
訪問看護ステーションの管理者が、どれくらいの年収なのか知りたい看護師もいるのではないでしょうか。管理者を目指すのであれば、業務に見合った年収がもらえるのかどうかは気になるところです。この記事では、訪問看護ステーション管理者の平均年収や手当の相場などを解説します。訪問看護管理者になるために必要な経験やスキルなども紹介していますので、キャリアアップを叶えるために、ぜひお役立てください。
訪問看護ステーション管理者の月収は「約50万円〜70万円」が相場のようです。年収にすると「約600万円〜800万円」ほどになります。訪問看護ステーション管理者の月収の内訳の例を以下に示していますので、参考にしてください。
【訪問看護ステーションの管理者の月収内訳】
| 基本給 | 280,000円 |
| 資格手当 | 30,000円 |
| 役職手当 | 50,000円 |
| 業績手当 | 50,000円 |
| 時間外手当 | 60,000円 |
| オンコール手当 | 30,000円 |
| 交通費 | 10,000円 |
| 総支給額 | 510,000円 |
上記はあくまでも目安で、手当の有無や額は事業所によって異なります。手取り額の目安は、総支給額の8割で計算するのが一般的です。上記の表を参考にすると、約40万円ほどが手取り額と想定できるでしょう。
立ち上げたばかりの事業所や業績の変動があった場合は、相場より少なくなる場合があるかもしれません。反対に、業績が良ければ手当がさらに加算され、年収アップが見込めます。
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訪問看護ステーション管理者の、実際の手当額や残業時間などは把握しておきたいところです。ここでは、管理者のオンコール待機回数や手当額、残業の実情などを解説します。
日本看護協会「2014年 訪問看護実態調査報告書(p.22~p.34)」を参考に、訪問看護ステーションのオンコール手当や回数の平均を、職位別にまとめました。
| 管理者(統括責任者を含む) | 中間管理職 | そのほかの職員 | |
| オンコール待機をした割合 | 80.0% | 91.2% | 58.5% |
| オンコール待機の平均回数 | 12.3回 | 9.4回 | 7.7回 |
| オンコール待機手当の有無 | 71.9% | 81.8% | 61.0% |
| オンコール待機の平均手当(平日) | 1,731円 | 1,805円 | 1,670円 |
| オンコール待機の平均手当(休日) | 2,818円 | 2,759円 | 2,592円 |
| オンコールの平均出動回数 | 2.0回 | 1.7回 | 1.4回 |
| 平均出動手当額(平日) | 3,137円 | 3,045円 | 2,674円 |
| 平均出動手当額(休日) | 3,371円 | 2,770円 | 3,021円 |
参照:日本看護協会「2014年 訪問看護実態調査報告書(p.22~p.34)」
訪問看護ステーションの管理者の約8割が、オンコールをこなしながら管理者業務を行っています。オンコールの待機回数は、管理者が「12.3回」と最も多く、1週間のうち3回ほどです。
オンコールできる看護師が不足しているといった理由から、管理者がオンコールをせざるを得ない状況も考えられます。
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日本看護協会「2014年 訪問看護実態調査報告書(p.17)」によると、訪問看護ステーション管理者の1ヶ月の超過勤務時間の平均は「約20時間」となっています。
しかし、日本看護協会「同資料(p.21)」で、超過勤務手当についてすべての支払いがあった管理者の割合は、約3割ほどでした。
| 超過勤務したすべての時間に対して支払われている | 超過勤務時間の一部について支払われている | 超過勤務手当は支払われていない | |
| 管理者(統括責任者を含む) | 34.0% | 23.8% | 25.9% |
参考:日本看護協会「2014年訪問看護実態調査報告書(p.21)」
訪問看護ステーションの管理者が、労働基準法に定められる「管理監督者」に該当する場合、残業代が支給されないケースもあるようです。各事業所によって管理者の扱いは異なります。管理者だからといって、残業代が必ずもらえない訳ではありません。
「訪問看護ステーション管理者は大変そう…」とイメージを持っている人もいるかもしれません。日本看護協会「2014年 訪問看護実態調査(p.45)」で、統括責任者を含む管理者のうち、「仕事を辞めたい」と答えた人は4.1% でした。「訪問看護を辞めてほかの仕事に就きたい」と回答した人も、2.6%ほどいます。
辞めたい理由はさまざま考えられますが、大変で辞めたいと思っている人も少なからずいるでしょう。
