看護師が臨床心理士になるためには?資格取得方法や公認心理士との違いとは

看護師から臨床心理士へ公認心理士との違いとは?のイメージ

「看護師から臨床心理士の資格を取得したい」と考えている方もいるでしょう。臨床心理士は、人間の「こころ」の問題にアプローチする専門職であり、現在約4万人以上の人が資格を有しています。本記事では、実際の資格の取り方や公認心理師との違いについても解説しています。ダブルライセンスのメリットとデメリットについても紹介しているため、ぜひ最後までご一読いただき参考にしてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

看護師から目指せる「臨床心理士」とは

公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の「臨床心理士とは」によると、臨床心理士は個々の問題に取り組む”心理専門職”の証となる資格と言われています。

「臨床心理士」とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の”こころ”の問題にアプローチする”心の専門家”です。
引用:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」

1988年から認定が始まり現在約4万人以上が取得しており、公認心理士と並ぶ代表的資格です。精神科領域でケアスキル向上を目指す看護師にもおすすめの資格と言えるでしょう。

▼関連記事
精神科看護師の役割・仕事内容は?向いている人の特徴や年収、転職体験談も
▶精神科の求人一覧ページはこちら

出典
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」(2025年5月1日)

臨床心理士の主な仕事内容

以下は臨床心理士の主な仕事内容です。

項目仕事内容
面談・カウンセリング悩みを抱える人と対面し、傾聴しながら信頼関係を築く
心理アセスメント心理検査やテストを実施し、問題の全体像や背景を把握診療費や守秘義務についての説明・同意取得を含む
心理療法の提供認知行動療法などの技法を用い、思考の行動パターンの修正を通じて回復をサポートする
医療チームの連携・補助精神科・心療内科所属時に外来予診を補助したり、他職種カンファレンスで情報共有・支援計画に参画する

臨床心理士は、患者さんが言葉にしにくい本音や感情を察し、忍耐強く「話してくれるまで待つ」姿勢が求められます。「診断」ではなく「査定(アセスメント)」を行い、「治療」ではなく「コンサルティング」を通じて専門的な援助を提供する役割を担う仕事です。

臨床心理士の主な就職先

主な就職先としては以下が挙げられます。

  • 病院・クリニック:精神科・心療内科が中心 小児科や緩和ケアへの配置も増えている
  • 教育期間:スクールカウンセラーとして発達障害児や不登校児のケアに従事
  • 民間企業:産業カウンセラーとして職場メンタルヘルス支援やストレスマネジメントを担当

就職先として最も多いのは病院やクリニックですが、自分の希望に沿って求人や応募内容を確認すると良いでしょう。

▶クリニックの求人一覧ページはこちら
▶総合病院の求人一覧ページはこちら

\ 今の病院で満足していますか? /

看護師が臨床心理士の資格を取るには

臨床心理士の資格を得るには、大学院に通ったうえで、試験を受ける必要があります。

指定の大学院に通う

公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の「受験資格」によると、受験資格を得るためには、以下の内容を満たしている必要があります。

〈主な受験資格〉

  • 指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者
  • 臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
  • 諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
  • 医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者  など

引用:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「受験資格」

最も代表的なルートは第1種指定校に通うルートです。第2種は修了後に実務経験が必要だったり、学校数が少ない場合があるため、資格取得の流れや通える距離にあるかを確認しましょう。

出典
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「受験資格」(2025年5月1日参照)

例年10~11月に行われる試験を受ける

以下は臨床心理士試験の一般的なスケジュールです。

  • 7~8月中旬:申請書類の請求
  • 8月下旬:受験申し込み
  • 10月:一次試験(筆記)
  • 11月二次試験(面接)
  • 12月下旬:合格発表

筆記試験は、マークシート100問/2時間30分+論文記述1000〜1200文字/1時間30分です。出願から合格発表までのスケジュールを把握し、必要書類の準備や受験料の支払いを漏れがないように行いましょう。注意点として、卒業し合格後も5年ごとの資格更新が必要であり、協会指定研修の参加や発表実績が求められます。

