仕事看護師マガジン
2023.3.2
手術室看護師のやりがいや仕事の大変なところを知っておきたいと考える人もいるでしょう。手術室看護師は、回復していく患者さんを見られたり、手術を終えたあとの達成感を得られたりするやりがいがあります。
この記事では、手術室看護師のやりがいや与えられる役割、必要なスキルなどを詳しく解説。また、働くメリットやデメリット、手術室看護師に転職するときのポイントにも触れています。
手術室看護師として働くと、回復していく患者さんの様子を見られたり、他職種と連携しながら業務を進められたりするやりがいを感じることが可能です。ここでは、手術室看護師として活躍するときのやりがいをご紹介します。
手術室看護師は患者さんと関わる機会がそこまで多くありませんが、手術後に元気になっていく姿を見守れます。手術を受けるという患者さんの不安に寄り添い、サポートしていく使命感は、大きなやりがいにつながるでしょう。状況によっては、手術後に患者さんのフォローをする場合もあります。
手術室では、外科医・麻酔科医・看護師・臨床工学士などが連携して業務に取り掛かります。そのため、手術室看護師はチームワークを大事にしながら手術に立ち向かうことが可能です。メンバーと共通の目標をもって助け合えるので、チーム内で責任を果たせた際は喜びを分かち合えるでしょう。
長時間の手術が無事に終えられたときの喜びも、手術室看護師のやりがいに挙げられます。手術が終わるまでは緊張状態が続きますが、無事に終わることで「現場を支えている役割」を実感できるでしょう。患者さんにとって安全な医療とサポートを提供できれば、手術室看護師ならではの達成感を得られます。
これまでの経験から得た知識やスキルを活かし、先読みして行動できると、手術室看護師としての成長とやりがいを感じられます。たとえば、器械出しの手技が上達すると手術の進行に貢献することが可能です。自身の成長を実感できれば、進歩する医療技術に精通する楽しさやスキルを磨く充実感につながります。
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「術中だけじゃない?! 手術室看護師が患者様とじっくり関わりを持てる時間とは」
手術室看護師は、通常の外来・病棟勤務で関わることが難しい症例や専門的な治療法に触れられるため、看護の専門知識を身につけられる貴重な部署です。手術室で勤務する看護師は、器械出しや外回りといった業務を担当します。
器械出し(直接介助)は、手術中の医師に必要な器具を手渡す役割を果たします。手術を効率的に進行するうえでは、器械出し看護師の的確な判断が必要不可欠です。器械出し看護師の仕事は、以下のような内容が挙げられます。
安全かつスピーディーな手術を実現するため、医師から指示を出されたらすぐに器具を手渡せるよう動きを予測します。器具を渡す際は、医師が持ちやすいように準備しておくことも大切です。手術で用いる数十種類の器具を見分け、適切なサポートを行えるよう医師と信頼関係を築く必要があります。
外回り(間接介助)は、手術全般に関わる細かなサポートを担います。外回りを行う看護師の主な業務は、以下のとおりです。
患者さんが安心して手術を迎えられるための配慮や記録、術後の申し送りなど、患者さんと接する時間が短いなかでもしっかりと対応する必要があります。状況によっては患者さんの意識がある状態で手術を行う場合もあるので、不安を軽減するための声掛けや、患者さんの代わりに現状を医師に伝えることも手術室看護師の仕事です。他職種と連携を図りながら、手術室の状況確認と進行状況を把握することが求められます。
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手術室看護師には、スケジュールに合わせたサポート能力や医療に関する幅広い知識、臨機応変な対応能力が必要です。下記の内容を参考に、手術室看護師に求められるスキルを確認しましょう。
手術室看護師は、手術の時間に合わせて患者さんのスケジュールを立てたり、麻酔科医と連絡を取ったりします。オペに必要な器具を揃え、足りない備品があれば注文しておくといった事前準備も重要です。そのため、次に必要となる物事や手順を先読みして行動に移すスキルが求められます。いかに短時間で円滑に、患者さんへの負担が少なく手術を行えるかがポイントです。
多くの診療科を有する病院では、手術の症例もさまざまです。手術中のサポートをするためにも、手術室看護師は幅広い知識と技術が必要になります。医療や看護に関する知識を身につければ、手術中に予定と違った処置をすることになっても慌てずに対応できるでしょう。そのためにも、常にアップデートされる医療知識を学ぶ姿勢が求められます。
手術室看護師は緊急対応も多いため、自身にできることを考えて行動するスキルが必要です。手術がいつも予定通りに進むとは限りません。現場ではイレギュラーなことが起きても動じず、ほかの方法で取り組むといった臨機応変さが求められます。患者さんの容体によっては、手術を延期したり早めたりすることもあるので、計画の変更を柔軟に受け入れる姿勢が重要です。
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看護師免許を有していれば、誰でも手術室看護師に挑戦することが可能です。
基本的には知識・経験・技術が求められる部署なので、新人看護師が配属される可能性は低いといえます。ただし、職場の規模やそのときの状況によっては、新人のうちから配属されることもゼロではありません。
ほかの部署から手術室での勤務を希望する場合は、異動願いの提出が必要です。異動願いを提出しても、希望通りに申請が通るとは限らないので注意しましょう。現在の職場で申請が通りにくい場合や、手術室がないといった場合は、転職を検討するのも手です。
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手術室看護師として働くメリットには、生活リズムを維持しやすいことや、収入アップやスキルアップに期待できることが挙げられます。手術室看護師として活躍するメリットの詳細は、以下のとおりです。
