
訪問看護師の給料の実態が気になる方は多いでしょう。訪問看護師の平均給料は約46万円、手取り額は約37万円なので、比較的安定した収入が期待できるといえます。この記事では、病棟看護師との給料の違いや訪問看護師に支給される手当の種類を解説。訪問看護師の給料が高い理由や、転職で訪問看護ステーションを選ぶ際のポイントも解説していますので、ぜひご一読ください。
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果(P6)」によると、訪問看護師の平均給料は約46万円、手取り額は約37万円、年収は約557万円です。ここでは、各項目を詳しく解説しますので、訪問看護師の給料面が気になる方は、ぜひご一読ください。
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果(P6)」によると、常勤で働く訪問看護師の平均給与額は、46万3,927円です。平均給与額×80%として算出すると、手取り額は約37万円です。日勤メインの看護師の仕事において、訪問看護師は比較的高い収入が期待できるといえるでしょう。
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果(P6)」によると、常勤で働く訪問看護師の平均給与は46万3,927円であり、「給与×12ヶ月分」で計算すると、平均年収は556万7,124円です。職業情報提供サイトjobtagの「看護師」によると、令和6年の看護師の平均年収は約520万円。訪問看護師の平均年収と比較すると、看護師全体の年収より36万円ほど上回っています。
ここでは、訪問看護師と病棟看護師の違いが気になる方に向けて、給料や賞与の違いを解説します。
日本看護協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書(P118,P55,P56)」を参考にした、病院と訪問看護ステーションで働く看護師の給料は以下のとおりです。
| 訪問看護師 | 病院看護師 | |
| 平均基本給額 | 25万4,766円 | 25万2,450円 |
| 平均税込給与総額 | 32万5,833円 | 33 万 9,979 円 |
参照:日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書(P118,P55,P56)」
※病院看護師=10 年、31~32 歳、非管理職の看護師
平均基本給額と平均税込給与総額ともに、病院看護師と大差がないのが特徴です。基本的に日勤のみで働けるメリットを踏まえると、訪問看護師の給与水準を高めに感じる方も多いかもしれません。
2024年3月調査のレバウェル看護の調査によると、訪問看護師の平均賞与は年間62万円、病院看護師が年間77万6,162円です。賞与の有無や金額は個人の能力や経営状況によって変わる場合が多いものの、病院看護師のほうがやや高い傾向にあるでしょう。病棟からの転職をお考えの方は、給料だけでなく賞与の違いも知っておくと安心です。なお、賞与額は転職時期や入職タイミングによっても異なります。
訪問看護師の月収は、各種手当の影響も受けます。ここでは、訪問看護師に支給される手当の種類として、「オンコール手当」「時間外労働手当」「緊急訪問手当」などを解説しますので、ご一読ください。
多くの訪問看護の職場では待機している間の拘束時間への手当として、オンコール手当が支給されます。「待機や電話対応のみ」か「出勤あり」の状況に応じて手当が分けられていることも。以下に待機、電話対応、出勤と内容別でオンコール手当の額をまとめました。
| オンコール手当の種類 | 平均手当額 |
| 待機のみ(1 晩・1日あたり) | 2,353円 |
| 電話対応のみ | 2,287円 |
| 緊急訪問に対応 | 3,527円 |
参照:日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書(P124,P125,P126)」
日本看護協会の同資料によると、待機のみの手当は1,000~2,000 円未満が23.0%、2,000~3,000 円未満が20.2%。電話対応のみだと0円が29.3%、1,000~2,000 円未満が7.6%でした。実際に緊急訪問した際は平均3,527円が支払われるようです。手当の額は職場によって大きく異なり、待機や電話対応までだと支給されないことも多いといえます。
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訪問看護では基本的に定時後の勤務は少ない傾向にありますが、残業発生時は時間外労働手当が支給されます。訪問する利用者さまの当日の体調の急変や、提供するケア内容に変更があった際には、時間外の勤務が発生することも。訪問スケジュールにずれが生じるといったトラブルで、勤務時間内に報告書や訪問看護の記録が終わらない場合も、時間外の作業になるので支給があるでしょう。
緊急訪問手当とは、「早朝・夜間・深夜」「土日祝日の日中」のオンコール待機中に訪問した際の手当。一般的に、緊急訪問手当は1回単位で支給される場合が多いようです。日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書(P14)」によると、16.6%の事業所が1回につき0円、9.6%が5,000 円以上を支給すると回答しています。
