
「訪問看護はきついの?」と気になる方もいるでしょう。訪問看護には、1人で訪問してケアをする難しさやオンコール対応の緊張感があります。この記事では、訪問看護の仕事がきついといわれる理由や続けるメリットを解説。きついときの対処法や、きつい事業所を避けるための職場の選び方も紹介していますので、ぜひご一読ください。
ここでは、「オンコール待機の緊張感がある」「移動時間とスケジュール調整の負担がある」など、訪問看護がきついといわれる理由を8つ解説します。訪問看護師の仕事がきついとされる理由が気になる方は参考にしてみてください。
訪問看護師は、オンコールと呼ばれる、夜間に利用者さまやご家族からの相談・緊急事態をサポートするために、携帯電話を所持して自宅で待機する制度があります。人によっては、オンコールによって就寝中や入浴中も電話が気になることも。オンコール当番の日が頻繁にあれば、ストレスや疲労が蓄積し、オンコールを理由に辞める訪問看護師もいるでしょう。新人看護師にとっては「急変時に適切に対処できるか」といった不安もあるといえます
▼関連記事
訪問看護のオンコールとは?対応頻度や手当、ストレス緩和の方法を解説
訪問看護師がきついとされる原因の一つが、移動が多いことです。訪問先の距離が遠い場合、移動で体力を消耗しやすいといえます。自転車や公共交通機関を使って移動する場合、炎天下や大雨の日などは特にきついと感じるでしょう。渋滞や道路上での事故などに巻き込まれた場合は、訪問スケジュールの再調整をする負担もあります。
訪問看護は、基本的に単独で利用者さまのもとを訪れるので、「健康管理」「体調確認」「医療的ケア」などの判断を下す場面が多い仕事です。初めて対処する症状をケアするときや急変があった際など分からないことや判断に迷った場合、すぐサポートしてもらえる環境下ではないため、自身がない人もいるでしょう。利用者さまやご家族から、療養上のアドバイスも求められることも多いです。慣れるまでは自分のケアに自信が持てず、プレッシャーを感じながら仕事をする状況が続くかもしれません。
訪問看護では、訪問時の記録や報告書を提出する義務があります。事務作業に苦手意識があったり、記録の仕方に慣れずに記入に時間がかかったりすることも。慣れないうちは、書類作成で残業になることもあるかもしれません
ケアをより充実したものにするためには他職種との連携が欠かせません。かかりつけの医師をはじめ、ケアマネジャーや介護職員、リハビリスタッフなど、自分の専門とは異なる仕事の役割を理解し、こまめな情報共有を行う必要があります。
利用者さまやご家族とのコミュニケーションが難しいのも、訪問看護がきついとされる理由です。
生活の場に入っていく訪問看護は、利用者さまやご家族との関係が密接になりやすいです。その分、利用者さまのなかには訪問看護師への不満を感じる方もいます。対応に慣れないうちは、難しさを感じてしまうかもしれません。
訪問看護では、掃除が行き届いていない住宅環境への訪問を依頼されることもあります。なかには悪臭が漂っていたり、床にホコリやゴミが散乱したりするなど、不衛生な環境も。スリッパやマスクなど、利用者さまとの関係に影響が出ない範囲で、対策することに大変さを感じるかもしれません。
利用者さまの状況によっては、訪問看護師は以下のような介護業務を行う場合もあります。
自宅への訪問看護の場合、手すりなどの補助具が設置されていないことも。施設のようにケアしやすい設備が整っていない環境で介助するのは、想像以上に負担がかかります。「想像以上に体力が必要だった」と、実際とのギャップに戸惑う方もいるかもしれません。
ここでは、きついと感じながらも訪問看護師を続けることのメリットを解説していきます。
きついと感じながらも訪問看護師を続けることで、利用者さまと長期的な信頼関係を築けるようになるでしょう。訪問看護では、長い場合では数年単位で利用者さまの生活に寄り添います。長期的なサポートを通じて、利用者さまの価値観や人生観に触れ、信頼関係が生まれやすくなるでしょう。
訪問看護師は、続けることで看護師として成長する機会を得られます。基本的に1人で訪問し、ケアをする看護師には判断力が求められます。経験を積むと、医師への連絡や他職種への連携なども迅速に決断できるほど成長し、看護師としての自信が生まれるでしょう。
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果 (P.6)」の訪問看護師の1ヶ月あたりの給与費を参考に、想定年収を算出しました。
| 1ヶ月あたりの給与費 | 想定年収 | |
| 常勤の訪問看護師 | 46万3,927円 | 約556万円 |
| 非常勤の訪問看護師 | 39万3,566円 | 約472万円 |
参照:厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果 (P.6)」
