
「診療看護師になるにはどうすればいいの?」「試験は難しい?」など、疑問を感じている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、診療看護師になるにはどうすればいいのか、試験内容や難易度なども詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、診療看護師になるまでの流れが分かり、前向きに取得を検討できるでしょう。
診療看護師に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
診療看護師(NP:Nurse Practitioner)とは、医師の包括的な指示のもと、一定の診療行為を実践できる高度な教育を受けた看護師です。
ここでは、診療看護師の役割や主な活躍の場について、分かりやすく解説するのでご覧ください。
診療看護師の主な役割は、医師と協働しながら診療の一部を担い、医療提供の質と効率を高めることです。
すぐに医師の判断をあおげない場面でも、診療看護師が包括的な指示によって現場の指揮をとれるため、医師やチーム全体の負担が軽減されます。
また、医学と看護の両方の視点を併せ持つことで、医師と看護師の橋渡しとなることも診療看護師の重要な役割の一つです。
診療看護師の活躍の場は多岐にわたるものの、特に救急外来、ICU、HCU、一般病棟など、医師の判断と迅速な対応が求められる現場で特にニーズが高まっています。
比較的規模の大きな病院では、診療看護師の研修プログラムも整っており、積極的にスキルアップできる環境が整っているのが魅力です。
また、訪問看護や訪問診療など、在宅医療の分野でも診療看護師が増えてきており、活躍の場は幅広くなっています。
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特定看護師は特定行為研修を修了した看護師の通称であり、診療看護師と混同されやすい
それぞれの違いは下記のとおりです。
| 診療看護師 | 特定看護師 | 認定看護師 | 専門看護師 | |
| 役割 | 医師の包括的指示のもと、特定行為を実施しながら迅速な医療提供を支える看護師 | 特定行為研修を修了し、定められた特定行為を実施できる看護師 | 各認定分野において「実践・指導・相談」を担う看護師 | 各専門分野において「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」を担う看護師 |
| 取得の条件 | 看護師としての5年の実務経験+大学院の修士課程の修了 | 明確な条件はない(3~5年の実務経験が目安) | 看護師として5年以上の実践経験+日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を修了 | 看護師として5年以上の実践経験+看護系の大学院で修士課程を修了 |
| 教育機関 | 指定大学院 | 特定行為研修を実施している大学・大学院・病院 | 指定大学 | 指定大学院 |
| 対応分野 | 21区分あり、大学院によって受講できる区分数が異なる | 21区分より受講したい区分別科目を選択 | 19の認定分野より1分野選択 | 14の専門分野より1分野選択 |
| 更新手続き | 5年ごと | 不要 | 5年ごと | 5年ごと |
それぞれの特徴を比較したうえで、理想とするキャリアパスに合う資格取得を目指すことが大切です。
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特定行為とは、医師が作成した手順書に基づいて実施できる医行為を指し、医師の直接指示を待つ必要がありません。
厚生労働省によると、特定行為区分は下記の21区分38行為に分かれており、厚生労働省の特定行為研修を修了します。
| 特定行為区分の名称 | 特定行為 |
| 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | ・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
| 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 ・人工呼吸器からの離脱 |
| 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | ・気管カニューレの交換 |
| 循環器関連 | ・一時的ペースメーカの操作及び管理 ・一時的ペースメーカリードの抜去 ・経皮的心肺補助装置の操作及び管理 ・大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整 |
| 心嚢ドレーン管理関連 | ・心嚢ドレーンの抜去 |
| 胸腔ドレーン管理関連 | ・低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更 ・胸腔ドレーンの抜去 |
| 腹腔ドレーン管理関連 | ・腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された 穿刺針の抜針を含む) |
