
「透析看護師の仕事内容とは?」と気になっている方もいるでしょう。透析看護師は、機械の準備やプライミング、合併症の予防やセルフケアの支援などを行います。この記事では、透析看護師の役割や仕事内容、メリット・デメリットなどを解説。向いている人の特徴や転職時のポイントも紹介していますので、参考にしてみてください。
透析とは、腎臓のフィルター機能を補い、血液中に余分な水分や老廃物が溜まるのを防ぐことです。透析室や透析センターで生涯にわたって定期的な治療を継続するため、患者さまにとっては生活の一部といえるでしょう。透析看護師は、透析治療中の管理だけでなく、合併症の予防やセルフケアの支援など、長期的な視点で患者さまの心身を支える役割を担っています。
人工透析とは、腎不全で機能が著しく低下した腎臓の代わりに、血液中の余分な水分や老廃物を人工的に取り除く治療方法です。人工透析の治療方法には「血液透析(HD)」と「腹膜透析(PD)」の2種類があり、病院の透析室といった場所で治療を行います。
血液透析は、腕の血管から取りだした一定量の血液を、ダイアライザーと呼ばれる血液透析器にて、ろ過することです。一般的に血液透析は1回4~5時間ほどで、透析室に週3回通院します。日本透析医会雑誌の「透析医療の現状とこれから…日本と世界(P4)」によると、透析患者さまの9割以上は血液透析を受けているようです。血液透析では、老廃物や余分な水分を取り除いて体内に戻す際、静脈と動脈をつなぐ「シャント手術」を行い、穿刺して血液透析を行います。
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腹膜透析は、お腹に透析液を入れ、血液中の老廃物や不要な水分が移行した透析液を体外に出す方法です。自宅で毎日行うため、透析室への通院は月に1~2回で済みます。1日に数回、透析液の交換を自分で行うCAPDと、就寝時に透析液の交換を機械で自動で行うAPDがあります。血液透析に比べ、もともとの腎臓の機能が長く保たれる傾向にありますが、腹膜機能が落ちてくると血液透析に移行が必要です。
透析看護師は、透析センターや病院の透析室に勤務し、腎臓機能が下がった患者さまの透析治療のケアをする職種です。透析看護師の役割は患者さまが安全に透析を受けられるように、治療の準備や実施、日常の生活指導までサポートします。
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透析看護師の仕事内容には、「機械の準備とプライミング」「バスキュラーアクセスの日常管理」「合併症の予防と治療対応」などが挙げられます。ここでは、透析看護師の仕事内容の詳細やスケジュール例を解説します。
透析看護師の仕事内容の一つが、機械の準備とプライミングです。透析に必要な物品の準備をし、プライミングを行います。プライミングとは、ダイアライザー(血液透析器)や血液回路の洗浄や透析液の充填をしたり、血液回路や装置に問題がないか確認したりすることです。全自動透析装置が導入されている場合は、装置によって自動でプライミングが進みます。
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バスキュラーアクセスの日常管理も透析看護師の仕事です。バスキュラーアクセスとは、透析に必要な血液の出入口のことで、一般的に静脈と動脈をつなぐ手術によって作った血管部分を指します。静脈と動脈をつなぐ手術によって作った血管に詰まりがないかを確認したり、透析ができる太さが維持されているかを観察したりします。
合併症の予防と治療対応も透析看護師の仕事の一つです。透析患者さまは感染への抵抗力が落ちているので、血管からの感染や、肺炎など合併症が起きる可能性があります。身体が透析に慣れるまでに頭痛や嘔吐が起きたり、低血圧になったりする場合も。合併症の予防や早期発見のために、透析前の観察や食事内容などからアセスメントします。異常があれば速やかに医師に連携し、治療方針の調整につなげることも大切です。
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透析看護師は、患者さまのセルフケアもサポートします。慢性腎不全は、高血圧や糖尿病、肥満も関わる疾患です。安定した透析治療と合併症の予防に向けて、看護師は「食事・水分・服薬の管理」「腕の穿刺箇所の自己管理」について説明をします。人生や価値観を尊重して治療方針を話し合う「SDM(協働意思決定)」を意識し、主体的に治療に取り組める目標を設定することも。
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学業や趣味、仕事、旅行などの生活を維持しながら治療を続けられるよう、状況に合った情報提供をするのも透析看護師の仕事です。以下のような場面に対応できるよう、他職種と連携しながら治療を進めます。
臨床工学技士や栄養士、理学療法士、ケアマネジャー、包括支援センターなどと連携して支援します。医療ソーシャルワーカーとの連携で、社会資源(医療費助成制度など)の活用方法の案内をすることもあるでしょう。
