベル保持を目的として5年ごとに行われます。本記事では、認定看護師の更新の概要や具体的な流れについて詳しく解説。再認定・延長する場合や、更新を躊躇する際の理由にも触れますので、申請の際の事前知識としてぜひお役立てください。
日本看護協会の認定資格である認定看護師には、更新制度が設けられています。認定看護師を更新するためには、主に「審査申請」「審査料振込」「審査書類の提出」の3つのステップを踏む必要があります。まずは具体的な手順に入る前に、基本のポイントを押さえていきましょう。
認定看護師の更新は、認定看護師の認定時もしくは前回更新時から5年ごとに行われます。更新審査は期間が定められているため、事前にスケジュールを把握して計画的に準備することが大切です。なお、下記の表は認定更新審査の日程例となります。時間などの詳細は、日本看護協会「2024年 第23回認定看護師 認定更新の手引き(p.4)」から確認できるため、参考にしてみてください。
| 日程 | 申請 |
| 7月初旬ごろ | 個人情報の登録内容の編集審査申請審査料の振込 |
| 7月初旬~中旬ごろ | 審査書類の提出(郵送・オンライン) |
| 11月中旬ごろ | 審査合否の確認認定料の振込 |
| 11月下旬ごろ | 氏名・施設名の公開/非公開の登録 |
| 12月下旬以降 | 認定証の受領 |
引用:2024年 第23回認定看護師 認定更新の手引き(p.4)
また、認定看護師の審査方法は2017年から一部変更されています。変更前の内容については「【重要】必ずお読みください:認定看護師(CN)認定更新審査 2017年以降の審査方法の変更について」に記載があるため、あわせてチェックしましょう。
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認定看護師の資格取得はゴールではなく、あくまで成長する手段です。そのため、ほかの看護師の手本となれるよう努力を重ね、医療現場に貢献しているかどうかを、更新審査を通じてチェックされます。現に、日本看護協会「2024年 第23回認定看護師 認定更新の手引き(p.3)」では、認定看護師に求められる自己研鑽の考え方に関して、以下のような説明がされています。
認定看護師制度規程第4条第3項に規定されるとおり、認定看護師は実践・指導・相談の役割を果たすため、自ら進んでその能力の開発及び向上を図り、これを看護業務に発揮するよう努めなければならない。認定更新審査は、認定看護師として実践・指導・相談の役割を発揮していることを確認するための審査である。
引用:2024年 第23回認定看護師 認定更新の手引き(p.3)
このことからも、更新制度の導入目的が「レベル保持」であることが読み取れるでしょう。日々業務に追われている看護師だからこそ、認定看護師の更新審査は自身の考えを整理するきっかけにもなるはずです。
認定看護師の更新審査に申請するには、以下の条件を達成する必要があります。なお、申請時に休職・離職中であっても、要件を満たしていれば申請することが可能です。
次の1〜2の項目をすべて満たしていること。
引用:認定看護師
1.申請時において、認定看護師であること。
2.申請時において過去5年間に下記の看護実践及び自己研鑚の実績があること。
1)看護実践時間:2,000時間以上
2)自己研鑽実績:50点以上
看護実践時間には、教育職としての実践は含まれません。ただし、認定看護師教育課程の専任教員・主任教員や、看護師養成学校(大学・短期大学・専門学校)および大学院の教員である場合は、教育職としての実践の一部が看護実践時間として認められます。
日本看護協会は、2019年に認定看護師規程を改正しました。主な改正内容は、B課程認定看護師教育の開始と、認定看護分野の再編です。現行のA課程は2026年度をもって教育終了となりますが、更新審査は永続的に実施されるため安心してください。また、特定行為研修を修了すれば、B課程への移行も可能です。特定行為研修の指定研修機関や特定行為区分の受講は自由に選べるため、該当する人はチェックしてみると良いでしょう。
詳しくは日本看護協会「新たな認定看護師への移行について」をご覧ください。
それでは、具体的な更新手順や方法を確認していきましょう。基本的な流れは下記の通りです。1〜3までは「資格認定制度 審査・申請システム」で手続きを行うことになります。
審査・申請システムの操作に関しては、カテゴリごとに「よくある質問」も用意されているため、確認してみると良いでしょう。また、個人審査に関する不明点や疑問点は、チャットボット(AI 自動応答システム)や日本看護協会の公式ホームページ、電話から問い合わせることが可能です。
まずは、システム上で個人情報の編集や審査申請を行います。登録しているメールアドレスや住所宛てに、通知メールや郵便物が送付されるため、登録情報に変更が生じた場合は、速やかに更新をしておきましょう。なお、更新審査に関する通知ハガキは、2024年度の場合、2月上旬に送付されているようです。審査申請を行う際は、日本看護協会の公式ホームページに掲載されている「認定の手引き」を入念に確認するようにしてください。
申請が完了したら、更新費用の3万800円を振り込みましょう。振込先はメールもしくはシステム上で確認するようにしてください。振込口座番号は申請者ごとに異なるため、注意が必要です。なお、審査料を振り込んだ後は、どのような理由があっても返還されません。
続いて、システム上にて審査書類の作成・提出を行います。オンラインでの提出物は以下の2種類です。以前までは履歴書の提出も必要でしたが、2020年度から不要となっています。
なお、「提出する」のボタンを押すと、再編集および再提出ができなくなるため注意してください。審査書類の提出が遅れたり、不備があったりする場合は不合格となります。
