
看護師の残業について詳しく知りたい方は多いでしょう。日本看護協会のデータによると、看護師は月に平均12.2時間の残業をしています。この記事では、看護師の残業の実態や発生原因を解説。看護師が残業を減らすためにできることや転職を成功させるポイント、転職事例もまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ここでは、「看護師の残業はどれくらいあるのか?」について、月の残業時間や勤務形態別の平均残業時間、サービス残業などについて解説します。残業の実態が気になっている方は、ご自身の環境と照らし合わせてみてください。
日本看護協会「2025年看護職員実態調査報告書(P17)」によると、始業前・終業後における看護師の残業時間の平均は「月12.2時間」でした。
| 超過勤務時間 | 割合 |
| 6時間00分以下 | 34.6% |
| 6時間01分~12時間00分 | 20.0% |
| 12時間01分~24時間00分 | 17.1% |
| 24時間01分~36時間00分 | 6.5% |
| 36時間01分以上 | 4.5% |
| 無回答・不明 | 17.2% |
| 平均 | 12.2 時間 |
参照:日本看護協会「2025年看護職員実態調査報告書(P17)」
「6時間00分以下」と「6時間01分~12時間00分」を足すと、看護師の始業前・終業後の超過勤務時間は「12時間」に収まる職場が半数以上です。しかし、超過勤務時間が月36時間を超える職場もあり、看護師の時間外労働時間は職場によって差があることが分かります。
新人看護師やベテラン看護師を問わず残業代の申請は労働する側の権利なので、企業側は始業前・終業後の時間外労働の残業代を支払う義務があります。しかし、日本医療労働組合連合の「2022年看護職員の労働実態調査『報告集』(P21)」によると、約7割が前月の賃金不払いがあったと回答。職場選びでは「始業前や就業後の勤務」や「残業代の有無」を転職サイトや知人の口コミを参考に確認しておくと安心かもしれません。
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一般的に、重症度や緊急度の高い診療科は、始業前・終業後の超過勤務が発生しやすい傾向にあります。看護師の残業が多い診療科や部署には、「循環器内科」「手術室」「産婦人科」などが挙げられます。循環器内科は患者さまの容態が変わりやすく、突発的な対応による残業が発生する傾向にあります。
手術室も、手術が長時間になった際に超過勤務として対応する場合があるといえます。産婦人科では出産が予定より早まったり遅くなったりすることが、時間外労働時間の原因になりやすいでしょう。
日本医療労働組合連合の「2022年看護職員の労働実態調査『報告集』(P15,P16,P17)」を参考に、日勤・夜勤・準夜勤・深夜勤における時間外勤務(残業)の内訳をまとめました。
日勤帯における看護師の残業時間(終業時間後)の内訳は、以下のとおりです。
| 残業時間 | 割合 |
| なし | 12.8% |
| 約15分 | 13.9% |
| 約30分 | 23.3% |
| 約45分 | 9.4% |
| 約60分 | 20.5% |
| 約90分 | 11.8% |
| 120分以上 | 8.4% |
参照:「2022年看護職員の労働実態調査『報告集』(P15)」
日勤帯の約5割の看護師が30分〜1時間の残業をしているのが特徴です。「なし」を除く約87%の看護師が何らかの時間外勤務を行っていることから、日勤の看護師の多くは残業を経験しているといえます。
夜勤帯における看護師の場合、残業時間(終業時間後)の内訳は以下のとおりです。
| 残業時間 | 割合 |
| なし | 28.7% |
| 約15分 | 14.7% |
| 約30分 | 26.6% |
| 約45分 | 9.2% |
| 約60分 | 14.2% |
| 約90分 | 4.9% |
| 120分以上 | 1.6% |
参照:「2022年看護職員の労働実態調査『報告集』(P17)」
日勤帯に比べると、90分や120分以上の残業が少なく、長時間の残業は発生しにくい傾向です。しかし、15分や30分の残業が多いので、申し送りといった短時間の残業が発生しやすいといえるでしょう。
準夜勤帯における看護師の残業時間(終業時間後)は、以下のとおりです。
| 残業時間 | 割合 |
| なし | 39.7% |
| 約15分 | 16.7% |
