
訪問看護の認定看護師になる方法が知りたい方もいるでしょう。訪問看護の認定看護師になるには実務経験などの要件を満たす必要があります。この記事では、訪問看護(在宅ケア)認定看護師になる方法や取得のメリットなどを解説します。かかる費用や支援制度についても紹介していますので、これから資格取得を予定しており効率的に情報収集したい方は、ぜひお役立てください。
訪問看護(在宅ケア)認定看護師とは、訪問看護分野において、水準の高い看護を実践できると「日本看護協会」から認定された看護師です。
訪問看護師は、A課程とB課程に分かれており、A課程を「訪問看護認定看護師」、B課程を「在宅ケア認定看護師」と呼びます。
訪問看護(在宅ケア)認定看護師には、以下のような役割が求められます。
B課程の在宅ケア認定看護師の教育課程には、特定行為研修が含まれています。「特定行為」は、診療の補助のうち、高度かつ専門的な知識やスキルが必要とされる医療行為です。気管カニューレの交換や持続点滴中の降圧剤の投与量の調整など、38の特定行為が指定されています。B課程認定看護師の場合は、特定行為による迅速な対応も求められるようになるでしょう。
訪問看護の経験があれば、訪問看護の認定看護師にも、以下のような認定看護師を目指せる場合があります。
上記は、基準内容に「在宅ケア領域での看護実績を有すること」と記載のあるものを挙げています。実際の経験が基準をクリアするかどうかは、必ず確認しましょう。
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訪問看護(在宅ケア)認定看護師になるには、通算5年以上の実務経験のうち、在宅ケア領域で3年以上の看護実績が必要です。その後、指定の教育機関に入学したのち、認定審査に合格することで資格が得られます。ここでは、認定看護師になる方法を解説します。
日本看護協会「認定の手引き(p.3)」によると、認定看護師の資格条件は以下のとおりです。
日本看護協会「2024年度 認定の手引き 第32回 認定看護師(CN)認定審査」
・日本国の看護師免許を有すること
・看護師免許を取得後、通算5年以上の実務研修を受けており、そのうち通算3年以上は特定の認定看護分野における実務研修であること
・A課程認定看護師教育機関もしくはB課程認定看護師教育機関または外国においてそれらと同等と認められる教育を修了していること
実務経験が5年以上あっても、認定看護分野の経験としてみなされない場合もあります。その場合、認定分野に該当する職場で、改めて経験を積まなくてはなりません。
訪問看護の認定看護師の実務研修の基準や教育機関などは、次項で解説していきます。
訪問看護の認定看護師の実務研修の詳細を、日本看護協会「認定の手引き(p.40,44)」を参考にまとめました。
| 訪問看護認定看護師(A課程) | ・通算3年以上、在宅ケア領域での看護実績がある ・医療処置および管理を要する患者の在宅における看護(退院支援を含む)を5例以上担当した実績がある ・現在、在宅ケアに携わっていることが望ましい |
| 在宅ケア認定看護師(B課程) | ・通算3年以上、在宅ケア領域での看護実績がある ・医療依存度の高い患者の在宅における看護(在宅療養移行支援含む)を5例以上担当した実績がある ・現在、在宅ケアに携わっていることが望ましい ・気管カニューレ管理、胃ろうカテーテル・腸ろうカテーテル・胃ろうボタン管理、 褥そうまたは慢性創傷管理、輸液管理の知識・技術を有していることが望ましい |
引用:日本看護協会「認定の手引き(p.40,44)」
看護実績を満たす職場は、訪問看護ステーションだけではありません。地域連携室などでの退院支援やみなし訪問看護の経験なども要件を満たす場合があります。基準に該当するかどうかの判断に迷う場合は、日本看護協会へ確認すると良いでしょう。
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訪問看護の認定看護師の教育機関として指定されている学校は、2023年3月時点で、A課程で2つ、B課程で1つあります。学校一覧は、日本看護協会「分野別教育機関一覧(A課程) 」「分野別教育機関一覧(B課程) 」をご確認ください。
学校の入学試験は、筆記試験・小論文・面接での実施が一般的となっています。募集定員が少ない場合、倍率が高くなりやすいため、入念な試験対策が必要です。
認定審査は、150点満点のマークシート方式です。日本看護協会「認定の手引き」では、2024年度における認定審査は以下のようになっています。
| 試験会場 | 47都道府県に設置(登録住所地で受験) |
| 出題形式 | 筆記試験・マークシート方式・四肢択一 |
| 試験時間 | 100分 |
