
「訪問看護師になりたいけれど、資格や知識・スキルなどに不安がある」という看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、訪問看護師に必要な資格・経験や、知識・スキルなどについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、訪問看護師に求められるものが分かり、キャリアチェンジに役立てることができるでしょう。
訪問看護師への転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
訪問看護師とは、医師の指示に基づいて、在宅療養者の生活の場を訪問し、医療や看護ケアを提供する在宅看護のスペシャリストです。
ここでは、訪問看護師の仕事内容・役割や需要と将来性について分かりやすく解説するのでご覧ください。
訪問看護では、病院のように点滴や注射、褥瘡の処置などのほか、清潔援助や内服薬の管理、看取りにも対応しています。
また、利用者様やご家族の意思を尊重したうえで、メンタル面へのケアや心理的なサポートを行うこともあるでしょう。
利用者様やそのご家族が住み慣れた環境で、安心して生活できるように支えるのが訪問看護師の主な役割です。
内閣府の「令和6年版 高齢社会白書 第1章高齢化の状況(P3)」によると、65歳以上の人口は令和25年(2043年)3,953万人とピークを迎え、その後減少が見込まれます。
日本の高齢化は今後ますます進む傾向にあることから、在宅医療を支える方も看護師の需要は高まっていくと予測されるでしょう。
「将来性の高い分野でキャリアを積みたい」と考えている看護師におすすめです。
訪問看護師は1名で利用者様の自宅を訪問するため、「病院や施設に比べてハードルが高い」という印象を持たれがちです。
ここでは、訪問看護師に必要な資格・経験について、下記のとおりに紹介します。
訪問看護師に興味のある方はチェックしてみましょう。
訪問看護ステーションで働くには、正看護師もしくは准看護師の資格が必要となります。
新しく取得しなおさなければならない資格はないため、自分のタイミングで転職することが可能です。
ただし、准看護師は下記の業務を行うことができません。
正看護師とは異なり、業務に制限が生じるためあらかじめ把握しておくことが大切です。
訪問看護師は車やバイク、自転車、公共交通機関といった移動手段を利用して利用者様宅まで向かいます。
地域性によって移動手段は異なるものの、車やバイクを使用する場合は運転免許証の所持が必須です。
また、運転免許証を持っていても、運転技術に自信がない方は事業所に移動手段を問い合わせておきましょう。
病院での臨床経験は必須ではないものの、3~4年ほどの臨床経験が望ましいです。
基本的に訪問看護師は1名で利用者様宅に向かうため、急変や体調不良に遭遇する場面もあります。
他の看護師や往診医に指示を確認することはできますが、臨床経験があれば落ち着いて対応しやすいでしょう。
病院での臨床経験を必須項目としている事業所もあるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
訪問看護師として現場で活躍するには、さまざまなスキルが求められます。
訪問看護師に必要なスキルは下記のとおりです。
訪問看護師にはどのようなスキルが必要とされるか確認してみましょう。
病棟では診療科目ごとに分かれているため、疾患の種類も限定されます。
しかし、訪問看護の利用者様は乳幼児から高齢者まで幅広く、抱える疾患やステージもさまざまです。
基本的な医療スキルを備えておけば、利用者様の身体の状態に合ったケアを提供しやすいでしょう。
訪問看護師は利用者様の生活の場である自宅へ足を運び、その人らしく在宅で過ごせるようにサポートするのが役割の一つです。
したがって、利用者様の生活面にも目を向け、下記のような支援を行っていきます。
もしも看護スキルに自信がなく、日常生活援助に不安を感じるのであれば、研修や教育体制が充実している事業所を選ぶのがおすすめです。