| 約30分 | 21.6% |
| 約45分 | 5.6% |
| 約60分 | 11.3% |
| 約90分 | 3.7% |
| 120分以上 | 1.3% |
参照:「2022年看護職員の労働実態調査『報告集』(P16)」
「なし」が39.7%であり、そのほかは「約15分」や「約30分」の残業が主なので、準夜勤帯での残業は30分以内に収まる傾向にあるようです。
深夜勤帯における看護師の残業時間(終業時間後)は、以下の結果になりました。
| 残業時間 | 割合 |
| なし | 33.3% |
| 約15分 | 16.3% |
| 約30分 | 25.3% |
| 約45分 | 7.2% |
| 約60分 | 13.1% |
| 約90分 | 3.6% |
| 120分以上 | 1.1% |
参照:「2022年看護職員の労働実態調査『報告集』(P17)」
30分の残業が最も多く、90分や120分以上の長時間の残業は少ない傾向です。まとまった時間の残業が少ないことから、朝の日勤帯への申し送りで始業前や終業後の残業が発生している可能性があります。
看護師の始業前・終業後の残業が多くなる原因には、「人手不足に伴う業務負担」「患者さまの急変や緊急入院・手術への対応」「看護記録やレポート作成にかかる時間」などが挙げられます。ここでは、始業前・終業後における看護師の主な残業原因を解説しますので、ぜひご一読ください。
医療現場では、慢性的な看護師不足が続いています。厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)について(P7)」によると、職業計の有効求人倍率は1.01倍なのに対し、保健師・助産師・看護師の有効求人倍率は1.86倍と平均以上です。こうした人手不足の影響によって、1人あたりの業務負担が増加している医療現場は少なくありません。就業時間内に全業務を完了することが、実質的に難しい状況となることもあるでしょう。
急性期患者の急変や緊急入院、急患の受け入れなど、予定外の対応が頻発することで時間外労働が増える要因となります。感染症の対応や緊急手術の準備に追われることも。人員補充に関するフォロー体制がしっかりされていない場合、時間外労働時間の増加につながります。
看護記録やレポート作成も残業の要因になります。看護記録は、実施した看護業務を正確に記録するもので、看護行為を行うとすぐに記録するのが基本です。患者さまの状態把握やケアの目的・必要性の評価のために必要で、翌日に持ち越すことができないので定時後に記録する必要があります。看護記録に加えて、レポート作成に追われて、超過勤務を行う看護師もいるかもしれません。
申し送りも残業発生につながる業務です。交替制勤務の看護師は、夜勤から日勤、また日勤から夜勤へとシフトが交代する際に、必ず引き継ぎ業務を行います。日勤帯と夜勤帯で同時に勤務する時間が短い場合、始業前や就業後に引き継ぎが実施されることもあるため、前残業が発生する場合も。
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勤務時間外に勉強会や委員会があり、残業が発生する場合も。院内研修や勉強会、委員会活動は本来就業時間内に行われるべきですが、業務の合間に時間を確保するのが困難なため、勤務終了後に実施されることがあります。厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、使用者の指示による研修時間は、労働時間とされますが、サービス残業として看護師の残業時間を押し上げる場合もあるでしょう。
ここでは、「残業時間や残業内容の証明」「申請方法の確認・支払い督促」「労働基準監督署や弁護士への相談」など、残業代が支払われない看護師向けの対策方法を解説します。
残業代が支払われない場合は、残業時間や残業内容を証明できるものを用意しましょう。残業代を請求するには、自分の都合ではなく、職場の仕事であることを証明する必要があります。勤務する病院のシフト表やタイムカードの時間、電子カルテの作業履歴など、証明になるものを準備しておいてください。
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残業代が未支給の場合は、上司や総務部に残業の申請方法を確認・支払いを督促します。残業理由の書き方や申請方法は職場によってさまざまなので、正しい申請の仕方ができているか確認したり、支払いを促したりしましょう。
