
中途採用で転職した看護師の中には、職場で思うような人間関係を構築できずに悩んでいる人もいるでしょう。中には何かしらの被害に遭っており、孤独感や疎外感に苛まれている場合もあるかもしれません。本記事では、中途採用の看護師を取り巻くいじめ問題について順序立てて解説しますので、現状を客観視したい人はもとより、これから転職をするにあたって人間関係に不安を抱えているという人も、ぜひご覧ください。
看護師のいじめは、雇用形態や雇用時期、年代に関わらず標的にされる場合があり、特に排他的な職場では、中途採用の看護師がいじめに遭うリスクも高いといえるでしょう。自分自身に落ち度がなくても、学歴が高かったり、仕事で高評価を受けやすかったりして嫉妬の対象となってしまい、いじめに発展することも。残念ながら、身勝手な理由によりある日突然嫌がらせが始まる可能性は否めません。
ここでは、中途採用の看護師がいじめにあう理由を4点紹介します。いじめは精神的に未熟な人が行う行為で、どのような理由があろうと決して許されることではありません。自分に全く非がない場合でも、集団に属する限りいじめに遭う可能性はゼロではないため、万が一いじめを受けても自分自身を責めたり、罪悪感を持ったりしないことが大切です。
看護師は体力的にも精神的にも負担が大きい仕事です。それ故に、緊張感で張り詰めたり、切羽詰まったりして、他人への気遣いや配慮といった利他的な行動をとる余裕がない看護師も多いといえます。自分のことで手一杯のため、中途採用の看護師の教育においても、冷たく当たってしまう場合があるでしょう。
中途採用の看護師は即戦力を求められることが多く「すぐに活躍してくれるだろう」というイメージを持たれがちです。しかし、想定よりも看護師経験が浅かったり、足を引っ張ってしまったりした場合、落胆や苛立ちを感じ、日々の不満やストレスといった感情をぶつけられる対象になってしまう場合があります。
異動がほとんどない職場では、深い人間関係が出来上がっており、仲間意識が強いことも。そのような環境下で、中途採用の看護師が入職するという不規則な事態が発生すると、現状を変える脅威とみなされ、快く受け入れてもらえない可能性があります。見えないバリアを張って排除しようとする動きがいずれいじめに発展することもあるでしょう。
閉鎖的な職場環境もいじめが起こる要因の一つです。看護師の職場は閉鎖的なことが多く、「自分の職場のルールが全て」という意識が強い傾向にあります。そのような中で、中途採用の看護師が以前の職場と比較するような言動をとった場合、認めたり受け入れたりすることができず不快に感じられやすいといえるでしょう。
「学校で行われるもの」というイメージが強いいじめですが、職場でのいじめも決して珍しいものではありません。いじめを受けると、仕事のパフォーマンスが低下するのはもとより、疎外感を抱き、自己肯定感の喪失へと繋がっていきます。中途採用の看護師が受けるいじめにはどのようなものがあるのか、以下で見ていきましょう。
陰湿ないじめの1つに無視があります。特に、上司からのいじめがあった場合、他の看護師にも伝染し、集団無視に繋がる場合も。このようないじめは表面化しにくいため、周囲から気付かれない恐れもあります。仕事だからと割り切るように努めても、返事や頷きもなく、空気のように扱われると、その場にいるのがどんどん耐えられなくなってしまうでしょう。
否定も立派ないじめの一種です。業務において理由も聞かずに意見を遮られたり、より卑劣な場合は、仕事内容のみならず人格を否定されたりすることもあります。主張を聞き入れてもらえず相互理解を深められない環境では、日々の看護業務に支障をきたすリスクも高いといえます。否定の言葉を浴びせ続けられると、自身を責めて落ち込むようになるでしょう。
悪口も人を傷つける典型的ないじめです。自分に思い当たる節がなくとも、「何か気に入らない」「好みに合わない」という個人的な理由により、本人に聞こえるように目の前で悪口を言われる場合も。これ見よがしに悪口を言われると、相手の顔色をさらに伺うようになるのはもちろん、他の看護師の目が気になり萎縮してしまうようになるでしょう。
転職して間もないうちは、注意された内容が理不尽だと感じても、指導の範疇だと自分自身を納得させてしまうかもしれません。しかし、正当な理由もなく、必要以上に強く𠮟ったり、理不尽に注意したりすることはいじめにあたる可能性も。また、罵声を浴びせるといった業務上の必要な範囲を超えた言動がある場合は、パワハラに該当する場合もあります。
立場が上であることを利用して、達成不可能な量の仕事を強いたり、残業せざるを得ない状況を作ったりといった仕事の押し付けも職場いじめの一つです。他の看護師と明らかに仕事量の差があったり、やったことのない仕事を押し付けられると、精神的にも体力的にも辛い状況に追い込まれてしまうでしょう。
中途採用の看護師がいじめを回避するためには、自らの力でいじめに遭いにくい状況を作ることが重要です。その肝となるのは、コミュニケーション能力や周りへの振舞い方。以下にて具体的な方法を4点ご紹介しますので、参考にしてみてください。
いじめの脅威を排除するためには、感じの良い対応を意識し、周りから好感を持ってもらうことが大切です。人見知りを免罪符にせず、自分から笑顔で接するのはもちろんのこと、挨拶をきちんと行うといった礼儀正しさも忘れないようにしましょう。また、年下の看護師と接する際にプライドが邪魔をすることもあるかもしれませんが、感謝の気持ちを忘れず謙虚かつ素直な姿勢でいることが、より良い関係性を築くための原則といえます。
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いじめを遠ざけるためには、報告・連絡・相談を迅速かつ的確に行うことも大切です。すでに構築された人間関係の中に中途採用の看護師が入っていくには、積極的なコミュニケーションが必要不可欠ですが、その際の態度として「自信を持ってはきはきと」会話することも重要な要素です。何を考えているのかを明確に示すことで、信頼関係を築きやすいといえるでしょう。