訪問看護ステーションの管理者業務には、以下のようなものが挙げられます。
事業所全体の運営を任される訪問看護管理者の仕事内容は、多岐に渡ります。職員の勤務管理や経営管理などは、管理者ならではの業務でしょう。上記の業務以外に加えて、管理者自身が利用者のもとに訪問してケアをする場合もあるようです。
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日本看護協会「2014年 訪問看護実態調査報告書(p.57)」によると、管理者が負担に感じる業務のうち、割合が多かったもの5つは以下のとおりです。
| 業務 | 負担が大きいと回答した割合(上位5つ) |
| スタッフの教育・育成 | 70.7% |
| スタッフの処遇・評価 | 63.7% |
| レセプト以外の書類作成 | 61.4% |
| スタッフの採用 | 59.2% |
| オンコール対応 | 53.7% |
参考:日本看護協会「2014年 訪問看護実態調査報告書(p.57)」
負担に感じる業務5つのうち3つがスタッフに関連することでした。人を雇う難しさは、管理者ならではの大変さだといえるでしょう。ここでは、訪問看護ステーションの管理者が負担に感じる業務とその理由を解説していきます。
前述したとおり、スタッフの教育は管理者として最も負担がかかる業務だといえるでしょう。採用条件に経験年数を設けていない場合、採用される看護師の経験やスキルはバラバラです。個々のスキルに応じて教育方法やスピードを考慮する必要があり、時間や労力などのコストがかかります。
看護師は個人の成果が可視化しにくい仕事です。利用者さんの自宅で看護する訪問看護師も同じで、スタッフからの不満がないよう評価する難しさはあるかもしれません。
オンコール可能なスタッフが少ない場合や緊急度が高い場合、管理者がカバーすることも多く、体力的に辛いと感じる人もいるかもしれません。また、訪問件数を確保するために、管理者自身が訪問対応をすることもあります。しかし、事業所に管理者が不在がちになると、スタッフからの相談に対応しにくくなるため、管理業務と現場対応のバランスも悩ましい点の1つだといえるでしょう。
訪問看護ステーションの管理者は、残業や休日出勤が多く発生する場合があります。勤務時間中は、現場対応やスタッフに関わる業務に手一杯で、事務処理などは時間外になってしまうことも。スタッフの残業や休日出勤の負担を減らすために、管理者がフォローに入る場合もあるでしょう。
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訪問看護ステーション管理者は、大変なことばかりではありません。管理者になることで、自分が思い描いた訪問看護ステーションが作れます。自分の看護観に共感してくれる看護師が集まり、質の高いケアが提供できるでしょう。
未経験で入職した看護師がいれば、訪問看護師としての成長を見守れるやりがいもあります。大変なことも多いですが、住民から頼りにされ、地域医療に貢献できる魅力的な仕事です。
訪問看護ステーションの管理者になるには、条件が決められています。訪問看護管理者を目指そうと考えている方は、必要な要件を満たしているか確認してみましょう。
厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員および運営に関する基準について」によると、訪問看護ステーションの管理者の要件は以下のとおりです。
管理者になるには、看護師などの医療資格を保有しているだけではなく、管理者としてふさわしい経験やスキルが必要とされています。
上記の要件に加え、「管理者としての資質を確保するために関連機関が提供する研修等を受講していることが望ましい」とされています。この研修は、日本看護協会「訪問看護」が開催する「訪問看護および介護施設等の看護管理者研修プログラム」をはじめ、関連機関が主催しているためチェックしてみましょう。
訪問看護ステーションの「管理者」と「所長」は混同しやすく、何か違うのか気になる人もいるでしょう。それぞれの違いは、設置義務にあります。厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員および運営に関する基準について」によると、管理者は設置義務がありますが、「所長」は必ずしも置く必要はありません。
しかし、理学療法士などが訪問看護ステーションを開業する場合、理学療法士は管理者にはなれないため、所長という役職を作り管理者と区別しているケースもあるでしょう。そのほか、所長と管理者を兼任する場合や所長を置いていないなど、事業所ごとに取り扱いは異なるようです。
