
看護師のなかには、保健師への転職を検討している方もいるでしょう。保健師の求人は人気が高く、未経験の場合は転職に苦戦してしまうことも。本記事では、看護師が保健師になるのに必要な資格やスキル、看護師から転職するメリットなどを解説。種類別の保健師の仕事内容や、転職成功のポイントも紹介しますので、保健師求人への応募をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
看護師が保健師に就職や転職をする際には、保健師免許を取得し、応募したい企業や自治体に内定をもらう必要があります。ここでは、看護師から保健師に転職する方法を流れに沿って解説します。
保健師になるための第一歩として、保健師国家試験の受験資格を得るために、1年制の保健師養成学校か看護系の大学に編入し、単位を修得することが必要です。養成学校では、講義のほかに実習も行います。2012年以降、保健師の資格取得を選択制にし人数制限を設ける大学が増え、希望者全員が資格を取れなくなったため、保健師養成学校の受験倍率は高くなっているようです。
保健師の資格は、通信教育で受験資格を得られません。保健師の受験には、所定の単位が必要です。しかし、履修が必要な科目のなかには「臨時実習」と呼ばれる社会福祉施設や市役所、保健センターなどでの実習が含まれているためです。保健師への就職や転職を考えている方は、事前に学校情報を収集しておく必要があるでしょう。
働きながら保健師資格の取得を目指す場合は、夜間の学校を探すと良いでしょう。ただし、保健師に必要な科目には実習も含まれています。そのため、看護師として働きながら学ぶ場合には時間のやりくりや体力面で工夫が必要です。
看護師国家試験と近い時期に実施される、保健師国家試験を受験します。厚生労働省「第110回保健師国家試験合格発表」では、144点満点中、87点が合格ラインとなっており、合格率は95.7%でした。保健師国家試験に合格すると、保健師免許が交付されます。保健師養成学校の場合は、1年間で単位取得や国家試験対策、就職・転職活動までを行う過密スケジュールをこなす必要があるといえるでしょう。
行政保健師は、4月1日採用の場合、同年の1月頃から試験を開始する地域が多いようです。産業保健師や病院保健師などは、各事業所の採用日程に従って受験が必要です。厚生労働省「保健師」「看護師」によると、令和5年度の有効求人倍率は、看護師が「2.31」に対し、保健師は「1」となっています。保健師は離職率が低く、募集枠も少ないため、看護師と比べて転職は難しいといえます。
行政保健師になるには、希望する自治体の公務員試験への合格が必要です。公務員試験の内容は、教養試験やSPI問題などを出題する自治体もあるため、専門分野以外の対策もしておく必要があります。採用日程や試験内容は、各自治体のWebサイトから確認可能です。受験資格に年齢制限を設けている自治体があるため、応募する前に確認をしておくと良いでしょう。
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保健師とは?仕事内容や看護師との役割の違い、平均年収を解説
保健師になるにはどうする?受験資格・難易度や免許を取得できる学校を解説
保健師には、「行政保健師」「産業保健師」「学校保健師」「病院保健師」の4種類があります。ここでは、それぞれの働き方や仕事内容について詳しく見てみましょう。
行政保健師の主な勤務先は、保健センターや保健所などの行政機関です。保健センターは、市区町村単位で設置されており、主に母子保健や老人保健などの業務を担っています。保健所は、都道府県や政令指定都市、中核市ごとに設置されており、保健センターよりも広域的だといえるでしょう。保健所で働く保健師は、主に感染症や難病対策などの業務を行います。行政保健師は公務員のため、福利厚生が充実している点がメリットだといえます。
産業保健師は、企業に勤める社員の健康管理を担っており、企業の正社員や契約社員、派遣社員として勤務することが多いようです。産業保健師になるには、企業に内定をもらう必要があります。産業保健師の設置人数は会社の規模にもより、1人という企業も珍しくないようです。そのため、募集枠はかなり少なく、難易度は高いといえます。産業保健師を置く企業は、大企業が多いため、待遇面に期待できる点がメリットといえるでしょう。
学校保健師は、学校に通う生徒や教職員の健康管理を行います。養護教諭の免許が必要な「保健室の先生」とは異なり、学校保健師は保健師資格があれば業務が可能です。求人募集は、転職サイトや各学校ごとにチェックすると良いでしょう。子どもの成長を見届けられ、必要とされることも多い学校保健師の仕事にやりがいを感じる人も多いといえます。
病院保健師は、病院に併設されている健診センターでの保健指導や病院スタッフの健康管理を任されています。病院によっては、看護師と仕事内容が変わらないところもあり、施設によって違いが大きいようです。応募する際には、事前に業務内容を確認しておいた方が良いでしょう。
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保健師の仕事内容って?活躍できる場所もあわせて解説
保健師にはコミュニケーションスキルやマネジメントスキルが求められます。これらは看護師の仕事にも必要な能力のため、経験が役に立つといえるでしょう。ここでは、保健師になるのに必要なスキルをご紹介します。
