
手術室に配属された看護師の中には「手術室看護の勉強の方法が分からない…」という方もいるのではないでしょうか。学生時代に実習で習得できる手術室看護の知識やスキルは限られています。手術室看護師として業務をこなしていくためには、自分なりの勉強方法を確立し、実際の現場で効率的に学んでいくことが必要です。本記事では、直接介助を行う手術室看護師の勉強の進め方のポイントをご紹介します。
ここでは、オペに備える手術室看護師向けに、自宅や職場でできる勉強方法をご紹介していきます。
まずは、各手術室にあるマニュアルや手順書を参考に、手術に関わる部分の解剖生理と疾患、術式についての知識を得ることが大切です。教科書や参考書、インターネットなども活用しながら勉強すると良いでしょう。
術前にできる準備として、異なる症例であっても同じ疾患の患者さまのレントゲンやCT、MRI画像を事前に見ておくと、手術前の限られた時間でも画像を見やすくなりますよ。
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手術を録画している診療科が多いため、手術の録画映像があれば事前に確認しておくことをおすすめします。慣れてくると術野の手術映像だけで執刀医が判別できるようになることも。2倍速以上で録画映像を見ながら手術の介助をイメージしていくと、効率的に学習を進められるでしょう。
たとえば、「心臓血管外科」の手術に行われる人工心肺装置ON・OFFや循環停止中などは、迅速かつ正確な介助が求められます。
手術中に使用する器械やポンプ、針糸の取り扱い(さまざまな種類や大きさの針糸を両端針で100本前後使用することも)などを、事前に繰り返し練習しておくことも大切です。細い縫合糸を取り扱う場合は、サンプルや練習用のものを活用して術前に触れて目を慣らしておくと安心かもしれません。
手術の流れのイメージを掴んでから介助に入ることで、術野をよく観察できるようになります。実際の手術でも気持ちに余裕ができるため、緊急時でも臨機応変な対応ができるようになりますよ。
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手術室看護師の役割・仕事内容とは?1日のスケジュール例ややりがいも紹介
いざ勉強を始めようと思っても、「どのようにノートにまとめれば良いのか分からない…」という看護師もいるのではないでしょうか。
ここでは、手術室看護師がより知識の理解を深めるための勉強ノート作りのポイントをご紹介します。
勉強ノート作りのポイントは、疾患と術式をセットで勉強していくことです。
同じ術式でも疾患が異なれば、手術中に注意するポイントや使用する器械、アプローチ方法など、目の当たりにする光景が全く異なります。
たとえば、同じ帝王切開術式であっても、「正期産での前回帝王切開術」と「早産期の前置胎盤早期剥離」ではリスクが異なります。手術室看護師は、それぞれの診断に起こりうる状況を予測した対策やスキルを習得するための学習が必要です。
執刀医によって必要な器械やアプローチ方法、好みはさまざまです。1つの症例を経験するごとに、患者さまの状態や執刀医、助手などをメモしておくと、同じような症例の依頼があった場合に対応しやすくなるでしょう。
ここでは、直接介助を担当する看護師が、手術の準備をする際に実践できる勉強方法をご紹介していきます。
手術で使用する物品は、マニュアルや自分用のメモを参考に手術の流れをイメージしながら準備するのがポイントです。以下に、準備を行う際の注意点や、メモのまとめ方についてもご紹介していますのでご覧ください。
手術の準備をする際は、既存のマニュアルや先輩の準備物品の見学時にメモしたものなどを活用しましょう。器械や衛生材料集めは、看護助手が準備する病院もあるかもしれませんが、看護師も理解しておくことが必要です。
翌日の朝一の手術を担当する場合は、前日にマニュアルを見ながら準備しておきます。先輩の指導の下、必要な器械と衛生材料を器械台に集めておきましょう。
器械台やワゴンに必要物品をただ集めるのではなく、滅菌の有効期限や、梱包に汚染や破損がないかも確認しながら準備を進めることが大切です。術前に破損に気が付いても、滅菌や新しい器械の調達には時間がかかります。手術を遅らせることがないよう、展開時だけでなく物品準備の際にも確認しておきましょう。