以下に、透析看護師の基本的な1日のスケジュール例をまとめました。1日の流れを確認し、実際に働くときのイメージをしてみてください。
| 時間 | 業務の例 |
| 8:30 | 出勤 申し送り 機械や物品の準備 |
| 9:00 | 午前の患者さまの受け入れ 体重や血圧の測定 穿刺 透析開始 |
| 10:00 | 透析中のバイタルチェック |
| 12:30 | 透析終了時のバイタルチェック 抜針・止血 透析の記録やカルテの記入 |
| 13:00 | 昼休憩 |
| 14:00 | 午前の患者さまの透析受け入れ |
| 17:30 | 退勤 |
透析室のある病院やクリニックでは、午前と午後の2クールに分けて透析業務を行うのが一般的です。職場によって異なりますが、看護師1人につき4~5人程度の患者さまを受け持ちます。午後の透析業務が終わり次第、退勤。透析にかかる時間はある程度決まっているため、残業が発生しにくく、時間通りに帰宅できる日も多いでしょう。
レバウェル看護の独自調査(2024年3月時点)を基に、病院看護師全体と日勤のみの病院看護師全体の給与を比較しました。
| 平均月給 | 平均賞与 | 平均年収 | |
| 透析看護師 | 29万2,009円 | 79万8,424円 | 430万2,532円 |
| 病院看護師全体 | 33万2,482円 | 77万6,162円 | 476万5,946円 |
| 日勤のみ看護師全体 | 27万9,732円 | 61万4,461円 | 397万1,245円 |
※平均年収=平均月給×12ヵ月+平均賞与で算出
※月給や賞与の額は入職のタイミングによっても異なる
透析看護師は夜勤や残業が少なめの傾向のため、手当分で病院看護師全体より低くなりますが、日勤の職場のなかでは給与が高いといえます。夜間透析を行っている病院もあるため、給与をよりアップさせたい看護師は、夜勤を担当して手当を受け取るのも手です。
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ここでは、透析看護師として働くメリット・やりがいを解説します。透析看護師の仕事の魅力を知りたい方は、ぜひご一読ください。
透析看護師のメリットの一つが、夜勤がなくワーク・ライフ・バランスを維持しやすい点です。透析治療はあらかじめ曜日や時間帯が固定されているので、夜勤が発生しません。突発的な残業が少なく、比較的落ち着いて働けるでしょう。退勤時間の見通しが立てやすく、家事や趣味の時間を取りやすいかもしれません。
透析は定期通院であり、慢性疾患の患者さまとの関わりは何十年と続く場合もあるので、長期的な視点で患者さまと信頼関係を築けるでしょう。生活指導や自己管理の支援で社会復帰や自立の後押しができたり、QOL向上を見守れます。
透析看護師は、専門性を磨いて透析分野のキャリアアップを目指せるでしょう。バイタルの数値に加え、表情や症状などから判断する力が身につく透析の仕事。専門知識の定着やスキルアップのために、認定看護師や慢性腎臓病療養指導看護師、透析技術認定士などの資格取得を目指すのも一つです。
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ここでは、透析看護師として働くデメリット・大変さとして、「精神的な負担やプレッシャー」「透析以外の看護スキル」「連休」について解説します。
人によっては、透析看護師は精神的な負担やプレッシャーを感じる仕事かもしれません。透析治療は高い専門性と正確性が求められるため、緊張を感じることもあります。透析加療を行うバスキュラーアクセスへの穿刺は、一般的な病棟で行う静脈注射とは異なる特殊な手技です。慣れるまでは苦労する看護師も多いかもしれません。
透析は「腎不全の患者さまの透析管理」に特化しているので、幅広い疾患の看護技術を並行して磨きにくいといえます。病棟のように手術や点滴、日替わりの検査対応といった多様な看護手技を行う機会がほとんどないためです。 特定の分野で強みを持ちたい「スペシャリスト志向」の看護師に向く職場といえるかもしれません。
透析の職場では「長期の連休」がやや取得しにくい傾向にあります。多くの透析クリニックや透析室では、日曜日を除いた月曜から土曜まで毎日治療スケジュールが組まれているためです。患者さまは「月・水・金」または「火・木・土」というように、週3回ほど治療を継続する必要があります。人員状況やシフトの仕組みにもよりますが、連休を希望する際は「日曜日+平日の希望日」といったように、交代で休みを取る場合が多いでしょう。
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ここでは、透析看護師の仕事が向いている人の特徴を解説します。「自身の向き不向きが知りたい」と考える方は、参考にしてみてください。
患者さまのこれまでの生活背景や価値観を理解し、尊重したコミュニケーションが取れる人は、透析看護師に向いています。食事制限のストレスや病気への不安から、ときにはネガティブな感情を抱かれることも。寄り添いながらも、無理なく治療を続けられる方法を考える姿勢が大切といえます。長い時間を治療に費やす患者さまに対し、「パートナー」として人生に伴走するやりがいを感じる方に向いているでしょう。
