
保健師と看護師の違いについて気になる方や、保健師へのスキルアップを考えている方もいるのではないでしょうか。保健師と看護師の違いはいくつかありますが、主に役割や仕事内容のほか、必要な資格などが異なります。この記事では、保健師と看護師の違いはもちろん、それぞれのやりがいや看護師から保健師になる方法について解説しますので、参考にしてみてください。
保健師と看護師の違いとして、主に必要な資格や役割、仕事内容の違いなどが挙げられます。ここでは、保健師と看護師の違いについて詳しく説明します。
保健師と看護師では、働くのに必要な資格が異なります。主な違いは以下の表のとおりです。
| 保健師 | 看護師国家試験と保健師国家試験に合格する必要がある |
| 看護師 | 看護師国家試験に合格する必要がある |
看護師は「看護師免許」があればなれますが、保健師になるには「看護師免許」と「保健師免許」の2つの資格が求められます。そのため、看護師から保健師になるには、新たに「保健師資格」を取得しなければなりません。
なお、それぞれの資格で行える業務などにも違いがあります。看護師資格は「業務独占資格」と「名称独占資格」に該当し、看護師免許がないと看護師として名乗れず、看護師としての業務も行えません。
保健師は「名称独占資格」に規定されており、保健師と名乗るためには保健師免許の保有が必要です。なお、看護師も保健指導は行えますが、保健師と名乗ることは「看護師と保健師の専門知識を持ったうえで対応ができる」といった証明になります。
「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験及び第115回看護師国家試験の合格発表」によると、保健師と看護師の合格率は以下のとおりです。
| 試験名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 保健師国家試験 | 7,467人 | 6,502人 | 87.1% |
| 看護師国家試験 | 5万9,614人 | 5万2,666人 | 88.3% |
保健師国家試験も看護師国家試験も、合格率はほぼ同じ結果になっています。しかし、看護師資格がないと保健師にもなれないため、2つの資格を取得するための勉強量を考慮すると、保健師の方が資格取得に対する難易度が高いといえるでしょう。
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保健師は「病気や事故の予防」と「健康の維持と増進」を主な役割としている一方で、看護師は「病気や怪我を回復するためのサポート」や「疾患による苦痛の緩和」が主な役割です。
また、保健師は「病気や怪我を予防するための指導」に重点を置いていますが、看護師は「すでに起こっている病気や怪我の治療の補助」に従事しており、役割が大きく異なります。病院で働く看護師と行政機関で働く保健師それぞれの仕事内容を、下記にまとめました。
| 主な仕事内容 | |
| 保健師 | ・窓口や家庭訪問などによる、住民の健康相談対応 ・乳幼児健診や育児相談の実施 ・病気の予防や健康増進のための講演会の企画と実施 ・高齢の方や支援を必要とする方の相談対応と関係機関への橋渡し |
| 看護師 | ・医師などが行う診療や検査の補助 ・患者さんの療養上の世話 ・バイタルサインチェック ・採血や点滴といった医師の指示のもとで行う医療行為 ・夜勤帯の巡回(ラウンド) |
行政機関で働く保健師は、基本的に日勤のみで土日祝日休みです。事前に予定を立てて実施する業務が多く、緊急の対応や突発的な残業は少ない傾向にあります。一方、看護師の主な職場である病棟の勤務形態は2交替制もしくは3交替制で、夜勤があるのが一般的です。さらに、急変や緊急入院などによる、突発的な残業が入るケースも出てくるでしょう。
ここでは、保健師と看護師の勤務場所の違いについて詳しく説明します。
「保健師」と聞くと、保健センターや保健所などの行政機関での業務を思い浮かべる方は多いかもしれませんが、病院や企業でも広く活躍しています。保健師の主な勤務場所は、以下のとおりです。
上記のとおり、保健師といってもさまざまな職場で勤務が可能です。たとえば、都道府県や市町村の「保健所」「保健センター」などで、保健行政に従事している行政保健師が挙げられます。業務内容は主に、該当地域に住む住民の健康保持や増進、病気の予防のための活動などです。なお、行政保健師は公務員の扱いになるので、転職する際には各自治体の公務員採用試験への合格が必要です。
そのほかに、病院やクリニックなどの医療機関、一般企業に従事する産業保健師、大学や専門学校などに勤務する学校保健師などがあります。
