
「看護師から臨床心理士の資格を取得したい」と考えている方もいるでしょう。臨床心理士は、人間の「こころ」の問題にアプローチする専門職であり、現在約4万人以上の人が資格を有しています。本記事では、実際の資格の取り方や公認心理師との違いについても解説しています。ダブルライセンスのメリットとデメリットについても紹介しているため、ぜひ最後までご一読いただき参考にしてください。
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の「臨床心理士とは」によると、臨床心理士は個々の問題に取り組む”心理専門職”の証となる資格と言われています。
「臨床心理士」とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の”こころ”の問題にアプローチする”心の専門家”です。
引用:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」
1988年から認定が始まり現在約4万人以上が取得しており、公認心理士と並ぶ代表的資格です。精神科領域でケアスキル向上を目指す看護師にもおすすめの資格と言えるでしょう。
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以下は臨床心理士の主な仕事内容です。
| 項目 | 仕事内容 |
| 面談・カウンセリング | 悩みを抱える人と対面し、傾聴しながら信頼関係を築く |
| 心理アセスメント | 心理検査やテストを実施し、問題の全体像や背景を把握診療費や守秘義務についての説明・同意取得を含む |
| 心理療法の提供 | 認知行動療法などの技法を用い、思考の行動パターンの修正を通じて回復をサポートする |
| 医療チームの連携・補助 | 精神科・心療内科所属時に外来予診を補助したり、他職種カンファレンスで情報共有・支援計画に参画する |
臨床心理士は、患者さんが言葉にしにくい本音や感情を察し、忍耐強く「話してくれるまで待つ」姿勢が求められます。「診断」ではなく「査定(アセスメント)」を行い、「治療」ではなく「コンサルティング」を通じて専門的な援助を提供する役割を担う仕事です。
主な就職先としては以下が挙げられます。
就職先として最も多いのは病院やクリニックですが、自分の希望に沿って求人や応募内容を確認すると良いでしょう。
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臨床心理士の資格を得るには、大学院に通ったうえで、試験を受ける必要があります。
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の「受験資格」によると、受験資格を得るためには、以下の内容を満たしている必要があります。
〈主な受験資格〉
引用:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「受験資格」
最も代表的なルートは第1種指定校に通うルートです。第2種は修了後に実務経験が必要だったり、学校数が少ない場合があるため、資格取得の流れや通える距離にあるかを確認しましょう。
以下は臨床心理士試験の一般的なスケジュールです。
筆記試験は、マークシート100問/2時間30分+論文記述1000〜1200文字/1時間30分です。出願から合格発表までのスケジュールを把握し、必要書類の準備や受験料の支払いを漏れがないように行いましょう。注意点として、卒業し合格後も5年ごとの資格更新が必要であり、協会指定研修の参加や発表実績が求められます。
公益財団法人臨床心理士資格認定協会の「「診療心理士」資格取得者の推移」によると、令和6年受験者数が1816人、その内合格者数は1200人であり合格率は66.1%でした。毎年約1500〜2000人程度が受験し、合格者は65%前後となっています。資格取得には、大学院2年通学+勤務の両立が必要なため、看護師として働きながらの取得は自己管理能力が求められるでしょう。計画的な学習を進めていくスケジュール管理と、継続的な勉強時間の確保が大切です。
臨床心理士と公認心理士はどちらも人の心を扱う仕事です。
臨床心理士が公益財団法人日本診療心理士資格認定協会が認定する民間資格に対して、公認心理師は法令にもとづく国家資格であり、国家試験に合格する必要があります。臨床心理士は指定大学院の修了、公認心理士は大学の学部+大学院修了が前提条件として必要です。公認心理士は臨床心理士以上に資格取得に時間を要するため、看護師から資格を得るには仕事と学習の調整やスケジュール管理を事前に計画立てておきましょう。
臨床心理士も公認心理士も業務内容に大きな違いはありません。両資格ともに心理アセスメント(査定)やカウンセリング、支援計画の立案を行います。臨床心理士・公認心理師ともに、医療・教育・福祉など多様な現場でカウンセラーとして活躍できます。実際には公認心理師の約7割が臨床心理士資格を保有し、同様の業務を担っているのが現状です。