準備した物品は術前に展開するものなのか、術中に展開する物品なのかも把握しておきます。術前にすべて展開してしまうと、物品によっては汚染されてしまったり、操作上危険が及んだりする恐れも。組織の状態に応じて選ぶ物品もあるため、間接介助を行う看護師が分かりやすいように整理してセッティングしておくことが必要です。
慣れない症例は、必要物品とセッティング方法を必ずメモしておきましょう。しっかり準備ができるときにセッティング方法をマスターしておけば、緊急手術の際も効率良く準備ができるようになります。
直接介助が上手くいくかどうかは準備の段階で8割は決まるともいわれています。初めはゆっくりで良いので、確実な準備を心掛けてください。
聞き慣れない物品や使用方法が分からない物品があれば、手術前までに使用用途や方法も必ず確認しておきましょう。
術前に滅菌物を展展します。滅菌物の取り扱い方法は、オリエンテーションで指導される場合もありますが、大きさや重さがある手術器具の展開は意外と難しいものです。
また、器械台の限られたスペースに、「こんなにあるの?」と目を疑うほど多くの器械や衛生材料を展開していくこともあります。なかには、針などの危険な物品を取り扱うこともあるでしょう。
カウントや準備しやすい順番、器械の位置や方向などを展開していくにはコツがあります。先輩の展開方法を図に書いたり、写真を撮ったりして、上手に展開できるように覚えてくださいね。
手術時の手洗いを済ませてガウンと手袋を着用した後は、器械や衛生材料を手に取り、破損や汚染がないか確認しながらカウントして並べていきます。ネジが多い器械や筒状の器械は、入念なチェックが必要です。
器械を準備する際は、展開時と同様に「手術で使用する順番」で準備を進めるのがコツです。
また、準備に時間がかかるものや術中には準備が難しいものも、ここで用意をしていきます。薬剤によっては患者さまのアレルギーの有無が確認できてから準備を進めることが大切です。
先輩の準備方法を見ながら、順番や配置、準備の仕方などを滅菌された紙とペンでメモしましょう。滅菌の紙とペンは術中にメモをとるときにも使用できるため便利です。
手術中に知識やスキルを習得するポイントは、「術中は術野をよく見て、先輩の動きから学ぶこと」です。以下で詳しく紹介していきますので、学習の参考にしてみてください。
患者さまの消毒が終わったら、術野の布掛けと術野セッティングが行われます。手術部位ごとに方法は異なりますが、それぞれ決まったやり方で行われるので、メモをとって覚えるようにしてください。術前から滞りなく術野の準備が整うと、手術の開始もスムーズにできるでしょう。
手術が始まってからは術野に集中しましょう。「術野の観察といっても具体的にどこを見れば良いの?」と初めは思うかもしれません。
実際の解剖生理を確認することはもちろんですが、直接介助を行う手術室看護師は、組織の部位や深さ、配置などから、器械や助手の介助で視野を確保する方法を考えます。
また、組織の柔軟性や厚さ、強弱といった性質から組織の扱い方、器械をどのように用いて手術を進行させるのかも考えています。
術野を見て、場面ごとのアプローチ方法や器械の使い方が分かってきたら、次は先輩看護師の動きを見てみましょう。
器械や衛生材料、薬品などの必要物品を、事前に予測して動作チェックや準備を済ませてから医師に渡していることが分かると思います。
必要な器械を必要な場面で使用するためには、手術の進行の一手先を読んで動くことが必要です。先輩の動きを見ながら、場面ごとに器械台の様子をメモしておくことをおすすめします。
長時間の手術介助が終わると、緊張もあってドッと疲れを感じると思います。しかし、ここで終わっては勿体ないです。術後に隙間時間があれば、すぐに振り返りを行うことが知識の定着に繋がります。ここでは、術後の振り返り方法について見ていきましょう。
手術で使用する器械はすぐに滅菌してしまったり、レンタルの器械は返却したりするため、次の手術まで手に取って確認する時間はあまりありません。
取り扱いが難しかった器械は、急ぎで使用する手術が控えていなければ、術後に取り扱い方法を確認しておくと良いですよ。先輩に質問するのもおすすめです。
確認する際の取り扱いには充分注意してください。汚染された物品のため、針刺しや感染の危険があるものは避けた方が良いでしょう。
勉強において最も重要なのは「振り返り」です。メモを見返しながらノートにまとめることで、知識の定着や次の業務に活かせます。振り返りといっても、初めは「何が分からなかったのかが分からない」場合もあるかもしれません。必要物品に関しては、不足があったかどうかを確認して、ノートに書き足しておくと良いでしょう。