看護師が知っておきたい臨床心理士の合格率・難易度

公益財団法人臨床心理士資格認定協会の「「診療心理士」資格取得者の推移」によると、令和6年受験者数が1816人、その内合格者数は1200人であり合格率は66.1%でした。毎年約1500〜2000人程度が受験し、合格者は65%前後となっています。資格取得には、大学院2年通学+勤務の両立が必要なため、看護師として働きながらの取得は自己管理能力が求められるでしょう。計画的な学習を進めていくスケジュール管理と、継続的な勉強時間の確保が大切です。

出典
公益財団法人臨床心理士資格認定協会「「診療心理士」資格取得者の推移」(2025年5月1日参照)
\ 精神科への転職ならお任せください /

臨床心理士と公認心理師との違いとは

臨床心理士と公認心理士はどちらも人の心を扱う仕事です。

民間資格か国家資格かの違いがある

臨床心理士が公益財団法人日本診療心理士資格認定協会が認定する民間資格に対して、公認心理師は法令にもとづく国家資格であり、国家試験に合格する必要があります。臨床心理士は指定大学院の修了、公認心理士は大学の学部+大学院修了が前提条件として必要です。公認心理士は臨床心理士以上に資格取得に時間を要するため、看護師から資格を得るには仕事と学習の調整やスケジュール管理を事前に計画立てておきましょう。

業務内容に大きな違いはない

臨床心理士も公認心理士も業務内容に大きな違いはありません。両資格ともに心理アセスメント(査定)やカウンセリング、支援計画の立案を行います。臨床心理士・公認心理師ともに、医療・教育・福祉など多様な現場でカウンセラーとして活躍できます。実際には公認心理師の約7割が臨床心理士資格を保有し、同様の業務を担っているのが現状です。

▼関連記事
看護師が公認心理師を取得するには?ダブルライセンスのメリットも紹介

臨床心理士の給料は約20~25万円

臨床心理士の給料に関して公的なデータはありません。今回は、7割が臨床心理士の資格を有している公認心理師のデータを参考にします。厚生労働省令和2年度障害者総合福祉事業の「公認心理師の活動状況等に関する調査(p97)」によると、保健医療分野と福祉分野で働いている公認心理師は「20~25万円」と回答した人の割合が最も大きい結果となりました。別途ボーナスがあると考えても、平均年収は300〜400万円程度でしょう。看護師の平均年収と比べると低い印象です。

▼関連記事
看護師の平均年収はいくら?ボーナスや手取り額、給料アップの方法も解説

出典
厚生労働省令和2年度障害者総合福祉事業「公認心理師の活動状況等に関する調査」

看護師資格と臨床心理士のダブルライセンスを取るメリット

ダブルライセンスを取ることで、看護師・臨床心理士としての現場で経験が活かせるだけではなく、スキルアップやキャリアアップにもつながります。

看護師の実践経験を臨床心理士に活かせる  

臨床倫理学ではデータ分析である統計学が重視されます。看護現場での実践経験と組み合わせて効果的な介入方法を考えられるでしょう。日常的に患者さんと接して得た臨床での観察力が、心理アセスメントの向上につながります。看護ケアで培ったコミュニケーションスキルを、臨床心理の面談での信頼構築に活用できるでしょう。看護師として心理学を学びたいと考えている方には最適の資格と言えます。

患者さんの心理を理解しやすくなる

心理学的視点で患者さんの言動や感情変化を深く読み取り、的確な支援や助言が可能になります。患者さんへの共感力が向上し、信頼関係を基盤としたケアで回復を促進できるでしょう。自己観察力も高まるため、自身のストレス状態を管理しながら安定したケアを提供しやすくなります。

スキルアップ・キャリアアップにつながる

スクールカウンセラーや産業カウンセラーなど心理職への転職が容易になり、職域が拡大します。精神科や緩和ケア、小児リエゾンなど心理的支援が重視される看護分野での評価が高まりやすいです。同僚やチームへのメンタルヘルスケア提供を通じ、組織内でのリーダーシップや専門性を発揮できるでしょう。

▼関連記事
看護師のキャリアアップ例とは?メリットや実現する方法・役立つ資格も解説

\ 資格が取得できる・活かせる職場があります /

看護師資格と臨床心理士のダブルライセンスを取るデメリット

ダブルライセンスを取るにはメリットもありますが、勉強時間や費用の負担、また2つの資格を仕事で活かすことが困難などデメリットもあります。

勉強時間や費用の負担がある

臨床心理士は2年以上の大学院通学が必要となり、学費・受講料などの経済学的負担が大きいです。看護業務と並行して学業をこなす場合、長期間にわたり時間的な余裕を確保するのが困難な可能性があります。卒業し資格取得後も5年ごとの更新のために研修参加や費用がかかるため、長期的な計画を立てる必要があるでしょう。

