チーム医療とは?看護師の役割や実践例、他職種間の連携で大切なことも解説

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チーム医療に興味がある看護師さんもいるでしょう。チーム医療とは、他職種が連携しチームとしてケアを行うことで、患者さんやご家族により効率良く質の高い医療を提供するための実践です。

この記事では、チーム医療における看護師の役割や求められるスキルを解説します。具体的な実践例や、看護師がチーム医療で活躍する方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

チーム医療とは?

厚生労働省「チーム医療の推進について(1p)」によると、チーム医療とは、「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」です。

簡単にいうと、部署や職種の垣根をこえて、組織内や地域で横断的に活動するのがチーム医療となります。

チーム医療を構成する職種例

チーム医療は、さまざまな職種が連携し、1つのチームとして治療やケアを行います。以下は、チーム医療を構成する職種の一例です。

  • 医師
  • 看護師
  • 薬剤師
  • 臨床検査技師
  • 診療放射線師
  • 管理栄養士
  • 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
  • 医療ソーシャルワーカー

チーム医療では、患者さんを中心に、関わるスタッフそれぞれが専門性を発揮しつつ、同じ目標に向かって活動することが大切になります。

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チーム医療が必要な理由

厚生労働省「チーム医療の推進について(1p)」では、近年、「質が高く、安心・安全な医療を求める患者・家族の声が高まる一方で、医療の高度化・複雑化に伴う業務の増大により医療現場の疲弊」していることが指摘。

医療現場の現状から、医療スタッフそれぞれが専門性を高め、その専門性に委ねつつも連携を強化することで、より質の高い医療を提供するチーム医療が必要とされています。

出典
厚生労働省「チーム医療の推進について」2010年3月(2024年12月16日参照)

チーム医療における看護師の役割

看護師は、チーム医療の調整役を担うケースもあります。「チーム医療のキーパーソン」として、看護師が能力を発揮することが期待されているともいえるでしょう。

他職種間と連携を取り適切な医療・ケアをサポートする

患者さんやご家族の悩みや不安を聞き出し、必要に応じて各専門スタッフへ共有することも看護師の重要な役割です。また、ほかのスタッフとの連携を図るために橋渡しをすることも。看護師が仲介役となることでチーム全体の連携を強化し、医療ケアの質の向上へと繋がります。

患者さんを身近で寄り添いケアする

看護師は、患者さんの観察とケアを提供する専門家です。チーム医療において患者さんの一番近くにいるスタッフとして、看護師は、患者さんの観察や看護・ケアを行います。

患者さんやそのご家族に対して、病状や治療に関する情報提供や説明を行い、感情面・精神面でのサポートも看護師の大切な役割です。

状況に応じて現場のまとめ役になる

病棟に勤務し、患者さんの身近でケアを行う看護師は、他部署に所属するスタッフよりも、ケアの全体像やチームメンバーそれぞれの意見を把握しやすい立場です。そのため、情報を共有する仲介役や、意見の調整役を求められることも。

看護師は、患者さんの気持ちもふまえつつ、ときにはリーダーシップを発揮して、チームをまとめる役割も担います。

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チーム医療で看護師に必要なスキル

チーム医療で求められる看護師のスキルは、「コミュニケーションスキル」「リーダーシップ」「豊富な看護師経験」です。

チーム医療では、他職種と連携するために、コミュニケーションスキルが必須になります。円滑なコミュニケーションを行うためには、多職種の仕事内容や役割も理解しておくことが必要です。

また、適切な医療を提供するためには、チームの能力を把握し必要に応じて各職種に働きかける、リーダーシップも求められます。看護ケア専門家としてチームに貢献してくれる、経験が豊富な看護師は高い需要があります。

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病院でチーム医療を行うメリット

厚生労働省「チーム医療の推進について(1p)」では、チーム医療がもたらす具体的な効果として、以下の3点を挙げています。

1.疾病の早期発見・早期回復・重症化予防など医療生活の質の向上

2.医療の効率性の向上による医療従事者の負担の軽減

3.医療の標準化・組織化を通じた医療安全の向上

チーム医療の利点は、他職種が連携を強化することで、チームに多面的な考えが生まれ、より質の高い医療を患者さんに提供できる点です。また、医療従事者の個人負担を減らし、安全性の向上を図れるというメリットもあります。

出典
厚生労働省「チーム医療の推進について」2010年3月(2024年12月16日参照)

チーム医療の具体例と看護師の仕事内容

ここからは、チーム医療の具体例と、それぞれのチームにおける看護師の仕事内容を解説していきます。

栄養サポートチーム

栄養サポートチームは、疾患や治療などで低栄養を伴う患者さんが、必要な栄養を摂取できるようサポートします。

チームを構成するスタッフの例医師、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士など
ケアの対象疾病や食欲不振などによって栄養状態が悪い患者さん
チームの目的QOLの保持・改善、栄養状態の回復、またそれによる疾病の早期回復や合併症の予防