実践報告書とは、1回目更新申請者のみが提出する「審査対象期間の活動報告」を記載する書類です。2回目(10年目)以降の更新申請者の提出は不要となります。文字数の規定は1,400字〜1,700字で、テンプレートの項目に沿って入力します。認定看護師の役割である「実践」「指導」「相談」のうちの「実践」に該当する内容のみを記載しましょう。
なお、文字数が規定を超えている場合は、書類不備となります。また、文字列の一致率が一定の割合を超えている場合も、盗用とみなされるため注意が必要です。書き方に悩むこともあるかもしれませんが、あくまでも自分の言葉で作成するようにしてください。
研修実績および研究業績等申告表とは、自己研鑚の実績を積んだことの裏づけとなる書類です。自己研磨実績は、日本看護協会の換算表をもとに点数で算出します。認定看護師の更新に必要な点数は50点〜100点です。規定外の場合、書類不備になるため注意しましょう。
また、申告内容は「Ⅰ群・Ⅱ群ともに各群10点以上」「1つの項目に偏っていない」ことが望ましいとされており、Ⅰ群は実践活動等、Ⅱ群は学会・研究会発表等となっています。項目一覧は、日本看護協会「参考資料:認定看護師 研修実績及び研究業績等申告表項目一覧」から確認できます。
なお、研修実績および研究業績等申告表は、オンライン上で作成・提出後、さらに出力して郵送する必要があります。入力した内容にあわせて、証明書類に番号を振る必要があるため、頭に入れておきましょう。郵送時の詳細は後ほど解説します。
郵送における審査書類一式は、日本看護協会の公式ホームページからダウンロードします。郵送での提出物は以下のとおりです。
審査書類はA4サイズで、折らずに収まる封筒に入れて提出します。簡易書留や特定記録郵便といった配達記録が残る方法で送付期間内に郵送しましょう。提出期間外の消印がある場合や、送付内容・送付方法に不備がある場合は不合格となります。また、提出後の書類の差し替えや追加、返却もできません。
※1「教育従事期間証明書」は、認定看護師教育課程および看護師養成学校・大学院の教員が、看護実践時間数として申請する場合にのみ提出
※2「改姓に関する証明」は、各種審査書類に複数の姓の記載がある場合にのみ提出
下記にて、主な書類の補足説明を行います。
看護実践時間証明書とは、2,000時間以上の看護実践を行ったことを証明する書類です。常勤の場合は、審査対象期間の総勤務年月数、非常勤の場合は、総勤務時間数を記入します。看護実践を行った施設の長もしくは看護部門の長に証明してもらう必要があるため、余裕を持って準備するようにしてください。
研修実績および研究業績に関する証明資料とは、前述で提出した「研修実績および研究業績等申告表」の内容を証明する資料のことです。証明資料の右上には、オンライン上で入力した証明資料番号を記載します。なお、郵送する際は「研修実績および研究業績等申告表」も印刷して同封する必要があります。
更新審査の合否結果は、システム上にて発表されます。合否情報にあわせて入金情報や支払期限などの確認も行うようにしてください。審査に合格した場合は、認定料2万900円の振込が必要です。更新登録の手続きが完了すると、認定看護師の認定証を受領することができます。ただし、不合格の場合は、同年12月末日で資格が失効されるため注意しましょう。
なお、「看護実践評価」は下記の4段階で評価されます。
| A | 基準を満たしている(実践報告書の内容が特に優秀) |
| B | 基準を満たしている |
| C | 基準は満たしているが課題が残る |
| D | 基準を満たしていない(不合格理由表示あり) |
引用:2024年 第23回認定看護師 認定更新の手引き(p.30)
認定看護師の更新審査では、書類の内容や提出方法、提出日などに不備があった場合に不合格となる可能性があります。また、「自己研鑽評価」および「看護実践評価」の基準を満たしていない場合や、実践報告書が本人の活動と認められない場合も同様です。さらに、以下のような不正行為または不正行為の合理的な疑いが認められた場合も、不合格となります。
認定看護師の更新制度では、再認定審査や延長審査に申請することも可能です。それぞれの審査料は3万800円、認定料は2万900円となっています。下記にて詳細を見ていきましょう。
以下に当てはまる看護師は、認定資格の失効に伴い、再認定審査を受けることが可能です。再認定審査を通過すれば、認定看護師の資格を再取得することができます。
なお、申請における要件は下記のとおりです。
次の1~2の項目をすべて満たしていること。
引用:認定看護師
1.過去に認定看護師として認定された者であること。
※2021年4月以降に初めてA課程認定看護師名簿に登録する認定看護師、及びB課程認定看護師名簿については、適用しないものとする。
2.過去5年間に以下の看護実践及び自己研鑚の実績があること。
1)看護実践時間:2,000時間以上
2)自己研鑽実績: 50点以上
病気その他やむを得ない理由があると認められた場合は、申請期間を延長することも可能です。延長申請は、更新審査該当年に行います。延長期間は原則1年間で、認定期間の延長は3回まで、最大3年間可能です。審査では、休業証明書といった延長理由を裏付ける書類の提出が求められます。審査書類をもとに認定期間延長の可否が決定されるため、手続きの際は「認定看護師延長審査の手引き」を確認しながら、不備がないように気を付けましょう。
認定看護師を維持するには、たゆまぬ努力が必要になるため、中には更新に迷う人もいます。現場からのニーズが高くなるのはもとより、看護業務の合間を縫って活動時間を確保しなければならないため、精神的・体力的に大変と感じることもあるようです。