| 出題数 | ・一般問題(20問/50点) ・状況設定問題(20問/100点) |
| 合格基準 | 合計40問/150点満点中、合格は105点以上 |
参考:日本看護協会「認定の手引き」
点数に応じてA~Cで評価され、合格となるのは、A・B評価(105点以上)の看護師です。日本看護協会からの合格率の開示は行われておりません。教育機関ごとに合格率を公開している場合があるため、気になる方はチェックしてみると良いでしょう。
認定看護師の取得までには、最短でも7年ほど見込んでおいた方が良いでしょう。5年以上の実務経験(3年以上の在宅ケア領域の経験を含んでいる場合)の後、教育課程の修了までにかかる期間は、6ヶ月〜1年です。認定審査に合格して、認定証を受領するまでに数ヶ月かかります。
最短ルートで認定看護師を取りたい方は、取得までのロスを少なくするためにも、今の職場が訪問看護の認定看護分野に該当するかどうか、確認しておきましょう。
認定看護師取得後は、定期的な更新が必要です。ここでは、資格更新や再認定審査の詳細などを解説します。
認定看護師は、看護レベルを保持するために、5年ごとの更新が定められています。これは、A課程とB課程どちらも共通です。更新には、「看護実践時間証明書」や「実践報告書」、「自己研鑽の実績」などが必要ですが、2025年度から更新審査の内容が一部変更となります。
変更内容については、日本看護協会「2025 年度以降の専門看護師・認定看護師・認定看護管理者の個人審査変更に関する FAQ(p.2)」をご参照ください。
なお、A課程認定看護師は、認定終了の予定が決まっていますが、更新自体は永続的に可能です。また、A課程認定看護師も、特定行為研修を修了して移行手続きを行えば、B課程に移行できます。
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更新をせずに、認定看護師資格を失効した場合でも、看護実践や自己研鑽の実績を満たし書類審査に通れば、再認定が可能です。再認定の条件は「過去 5 年間に2,000 時間以上の看護実践および50 点以上の自己研鑽の実績があること」となっています。自己研鑽の点数は、日本看護協会「研修実績および研究業績等申告表」で確認しましょう。再認定の詳細は、日本看護協会「2024年度再認定の手引き(p.3)」をご覧ください。
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訪問看護の認定看護師を目指すときにかかる費用は、以下の例を参考にすると良いでしょう。
| 費用の内訳 | 費用の目安 |
| 入学検定料 | 約5万円 |
| 入学金 | 約5万円~約10万円 |
| 受講料(実習費を含む) | 約75万円~約120万円 |
| 審査料 | 約5万円 |
| 認定料 | 約5万円 |
| 合計 | 約95万円~約145万円 |
必要な費用は、入学金や受講料などが教育機関によって変動するため、約95万円〜約145万円と幅があります。講義などで使用する教材費や実習中の交通費、宿泊費なども自己負担となる場合があるようです。指定の教育機関が近くにない場合は、引っ越しが必要になることも。引っ越し費用や就学中の家賃などがかかる場合は、余裕を持って見積もっておきましょう。
認定看護師の取得にかかる費用を一時的に抑えたい方は、奨学金制度を利用できます。日本看護協会「認定看護師教育課程奨学金」では、上限120万円を無利子で借りられ、返還期間は2年間です。
また、病院の資格取得支援制度では、入学金や受講料などの費用を負担してくれます。支援内容は病院ごとに異なり、就学中の給与の保障がある場合も。支援制度を活用すれば、生活費の心配をせず、学業に専念できるでしょう。
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訪問看護の認定看護師は、質の高い看護を提供できるため、利用者さんからの信頼も上がります。転職の選択肢も増え、内定にも有利に働くでしょう。ここでは、訪問看護の認定看護師になるメリットを解説します。
認定看護師の教育課程を履修することで、在宅ケアに特化したスキルや知識を得られます。専門的なスキルは、訪問看護の質の向上に繋がるでしょう。訪問看護分野のスペシャリストとしてキャリアアップも可能です。
看護師免許に加えて、上位資格を持っている看護師がいると、訪問看護ステーションとしての質の高さをアピールできます。ほかの事業所との差別化も図れるため、利用者の獲得にも繋がるでしょう。病院より小規模な訪問看護ステーションであれば、認定看護師が指導や相談に応じる機会が増えるため、事業所全体の看護の質が上がり、利用者さんからの信頼も得られやすくなります。
