
「認定看護師の資格がなくなる噂は本当?」と不安に感じている方もいるでしょう。認定看護師の制度そのものはなくなりません。これまでの施行されていた制度が廃止され、新しく設けられた制度に移行されます。
この記事では、認定看護師の旧制度と新制度の概要、これからの認定看護師に求められる能力をご紹介。現在認定看護師として働いている方や、認定看護師の資格取得を検討している方は、ぜひ内容をご一読ください。
認定看護師は、2020年度から新しく「特定行為研修」を組み込んだ「B課程」がはじまっています。特定行為研修を含まないこれまでの認定看護師制度(A課程)は、2026年度に廃止されることが決定されました。よって、2026年度まではA課程とB課程の2つの制度が存在します。
認定看護師自体はなくなりません。
日本看護協会が2018年に発表した時点では、現行の認定看護師制度の廃止をすると決定していたため、「認定看護師がなくなる」という噂が広がったと考えられます。その後、「現行制度の資格も有効になる」と方針転換を発表されましたが、廃止の情報だけが残り、「認定看護師がなくなる」という話がひとり歩きしたといえるでしょう。
特定行為研修を含まない旧制度で取得した認定看護師資格は、今後も有効です。すでに認定看護師の資格を有している看護師は、5年ごとの認定審査を受ければ、資格を永続的に保持できます。
また、2021年度からは一定の条件を満たせば、新制度の認定看護師に移行することが可能になりました。新制度の移行に関する詳細は、本記事の「以前取得した資格を新制度に移行する場合」をご確認ください。
2029年には旧制度の認定審査が終了します。今後、今まで所持していた認定看護師資格を所持し続けるか、新たな認定看護師資格に移行するかは、個人の判断が分かれるところといえるでしょう。
旧制度の認定看護師は21分野でしたが、新制度の認定看護師は19分野となりました。旧制度の認定看護分野と同じものもあれば、統合や名称変更した分野もあります。この項を参考に、どの分野が統合・名称変更されたのかを確認しましょう。
「クリティカルケア」はクリティカル期にある重症患者さんを対象にすることから、「緩和ケア」は非がん患者さんに対するケアの充実が期待されるため、統合されました。
名称変更の理由には、「これまでの分野名では役割を表現しきれなくなった」「専門用語そのものが変更された」「限定されたイメージの払拭」などが挙げられます。
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2015年10月から開始した「特定行為に係る看護師の研修制度」は、保健師助産師看護師法に位置付けられた研修制度です。特定行為研修を修了した看護師は、患者さんの状態を見極め、状況に最適な対応をすることが期待されています。
特定行為研修を修了すれば、看護現場で専門性をさらに発揮することが可能です。厚生労働省の「特定行為に係る看護師の研修制度」によると、医師または歯科医師の判断を待たず、手順書により、一定の診療補助を行う看護師を計画的に養成・確保していくことが目的とされています。
特定行為研修を受けた看護師は、患者さんの状態を見極めることで、タイムリーな対応を実現できるでしょう。また、患者さんやご家族の立場に立ったわかりやすい説明ができ、「治療」と「生活」の両面からの支援の促進に貢献します。
認定看護師の新制度における特定行為は、38行為21区分あります。看護現場で実施することが多いとされる行為の一部は、以下のとおりです。
| 特定行為 | 内容 |
| 栄養および水分管理に係る薬剤投与関連 | 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整、脱水症状に対する輸液による補正 |
| 呼吸器関連 | 経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整、人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整、気管カニューレの交換など |
| 循環器関連 | 一時的ペースメーカの操作および管理、一時的ペースメーカリードの抜去、経皮的心肺補助装置の操作及び管理など |
| 創傷管理関連 | 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去、創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
| 透析管理関連 | 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液、透析濾過器の操作および管理 |
認定看護師が手順書により特定行為に取り組む場合は、実践的な理解力・思考力・判断力・専門的な知識および技能などが必要です。