前述したとおり、職場によっては中途採用の看護師に対して排他的なスタッフがいる場合があります。そのような状況下で、前の職場と比較するような発言をしてしまうと「協調性がない」といじめに発展する可能性も。疑問に思うことがあっても、まずは郷に入っては郷に従えの精神で規則に従い、機会を見つけて徐々に改善していくようにしましょう。
立場が弱く、反論できない看護師はいじめの標的になりやすいことから、できるだけ早く一人前となり周りからの信頼を得ることも大切なポイントです。特に、中途採用の場合は、実績やスキルがあるため、指導内容の判断が難しく、放置されがちな傾向にあります。そのためにも「出来る出来ない」を詳しく伝えた上で、積極的に教えを乞うことが重要です。
いじめにあった際は、耐えたり仕返したりするのではなく、正攻法により然るべき対処を行いましょう。いじめに対する態度としては、相手を刺激しない程度に極力スルーすると良いといえます。その都度反応してしまうと、いじめが悪化してしまう恐れがあるため、以下の対処法を実行しながら毅然とした態度で臨むことが大切です。
いじめ行為の証拠を残すために、いじめの内容は詳細に記録しておきましょう。時間が経つと鮮明に思い出せなくなる場合があるため、誤った事実認定をされないためにも、いじめを受けた日時や場所まで細かく残すことをおすすめします。また、周りにいたメンバーや、その時の感情、いじめによる業務への影響についても記録しておくと良いでしょう。
心配や迷惑をかけたくないといじめに耐え続けると、心身に深刻な影響をもたらす危険性があるため、決して一人で抱え込まず上司や先輩といった信頼できる人に相談しましょう。現状を打ち明けることで味方が増え、業務で考慮してもらえる可能性もあります。なお、相談相手によっては加害者に味方する場合もあるため、人選に気をつけることが大切です。
いじめの問題へ適切な対応をとるためには、第三者の手を借りることも検討しましょう。院内窓口で解決しない場合は、公的機関の窓口へ相談することも選択肢の一つです。総合労働相談コーナーでは、労働問題に関するあらゆる分野について、専門の相談員に相談することができます。予約不要、利用無料で電話相談も可能なため、視野に入れると良いでしょう。
退職せずに「現在の人間関係から離れたい」「働く環境を変えたい」という場合は、部署異動もおすすめです。必ずしもすぐに希望が通るとは限りませんが、心機一転、新たな気持ちで働ける可能性があります。ただし、組織全体にいじめが蔓延している場合、部署を異動しても同じような問題に遭遇する可能性がゼロではないため、注意しておきましょう。
集団の中で孤立すると、孤独感や疎外感に苛まれ、逃げ場がないように感じてしまうでしょう。 狭いコミュニティの中ではどうしても視野が狭くなってしまうため、いじめに耐え続けると、精神的苦痛により冷静な判断ができなくなる可能性もあります。心身を回復するためにも一旦職場から離れ、正常な判断ができるようになるまで休養するのも一つの手です。
上記の対処法を試してもなお、状況が改善しない場合は、転職を視野に入れることをおすすめします。いじめを仕方のないことと諦めたり、自分が悪いと自己否定したりして無理に働き続けると、行為がエスカレートしたり、心身に不調をきたしたりする恐れも。加害者をかばうような体質がある職場は、いじめが常態化している可能性もあるため、安心して働ける職場へ移ることを検討しましょう。
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ここでは、中途採用で入職した看護師のいじめに関するよくある質問をご紹介します。
いじめへの復讐は建設的でなくおすすめしません。いじめの被害者になった場合は自己否定や自己犠牲をしたり、泣き寝入りしたりせず、信頼できる人や窓口に相談しましょう。なお、最大の仕返しは「いじめてくる看護師よりも仕事ができるようになること」です。周りからの人望を得て自身の評価を上げることが賢い手段の一つといえるでしょう。
対処法としては、「いじめの内容を記録する」「信頼できる人に相談する」「院内や公的機関の窓口に相談する」「部署異動を申し出る」などが挙げられます。どうしてもいじめが改善されない場合は、一度休職をして職場から離れることも一つの手です。詳しくは「看護師のいじめ問題とは?職場で起こる事例と対処法について解説」にて解説しています。
訴訟は総合的に見てあまりメリットがないため、避けたほうが無難でしょう。法的手段をとることで今以上に精神的な負担が増えたり、次の転職にも影響が出たりする可能性があります。訴えたい気持ちは十分に理解できますが、時間と労力、また、慰謝料の相場を考えても、訴えるより新しい職場で幸せに働いたほうが、心の健康を保つことができるでしょう。
いじめや嫌がらせといった職場の人間関係に悩む看護師が多いのは事実です。また、過去に被害を受けた人が、新人や不慣れな人に同じような態度をとってしまい、気付けば自分も加害者側に回っていたというような悪循環が起きるケースもあります。全ての職場にいじめが蔓延している訳ではないため、いじめが起こりづらい環境や施設を選ぶことが大切です。
看護師のいじめは、誰でも標的になり得る可能性があり、特に中途採用の場合は、即戦力のイメージを持たれやすかったり、排他的な雰囲気の中で仲間として認められなかったりして、孤立してしまう可能性があります。自分自身に落ち度がなくとも職場環境が起因して、いじめの標的になる可能性は十分にあり得るため、事態が改善しない場合は、我慢せずに安心して働ける職場へ転職することも一つの手です。
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