| ろう孔管理関連 | ・胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換 ・膀胱ろうカテーテルの交換 |
| 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 | ・中心静脈カテーテルの抜去 |
| 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 | ・末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 |
| 創傷管理関連 | ・褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 ・創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
| 創部ドレーン管理関連 | ・創部ドレーンの抜去 |
| 動脈血液ガス分析関連 | ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ラインの確保 |
| 透析管理関連 | ・急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理 |
| 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
| 感染に係る薬剤投与関連 | ・感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
| 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 | ・インスリンの投与量の調整 |
| 術後疼痛管理関連 | ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
| 循環動態に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 ・持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 ・持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 ・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 ・持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 |
| 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 | ・抗けいれん剤の臨時の投与 ・抗精神病薬の臨時の投与 ・抗不安薬の臨時の投与 |
| 皮膚損傷に係る薬剤投与関連 | ・抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整 |
診療看護師養成課程では、2年かけてこれらの特定区分について学び、特定行為の習得を目指します。
診療看護師になるには大学院修士課程を修了した後、認定試験に合格しなければなりません。
ここでは、診療看護師になるまでの具体的な流れについて詳しく紹介します。
診療看護師になるまでの流れは、大きく4つのステップに分かれます。
専門学校を卒業した看護師でも、出願審査を受ければ大学院の診療看護師養成課程に出願・受験が可能です。
必ずしも大卒でなければ診療看護師になれないわけではありません。
日本NP教育大学院協議会によると、全国に指定大学院は19校あります。
| 都道府県 | 指定大学院 |
| 北海道 | ・北海道医療大学大学院 |
| 秋田県 | ・国立大学法人 秋田大学 |
| 宮城県 | ・東北文化学園大学大学院 |
| 山形県 | ・国立大学法人 山形大学大学院 |
| 東京都 | ・東京医療保健大学大学院(国立病院機構キャンパス) ・東京医療保健大学大学院(五反田キャンパス) ・国際医療福祉大学大学院 ・帝京大学大工院 |
| 長野県 | ・佐久大学大学院 |
| 静岡県 | ・聖隷クリストファー大学大学院 |
| 富山県 | ・国立大学法人 富山大学大学院 |
| 愛知県 | ・愛知医科大学大学院 ・藤田医科大学大学院 ・公立大学法人 名古屋市立大学大学院 |
| 大阪府 | ・国立大学法人 大阪大学大学院 |
| 島根県 | ・公立大学法人 島根県立大学大学院 |
| 福岡県 | ・令和健康科学大学 ・純真学園大学大学院 |
| 大分県 | ・公立大学法人 大分県立看護科学大学大学院 |
大学院の入学試験における難易度や倍率は学校によって異なるため、一概には言えません。
また、すでに取得している特定行為の単位がある場合、既修得単位としてみなされることがあり、指定大学院に問い合わせてみましょう。
ここでは、診療看護師(NP)資格認定試験の試験内容や難易度、かかる費用について紹介します。
診療看護師の認定試験は筆記試験のみで、実技試験はありません。
共通科目の他、下記の3つの中から好きな科目を選択します。
診療看護師として必要な基本知識や技能について出題されますが、講義や演習、実習よりも専門的な知識を問われる可能性もあります。