看護師の主な勤務場所には、以下のような職場が挙げられます。
看護師というと病院やクリニックのイメージがありますが、訪問看護ステーションや介護施設、一般企業など職場は多岐にわたります。ほかにも、行政機関や学校なども挙げられ、ご自身のライフスタイルに合わせて勤務先を選びやすいのが特徴です。
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厚生労働省の調査によると、保健師の平均給与は36万1,000円、看護師は36万5,900円とあります。下記に、保健師と看護師の給与や賞与、年収の相場をまとめました。
| きまって支給する現金給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 平均年収 | |
| 保健師 | 36万1,000円 | 118万1,800円 | 551万3,800円 |
| 看護師 | 36万5,900円 | 85万6,400円 | 524万7,200円 |
参照:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 / 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
施設の規模や地域、勤務内容によって給与設定は左右するため、参考程度にご覧ください。しかし、給与だけで転職を決めてしまうと、入社後にミスマッチが起こりやすくなってしまうため、「自身がやりたいことが叶えられるか」を第一に考えるのがおすすめです。
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保健師とは、保健師免許を取得したうえで、保健指導を行う職種です。保健師助産師看護師法第二条には、下記のように定められています。
この法律において「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいう。
引用:e-Govポータル「保健師助産師看護師法」
保健指導とは、生活習慣病などの生活習慣が引き起こす疾患を予防するために、食事や運動、飲酒、喫煙といった生活習慣を改善するアドバイスや支援のことを指します。また、保健師は上記で挙げた個人の問題だけではなく、地域全体もしくは企業や学校といった組織全体の健康問題に関する対策や支援なども行っています。
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保健師として働くうえで、さまざまなやりがいが挙げられます。具体的には、以下のようなやりがいがあるでしょう。
保健師は、生活習慣や健康状態に寄り添いながら、予防の視点で支援を行う専門家です。保健指導の場では、一人ひとりに合った助言や計画を組み立てる能力が求められるため、結果として専門性が高まります。また、知識だけではなく対話や分析力も磨かれるので、相談者の生活の変化が見える瞬間にやりがいを感じられるでしょう。
保健師は、地域や企業での活動が中心となるため、夜勤が少なく生活リズムを整えやすい点が特徴です。そのため、休日も比較的安定しており、家庭やプライベートとの両立を図りやすい職場環境であるといえます。
保健師は自治体に所属する公務員として働くケースもあり、景気に左右されにくい安定性が魅力です。また、給与や福利厚生も比較的水準が高いため、自分のペースを保ちつつ、将来を見据えながら働けるでしょう。
保健師は、自治体の保健センターや学校など、さまざまな場で活躍ができる職業です。対象となる人や課題も多様なので、柔軟性や対応力だけでなく視野の広さも養われます。そのため、ご自身の関心やライフステージに合わせた職場選びが可能となり、経験を重ねながら新たな分野も目指せしやすいでしょう。
保健師に相談に来る方は、生活や健康に問題を抱えていて、不安を感じている方もいます。人と関わることに対して負担を感じず、相手を思いやれる方であれば、相談者と信頼関係を築いて、保健師としてサポートできるでしょう。具体的には、下記のような方は保健師に向いているといえます。
ほかにも、「コミュニケーションスキル」や「観察力」も、保健師の仕事に欠かせません。保健師の主な仕事は、生活習慣の改善が必要な方への保健指導です。対応する方のなかには、自分の課題を認識していない方もいるかもしれません。そういった方に、自身の問題を認識して改善してもらうためにも、コミュニケーションスキルがあると役立ちます。また、相談者が抱えている問題の本質を捉えるために、観察力もあると活かせるでしょう。