話し合いや督促に応じてもらえず、残業代が支払われない場合は、労働基準監督署や弁護士に相談するのも一つです。正当な請求であれば、残業代を支払うよう指導がなされます。「正確な残業代の計算から病院との交渉まで依頼したい」といった方は、弁護士に依頼するのも手です。
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看護師が残業を減らすには、「担当業務を見直して効率化を図る」「周囲との役割分担を明確にして協力する」「看護技術を磨いて対応時間を短縮する」などの方法があります。ここでは、看護師個人が行える時間外労働の時間を減らす対策を紹介します。
看護師が働きやすい環境を維持して残業を減らすには、優先順位や時間配分を見直すなど、業務改善を意識するのも一つです。各業務にかかっている時間を可視化したり、記録作業はテンプレートに要点をメモしたりする方法もあります。効率的に仕事をしている先輩看護師の仕事の進め方を真似るのも手です。
看護師が残業を減らすには、役割を明確にしたり、協力しやすいように日頃からコミュニケーションを取ったりしておくことも大切です。業務範囲が曖昧なままだと、1人で仕事を抱え込むリスクが高まり、自分の作業が終わらなくなることも。看護師や医師、介護職、薬剤師など、職種間でも任された役割を意識して協力することも残業削減につながります。
自身の看護技術を磨いて対応時間の短縮を目指すことも、働きやすい環境を維持して残業を減らす方法です。看護技術やアセスメント能力を向上させることで、急変時の対応や判断にかかる時間を短縮できます。別々の業務であっても、一つひとつの作業時間が短くなることで、結果的に残業が減って働きやすくなるでしょう。
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看護師が残業を減らすための工夫とは?残業時間が少なめの職場も紹介
ここでは、残業を減らしたい看護師の転職成功におけるポイントとして、「残業が少なめな職場の理解」「医療ICT化が進んだ職場選び」「求人の残業時間や人員配置」などを紹介します。
残業を減らしたい看護師は、残業が少なめな職場の傾向を理解したうえで転職に臨みましょう。一般的に、看護師の残業が少ない傾向にある診療科を以下にまとめました。
透析科は基本的に決まった日時に患者さまの透析を行うため、突発的な作業による残業が生じにくい傾向にあります。精神科は命に関わる疾患ではないことが多く、急変や緊急対応が少ないことから残業が発生しにくいといえます。デイサービスは健康の維持が主な目的なので、基本的に残業が少ないでしょう。検診・健診センターも予約制なので突発的な残業が少ない職場です。
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残業を減らしたい看護師が転職を成功させるには、電子カルテをはじめとした医療ICT化が進んでいる職場を選ぶのも一つです。病院によっては、看護記録や書類業務の負担を軽減するため、タブレット支給や音声入力システムの導入などを行っています。手作業による入力作業が自動化され、隙間時間でも効率的に業務が進められるでしょう。急変時の業務状況の共有もシステムで強化することで、チーム全体での迅速な対応が可能です。
残業を減らすことを目標に転職する際は、応募先の平均残業時間や人員配置を調べておくのをおすすめします。平均残業時間は転職後の働きやすさをイメージする大切な指標です。看護師の数を知ることで、患者さまの人数に対して、自分が受け持つ人数をある程度把握できます。病床数に対して看護師の数が足りているかも確認しましょう。病院の規模に対する職員数を確認することで、人材確保に力を入れているかも確認できます。
ここでは、レバウェル看護の転職支援を利用し、残業の少ない職場への転職を成功させた看護師の体験談をご紹介します。「残業がつらい」と悩む看護師は、参考にしてみてください。
Uさんは、クリニックや急性期病院、訪問看護などでご経験のある方です。結婚を機に転職した職場は人手不足により毎日3時間の残業が当たり前。Uさんは転職を希望しますが、プライベートも忙しいなかで「残業が少ない」以外に条件を細かく検討できず、求人を絞れません。
そこで、ポイントに分けて求人候補をご提案し、実際に見学と面接に行くことで希望条件を絞ることに。Uさんは希望条件が明確になった段階で受けた、中規模急性期に見事内定されました。転職後は残業時間が1時間ほどあったものの、同僚と協力して残業を減らす提案をし、半年後には定時で退勤できる環境になったそうです。