なお、日本看護協会「2012年認定看護師の活動及び成果に関する調査結果(p.102 )」によると、認定看護師の活動の推進力となっているものとして、以下の3つが上位に挙げられています(複数回答)。そのため、下記の内容が希望に沿わない場合は、認定看護師の更新に迷いが出る可能性もあるでしょう。
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認定看護師を更新しない場合は?その理由と再度審査を受ける方法を解説
認定看護師の資格取得に対する満足度は、職場環境によって大きく変わるようです。日本看護協会では、「2012年認定看護師の活動及び成果に関する調査結果(p.148 )」にて「認定看護師になってよかったと思うか」という調査を実施しています。その中で「全くそう思わない」に近い4段階を選んだ看護師の理由は、以下のとおりです。
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点数 |
自由記述(理由) |
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3 |
思った通りの活動ができない。 |
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私費での活動になるため経済的負担が非常に大きく家計を圧迫している。 |
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7:1をとるために何も活動させてもらえていない。 |
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2 |
臨床では教育課程で得たものを活かすための体制や周囲の理解が乏しい。 |
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役職がついたため夜勤回数が減り、認定手当も無いため、以前より給与が減った。 |
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保険点数で加算される項目がないため。 |
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1 |
上司・同僚等からの理解が得られにくい。 |
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評価されず、仕事が増えるだけで手当てもない。 |
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全て「専従だから」という理由で仕事が増加した。 |
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0 |
ある程度の臨床経験が必要だった。上司、同僚との折り合いが大変である。 |
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CNとしての活動を適切に組織から評価されていない。 |
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病院の広告として利用されているだけの存在に感じる。 |
引用:2012年認定看護師の活動及び成果に関する調査結果(p.148 )
本調査の実施からは年数が経っているため、あくまで参考にはなりますが、「仕事内容と労働対価が見合わない」と感じる人が一定数いることがわかるでしょう。認定看護師として、モチベーションを維持しながら働くためには、サポート体制が手厚い職場に転職するのも一つの手といえます。
認定看護師として活動していると、時には働き方を見直したいと思うこともあるでしょう。結婚や出産などで人生の優先順位が変わり、家庭との両立に悩む場面もあるかもしれません。そのようなときは、キャリアプランを見つめ直し、認定看護師としてどのような道を歩みたいのかを今一度考えてみましょう。
「認定看護師になった向上心の高い先輩。マリアンナが憂いた、その後の現実とは?『ナースが物申す』【第55回】」では、実際に更新審査を見送った看護師のエピソードを紹介していますので、参考にしてみてください。更新審査に申請しない場合は認定資格が失効されるため、慎重に検討することが大切です。
ここでは、認定看護師の更新に関するよくある質問を紹介します。
認定看護師の更新審査では、オンラインと郵送の両方で書類の提出が求められます。オンラインで必要な書類は「実践報告書」と「研修実績および研究業績等申告表」の2種類です。また、郵送では「看護実践時間証明書」なども求められます。詳しくは「認定看護師の更新手順と方法」で解説しています。
「認定更新の手引き」に操作方法の細かい手順が記載されているため、心配しすぎる必要はないでしょう。審査・申請システムでは、カテゴリごとに「よくある質問」も用意されています。なお、オンライン審査書類では「提出する」のボタンを押すと再編集および再提出ができなくなるため、注意が必要です。
基本的に、書類や手続きに不備がなければ、審査は通過する傾向にあります。そのため、更新審査自体の難易度は高くないといえるでしょう。ただし、申請作業には周囲の協力やまとまった時間が必要となるため、余裕を持って準備するようにしてください。
認定看護師の更新は、レベル保持を目的として5年ごとに行われます。審査には、期間内の申請や書類の提出、審査料や認定料の支払いが必要です。確認すべき項目が多いため、日本看護協会の「認定更新の手引き」を見ながら進めるようにしてください。更新を見送る場合は資格が失効されますが、再認定審査も可能なため、念頭に置いておくと良いでしょう。
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