
集中ケア認定看護師になる方法を知りたい方もいるでしょう。集中ケアは、新制度から救急看護と統合され、クリティカルケアという認定看護分野になりました。
この記事では、集中ケア(クリティカルケア)認定看護師になるまでの流れやかかる費用を解説します。取得するメリットや目指す際のポイントも紹介しますので、参考にしてみてください。
集中ケア認定看護師とは、2026年度に教育終了するA課程の分野の1つ「集中ケア」において、熟練した看護技術と知識を有すると認められて、認定審査に合格した看護師のことを指します。
2020年度から教育開始したB課程認定看護分野では、「集中ケア」と「救急看護」が統合され、「クリティカルケア」という新しい分野になりました。それに合わせてB課程では、集中ケア認定看護師ではなく、「クリティカルケア認定看護師」という呼び名に変わったようです。
クリティカルケアは、集中的な治療を必要とするクリティカル期の重症患者さんへのケアに特化した新分野。現在はA課程からB課程への移行期間のため、これから集中ケアの分野で認定看護師を目指す人は、基本的にB課程の「クリティカルケア」を目指すことになるでしょう。
認定看護師の旧カリキュラムであるA課程は、2026年度で教育が終了、2029年度には認定審査が終了することが決まっています。以下は、認定看護師のA課程・B課程それぞれで特定されている看護分野の種類を、一覧にまとめた表です。
| A課程(21分野) | B課程(19分野) |
| 救急看護 | 感染管理 |
| 皮膚・排泄ケア | がん放射線療法看護 |
| 集中ケア | がん薬物療法看護 |
| 緩和ケア | 緩和ケア |
| がん化学療法看護 | クリティカルケア |
| がん性疼痛看護 | 呼吸器疾患看護 |
| 訪問看護 | 在宅ケア |
| 感染管理 | 手術看護 |
| 糖尿病看護 | 小児プライマリケア |
| 不妊症看護 | 新生児集中ケア |
| 新生児集中ケア | 心不全看護 |
| 透析看護 | 腎不全看護 |
| 手術看護 | 生殖看護 |
| 乳がん看護 | 摂食嚥下障害看護 |
| 摂食・嚥下障害看護 | 糖尿病看護 |
| 小児救急看護 | 乳がん看護 |
| 認知症看護 | 認知症看護 |
| 脳卒中リハビリテーション看護 | 脳卒中看護 |
| がん放射線療法看護 | 皮膚・排泄ケア |
| 慢性呼吸器疾患看護 | |
| 慢性心不全看護 |
参考:日本看護協会「認定看護師」
新制度では分野の統合や名称変更があり、A課程で21種類だった認定看護分野は、B課程で19種類になりました。また、新しく始まったB課程のカリキュラムには、特定行為研修も組み込まれていることが特徴です。
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前述のとおり、今後「集中ケア」「救急看護」認定看護師を目指す人は、基本的にB課程のクリティカルケア分野で資格を取得することになります。クリティカルケア認定看護師になる流れは、以下のとおりです。
認定看護師の教育機関を修了し、認定審査を受けるには、「日本国の看護師免許を有する」「看護師として実務経験が通算5年以上ある(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)」という2つの条件を満たすことが必要です。
特に確認が必要なのは、「認定看護分野の実務研修が3年以上ある」という条件。クリティカルケア認定看護師の実務研修の基準を、以下の表にまとめました。
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クリティカルケア分野における実務研修内容の基準 |
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1 |
救急・集中治療部門等のクリティカルケア部門(手術室・NICUは除く)での看護実績を、通算3年以上有すること |
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2 |
疾病・外傷・手術などにより、高度な侵襲を受けた患者の看護を「 5 例以上」担当した実績(生命維持装置を装着した患者の看護を 1 例以上含む)を有すること |
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3 |
現在、クリティカルケア部門で勤務していることが望ましい |
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4 |
救急蘇生(二次救命処置等)に関する知識・技術を有することが望ましい |
参考:日本看護協会「認定看護師教育機関認定要項(B課程)」