手術室は夜勤を設けていない職場も多いため、自分なりの生活リズムを整えやすい傾向にあります。夜勤に負担を感じている場合は、日勤のみで業務に集中できる手術室看護師を選択するのも手です。
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手術室勤務手当や危険手当の支給により、収入が上がる可能性もあります。夜勤やオンコール対応のある職場なら、それぞれ夜勤手当やオンコール手当の支給を受けられるでしょう。職場によっては、住宅手当や家族手当といった、生活に関する諸手当を受け取れることもあります。
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手術室看護師は複数の診療科の手術に携われるため、幅広い知識を得られることがメリットです。実務経験を積み重ねれば、看護の質の向上につながり、救急医療のスペシャリストとして活躍できるようになるでしょう。また、将来的にほかの部署に異動することがあっても、専門的な知識を活かせます。
手術室看護師の働き方には、メリットだけでなくデメリットもあります。大変な面やつらいと感じる面を把握し、手術室看護師として働くイメージを掴みましょう。
手術室看護師は手術中に立ちっぱなしでサポートを行うため、体力面での負担が大きいといえます。緊迫した状況のなかで集中して業務に向き合うため、疲労を感じやすいでしょう。また、手術の前後は患者さんを支えたり、歩行を介助したりすることもあります。
手術室看護師は、病棟や外来と比較すると、患者さんとコミュニケーションを図る機会が少ないといえます。手術中の患者さんは麻酔で眠っているため、会話を交わすことは難しいでしょう。そのため、患者さんに寄り添った看護を提供したいと考えている人には、デメリットに感じてしまいます。
職場によってはオンコール対応があるため、当番の日は緊急時に備えて休日も待機しなければなりません。オンコールによって緊急手術が行われるときは、仕事に向かう必要があるので、待機に慣れないうちは気疲れしたり不安で眠れなかったりすることもあります。いつ出勤になるかはそのときまでわからないため、当番のときは飲酒や遠出も不可能です。
手術室看護師に転職する際は、手術室においてどのようなスキルを磨いていきたいのか、夜勤やオンコール対応はあるのかといった要素を確認しておくと、仕事探しでのミスマッチを防げます。以下では、手術室看護師に転職するときのポイントをまとめました。
手術室看護師に転職するときは、学びたい手術の種類といった目的を明確にしましょう。手術室看護師を募集している環境は、多くの科目を有して幅広く手術を受け入れている病院もあれば、特定分野で専門的な治療・手術をしている病院もあります。病院によって手術の症例が変わるので、求人ごとの特徴を捉えて興味がある分野を選択するのがおすすめです。
夜勤やオンコールの有無は、あらかじめ確認しておくのが無難です。夜勤やオンコールの頻度は、職場によって異なります。自分に合ったワーク・ライフ・バランスを考えるためにも、手術室看護師が月に何回程度の夜勤・オンコールを担当するのか、情報収集しておきましょう。
手術室看護師に転職するときは、各種手当や教育体制にもチェックが必要です。手当の種類は職場によって異なるため、働くうえで仕事のやりがいを感じられるような手当が取り揃えられているかを調べましょう。また、手術室が未経験の看護師は、教育体制が手厚いところを選ぶのも重要です。
手術室看護師の募集であっても、オペに専念できる環境かどうかは職場によって異なります。病院の規模によっては、外来や病棟の業務を兼任することも考えられるでしょう。どのような体制で看護師として働くことになるのかを、求人ごとにチェックすることが大切です。
手術室看護師として働くやりがいには、患者さんの回復する様子が見られることや、他職種と連携しながらサポートできること、経験を積んで成長を実感できることなどが挙げられます。外来や病棟の看護師とは異なり、複数の診療科の手術に携われるため、専門性の高い知識や技術が身につくでしょう。ほかの部署から手術室看護師を目指す場合は、異動願いの提出または転職が求められます。
手術室によって夜勤や教育体制は異なるので、転職時は自分に合った求人を探すことが重要です。1人で求人情報の詳細を調べるのは大変と感じる方は、レバウェル看護をご活用ください。
レバウェル看護では、プロの転職アドバイザーがあなたの希望条件を丁寧にヒアリングしたうえで、仕事探しをサポートいたします。求人の提案はもちろん、実際の職場の雰囲気もお伝えするため、働くイメージも湧きやすいでしょう。
転職に関するお悩みや相談のみの利用も可能です。手術室に詳しいアドバイザーによるアドバイスを受けられるので、仕事探しの幅を広げられますよ。
ここでは、手術室看護師に関してよくある質問をQ&A形式で回答していきます。
臨機応変に動ける人や専門性を高めたい人、心身の強さがある人などに向いています。手術室看護師は幅広い専門知識が求められ、状況に最適な判断をしなくてはなりません。本記事の「手術室看護師に求められるスキル」でご紹介している能力を有している人であれば、手術室看護師として活躍していけるでしょう。
手術室看護師は、緊張感のあるなかで長時間業務と向き合わなければなりません。幅広い診療科に対応することから、必要な専門知識が多く、勉強する時間の確保も必要です。患者さんと話す機会が少ないことも、人によっては仕事の喜びにつながらない可能性もあります。本記事の「手術室看護師として働くデメリット」を参考に、やりがいに感じることと大変なことの療法を理解したうえで働き方を検討するのがおすすめです。
手術室看護師の志望動機は、具体性のある内容にすることが重要です。何にやりがいを感じたのか、手術室で何を身につけたいのか、これまでの経験を通じて業務にどのような貢献ができるのかを伝えましょう。志望動機を作成するコツや例文は、「手術室看護師に採用される志望動機とは?経験別の例文や業務の特徴も紹介」の記事もあわせてご覧ください。
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