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保健師に向いている人は?職場別の適性や仕事内容、キャリア例も紹介
看護師とは、看護師資格を取得したうえで、病気やケガの回復やサポートを行う職種です。保健師助産師看護師法第五条には、下記のように定められています。
「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
引用:e-Govポータル「保健師助産師看護師法」
看護師は体調確認や処置の補助だけでなく、不安を抱える患者さんに寄り添いながら、安心して過ごせる環境づくりも担っています。医療現場では医師や他職種のスタッフと協力し、回復に向けた支援を行う存在であり、人の生活と健康を身近で支える役割を果たしています。
看護師は、ご自身の成長を感じながら安定した収入を得られるのもやりがいにつながります。以下で、看護師として働いた際にどのようなやりがいを感じられるかを詳しく説明します。
看護師は日々さまざまな患者さんと向き合うため、判断力や対応力が自然と磨かれていきます。そのため、経験を重ねるとできることも増え、自分の成長を実感できるでしょう。困難な場面を乗り越えたときや、落ち着いて対応できたと感じられる瞬間に、これまでの積み重ねが力になっていると感じられます。
看護師は基本給に加え、夜勤手当や資格手当、役職手当などが支給されることが多く、収入面の安定につながります。働き方や勤務先によって差はあるものの、手当が充実している職場では収入の見通しも立てやすいです。また、経験を積むことで待遇面の向上も期待でき、将来設計も描きやすいでしょう。
看護師は医療現場をはじめ、幅広い分野で人材が求められています。そのため、求人の選択肢も豊富で、自分に合った職場も見つけやすいでしょう。勤務形態や待遇などを比較しながら、より良い条件の転職先を探しやすく、キャリアの幅を広げられることもやりがいにつながります。
看護師に向いている人として以下のような特徴が挙げられます。
まず、患者さんや家族の気持ちに寄り添い、相手の立場で考えられる姿勢が求められます。また、命を預かる場面も多いため、責任感の強さも欠かせません。さらに、点滴や記録などの細やかな作業を正確に行う力をはじめ、医師や他職種のスタッフと柔軟に連携できる協調性も重要でしょう。これらの特徴をバランス良く備えていると、現場でも力を発揮しやすい可能性が高まります。
ここでは、すでに看護資格を保有している人が保健師の資格を取得する方法を紹介します。上記の「資格の違い」で述べたとおり、保健師になるには「看護師免許」と「保健師免許」の2つの資格が必要です。

また、准看護師の場合は、看護師資格を取得する必要があります。看護師が保健師国家試験を受験するには、保健師養成学校もしくは看護系大学などで保健師養成課程を履修したのち、保健師国家試験へ合格することで保健師として勤務できるようになるでしょう。
ここでは、保健師と看護師の違いに関する質問を紹介します。
看護師から保健師へ転職すると、夜勤手当がなくなり年収が下がる可能性があり、事務作業の比重も増えるため、治療の達成感を直接得にくいと感じることもあるでしょう。一方で、夜勤が減るため生活リズムが整いやすく、安定した働き方ができる点は大きなメリットです。ご自身のライフステージに合わせて、保健師への転職を検討するのが望ましいでしょう。
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看護師と保健師、助産師の大きな違いは、資格の種類にあります。看護師は「看護師資格」の取得により、看護師を名乗ることができます。一方で、保健師と助産師は、「看護師資格」に加えて「保健師資格」もしくは「助産師資格」の取得が必要です。
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保健師の主な仕事は「病気や怪我を予防するための保健指導」で、看護師の主な仕事は「病気や怪我などの治療の補助」です。保健師は保健センターや保健所といった行政機関や企業、学校などでも活躍しています。
また、保健師として保健指導を行うには、「看護師免許」と「保健師免許」の2つの資格に加えて、保健師国家試験の受験のために、1年以上の通学が必要です。保健師養成課程を修了できる学校は、定時制は少なく昼間の通学が必要なので、すでに常勤で看護師として働いている場合は、資格取得はハードかもしれません。
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