メンタルケア心理士の資格とは?看護師が取得するメリットについて解説

2021.7.27

患者と話をする看護師

「メンタルケア心理士という名前は聞いたことがあるけれど、何をする職業がわからない」という看護師の方は多いのではないでしょうか。また、「メンタルケア心理士に興味はあるけれど、なり方を知らない」という方もいるでしょう。
メンタルケア心理士とは、心の健康をサポートするアドバイザーのことです。試験に合格後、資格登録することでメンタルケア心理士になれます。このコラムでは、メンタルケア心理士の仕事内容や試験の概要について紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

メンタルケア心理士とは

メンタルケア心理士とは、心の健康を体と結び付けてサポートする相談アドバイザーのことです。心と体は密接な関係にあるため、精神状態が悪化すると身体にも支障をきたすことがあります。そこで、メンタルケア心理士は精神的なカウンセリングだけではなく心と体の関わりに注目してカウンセリングを行うのです。そのため、メンタルケア心理士には、身体についての知識も必要となります。

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メンタルケア心理士の仕事内容

メンタルケア心理士の仕事は、基本的にはカウンセリングを通して相談者の心の負担を減らし精神状態を健康に保つことです。医療現場では看護師や医者と連携をとりながらカウンセリングを行い、病気を未然に防いだり、患者さんの状態を判断してほかの医療機関へ繋いだりします。

メンタルケア心理士になるために必要なこと

メンタルケア心理士は精神的なカウンセリングだけではなく、心と体の関わりに着目してカウンセリングを行う仕事です。そのため、資格試験の出題項目になっている遺伝子やたんぱく質など生化学に関する基礎知識、解剖生理学、生理心理学、認知心理学、薬理学などを学ぶ必要があります。さらに、統合失調症やPTSD、摂食障害などの精神医学の基礎知識、発達心理学や身体疾患および精神症状に関する基礎知識も必要です。また、心理療法の基本も学ぶ必要があります。

メンタルケア心理士になるには

メンタルケア心理士になるには、以下の3つのステップを踏む必要があります。

  1. メンタルケア心理士講座を受ける
  2. 文部科学省後援のこころ検定2級試験に合格する
  3. メンタルケア心理士の資格登録を行う

メンタルケア心理士の資格登録は、こころ検定2級の合格と以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • メンタルケア心理士講座を修了している
  • 認定心理士の資格を取得している
  • 産業カウンセラー初級の資格を取得している
  • 文部科学省の定める4年制大学の心理学部か学科または心理隣接学部、学科を卒業している

なお、メンタルケア心理士の資格登録には、5,600円かかります。

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メンタルケア心理士の資格「こころ検定2級」の試験概要

ここでは、「こころ検定2級」の受験資格や出題範囲などを紹介します。試験を受ける際の参考にしてください。

受験資格・受験料・試験会場

こころ検定2級の受験資格に規定はなく、誰でも受けることができます。受験料は7,700円で、3級・4級との併願受検も可能です。なお、1級はこころ検定2級合格者か、メンタルケア心理士資格登録者でなければ受験することができません。

試験は、全国47都道府県に約280か所あるテストセンターで受けます。試験会場は、受検申込手続き完了後に順次発送される受検票で確認が可能です。

参照元

こころ検定

試験の出題範囲

試験の出題範囲は大きく3つに分けられます。

1つめが「精神解剖生理学」です。

生化学に関する基礎知識や解剖生理学に関する基礎知識、生理心理学・認知心理学に関する基礎知識、薬についての基礎知識が問われます。

2つめが「精神医科学」です。

精神障害に関する基礎知識や発達心理学に関する基礎知識、身体疾患と精神症状に関する基礎知識、薬剤に関する基礎知識について出題されます。

3つめが「カウンセリング技法」です。

カウンセリングの歴史や目的、カウンセリング概論、医療との関係などについて出題されます。

試験時間と問題数

問題数は40問で試験時間は120分です。CBT試験となっており、試験会場にあるコンピュータを用いて四者択一の問題に解答します。合格基準は正答率70%以上です。合格の場合は、約30日ほどで合格証書が自宅に送付されます。

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看護師がメンタルケア心理士の資格を取得するメリット・デメリット

看護師として働いていくうえで役に立つメンタルケア心理士の資格ですが、もちろんメリットだけでなくデメリットも存在します。

看護師がメンタルケア心理士の資格を取得するメリット

看護師は心の面でも深く患者に関わる仕事のため、メンタルケア心理士になるために学んだ内容は看護師業務でも活かせるでしょう。また、病院やクリニックだけでなく、今後さらに需要が高まっていくとされている訪問看護などの在宅医療でも活かせるといわれています。そのため、訪問看護師になりたい方などは、メンタルケア心理士の資格を取得していると転職が有利に働く場合もあるでしょう。

看護師がメンタルケア心理士の資格を取得するデメリット

看護師がメンタルケア心理士の資格を取得するデメリットは、どうしても自分への負担がかかってしまうというところです。ただでさえ忙しい看護師が、試験の勉強をして資格をとるということは決して簡単なことではありません。通信講座を受講しただけでは取得が困難であるため、自身でしっかり勉強しなければならないでしょう。

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メンタルケア心理士の今後の需要

昨今日本では心の病を抱える人が増加しているため、学校や企業などでもメンタルヘルスケアを重視する傾向にあります。そのため、近年ではカウンセラーとしてメンタルケア心理士が採用されたり、社内に相談室を設置したりする企業もあるのです。心を健やかに保つためにさまざまな取り組みが行われているので、医療や福祉の現場ではもちろん、多くの場面でメンタルケア心理士の需要は高まっていくでしょう。

看護師として働きながら資格を習得するのは大変なことですが、メンタルケア心理士は自分のペースで勉強することができます。さらに、試験も年に5回行われているため受験するタイミングを自由に選択することが可能です。そのため、メンタルケア心理士は、忙しい看護師でも比較的チャレンジしやすい資格といえるでしょう。

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