臨床経験が浅くても、研修や同行訪問などを繰り返すことでスキルアップが望めるでしょう。
訪問看護において、コミュニケーションスキルが求められる場面は非常に多いです。
訪問看護の利用者様の中には、疾患や後遺症、治療などの影響により、言語でのコミュニケーションが難しい方も少なくありません。
そこで、訪問看護師は利用者様と丁寧にコミュニケーションをはかりながら、声のトーンや大きさ以外に、表情やしぐさなどにも注目し、利用者様の状態をアセスメントします。
また、信頼関係を構築するうえで、利用者様やご家族の思いを受け止め、理解しようと努める姿勢は重要です。
利用者様やご家族と良好な関係性を築くことで、看護の質の向上が見込めるでしょう。
利用者様の在宅療養を支えているのは、訪問看護師だけではありません。
主治医やケアマネジャー、病院のソーシャルワーカー、行政などがそれぞれの専門性を発揮しながら、利用者様の状態や抱えている問題点についても共有する必要があります。
訪問看護師は、多職種連携の橋渡し役を担うため、協調性が求められるでしょう。
訪問看護では、医師やほかの看護師が同行していないため、看護師1名で対応しなければならない場面がほとんどです。
そこで、利用者様のバイタルサイン値や心身の状態、生活状況などを素早く把握するスキルが欠かせません。
症状の変化や体調の悪化などにすぐに気付ければ、早急な対応につなげることができるでしょう。
在宅は病棟のように設備や物品が整った環境ではないため、状況に応じた柔軟な行動力が求められます。
時にはご家族から協力を得られないケースもあり、ケアを提供する際の工夫も必要不可欠です。
特に利用者様の急変や転倒事故、体調不良など、想定外の事態が起きた際は、看護師による判断・対応が重要となるでしょう。
訪問看護師は基本的に1名で訪問し、限られた訪問時間内に必要なケアを提供しなければなりません。
訪問時間を過ぎてしまうと、次の訪問時間まで間に合わない可能性があります。
そこで、訪問看護師はケアの優先順位を見極めながら、援助するスキルが求められるでしょう。
訪問看護の利用者様は年齢層や対象疾患が幅広く、対応するケアも種類も豊富です。
訪問看護師になるには、下記のような知識を身につけると良いでしょう。
これから訪問看護師を目指したい方は、自己学習にお役立てください。
訪問看護では限られた訪問時間内で、利用者様に必要なケアを提供します。
厚生労働省の「在宅患者の状況等に関するデータ(P8)」によると、在宅療養者に提供する医療的ケアの割合は下記のとおりです。
| 医療的処置の内容 | 割合(%) |
| 血圧・脈拍の測定 | 94% |
| 健康相談 | 80% |
| 服薬援助・管理 | 75% |
| 褥瘡の処置 | 13% |
| 点滴・中心静脈栄養・注射 | 11% |
| 創傷処置 | 10% |
| 慢性疼痛の管理 | 9% |
| 胃ろう・腸ろうによる栄養管理 | 8% |
| 吸入・吸引 | 7% |
| 体位変換 | 7% |
| 膀胱カテーテルの管理 | 7% |
| 酸素療法管理 | 7% |
| 浣腸・摘便 | 5% |
| がん末期の疼痛管理 | 4% |
| リハビリテーション | 3% |
| 気管切開の処置 | 2% |
| インスリン注射 | 2% |
| ネブライザー | 1% |
| 経鼻経管栄養 | 1% |
| 人工呼吸器の管理 | 1% |
| 人工肛門・人口膀胱の管理 | 1% |
| 歯科医療 | 0% |
中には方法やエビデンスが新しく更新されていく手技もあるため、勉強会や研修を通じて最新の情報をキャッチアップすることが大切です。
訪問看護では幅広い診療科目の利用者様がおり、疾患は多岐にわたります。
脳血管疾患や認知症、悪性新生物、神経性難病など、継続した治療・ケアが必要な疾患が多いです。
また、精神疾患の利用者様も多く、精神科に特化した訪問看護ステーションも増えています。
▼関連記事
精神科訪問看護の仕事って実際どう!?“業務内容・求められること”“やりがい・大変さ”、ぜんぶ話します!