ノートにまとめるときは、1人で介助につくことを想定しながら詳しく書き直します。いつでも1人でできるように備える気持ちが大切です。
比較的時間に余裕が持ちやすい準備の段階までは、自分の書いたノートを見ながら準備を進めることが可能です。
手洗い後は、過不足なくかつ迅速に直接介助ができるように、大きな字や写真などを用いて、一目で器械出しの順番が分かるようノートに書き出しておくと良いでしょう。
術中は難しいかもしれませんが、器械出しの要点や不安な箇所を絞って紙に貼り出しておくと安心です。手術中に頭が真っ白になってしまったり、長い行程の中で混乱したりすることも想定し、患者さまの安全を第一に考えて勉強と対策をすることが大切だといえます。
手術室は、患者さまの生命に直接関わる場面が多い部署です。手術室看護師に求められる役割は、患者さまの安全や安楽を守って手術をサポートすることであり、病棟で患者さまとコミュニケーションを図りながら関わる看護との違いに戸惑ったり、やりがいを感じにくかったりする場合もあるかもしれません。
しかし、看護師による確実な準備と介助で手術が安全に進行することで、麻酔時間が短縮したり、低侵襲の手術が行われたりすることは、患者さまに対しての大切な看護のひとつの形です。
医療の進歩によって次々に新しい術式やアプローチ方法、器械が導入されていきます。その中で、最善の準備で患者さまが手術を迎えられるようにサポートすることは、手術室看護師の重要な役割です。手術室看護師ならではの役割ややりがいを再認識することで、モチベーションを維持しながら勉強に励むことができるでしょう。
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手術室看護師のやりがいとは?働くメリット・デメリットや転職のコツを紹介
ここでは、直接介助に携わる手術室看護師の勉強方法に関する質問にお答えしていきます。
手術室に設置してあるマニュアルや手順書を参考にして、手術する部位の解剖生理や疾患、術式について理解することです。インターネットや参考書などの書籍も活用すると、より手術看護学についての理解を深められるでしょう。詳しくは、本記事の「手術室看護師が自宅や職場でできる勉強方法」をご覧ください。
疾患と術式をセットで勉強することです。同じ術式の手術でも、異なる疾患であれば、注意するポイントや使用する器械、アプローチ方法が違う場合があります。また、執刀医によって使用する器械やアプローチ方法はさまざまです。手術ごとに患者の状態や執刀医、助手などをメモしておくと、今後同じような症例の手術の際に役に立つでしょう。
手術前は、異なる症例であっても同じ疾患の患者さまのレントゲンやCT、MRI画像を見ておきます。手術の録画映像がある場合は、確認しておくと良いでしょう。録画映像を見る際は、手術部位の状態や手術の進め方を確認し、手術の介助をイメージします。
また、器械やポンプ、針糸などを取り扱う場合は、術前にサンプルや練習用のものを使って慣れておくと、実際の手術にも余裕を持って臨め、術野の観察もしっかり行えるでしょう。
手術介助を行ううえで重要なことは、必要物品の準備とセッティングです。そのため、最初はマニュアルや先輩の指導の下、確実な準備を心掛けます。器械や衛生材料の展開を行う際は、先輩の展開方法をメモすると覚えやすいでしょう。また、手術中は術野のセッティングや手術の進め方を確認します。そして、場面ごとのアプローチ方法や器械の使い方を把握したら、先輩看護師の動きを観察して、自分が手術介助を行う際の参考にしましょう。
直接介助を行う看護師が知識や技術を習得するには、勉強のポイントを押さえて業務に励むことが必要です。学習のタイミングは、手術前・手術の準備時・手術中・術後の主に4つ。確認しておくべき項目やメモの取り方といったポイントはそれぞれ違うため、事前に勉強のコツを把握しておくことで知識の定着率も上がるでしょう。
しかし、手術室看護師に求められる知識やスキルや、専門性が高く実際の現場でしか学べないことも多々あります。そのため、「手術室看護師に興味はあるけど知識面でついていけるか不安…」という方もいるかもしれません。
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