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訪問看護ステーションの管理者になるには、リーダシップやマネジメント能力などの管理職ならではのスキルが求められます。今の段階で備わっていなくても、管理者として成長しながら身に付いていくため、過剰に心配する必要はありません。管理者に求められる能力にはどのようなものがあるか確認してみましょう。
リーダーシップスキルは「目標の方向性を決め、組織を牽引していく力」です。スタッフをまとめるだけではなく、自分の後に部下がついてきてくれるような行動が求められるでしょう。そのためには、方向性を見極められる力や部下からの信頼を得られる人間性が必要だといえます。
コミュニケーション能力は、管理者にとって必須スキルといえるでしょう。管理者は、多くの職種や関係機関と連携を取っていく必要があります。また、スタッフと良い人間関係を築いていくことも大切です。仕事で関わる人達と信頼関係を作っていくために、コミュニケーションスキルが求められます。
訪問看護ステーションの管理者には、問題分析能力も求められます。問題分析能力は、起こっている問題を分析し、解決に繋げる糸口を見つける力です。管理者として、クレームやトラブルに直面することもあるでしょう。原因を特定し、同じ問題を起こさないように対策を立てることが大切です。
マネジメント能力は、「目標到達のために組織を管理する力」です。訪問看護管理者は、スタッフのみならず資金やリスクなどの組織全体の管理が求められるといえるでしょう。マネジメント力には、「目標を設定する能力」や「進捗管理能力」、「状況分析力」なども含まれます。部下の自主性や問題解決能力を引き出す力も、管理者にとって大切です。
交渉力とは、「自分と相手が納得できる着地点を目指して話し合いをする力」です。また、提案力は、「相手の潜在的な悩みを引き出し解決するための手段を提供する力」を指します。交渉力や提案力が必要とされる場面は多く、経営に関わる管理者が身に付けておきたい能力の1つだといえるでしょう。
訪問看護ステーションの管理者に向いている人は、豊富な看護経験があり、利用者さんを第一に考えられる視点が必要です。ここでは、訪問看護ステーションの管理者に向いている人の特徴を解説していきます。
訪問看護管理者の要件にもあるように、管理者になるには豊富な医療知識や経験が求められます。これまで培ったスキルを活かし、地域や在宅医療に貢献したいという看護師は、訪問看護管理者に向いているといえます。
また、リーダー経験が必要だったり、訪問看護師経験があれば優遇されたりなど、求められる条件は事業所ごとでそれぞれです。
利用者さんを第一に考えられる人は、訪問看護ステーションの管理者に向いているといえるでしょう。ほかのスタッフが同じ方向性を向けるよう、現場の看護師を統率する管理者自身の軸がブレないようにすることが大切です。
相手を第一に考える力は、看護師にとって必須のスキルです。管理職になって患者さんとの距離が少し離れても、忘れずに持っておきたい考えだといえます。
キャリアアップのために管理職を目指す人も多いはず。病院の管理職である看護師長や看護部長に比べ、施設数が多い訪問看護ステーションであれば、管理者になれるチャンスも多いでしょう。実際に訪問看護管理者になれば、給与アップが見込める可能性は高いです。
ここでは、訪問看護管理者の年収を知りたい人によくある質問を、Q&A形式でお答えしていきます。
残業代の支払いの有無は、労働基準法に定められた「管理監督者」に該当するかどうかによって変わります。管理監督者にあたる場合は、労働時間や休日の制限を受けないため、残業代の支給がなくても違法とはなりません。実際に、本記事の「訪問看護ステーション管理者の手当や時間外業務の実情」を見ても、約26%の管理者は、残業代の支払いがない状況となっています。
業績手当やオンコール手当などの加算が多ければ、1,000万に近づく可能性がありますが、職場や条件は限られるでしょう。年収1,000万円を稼ぎたいならば、病院で看護部長などの上位管理職を目指す方法もあります。職場訪問看護以外の選択肢も視野に入れてみると良いでしょう。「看護師が年収1000万円を稼げる職場はある?給与アップの方法や求人も紹介」で、年収1,000万円を目指す方法を紹介していますので、参考にしてみてください。
訪問看護ステーションの管理者の平均年収は、約600万円〜800万円です。業績や手当によって変動もありますが、看護師の仕事のなかでは高給与だといえます。スタッフの教育や現場対応との兼任で大変なこともありますが、自分の理想の職場づくりができる管理者ならではのやりがいもあるでしょう。訪問看護ステーションの管理者になるためには、資格要件や経験を満たす必要があります。管理者として必要なスキルが備わっているかも、確認しておくと良いでしょう。
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