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「残業がなければいい」条件の少ない看護師がぴったりの職場を見つけた方法
産婦人科で5年間働いていたHさんは、働きながら助産師の資格を取得した看護師。資格取得後は病院に転職し、スキルアップする日々でした。しかし、レポート作成や残業に追われ、気づけば睡眠は2~3時間という日々。多忙ななかで家族にきつい言い方をしてしまうことに危機感を覚え、レバウェル看護へ相談に来てくださいました。
キャリアアドバイザーから受けた問いである「仕事の目的」を考えた結果、Hさんは短時間勤務の正社員になることを決意。お子さんの成長後は夜勤に入るという交渉を経て、見事内定を得ました。
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育児と家事をこなしながら、クリニックで勤務していたTさん。小さな子どもを育てるなかで、休む日が増えてしまうことに働きにくさを感じたとのこと。離職状態が続くと、お子さんを保育園に預け続けられないため、仕事を続けながら転職活動をするなかで行き詰まり、レバウェル看護にご相談くださいました。
そこで、キャリアアドバイザーは育児経験者が多く、残業が少ない介護施設をご紹介。見事内定したTさんは、少し大きくなったお子さんを持つ先輩看護師が多い環境で、周囲のサポートを受けながら業務に励んでいるようです。
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子育てと仕事を両立したいママさんナースが安心して働ける環境を探すには?
ここでは、看護師の残業に関するよくある質問にQ&A方式で回答しますので、ぜひご一読ください。
新人看護師であっても、残業代は出ます。労働者に対する残業代の支払いは、労働基準法で定められているためです。看護師長や看護部長など指揮命令者から指示を受けていたり、業務上、残業せざるを得ない状況であったりする場合は労働時間に該当し、残業代支給の対象になります。
看護師の残業時間は特別に多すぎるとはいえません。日本看護協会の「2025年看護職員実態調査報告書(P17)」による看護師の残業時間は平均で「月12.2時間」です。厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報 / 第2表 月間実労働時間及び出勤日数」によると、日本の平均所定外労働時間は、「月9.8時間」(就業形態計)。平均的な残業時間と比べると看護師は高めの数値ですが、上記データの半分近くの業種が12時間を超えています。
日本看護協会「2025年看護職員実態調査報告書(P17)」によると、看護師の平均残業時間は月12.2時間です。「循環器内科」「手術室」「産婦人科」など、重症度や緊急度の高い診療科・部署は、一般的に残業が発生しやすい傾向にあります。看護師の残業が多くなる原因には、「人手不足に伴う業務負担」「患者さまの急変や緊急入院・手術への対応」「看護記録やレポート作成にかかる時間」などがあります。
看護師が残業を減らすには、「担当業務を見直して効率化を図る」「役割分担を明確にして協力する」「看護技術を磨いて対応時間の短縮を目指す」などの方法もあるでしょう。しかし、個人での取り組みには限界があるのも事実。「疲れが取れない」「自己研鑽のための勉強時間を作れない」など現状がつらい場合は、残業が少ない職場への転職も検討しましょう。
残業を減らしたい看護師の転職は、「残業が少なめな職場の傾向を理解する」「医療ICT化が進んだ職場を探す」「求人の残業時間や人員配置を調べる」などがポイントです。とはいえ、「1人では残業が少ない職場を見つけるのが難しい」とお悩みの方もいるでしょう。そうした方は、レバウェル看護にご相談ください。
レバウェル看護では、求人票に残業に関する詳しい記載がない場合でも、応募先への代行質問や、先輩看護師の声を参考にお調べします。自分で探すよりも、残業時間を含め条件に合った働きやすい求人が見つかるでしょう。求人情報のやり取りはLINEやメールで可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。。
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