需要の高い訪問看護分野で転職先を探すのは、さほど難しくはないかもしれません。加えて、即戦力かつ管理的な業務も任せられる訪問看護認定看護師であれば、どこの事業所からも重宝されるでしょう。訪問看護管理者として、自分の理想とする訪問看護ステーションを立ち上げるのも選択肢の1つです。
認定看護師の取得までにコストがかかる点はデメリットだといえるでしょう。職場によっては待遇に期待できない場合も。ここでは、訪問看護の認定看護師になるデメリットを解説します。
認定看護師の教育機関に入校している間は、一時的に職場を離れなくてはなりません。就学中、無収入になるケースもあり、時間や費用を負担に感じる看護師もいるでしょう。支援制度や奨学金の利用で費用負担を減らせる場合もあるため、活用できる制度はしっかり理解しておきましょう。
職場によっては待遇アップが見込めない場合もあるようです。日本看護協会「調査報告書(p.26)」によると、認定看護師資格に対して手当があると答えた看護師は、41.2%でした。認定看護師資格を取得したからといって、必ずしも手当が支給される訳ではないようです。待遇に納得いかない場合は、資格手当がある病院へ転職を検討してみても良いでしょう。
ここでは、訪問看護の認定看護師の活躍や今後の将来性について解説します。
日本看護協会「分野別所属先種別登録者数一覧」によると、2023年12月末時点で、訪問看護の認定看護師が活躍する就業場所は、以下のようになっています。
| 病院 | 訪問看護ステーション | クリニック・診療所 | 介護保険施設など | 学校・大学 | |
| A課程 | 140名 | 406名 | 13名 | 24名 | 12名 |
| B課程 | 22名 | 50名 | 3名 | 2名 | 1名 |
最も多い就業場所は、訪問看護ステーションとなっています。病院勤務の場合、訪問看護部門や地域連携室などに配属され、入院や通院患者さんの在宅療養支援にあたる認定看護師もいるでしょう。
厚生労働省「訪問看護(p.12)」を見ると、要支援・要介護認定を受けている訪問看護利用者は年々増加傾向です。その数は、2013年の約33万人から2022年には約69万人にまで増加しています。訪問看護利用者の増加に伴い、訪問看護師の需要も高まっていくでしょう。訪問看護認定看護師は、在宅ケアに携わる看護師全体の質の向上を担う、重要な役割だといえます。
訪問看護の認定看護師になるには、5年以上の実務経験と、在宅ケア領域において3年以上の看護実績が求められます。現在の業務が在宅ケア領域の経験に含まれるかどうか判断に迷う場合は、日本看護協会に問い合わせましょう。
認定看護師の資格取得にかかる費用は、約95万円〜約145万円です。費用負担を抑えたい看護師は、資格取得支援制度の活用も検討してみると良いかもしれません。
訪問看護分野でさらにスキルアップしたい方は、レバウェル看護にご相談ください。キャリアプランやご希望条件をヒアリングしながら、目標達成に向けてキャリアアドバイザーが最適なアドバイスをいたします。
また、資格取得支援制度のある病院のご紹介も可能です。ご相談のみのご利用もいただけますので、迷っている看護師もご安心ください。サービスはすべて無料でご利用いただけます。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。
ここでは、訪問看護の認定看護師に関する質問を、Q&A形式でお答えしていきます。
2023年12月時点で、A課程は677名、B課程は82名の認定看護師が登録されています。都道府県ごとの詳しい認定者数は、日本看護協会「【A課程】訪問看護認定看護師数」「【B課程】在宅ケア認定看護師数」をご参照ください。現時点では、A課程認定看護師が多くなっていますが、A課程は認定終了予定となっています。今後は、B課程認定看護師の数が徐々に増加していくでしょう。
認定看護師資格は、A課程が21分野、B課程は19分野あります。日本看護協会「認定看護師」では、認定看護師制度の改正により、救急看護と集中ケアが「クリティカルケア」、緩和ケアとがん性疼痛看護が「緩和ケア」に統合されました。そのほか、訪問看護認定看護師から在宅ケア認定看護師のように、名称が変更されている分野もあります。変更点は、日本看護協会「認定看護師 」で確認が可能です。
筆記試験と小論文、面接などが一般的となっています。筆記試験に関しては、在宅ケア領域の基本的な知識が問われる問題が多いですが、勉強は必要です。過去問題を公開している教育機関もあるため、参考にすると良いでしょう。認定看護師の教育機関について、本記事の「訪問看護(在宅ケア)認定看護師になるには」内で紹介していますので、ご覧ください。
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