訪問看護では、公共交通機関ではなく自動車で訪問先に向かうことも多くあるのでマイカー手当が発生する場合があるでしょう。社用車を使わない場合は、自身の自動車を頻繁に使用することになるので、ガソリン代や車検の費用として移動手段の手当が支払われる場合があります。申請された走行距離に対して、ガソリン代を直接支払う職場もあるようです。
エンゼルケア手当も訪問看護師が受け取る手当の一つ。エンゼルケアとは、お亡くなりになった利用者さまの身体を清拭する処置です。訪問看護中に利用者さまの死に対面する看護師は、精神的な負担を感じることも。エンゼルケアの対応では、ご家族への対応も行う必要があるので、職場によっては業務負担への手当として支給されます。
職場によっては、訪問数に応じて報酬が支給されるインセンティブ制度があります。一つの訪問に対して、数千円以内といった額で基本給にプラスされる例が挙げられるでしょう。支給条件が「訪問件数80件/月を超えた分から2000円/件を加算」の場合、1ヶ月の訪問件数が100件(1日の訪問件数5件×20日勤務)とすると、20件分(約4万円)がインセンティブとして月収に加算されます。
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ここでは、訪問看護師の給料が高い理由として、高齢化による需要の高まりやニーズに対して人材が不足している点を解説します。
高齢化による需要の高まりは、訪問看護師の給料に影響しているでしょう。訪問看護師の人材確保対策として、月給を高めに設定している事業所もあるようです。全国訪問看護事業協会の「令和7年度訪問看護ステーション数(P2)」によると、指定訪問看護ステーション数は右肩上がりとなっており、2010年から2025年の15年で3倍以上も増えています。
訪問看護師の給料が高い理由には、ニーズに対して人材が不足している点も挙げられます。訪問看護ステーションの開設には、常勤換算で看護職員2.5人以上の配置が必要です。安定して経営を続けていくためにも、訪問看護師の人材維持は事業所にとって人材確保は重要なので、給料が高めに設定されているといえます。
ここでは、月収を上げたい訪問看護師に向けて、「資格」「オンコール対応や訪問件数」「昇給や昇格」「転職」などの給料アップ方法を解説します。
資格の取得や研修受講も、専門知識や緊急対応が可能とみなされ、給料アップにつながる可能性があります。日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書(P129,P130,P131)」を基に、資格や研修に応じた手当の有無や金額をまとめました。
| 手当の支給有無(%) | 平均手当額 | |
| 専門看護師の取得 | 39.4% | 1万9,615円 |
| 認定看護師の取得 | 44.3% | 1万3,574円 |
| 特定行為研修の修了 | 34.1% | 1万148円 |
参照:日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書(P129,P130,P131)」
全体の約3~4割の事業所が、専門看護師や認定看護師の資格を取得したり、特定行為研修を受講したりすると、1万円以上の手当を支給すると回答しています。在宅医療の分野やケアの技術を向上させたい方は挑戦してみるのもおすすめです。
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訪問看護師が給料を上げる方法の一つが、オンコール回数や訪問件数を増やすことです。訪問看護ステーションによっては、自分の頑張りが給与に直接反映されるインセンティブ制度があります。体力や精神面に余裕がある看護師は、給与アップのために検討するのも一つです。
管理職に興味がある、訪問看護に長く携わっていきたいといった方は、主任や所長といった訪問看護ステーションの管理者となり、給料アップを目指す道もあります。日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書(P127)」によると、52.4%の事業所が所長になると、管理職手当を支給すると回答しており、その額は平均で4万8,025 円です。
同資料(P119)では、67.5%の事業所が、年齢や勤続年数に応じて昇給の有無を検討すると回答しています。同じ事業所で経験年数を重ねることも、給料アップにつながる可能性があるでしょう。
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手当や福利厚生などが充実した訪問看護ステーションに転職すると、業務量や勤務時間を無理に増やさず月収アップできる可能性があります。自治体か一般企業かといった運営元の違いによって、インセンティブ制度やオンコール待機手当の有無などの待遇が異なります。
病院附属か独立型の訪問看護ステーションかを確認するのも大切です。病院付属の場合、病院の福利厚生や手当が反映されたり、業務負担に応じた手当が充実していたりすることも。基本給の相場は地域によっても異なるので、さまざまな求人を比較しましょう。1人で応募先の詳細を調べるのが難しい場合は転職エージェントの利用もおすすめです。
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訪問看護師は給料面以外にも、やりがい・メリットのある仕事です。ここでは、訪問看護師として働くやりがい・メリットを解説しますので、参考にしてみてください。