上記は、特定の看護分野における看護実績及び教育課程入学時に望まれる勤務状況の基準です。クリティカルケア認定看護師の資格取得を目指すには、まずこれらの条件を満たせるよう、キャリアプランを立てましょう。
クリティカルケア認定看護師になるには、日本看護協会指定の教育機関で、教育課程を修了する必要があります。
日本看護協会「(B課程)認定看護師教育機関別の開講状況・定員数一覧」によると、クリティカルケア認定看護師の特定行為研修を組み込んでいる学校・教育機関は、全国で3つです。(2024年4月時点)
お住まいの地域の近くに、クリティカルケアB課程を開講する教育機関があるとは限りませんので、あらかじめ確認しておきましょう。
クリティカルケア認定看護師のB課程カリキュラムは、合計時間数およそ824時間で、約10ヶ月ほどの期間、教育機関に通うことになります。以下は、受講する科目とそれぞれの時間数です。
| 教科目名 | 時間数 |
| 共通科目 | 380時間 |
| 認定看護分野専門科目 | 180時間 |
| 特定行為研修区分別科目 | 99時間 |
| 統合演習 | 15時間 |
| 臨地実習 | 150時間 |
| (合計時間) | 824時間 |
参考:日本看護協会「認定看護師教育基準カリキュラム(B課程)」
※認定看護師教育基準カリキュラムでは 45 分を 1 時間とみなす「みなし時間」を適用している。特定行為研修は 60 分を 1 時間とする「実時間」を適用しているが、該当教科目の時間数は全て「みなし時間」で設定し表記している。
また、クリティカルケア認定看護師のB課程カリキュラムには、以下の特定行為研修が組み込まれています。
特定行為研修を修了することで行える処置の幅が広がり、急性期医療の現場で活躍するために、役立つスキルを身に付けられるでしょう。
教育課程を修了後、1年に1回の頻度で行われる「認定看護師認定審査」に出願申請し、受験します。出願申請期間・試験日程等は、日本看護協会「認定看護師」で詳細を確認しましょう。
1.申請手続き(出願) | 1.「資格認定制度 審査・申請システム」でWeb申請 2. 審査料(5万1,700円)振り込み 3. 審査書類を提出(オンラインで提出) |
| 2.審査 | 筆記試験(マークシート方式・四肢択一)試験時間100分 →客観式一般問題・客観式状況設定問題 |
| 3.合否発表 | 「資格認定制度 審査・申請システム」で選考結果が発表 →合格後、認定看護師登録手続きへ |
参考:日本看護協会「認定看護師」
出願申請・合否発表・登録は「資格認定制度 審査・申請システム」を用いた、オンラインの手続きになります。毎年の筆記試験に合わせて、出願の申請期間は決まっていますので注意が必要です。
認定看護師認定審査に合格後は、手続きを行って登録となります。登録の際は、認定料5万1,700円(税込・2024年時点)の振り込みが必要です。登録後、認定看護師認定証が交付されると、認定看護師として働き始められるようになります。
なお、認定看護師の資格には有効期間が決まっており、5年ごとに更新審査を受けなければいけません。
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認定看護師になるまでには、教育機関の入試検定料・入学金・受講料、認定審査の認定審査料・登録料が最低でもかかります。総額で100~150万円ほど必要だと考えておきましょう。
教科書代や通学のための交通費、教育機関まで距離があり通うのが難しい場合は、引っ越し代の費用もかかる可能性があります。
認定看護師の資格を取得するには、少なくない費用がかかるため、経済的な不安を感じる人もいるでしょう。教育機関への修学中は、勤務状況によって収入が減る可能性もあります。金銭面が心配という方は、奨学金制度や勤務先の認定看護師取得支援制度の活用をけんとうしてみてください。
認定看護師の資格取得を目指す際、奨学金が利用できる場合もあります。以下は、認定看護師取得におけるおもな奨学金制度です。
貸与条件や利用できる奨学金の種類は、場合によってさまざまなため、受験予定の教育機関やお住まいの地域のWebサイトを確認してみましょう。
勤務先によっては、資格取得支援を行っている施設もあります。支援の仕方は勤務先によって異なりますが、通学中も給与が支給されたり、授業料の半分を援助してくれたりする場合も。勤務先にどのような支援制度があるのか確認してみると良いでしょう。
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この項では、クリティカルケア認定看護師の役割について解説します。クリティカルケア認定看護師は、急変リスクが高く全身管理が必要な患者さんの看護において、スキルを発揮することが求められるでしょう。