透析看護師の仕事は、毎日の決められた手順やスケジュールを大切にし、ルーティンワークに高い意識を持って根気よく取り組める人に向いています。透析は、準備や穿刺、治療中の観察、抜針などの工程を確実に繰り返す仕事。同じ一連の流れだからこそ、手技のスキルを高めたり、機械の操作ミスをゼロに抑えたりするための確認を徹底したりできる人は向いているでしょう。
普段の何気ない会話や表情から些細な変化や違和感にいち早く気づける人は、透析看護師に向いているでしょう。透析中の数時間、患者さまの体内では急激な体液バランスの変動が起きているので、体調急変のサインを注意深く観察する必要があります。モニターの数値が変動する前でも異変に気づけたり、前回の様子と適切に比較できたりできる人は活躍できるでしょう。
合併症の予防や他科の疾患にも興味を持ち、幅広い知識を意欲的に吸収していける人も、透析看護師に向くといえます。糖尿病や高血圧など、複数の疾患を抱えている患者さまもいるので、体全体をとらえた総合的なアセスメントが大切なためです。透析看護を軸にしながら、栄養学や血液疾患などを学ぶのも一つ。「透析を起点に、看護の総合力を高める」といった向上心のある人は力を発揮できるかもしれません。
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2人の子どもを育てるAさんは、家事と仕事を両立させるために、長年週末だけの非常勤として働いてきた看護師さんです。勤務先の病院の統合・移転を機に退職を決め、転職活動を進めるために「レバウェル看護」にご相談くださいました。「下の子が中学生になるので、転職後は平日も働きたい」と考えているものの、家族からは勤務日数を増やすことを反対されていると話すAさん。キャリアアドバイザーは、家庭での生活パターンやAさんの経歴などを詳しくヒアリングしたうえで、家庭のことも希望の働き方も叶えられる透析センターの非常勤求人をご提案しました。
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ここでは、透析看護師の仕事へ転職する際にチェックしたいポイントとして、「応募先の設備」「教育・研修制度」を解説します。
透析室や透析クリニックなどへの転職活動では、求人票の条件だけでなく、透析管理システムや身体的負担を軽減する設備が整っているかを確認することが極めて重要です。電子カルテや自動のプライミング装置、電動ベッドなどの環境が整っている施設ほど、手作業によるミスや書類業務の煩雑さが減り、「突発的な残業の削減」や「体力的な負担軽減」につながるでしょう。
透析看護師の仕事に就く前に、第二新卒や透析分野が未経験の看護師を想定した教育体制や、プリセプター制度があるかを確認するのもおすすめです。「穿刺を練習できる機会がある」「患者さまの疾患状況に応じたケアの研修」があると、知識・スキルを定着させやすいでしょう。職場独自の教育プログラムや先輩看護師のフォロー体制、研修期間などを調べておくと安心です。
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ここでは、透析看護師の仕事内容に興味がある人によくある質問をQ&A形式でお伝えします。
透析看護師は、向き不向きがある仕事かもしれません。向いていない人の傾向には、「変化の多い看護が好き」「患者さまと深く関わるのが苦手」などが挙げられます。スケジュールが決まっている業務に物足りなさを感じたり、同じ患者さまと年単位で顔を合わせたりすることに悩むかもしれません。向いている人は、この記事の「透析看護師の仕事が向いている人の特徴」をご覧ください。
透析看護師は、病院の透析室・透析センターや透析専門クリニックで働けます。大学病院はリスクの高い疾患を、療養型病院では合併症がある方や長期の療養生活を必要とする患者さまを対象とする傾向にあります。透析専門クリニックは基本的に通院で血液透析のみを行っているため、比較的状態の安定している患者さんが多いことが特徴です。
透析とは、機能が著しく低下した腎臓の代わりに、血液中の余分な水分や老廃物を人工的に取り除く治療方法です。透析看護師は患者さまが安全に透析を受けられるように、治療中の観察からセルフケアの支援まで幅広くサポートします。
透析看護師の仕事内容には、「機械の準備とプライミング」「バスキュラーアクセスの日常管理」「合併症の予防と治療対応」などが挙げられるでしょう。「患者さまのセルフケアのサポート」「他職種連携によるチーム治療」も透析看護師の重要な業務といえます。
透析看護師の仕事には、「夜勤がない」「専門性を高められる」などのメリットがある一方、透析以外の看護スキルを身につけにくいといったデメリットもあります。透析看護師の仕事は、ルーティンワークが苦でない人や、患者さまの変化を察知するのが得意な人に向いているでしょう。
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