保健師には、傾聴力や説明能力といったコミュニケーション能力が求められるでしょう。保健師は、幅広い相手に健康にまつわる指導やアドバイスを行う仕事です。信頼関係を築いているからこそ、相談者は保健師に悩みを打ち明けるのです。さまざまな年齢や性別の方とコミュニケーションをとれるスキルがある方は活躍できるでしょう。
保健師には情報を整理・把握したり、関係部署との連携をとったりできるマネジメントスキルが求められます。計測した数値データの整理や処理を行い評価することで、次回の計画や実施に活かすのも保健師の役目。そうした健康維持の課題解決を行うにあたって、関係部署や各担当者との連携は欠かせません。
看護師から保健師への転職は、予防医療に携われることや看護師経験が活かせることなどがメリットといえるでしょう。看護師から保健師に転職するメリットを、以下に解説します。
保健師に転職すると、予防医療の分野で働ける点がメリットといえるでしょう。健康寿命を伸ばすための「健康寿命延伸プラン」が、2019年度から国の施策として取り組まれています。今後も高齢化が進む日本では、疾病予防や介護予防などが重要視され、保健師の役割はますます大きくなるといえるでしょう。
身体的な負担が少ない働き方ができるのも、看護師から保健師に転職するメリットです。保健師は、基本的に夜勤がないため、休日とのギャップを感じずに規則正しい生活リズムで働けます。また、デスクワークが中心のため、看護師として勤務していた人であれば、体力的に余裕を持った働き方が可能です。
日々、病気で苦しむ患者さんと接している看護師のなかには、疾病予防の大切さを実感している人もいるのではないでしょうか。そのような看護師は、臨床経験を活かし、より説得力のある保健指導が可能だといえます。医療知識やコミュニケーションスキルなども、保健師業務に活かせるといえます。
看護師が保健師に転職すると給料が下がったり、看護師のブランクができてしまったりするといったデメリットも生じます。看護師から保健師に転職するデメリットを、以下にまとめました。
保健師に転職して、月収や年収が下がってしまう看護師もいるようです。夜勤手当が望めない分、職場によっては給与や月収が低くなる可能性があります。厚生労働省「保健師」「看護師」によると、令和5年の看護師と保健師の年収の相場は、以下のとおりです。
| 保健師 | 看護師 | |
| 年収(全国) | 約451万円 | 約508万円 |
参考:厚生労働省(職業情報サイト job tag)「保健師」・「看護師」(2024年11月18日参照)
上記には、日勤のみの看護師の年収も含まれています。夜勤をしている看護師は、さらに月収が高くなるため、保健師との年収の差も大きくなるといえるでしょう。また、大企業に勤める産業保健師は、上記の年収よりも高収入が期待できるようです。
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保健師に転職することで、看護師としてのブランクができる点がデメリットといえるでしょう。看護師に戻りたいと考えたときに、ブランクの長さが転職に不利に働いてしまう可能性も。保健師は、医療行為をする機会もあまりないため、看護技術の感覚を取り戻すのも苦労するかもしれません。
連続勤務になることも、看護師が保健師に転職するデメリットといえます。シフト制で平日休みがあった看護師に比べ、保健師は月〜金の日勤帯での勤務が多いため、連続勤務に慣れず、きついと感じる人もいるでしょう。
保健師に向いている人には、「長期的な視点を持てる」「デスクワークに苦手意識がない」などの共通点があります。保健師に向いている看護師の特徴を、以下で詳しく解説します。
長期的な視点で物事を捉えられる看護師は、保健師に向いているといえるでしょう。予防医療は、すぐに結果が出にくい分野です。長期的な目標にも前向きに取り組めると、やりがいを感じながら働けるかもしれません。
保健師は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢の人と関わる仕事です。精神疾患や虐待など、デリケートな事例を担当することもあるでしょう。保健師は地域で暮らす住民が対象となり、生活に一歩踏み込んで問題を解決する姿勢が求められます。そのため、人と関わることが好きで、相手の問題に真摯に向き合える人が、保健師に向いているといえるでしょう。
保健師に向いている看護師の特徴に、説明が得意な人が挙げられるでしょう。保健師は、健康相談や保健指導など、説明をする機会が多々あります。ただ説明するだけではなく、問題点を理解してもらい、行動変容に繋げるまでが重要です。相手の理解度や状況に合わせた説明が得意な人は、保健師として活躍できるはずです。
デスクワークに苦手意識がない人は、保健師に向いています。体を動かして働く時間が長い看護師と比べ、保健師は事務処理やパソコン作業が多いといえます。長時間座って業務をすることに、苦痛を感じる看護師もいるかもしれません。
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保健師に向いている人は?職場別の適性や仕事内容、キャリア例も紹介