急性期にある患者さんは急変リスクが高く容態が不安定なため、看護師が異常を早期発見することが大切です。重症化だけでなく合併症にも注意が必要なため、専門性の高い知識と素早い判断力が求められます。
クリティカルケア認定看護師がおもに対応する患者さんは、重篤な状態にあることも少なくありません。人工呼吸器の管理や薬剤の投与量の調整といったケアも、知識を持ち、特定行為研修を受けているクリティカルケア認定看護師の役割となります。
クリティカルケア認定看護師は、急性期からの回復を目指して、患者さんの全身管理を行う必要があります。また、薬剤師やリハビリ職といった他職種とも連携しながら、早期回復をサポートすることも大切な役割の1つです。
重症化の心配がある急性期の患者さんを支えるご家族は、大きな不安のなかで過ごしています。クリティカルケアにおける専門家である認定看護師は、ご家族の心理的なケアも求められるでしょう。
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集中ケア(クリティカルケア)認定看護師になるメリットは、急性期の患者さんを対応する現場で役立つ専門スキルが身に付くことだといえます。また、専門性を証明する資格を有することで、キャリアアップに繋がったり、資格手当が支給される可能性もあるでしょう。
集中ケア(クリティカルケア)認定看護師の資格を取得することで、救急医療や集中治療における質の高い看護スキルを身に付けられます。認定看護師の資格は、高い看護技術や知識の証明になるため、キャリアアップに繋がる場合も。
また、転職で有利になる、希望の部署に配属される可能性が高まるというメリットも考えられます。
職場によっては、認定看護師の資格を持っていることで資格手当が支給される場合もあります。それ以外にも、認定看護師として、より専門性の高い業務を担う・役職に就くことで基本給が上がり、年収アップの可能性もあるでしょう。
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集中ケア(クリティカルケア)認定看護師の資格取得を目指す際に、おさえて欲しいポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
集中ケア(クリティカルケア)認定看護師になるにあたっての、目標を明確にしておくことが大切です。認定看護師の資格を取るのは、決して簡単なことではありません。救命救急の現場やICUといった部署で活躍したいというような、具体的な目標があるとモチベーションになるでしょう。
認定看護師の資格を取得するには、職場の理解と支援が不可欠です。教育機関への就学が必要で、取得まで約1年はかかるため、働きながら目指すのは大変な道になります。場合によっては、資格取得支援が整っている職場へ転職も検討しましょう。
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ここでは、集中ケア認定看護師になりたい人のよくある疑問について、Q&A形式でお答えします。
認定看護師全体の合格率は高めなようです。カリキュラムに沿った基礎知識が出題されるため、受講した内容をしっかりと身に付けて試験に臨むことが大切になります。取得には教育機関の修了が必要なため、働きながらの取得となると負担は少なくないでしょう。
日本看護協会「認定看護師教育機関認定要項(B課程)」によると、新生児集中ケア認定看護師になるには、「新生児集中ケア部門で通算3年以上の看護実績」「ハイリスク新生児の生後1週間以内における集中ケア及び親・家族の看護を 5 例以上担当した実績」を有することなどが、新生児集中ケアのカリキュラム受講のために必要な条件となっています。
おもに、病院の救急センターやICUなど、急性期の重症者を対象にした看護が求められる職場で、集中ケア(クリティカルケア)認定看護師としての知識やスキルが評価されると考えられます。認定看護師であれば、そうした部署のリーダー候補として採用される可能性もあるかもしれません。
集中ケア認定看護師とは、旧制度のA課程で認定される、集中ケアにおける高い看護スキルを認められた看護師のことです。新制度により、「集中ケア」の認定看護分野は「救急看護」と統合され、「クリティカルケア」という新しい分野になりました。そのため、これから集中ケア認定看護師を目指す方は、基本的にB課程のクリティカルケア認定看護師を履修することになるでしょう。クリティカルケア認定看護師の資格取得は、救急医療や集中ケアにおける高い看護スキルを身に付けられることに繋がります。クリティカルケアの領域で、看護師としてスペシャリストを目指したい方におすすめです。
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