両方の資格を仕事で活かすのは難しい

看護師と臨床心理士の両方を同時に、主たる業務として活かせる職場は限られているでしょう。病院内では担当科や業務内容が異なるため、どちらか一方に偏るケースが多いです。ダブルライセンスを持っていても、必ずしも柔軟な働き方や理想のキャリアが実現するわけではありません。

看護師が臨床心理士を目指すうえでのよくある質問

ここでは看護師が臨床心理士を目指すうえでよくある質問に対してQ&A方式で回答します。

看護師が臨床心理士を目指すのは難しいですか?

臨床心理士は2年以上の大学院通学が必要で、学費や時間的負担が大きいです。試験の合格率は65%前後と比較的高いものの、統計学など心理学の専門知識がベースとなるため簡単ではありません。看護師を行いながら、資格取得のための勉強を両立させるには、学習計画と自己管理力が求められます。

メンタルケア心理士と臨床心理士の違いを教えて

メンタルケア心理士とは実務経験不要で取得できる入門的資格であり、医学的視点から心理学の基礎を学べます。臨床心理士は大学院修了・臨床経験が必須の専門資格で、査定・心理療法スキルが身に着けられるでしょう。メンタルケア心理士は職場での簡易カウンセリングや相談援助に活かしやすいですが、業務範囲は臨床心理士より限定的です。詳しくは「メンタルケア心理士の資格とは?看護師が取得する方法や働くメリットを解説」をご覧ください。

臨床心理士と公認心理士はどちらを目指したほうが良い?

公認心理師の有資格者数は増加傾向ですが、取得までの期間が長く臨床心理士は比較的短期間で資格取得できます。そのため臨床心理士の方が挑戦しやすいと言えるでしょう。どちらも心理査定・カウンセリングを行い、現場での活躍分野に大きな違いはないため、自身の状況やキャリアプランで選択すると良いですね。

まとめ

「看護師だけど臨床心理士になるにはどうしたら良いの」「仕事内容や給料など詳しい情報を知りたい」と感じている方もいるでしょう。臨床心理士は、臨床心理学にもとづく”心の専門家”であり、心理アセスメントや心理療法の提供を用いて、コンサルティングを行います。
「臨床心理士と看護師の資格が有利に働く職場に転職したい」と考えている方はレバウェル看護がおすすめです。臨床心理士に関する悩み相談ができるだけではなく、資格を持った看護師としての就職先を探してくれます。一人で情報収集するよりも詳細な情報が得られるでしょう。プロが自分と求人をマッチングしてくれるためミスマッチも起こりにくく、利用料も無料なため気軽に相談できます。

\ 看護師転職サイト 相談のしやすさNo.1 /
20代 相談のしやすさ(※1)20~34歳 連絡の取りやすさ(※2)
※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024 年2 月7 日~2 月13 日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者 かつ 対象看護師転職サイト利用経験者、20~29 歳 107s(※1)、20~34 歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10 サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

この記事を書いた人
「レバウェル看護」編集部
「レバウェル看護」は累計利用者数47万人(※)を超える看護師専門の転職支援サービス。 編集部の制作体制には看護師経験者や現役看護師を交え、これまでに1,000記事以上(※)を執筆。看護師にとっての悩み・不安・疑問を一番に相談する"相談窓口"になることを目指し、医療・介護の現場で尽力している方々をサポートするためのコンテンツを発信中。 (※)2023年6月時点
お読みいただきありがとうございました!
いいね・シェアで編集部が喜びます

記事の制作について

「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。

看護師さん向けお役立ち情報 コンテンツ制作ポリシー

看護師の転職で「レバウェル看護」が選ばれる理由

レバウェル看護の新着求人

編集部Pick up

人気記事ランキング

タグから記事を探す

キャリア

働く場所

選考対策

資格

その他

読みもの

連載

「レバウェル看護」転職サポート

Q.現状はどちらに近いですか?

転職に向けて
情報を集めたい
転職したい

LINE

レバウェル看護は相談からでもOK!

\ 登録はカンタン1分! /

無料まずは相談してみる