近年では、「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」と考える方が増えていることから、訪問看護で看取りやエンゼルケアへの対応が求められます。
限られた最期の時間を望んだとおりに過ごすうえで、訪問看護師のサポートは欠かせません。
病状を見て、行えることや難しいことを判断し、タイミングを逃さないような関わりが大切です。
訪問看護師として働くうえで、診療報酬や介護報酬、医療保険、介護保険の知識は必須です。
たとえば、訪問看護は医療保険もしくは介護保険が適用されますが、同時適用されることはありません。
どちらが適用されるかは、利用者様の疾病や要介護認定の有無などによって判断されます。
利用者様やご家族からどちらの公的保険が適用されるのか聞かれることもあるため、事前に保険に関して勉強しておきましょう。
看護師免許があれば訪問看護師として働くことができますが、特定の資格を取得すると転職で有利になりやすい場合があります。
ここでは、訪問看護師の転職で有利になりやすい資格を紹介するのでチェックしてみましょう。
認知症ケア専門士は、認知症ケア学会の認定する資格です。
3年以上の認知症ケアの実務経験があれば、資格の有無にかかわらず受験できます。
訪問看護の利用者様の中には認知症の方もおり、周辺症状への対応の難しさからご家族が悩んでいるケースは珍しくありません。
認知症ケア専門士は認知症に関する知識・スキルを活かし、専門的な見解からご家族にアドバイスできます。
また、資格を持っていることで知識・スキルを証明できるため、信頼を得やすくなるでしょう。
ケアマネジャーは介護支援専門員とも呼ばれる資格で、都道府県が定める公的資格で、ケアプランの作成のほか、利用者様・ご家族の相談業務などを担います。
訪問看護の現場では、ケアマネに医療的なアドバイスを求められたり、提案したりと連携が欠かせません。
資格を取得し、仕事内容や介護保険制度について理解を深めることで、ケアマネジャーに提案する際の説得力が増します。
ただし、ケアマネジャーになるには、5年以上かつ900日以上の実務経験を積み、介護支援専門員実務研修受講試験に合格した上で実務研修を修了しなければなりません。
▼関連記事
看護師はケアマネ試験科目が免除される?受験資格の改正ポイントも紹介
特定行為(21区分38行為)の研修を受けた看護師は、医師の手順書があれば医師不在で行うことが可能です。
訪問看護では常に医師が同行しているわけではなく、往診医に連絡してもすぐに返信が来ないケースも少なくありません。
特定行為研修を受けていれば、看護師の判断で処置を行えるため、利用者様の状態が悪化する前に対応できます。
▼関連記事
特定看護師とは?役割や研修の概要、目指すメリット・デメリットを解説
ここでは、訪問看護師に必要なことについてよくある質問を紹介します。
本来、看護師は患者様にとって最も身近な医療従事者であることから、ミスや事故に遭遇しやすく、医療過誤・損害賠償のリスクがゼロではありません。
特に訪問看護師は、単独で判断・対応することが多く、責任の所在が個人に及ぶ可能性があります。
事業所で賠償責任保険に加入していても、いざという場合に備えて個人でも保険に加入しておけば安心です。
▼関連記事
看護師の賠償責任保険とは?気になる補償内容や比較したいポイントを紹介
病棟看護師は、処置・治療や検査など多忙なスケジュールの中で働き、規模の大きな病院では最新の医療に携わることもできます。
一方、訪問看護師は利用者様やご家族の要望を聞き取ったうえでケアを提供するため、個人の裁量や判断が重視される傾向にあるでしょう。
いずれもやりがいの多い働き方ですが、生活に寄り添う支援や1対1のケアに興味のある看護師は訪問看護師に向いています。
訪問看護師は1名で利用者様宅を訪問し、ケアを提供するため、現場で迅速に判断しながら対応できる知識・スキルが必要とされます。
利用者様の年齢層や疾患は幅広く、勉強会や研修を通じて最新の医療情報について学ぶ姿勢も欠かせません。
また、正看護師もしくは准看護師の資格があれば訪問看護師として働くことができるものの、求められる臨床経験は事業所によって異なります。
認知症ケア専門士やケアマネジャーなどの資格取得者は転職時に有利になりやすいため、知識・スキルに自信がない方は資格取得も検討してみましょう。
自分に合った転職先を探したいなら、レバウェル看護がおすすめです。レバウェル看護では専任のキャリアアドバイザーが希望に合った求人案件を紹介します。LINEで相談しながら転職活動を進められるので、入職後のミスマッチも防ぎやすいでしょう。納得のいく転職先を見つけたいなら、レバウェル看護にお任せください。

記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載