訪問看護師として働くメリットの一つが、在宅療養に関する知識やスキルを習得できる点です。訪問看護では診療科を問わない看護の知識やケアのスキルが必要です。ご高齢の利用者さまも多くいるので、認知症ケアの知識や介護の基礎スキルも身につきます。
訪問看護師として働くやりがいには、個人の判断が必要な場面で柔軟に対応できる点も挙げられます。訪問看護師は単独で利用者さま宅を訪問し、ケアを実践する仕事。アセスメントの見解やバイタルサインの結果などに対し、これまでの臨床経験で身につけたケアから最適な方法を選択する力が養われます。
利用者さまと長期的な信頼関係を構築できるのも、訪問看護師として働くやりがい・メリットといえます。訪問看護は、サービスを長い期間にわたって利用する方もいるので、信頼関係を築きやすいといえるでしょう。コミュニケーションを多くとりながら、QOLの維持・向上を見守っていける仕事にやりがいを感じられるはずです。
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以下に、訪問看護師の1日のスケジュール例をご紹介します。

訪問看護師1日の訪問件数は、一般的に4~6件程度が多いようです。訪問看護師は、訪問先への移動時間も計算しながら、スケジュールどおり訪問できるよう1日の計画を組みます。訪問看護ステーションによっては、タブレットを用いて訪問先で看護記録ができたり、直行直帰できたりする場合もあるようです。
転職で訪問看護ステーションを選ぶ際のポイントには、「独り立ちまでの教育体制」「緊急対応時のサポート体制」「勤務地や勤務時間など希望条件」が挙げられます。
転職時は、「同行訪問は何回まで実施されるのか」「OJTによる研修期間はどのくらい用意されているか」などの教育体制を確認しましょう。訪問看護は複数の診療科を横断した看護知識やスキルが必要なので、職場の内外で研修があるかも大切です。独り立ちするまでの知識定着に加え、定期的に在宅医療のケアを学べる機会があると、研修終了後も安心して働きやすいでしょう。
緊急対応時のサポート体制も、訪問看護ステーションを選ぶ際に大切なポイントです。急変対応や変更が起きても、連絡用のツールや定期カンファレンスでこまめな情報共有を実施する職場かを確認しましょう。急変が起こった際、電話やチャットを使って、待機中の先輩看護師や管理者にすぐに相談できると安心感につながります。スタッフのシフト変更や患者さま側からの要望などで、訪問先が変わった際でも落ち着いて対応できるでしょう。
勤務地や勤務時間など希望条件を満たしているかも確認し、求人を選ぶのがおすすめです。勤務エリア内に訪問先が密集しており、移動時間が少ないと効率的に訪問できます。自宅から直行直帰の場合、自宅から勤務地までが近いと移動時間がわずかな分、身体の負担が少ないでしょう。人手不足の職場では、交代のためのシフト変更が生じたり、事務作業を定時後に行ったりする恐れも。短時間や週に数日といった働き方の希望が明確にある場合は、「離職率は高すぎないか」「長く働いている看護師はどの程度いるか」なども調べ、希望条件どおりに働けそうかも確認してみてください。
ここでは、訪問看護師の給料に関する質問をQ&A形式で回答しますので、ぜひご一読ください。
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果(P6)」によると、パートやアルバイトを含む非常勤で働く訪問看護師の平均給与は、39万3,566円です。訪問看護師のパート・アルバイト求人の平均時給は、1,800~2,500円。時給は勤務地や事業所によっても異なりますが、主に都市部では3,000円以上といった高い時給の求人もあるようです。
厚生労働省「ベースアップ評価料等について」の2024年の診療報酬改定では、訪問看護ステーションで働く看護師の処遇改善と人材確保を目的とした「訪問看護ベースアップ評価料」が算定可能となっています。今後も訪問看護師の需要が見込まれることから、待遇の改善が図られる可能性はあるでしょう。
原則、訪問看護師に夜勤はありませんが、オンコール対応による夜間対応が発生する場合があります。オンコールがある職場で働くと、オンコール手当の発生により、月収アップにつながることも。夜間対応が難しい場合は、オンコール体制のない訪問看護ステーションを選んだり、オンコールを免除してもらったりなどの対応が必要です。
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果(P6)」によると、訪問看護師の平均給料は約46万円で、手取り額が約37万円、年収は約557万円です。日本看護協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書(P118)」によると、平均基本給は約25万円、平均給与が約33万円であり、病院看護師と大きな差は見られません。
訪問看護師に支給される手当の種類には、「オンコール手当」「時間外労働手当」「緊急訪問手当」などがあります。職場によっては、「マイカー手当」「エンゼルケア手当」「インセンティブ」の支給がある場合も。
訪問看護師の給料が高い理由には、高齢化による需要が高まっていることや、ニーズに対して人材が不足しているといった背景が挙げられます。さらなる給料アップ方法には、「認定看護師や専門看護師の資格を取得する」「オンコール対応や訪問件数を増やす」などの方法があります。経験年数を重ねて昇給や昇格を図ったり、手当が充実した訪問看護ステーションに転職したりする道もあるでしょう。
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