脳梗塞後で半身に麻痺が残る患者さんが対象のケースでは、まず医師が、咀嚼・嚥下の機能がどの程度残されているかを判断し、食事箋(しょくじせん)を出します。その後、管理栄養士は、その食事箋(しょくじせん)に基づき食事の形状や味を調製。

もし、経口摂取だけでは栄養不足と判断された場合は、経管栄養の管理、薬剤師による輸液の調剤が行われます。

看護師の業務

栄養サポートチームの看護師は、輸液の管理や食事摂取の観察を行い、チームに情報のフィードバックをすることがおもな役割です。その情報をもとに、チームは患者さんのQOLを維持しつつ、必要な栄養を取って頂ける計画を立て実施します。

褥瘡管理チーム

褥瘡管理チームは、褥瘡の早期治療、および予防に取り組みます。褥瘡をチームで多面的にケアすることで、治療の効果を高め感染や合併症のリスクを減らします。

チームを構成するスタッフ例医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士など
ケアの対象褥瘡のある患者さん、褥瘡を起こす危険性の高い患者さん
チームの目的褥瘡の早期治癒、褥瘡の予防

まず、医師による褥瘡の程度の診断、薬剤師による外用薬・ドレッシング材の選定と指導が行われます。そして、看護師による治療の実施、栄養面でのサポート、理学療法士による離床を促進させるためのリハビリといった取り組みといった流れで、褥瘡管理チームの医療は実践されるようです。

看護師の業務

看護師は、医師の行う褥瘡の治療の介助や褥瘡の状態観察をし、チームメンバーにケアのフィードバックを行います。また、患者さんとご家族に治療の説明をし、コミュニケーションを取るのも看護師の仕事です。

緩和ケアチーム

緩和ケアチームは、末期的な疾患や治療が難しい状態にある患者さんに対して、可能な限りQOLを維持し、疼痛や苦しさを和らげるケアを提供します。心理的な支援や家族とのコミュニケーションを含めた総合的なケアが必要です。

チームを構成するスタッフ例医師、看護師、薬剤師、理学療法士、医療ソーシャルワーカーなど
ケアの対象根治が難しい疾患からくる疼痛や苦しみを和らげるケアを受けている患者さん
チームの目的患者さんの苦痛の緩和、QOLの保持・改善

症状・病態をもとに、痛み止めなどの処方を行い、薬剤師は医師とともに患者さんに適切な薬物を選択、投与量やタイミングを計画します。患者さんの希望を聞き取る役割は、医療ソーシャルワーカーも担当。理学療法士も、苦痛の緩和を目指し、患者さんの家族とのコミュニケーションも重要なケアとして行います。

看護師の業務

看護師は、患者さんとご家族の心身のサポートをし、心理的なニーズに対応できるようチーム内での連携を図ります。そのため、患者さんとご家族の表情や言動などを観察し、提供している緩和ケアが適しているかをアセスメントし、チームに報告・相談を行うのも看護師の役割です。

摂食・嚥下チーム

摂食・嚥下チームは口腔内がんなどで、咀嚼・嚥下能力が低下した患者さんが、以前の生活にできるだけ近く、不快の少ない食生活を送るためのサポートをします。

チームを構成するスタッフ例医師、歯科医師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士など
ケアの対象食物の咀嚼、嚥下に問題を抱える患者さま、栄養状態の悪い患者さん
チームの目的・人間の基本的な欲求「食べる楽しみ」をできるだけ保持する方法を考える・身体の栄養状態、食事摂取状況、口腔内の衛生状態をチェック・食べる機能の回復や肺炎の予防など

医師は、疾患や治療などで失われた機能を把握し、スタッフに状況を説明。歯科医師は、マウスピースや義歯など必要な装具の作成や装着後の調整を行います。

言語聴覚士が口腔・嚥下機能の評価・訓練を実施し、管理栄養士は、食事の形状や味付け・温度などを管理し、患者さまができるだけ質の高い食生活が送れるよう家族にも教育を行うこともあるでしょう。

看護師の業務

看護師は、患者さんの病態を念頭に置き、どういったものが食べやすいのか、またリハビリ次第で食べられるようになりそうか、普段の状態から観察します。ケアの専門家として、看護の視点から、チームへ情報をフィードバックすることが大切です。

出典
厚生労働省「チーム医療推進のための基本的な考え方と実践的事例集」(2024年12月16日参照)

そのほかの代表的なチーム医療の例

前述した以外にも、実際にはさまざまなチーム医療が行われています。以下はその一例です。

  • 呼吸サポートチーム
  • 感染対策チーム
  • 口腔ケアチーム
  • 認知症ケアチーム
  • 糖尿病チーム
  • がん治療サポートチーム

それぞれ、対応する患者さんの病態や医療体制によって、チーム医療に関わる職種は変わってきます。他部署に所属するスタッフは、普段の患者さんの様子を看護師ほど観察できるわけではないため、看護師のアセスメントはチーム医療では重宝されるでしょう。