この項では、認定看護師資格の取得方法を、現時点での資格の有無に分けてまとめました。新しい制度で認定看護師になる場合と、旧制度から新制度に移行する場合では、資格の取得にかかる時間や費用に違いがあります。それぞれの方法をチェックしてみましょう。
これから認定看護師を目指す場合、看護師免許取得後の実務経験が5年以上あり、そのうち3年以上は認定看護分野の実務経験のあることが必須条件です。資格要件を満たしたうえで「認定看護師教育基準カリキュラム(B課程)」を受講し、認定審査に合格すれば、特定認定看護師として活動できます。
認定看護師の認定審査における合格率は高い傾向にあるので、受講内容をしっかりと学習していれば資格取得を目指せるでしょう。なお、基本的に平日は夕方まで授業があり、働きながらの資格取得は難しいため、職場に休職などの相談をすることが大切です。
旧制度ですでに認定看護師の資格を所持し、新制度に移行する場合は、特定行為研修の受講が必要です。新制度に移行後も、資格の有効期間は現行のものを引き継ぎます。
これまでの認定看護師制度から移行する場合は、どの指定研修機関を利用しても、どの特定行為研修区分を受けても問題ありません。新たな認定看護分野の教育内容に合わせた追加研修は不要です。
特定行為研修が修了したら、移行手続きを完了することで、新制度での認定看護師資格を取得できます。なお、移行する認定看護分野は、今まで取得していた認定看護分野にまつわるものでなくてはなりません。
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認定看護師の費用はどれくらい?職場の支援や奨学金の制度を受けられる?
これからの認定看護師には、以下のような能力のあることが期待されます。
| 期待される能力 | 内容 |
| 多職種協働 | より質の高い医療を推進するため、多職種と協働し、チーム医療のキーパーソンとして役割を果たすことができる |
| 役割モデル | 特定の看護分野において役割モデルを示し、看護師へ指導やコンサルテーション(または相談)を行うことができる |
| 高い臨床推論力・病態判断力 | 特定の看護分野において高い臨床推論・病態判断に基づいた実践ができる |
| 倫理 | 特定の看護分野の対象にある患者さん・ご家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護を実践できる |
これらの能力を発揮し、地域医療への理解を深めながら、チームワークで看護現場に取り組むことが大切です。
看護師としてさらなる活躍を考えている人は、認定看護師から専門看護師にステップアップするのもおすすめです。認定看護師の上位資格である専門看護師は、「複雑で解決困難な看護問題を持つ個人・家族・集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識や技術を深めた看護師」を指します。
認定看護師が看護現場のプロフェッショナルだとすると、専門看護師は看護全体のプロフェッショナルといえるでしょう。専門看護師の資格取得条件は、看護系大学院における修士課程を修了していること、5年以上の実務研修があることです。専門性の高さからキャリアアップへ直結しやすいため、看護師として技術や知識の向上を考える方は、専門看護師の資格取得も視野に入れてみましょう。
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「専門看護師とは」
ここでは、認定看護師の現行制度がなくなることに関する質問を、Q&A形式で回答いたします。
職場によっては、資格手当を受け取れる可能性があります。専門性の高い業務に携われることにより、基本給がアップするところもあるでしょう。ただし、すべての病院で給料が上がるとは限らないため、注意が必要です。認定看護師向けの制度が整っている環境に転職すれば、待遇の改善に期待ができます。
認定看護師の資格を重要視していない病院・施設では、資格を活かした働き方を実現できないことがデメリットです。また、資格取得には時間・費用・手間がかかるため、職場に資格取得支援制度がない場合、自己負担が大きくなるでしょう。認定看護師になるメリットやデメリットは、「認定看護師を取得するメリットとデメリットとは?将来性も踏まえて解説!」の記事でも詳しく触れています。
認定看護師の資格は、2020年度から特定行為研修を含むB課程に移行しています。これまでの制度であるA課程は2026年度に教育が終了しますが、更新審査を受ければ資格を永続的に保持することが可能です。
これから認定看護師を目指す場合は、資格要件を満たし、認定審査を通過すれば、特定認定看護師になれます。これまでの制度で認定看護師の資格を取得し、新制度に移行する場合は、特定行為研修の受講と移行手続きが必要です。看護師としてさらなる活躍を希望する場合は、認定看護師から専門看護師を目指すのも良いでしょう。
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