臨床経験も活かしながら、しっかり勉強に取り組むのがおすすめです。
また、認定試験の合格率や合格者については公式発表されていないことから、難易度は低くないでしょう。
また、診療看護師になるには、大学院への入学金や授業料、試験料などで200万円以上かかるとされています。
| 費用の項目 | 内訳 |
| 大学院入学~卒業 | ・入学試験受験料:30,000円 ・入学金:300,000円 ・授業料(2年分):1,200,000円 ・教育充実費:200,000円 |
| 認定試験 | ・試験料:30,000円 ・診療看護師(NP)認定料:10,000円 |
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病棟や施設などに勤務する看護師が診療看護師になることで、さまざまなメリットが期待できます。
診療看護師になるメリットは下記のとおりです。
それぞれのメリットについて詳しくお伝えするので確認してみましょう。
医療の現場では、医師の指示が必要であるにもかかわらず、すぐに医師の指示を確認できるとは限りません。
診療看護師がいれば、医師の包括的指示のもとで特定行為を実施できるため、医師の到着を待たずに患者様への対応をより迅速に行うことができます。
また、看護の視点を持ちながら診療に関与できるため、医療と看護の「つなぎ役」として、現場全体の質とスピードを高められる点は大きなメリットです。
診療看護師養成課程では、専門性の高い知識・スキルを習得でき、担える業務の幅が広がります。
看護師としてのスキルアップにつながり、臨床経験で活かせるでしょう。
キャリアの幅を広げるのにも役立ち、専門性を高め続けたい看護師にとって、大きな成長の機会となります。
診療看護師を配置している医療機関の多くでは、資格手当が支給されます。
金額は病院によって異なるものの、数万円程度が相場です。
全ての病院で資格手当が支給されるわけではありませんが、スキルに見合った評価を受けやすく、モチベーションの維持にもつながるでしょう。
診療看護師は全国的にもまだ人数が少なく、専門性を持つ人材として重宝されやすいです。
特に、日本の医療現場では医師不足や高齢化が進んでおり、診療看護師の需要は今後さらに拡大すると見込まれています。
将来を見据え、長く医療現場で価値を発揮し続けたいと考える看護師にとって、安定した需要が期待できる資格と言えるでしょう。
診療看護師になるとメリットが多い一方で、いくつか注意したいポイントがあるのであらかじめ把握しておくことが大切です。
診療看護師になる際の注意点として、下記が挙げられます。
診療看護師を目指したい方は、どのような点に注意すればよいのか確認してみましょう。
診療看護師は5年ごとに更新しなければならず、日本NP教育大学院協議会によると、4.5年の間に下記の条件を満たす必要があります。
診療看護師になった後も、自己研鑽に励み、常に新しい知識を習得し続ける姿勢が必要不可欠です。
診療看護師になるには、学費や受験料、教材費などによる経済的な負担が大きいです。
大学院に2年通学するため、一時的な休職や退職を検討しなければならないケースもあります。
特に居住地の近くに指定大学院がなければ、転居費用や交通費がかかるので、計画的な準備が必要と言えるでしょう。
診療看護師は、医師の包括的指示のもとで診療に関与するため、医師との密なコミュニケーションが欠かせません。
診療の判断に近い立場で働く分、意見交換や責任の重さにプレッシャーを感じる場合もあります。
チーム医療に前向きで、他職種との協働を楽しめる人ほど、診療看護師として力を発揮しやすいです。
ここでは、診療看護師になるにはよくある質問を紹介します。
診療看護師のいない病院に勤務していても、診療看護師を目指すことは可能です。
大学院への進学要件は、主に看護師としての臨床経験年数や領域であり、勤務先に診療看護師が在籍しているかどうかは必須条件ではありません。
ただし、ただし、大学院修了後に診療看護師として活動するためには、配置や役割を理解してくれる医療機関への異動や転職が必要になる場合もあります。
進学前から、修了後の働き方や受け入れ体制について確認しておきましょう。
診療看護師は「医師の代行」として働く職種ではありません。
あくまで医師の包括的な指示のもとで、定められた範囲の診療補助や特定行為を実施します。
医師の業務を単に肩代わりする存在ではなく、医師と対等に意見交換しながらチーム医療を支える専門職と言えるでしょう。
診療看護師になるには、5年以上の実務経験を積んだのち、指定の大学院の診療看護師養成コースの修士課程を修了し、認定試験に合格しなければなりません。
認定試験は筆記のみで実技は求められないものの、専門的な知識を問われるため、しっかり勉強に取り組む必要があります。
また、診療看護師になると、迅速な医療・看護の提供やスキルアップなど、さまざまなメリットが見込めるでしょう。
ただし、5年ごとの更新が必要となるほか、資格の取得に時間や費用がかかったり、医師との連携に負担を感じたりするため、慎重に取得を検討することが大切です。
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