幼い頃から保健師になる夢を持っていたDさんですが、新卒時の就職活動では未経験での就職が難しく断念。看護師をしながら転職に挑戦しますが、未経験者という壁を乗り越えられず、転職活動が思うように進みません。未経験者でも働ける保健師の求人を紹介してほしいとレバウェル看護にご相談くださいました。
キャリアアドバイザーが事業所に電話し事情を説明したところ、4つの事業所から「未経験も可」との回答を得ます。そのうちの一つの事業所が、保健師の知識や熱意を持ったDさんを歓迎。Dさんは1年目の看護師という多忙な状況のなか、諦めずに転職活動を続け、希望の内定を手にしたのです。
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未経験だけど保健師になりたい!夢を諦めなかったから見つけられた転職先
募集枠が少ない保健師は、求人のこまめなチェックや転職エージェントを活用するなどのポイントを押さえ、転職活動を行いましょう。看護師が保健師への転職を成功させるポイントを、以下にまとめました。
まずは、目標や希望条件を明確にしておくと良いでしょう。保健師の目標例は、「経験を積んで主任保健師などの管理職を目指す」「特定分野に精通した専門保健師になる」「教員として後任の育成を行う」などです。自分がなぜ保健師になりたいのか、採用側に熱意が伝われば好印象を与えられ、内定をもらえる可能性も上がります。また、希望条件に優先順位をつけておくことで、スムーズな求人探しにつながるでしょう。
保健師の転職は、募集枠が少なく人気も高いため「狭き門」といわれています。応募の機会を逃さないよう、こまめな求人情報のチェックが大切です。
すでに保健師免許を持っている看護師は、在職中の転職活動がおすすめです。タイミング次第では、希望に合った求人がない場合もあります。思うように転職活動が進まず、ブランクができるのは避けたいところです。看護師を続けようと考え直す可能性も加味し、在職中に転職の準備を始めるのが良いといえるでしょう。
転職サイトや転職エージェントを活用すると、効率良く転職活動ができるでしょう。ハローワークや転職サイトから求人検索ができますが、非公開求人を多数取り扱っている転職エージェントも併用するのがおすすめです。転職エージェントに登録すると、専任のキャリアアドバイザーによる転職のサポートが受けられます。求人紹介以外にも応募先とのやり取りや選考対策なども行ってくれるため、忙しい看護師も転職活動が可能です。
ここでは、保健師に転職したい看護師からよくある質問を、Q&A形式で回答していきます。
イメージしていた仕事内容と実際にギャップがあったり、孤独を感じたりすることが挙げられます。規模が小さい自治体や産業保健師の場合は、少人数しか保健師を置いていないところも多いようです。先輩や同僚とチームワークで働くのが好きな看護師は、保健師の職場に孤独を感じることがあるかもしれません。
予防医療に携わりたい、長く働ける仕事に就きたいなど、看護師が保健への転職を考える理由は人それぞれです。患者さんとの関わりがきっかけで、事前に病気を防ぎたいと思い、転職を考える看護師もいるでしょう。また、将来長く勤めることを考えて、体力的な負担が少ない保健師に転職したい看護師もいるようです。
少ないといえるでしょう。産業保健師は、好待遇が多いため、離職率が低い傾向にあります。そのため、募集枠がなかなか出にくく、経験者のみ募集している企業が多いこともあり、転職の難易度は高いといえるでしょう。産業保健師の詳細については、本記事の「【種類別】保健師の働き方と仕事内容」で紹介していますので、ご覧ください。
無理ではありませんが、一般的には看護師経験を求められるケースが多いといえます。働き方によっては、急病人の対応や採血なども発生するため、臨床経験を積んでいる看護師の方が、採用において有利に働くでしょう。看護師1年目で保健師を目指す際には、採用までに時間がかかることも想定し、在職中に転職活動をしたり、転職エージェントを活用したりするのがおすすめです。
看護師から保健師に就職や転職をする際には、国家試験である保健師資格を取得する必要があります。そのうえで、「行政保健師」「産業保健師」「学校保健師」「病院保健師」から、自分に合った働き方を選び、転職活動を行いましょう。
保健師は長期的な視点を持ち、説明が得意な人に適した仕事です。予防医療を通じて社会貢献ができるため、人気が高い仕事でもあります。転職の際は求人情報をこまめにチェックし、応募のタイミングを逃さないことが大切です。
看護師から保健師への就職や転職を目指す方のなかには、「思うように保健師の求人を見つけられない」「経験年数や応募条件をクリアできず求人に応募できない」とお悩みの方も多いかもしれません。自分で保健師の求人を探すのが大変だと感じた際は、転職エージェントの活用もおすすめです。看護師業界の求人を網羅しているレバウェル看護が、保健師の求人をこまめにお調べし、ご提案いたします。レバウェル看護では、保健師の書類や筆記試験、面接対策など就職・転職活動を総合的にサポート。未経験者でも安心して応募できるよう、勤務の希望を応募先と交渉することも可能です。サービスはすべて無料で利用できるので、「保健師への転職活動が思うように進まない」とお困りの方は、キャリアアドバイザーにお任せください。
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