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臨床心理士の給料に関して公的なデータはありません。今回は、7割が臨床心理士の資格を有している公認心理師のデータを参考にします。厚生労働省令和2年度障害者総合福祉事業の「公認心理師の活動状況等に関する調査(p97)」によると、保健医療分野と福祉分野で働いている公認心理師は「20~25万円」と回答した人の割合が最も大きい結果となりました。別途ボーナスがあると考えても、平均年収は300〜400万円程度でしょう。看護師の平均年収と比べると低い印象です。
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ダブルライセンスを取ることで、看護師・臨床心理士としての現場で経験が活かせるだけではなく、スキルアップやキャリアアップにもつながります。
臨床倫理学ではデータ分析である統計学が重視されます。看護現場での実践経験と組み合わせて効果的な介入方法を考えられるでしょう。日常的に患者さんと接して得た臨床での観察力が、心理アセスメントの向上につながります。看護ケアで培ったコミュニケーションスキルを、臨床心理の面談での信頼構築に活用できるでしょう。看護師として心理学を学びたいと考えている方には最適の資格と言えます。
心理学的視点で患者さんの言動や感情変化を深く読み取り、的確な支援や助言が可能になります。患者さんへの共感力が向上し、信頼関係を基盤としたケアで回復を促進できるでしょう。自己観察力も高まるため、自身のストレス状態を管理しながら安定したケアを提供しやすくなります。
スクールカウンセラーや産業カウンセラーなど心理職への転職が容易になり、職域が拡大します。精神科や緩和ケア、小児リエゾンなど心理的支援が重視される看護分野での評価が高まりやすいです。同僚やチームへのメンタルヘルスケア提供を通じ、組織内でのリーダーシップや専門性を発揮できるでしょう。
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ダブルライセンスを取るにはメリットもありますが、勉強時間や費用の負担、また2つの資格を仕事で活かすことが困難などデメリットもあります。
臨床心理士は2年以上の大学院通学が必要となり、学費・受講料などの経済学的負担が大きいです。看護業務と並行して学業をこなす場合、長期間にわたり時間的な余裕を確保するのが困難な可能性があります。卒業し資格取得後も5年ごとの更新のために研修参加や費用がかかるため、長期的な計画を立てる必要があるでしょう。
看護師と臨床心理士の両方を同時に、主たる業務として活かせる職場は限られているでしょう。病院内では担当科や業務内容が異なるため、どちらか一方に偏るケースが多いです。ダブルライセンスを持っていても、必ずしも柔軟な働き方や理想のキャリアが実現するわけではありません。
ここでは看護師が臨床心理士を目指すうえでよくある質問に対してQ&A方式で回答します。
臨床心理士は2年以上の大学院通学が必要で、学費や時間的負担が大きいです。試験の合格率は65%前後と比較的高いものの、統計学など心理学の専門知識がベースとなるため簡単ではありません。看護師を行いながら、資格取得のための勉強を両立させるには、学習計画と自己管理力が求められます。
メンタルケア心理士とは実務経験不要で取得できる入門的資格であり、医学的視点から心理学の基礎を学べます。臨床心理士は大学院修了・臨床経験が必須の専門資格で、査定・心理療法スキルが身に着けられるでしょう。メンタルケア心理士は職場での簡易カウンセリングや相談援助に活かしやすいですが、業務範囲は臨床心理士より限定的です。詳しくは「メンタルケア心理士の資格とは?看護師が取得する方法や働くメリットを解説」をご覧ください。
公認心理師の有資格者数は増加傾向ですが、取得までの期間が長く臨床心理士は比較的短期間で資格取得できます。そのため臨床心理士の方が挑戦しやすいと言えるでしょう。どちらも心理査定・カウンセリングを行い、現場での活躍分野に大きな違いはないため、自身の状況やキャリアプランで選択すると良いですね。
「看護師だけど臨床心理士になるにはどうしたら良いの」「仕事内容や給料など詳しい情報を知りたい」と感じている方もいるでしょう。臨床心理士は、臨床心理学にもとづく”心の専門家”であり、心理アセスメントや心理療法の提供を用いて、コンサルティングを行います。
「臨床心理士と看護師の資格が有利に働く職場に転職したい」と考えている方はレバウェル看護がおすすめです。臨床心理士に関する悩み相談ができるだけではなく、資格を持った看護師としての就職先を探してくれます。一人で情報収集するよりも詳細な情報が得られるでしょう。プロが自分と求人をマッチングしてくれるためミスマッチも起こりにくく、利用料も無料なため気軽に相談できます。
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