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チーム医療の体制で大切なこと

チーム医療で大切なのは、どの職種もお互いの専門性や仕事内容を理解し、尊重する気持ちを持ってコミュニケーションを深めることです。以下に、より効果的な活動を行えるチームの特徴を紹介します。

全員がチーム医療の一員という自覚がある

医療に携わるスタッフは、全員が「チーム医療の一員である」という自覚を持つことが必要です。看護師、医師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師などさまざまな職種が、チーム内でどのような役割として関わるのかを意識することで、チーム医療の機能が強化されます。

それぞれが高い専門性を持っている

チーム医療で専門性を発揮するためには、それぞれの職種が高い専門性を持っていることが大切になります。医学・科学は日々進歩しているため、それぞれの職種が常に新しい知識を習得し、技術を向上させようとする意識が必要です。

お互いの役割を理解し、意見を交わせる

チーム医療の機能を向上させるためには、それぞれの専門的な仕事内容を知っておくことが重要です。そうすることで、それぞれの職種が行っている医療に対し意見や疑問を提示でき、さらに良いチーム医療の提供に繋がるでしょう。

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チーム医療の課題点

厚生労働省「チーム医療の推進について(1p)」によると、 今後チーム医療を推進するためには、「各医療スタッフの専門性の向上」「各医療スタッフの役割の拡大」「医療スタッフ間の連携・補完の推進」が求められるといいます。

また、チーム医療を進めていくうえでは、一部の医療スタッフに負担が集中したり、安全性が損なわれたりすることのないよう注意する必要も指摘されているようです。

今後のチーム医療には地域医療の連携が期待される

日本看護協会の「多職種連携と倫理」によると、医療の高度化や多様化、地域包括ケアシステムの構築により、チーム医療の必要性は高まっていくといいます。

今後、チーム医療は病院内だけでなく、介護分野や地域医療とも連携し、さらに大きな「チーム医療」として展開されることが期待されるでしょう。

出典
厚生労働省
「チーム医療の推進について」2010年3月(2024年12月16日参照)
「地域包括ケアシステム」(2024年12月16日参照)
日本看護協会「多職種連携と倫理」(2024年12月16日参照)

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看護師がチーム医療で活躍する方法

「チーム医療に携わりたい」と考えている看護師さんは、以下の方法を参考に、キャリアプランを立ててみましょう。

専門医療チームがある病院で働く

チーム医療で活躍したい看護師が転職する際は、専門医療チームがある病院を選びましょう。チーム医療を実践しているかどうかは、病院の公式サイトを見たり、就職説明会や見学のときに確認するのがおすすめです。

チーム医療の実践は、診療報酬加算の対象になる場合もあります。その場合、病院の施設基準の情報で、実施している医療チーム名が確認できるかもしれません。

手術室やICUなどチーム医療が基本の部署で働く

手術室やICUのように、基本的にチーム医療の体制で業務を行う部署もあります。他職種連携の経験値を積みたい看護師は、このような部署で働くのも1つの手です。

このほかにも、病院の訪問看護部門や回復期病棟といった職場では、院内だけでなく地域とも連携しながらチーム医療を実践できるでしょう。

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転職前に専門性を高められる職場で必要なスキルを身に付けておく

特定の医療チームで活躍したいという目標がある方は、関連する臨床経験ができる職場で働き、あらかじめ必要なスキルを身に付けておくとスムーズかもしれません。

特に、臨床経験がまだ浅い看護師は、キャリアプランを見据え、目標へ近づくステップとして転職することも選択肢に入れましょう。

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「チーム医療とは?」と気になっている看護師によくある質問

ここでは、チーム医療に関心がある看護師によくある疑問について、Q&A形式でお答えします。

看護師がチーム医療の現場で働くメリットは何ですか?

看護師がチーム医療に携わるメリットは、他職種と連携して治療・ケアを行う経験ができることでしょう。チーム医療のなかで、看護師は調整役や仲介役を担います。チーム医療で身に付けたリーダーシップは、将来的にキャリアアップした際にも役立つでしょう。

看護師の面接で「チーム医療とは」と聞かれたら?

採用試験の面接や小論文で、「チーム医療とは」を説明させるケースもあるようです。その場合、チーム医療の簡単な説明と看護師の役割も一緒に答えると良いでしょう。「他職種が専門性を発揮しつつ連携し、より良い医療を提供する」「看護師は患者さんに寄り添い、他職種の橋渡しをする役割を担う」というポイントをおさえてください。

まとめ

チーム医療が円滑に進むと、それぞれの職種が患者さんに個別に働きかけるよりも、さらに効果的なケアを行えます。他職種で連携し、より水準の高い医療を効率良く提供するのが、チーム医療です。患者さんの一番近くでケアを行う看護師は、チーム医療において調整役や仲介役を担うこともあります。チーム医療に携わった経験は、看護師としてキャリアアップしていくなかで役立つスキルを身に付けることに繋がるでしょう。

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この記事を書いた人
「レバウェル看護」編集部
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