常勤の訪問看護師の想定年収は、約556万円です。訪問看護師の給料が高い理由は、インセンティブやオンコール手当などをはじめとした手当が大きいことも理由の一つです。ただし、年収は事業所や経験年数、手当額によっても違うため、上記はあくまでも目安としてお考えください。
▼関連記事
訪問看護師の給料が高めな理由は?平均額や手取りは?年収アップ方法も解説
ここでは、「直属の上司への相談」「転職による訪問看護ステーションの変更」など、訪問看護の仕事がきついと感じるときの対処法を解説します。
きついと感じるときの対処法には、業務の負担を減らしてもらえないか、管理者や上司に相談するといった方法があります。1日の訪問件数やオンコール回数など、内容によっては調整してもらえるかもしれません。
「利用者さまとのコミュニケーションが難しい」といった際は、訪問先の変更といったサポートをしてもらえる可能性もあります。人手が足りていない事業所などは、希望がとおりにくい場合もありますが、管理者側に自分の状況を把握してもらっている方が、早めに対処してもらえることも。
訪問看護の仕事は1人で行うので、きつい状況を抱え込むとストレスが大きくなります。気持ちが憂鬱だと、休日も仕事のことを考えてしまいがちです。そうしたときには、温泉に入ったり、運動したりなど意識的に仕事を忘れる時間を作ってリフレッシュするのも一つ。映画鑑賞や好きな食べものを買い、家でゆっくり過ごすのもおすすめです。自分へのご褒美にマッサージやエステに行くのも、気分が上がって気持ちを前向きにする方法です。
▼関連記事
訪問看護が疲れたと感じる理由とは?負担の対処法やほか職場の選び方も解説
訪問看護のきつさには、人間関係や待遇面など、改善が難しい問題もあるでしょう。職場を変えることで解消される悩みもあるので、看護師としてのキャリアプランを見直したうえで、転職が最適と感じたら行動するのも一つです。
訪問看護業界は需要が高いので、適切に準備すれば、ほかの訪問看護ステーションへの転職ができます。短期離職を繰り返すと今後の転職に影響する可能性がありますが、長く働き続けるために情報収集や求人探しは入念に行うのがおすすめです。
▼関連記事
看護師が仕事をすぐ辞めるのはアリ?転職で失敗を繰り返さない方法を解説
もし訪問看護師の仕事内容が合わない場合は、病院や介護施設、クリニックなど訪問看護以外の職場を検討するのも手です。しっかり情報収集したつもりでも、職場の人間関係や残業時間など転職後にギャップを感じることは珍しいことではありません。多種多様な働き方ができる看護師免許の強みを活かして、自分に合った職場を見つけたり、看護師以外の仕事への転職を検討するのも一つです。
▼関連記事
看護師資格が使える珍しい求人を35種類紹介!病院以外の選択肢を知ろう
訪問看護への転職を考えている方向けに、職場選びのポイントをまとめました。以下に着目しながら、希望条件に合う訪問看護ステーションを探してみましょう。
オンコールの回数や手当が管理されているかも職場選びのポイントです。日本看護協会「2024年度 診療報酬・介護報酬改定等に向けた訪問看護実態調査(P.22)」によると、訪問看護事業所のオンコール対応回数は「月5~9回」が最多です。平均よりも突出していないかどうかは、一つの判断基準となるでしょう。オンコール待機手当は、支給が義務付けられておらず、事業所の方針によって支給の有無や額が異なります。
オンコールは訪問が必要になるケースばかりではなく、電話相談のみで対応可能なこともあるためです。「月に何回当番があるのか」「かかりつけ医や先輩看護師に相談しやすいか」「オンコールの翌日は休みにしてもらえるか」などを確認しておくことをおすすめします。
▼関連記事
看護師の労働基準法に則ったオンコール勤務とは?手当や回数の相場も解説
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果(P.6)」によると、看護職員(常勤換算)1人当たり訪問回数は、月に71.9回が平均となっています。ご自宅に伺う在宅訪問看護の場合は一人あたり1日4〜6件が一般的だといえるでしょう。施設でケアする場合は、1~2件ほどが相場です。訪問件数が平均より多いと負荷が増えるので、目安として件数を知っておくことをおすすめします。
訪問看護の職場選びの際は、訪問エリアの確認も大切です。各訪問先の距離を見て、移動時間が考慮されているかもポイントといえます。訪問先への移動が、車・自転車・公共交通機関のどれかによっても、移動の負担が異なるので確認しておくと安心です。
事業所の利用者さまの傾向を調べておくことも大切です。訪問看護の利用者には、小さな子どもからご高齢の方まで含まれます。利用者さまの症状は高血圧や認知症、脳卒中など多岐にわたります。年齢や症状によって、必要な医療的ケアや知っておくべき知識が変わってくるので、事前に調べておくとスムーズに業務を進めやすくなります。
休日数や有給消化率も、訪問看護の職場を選ぶ際に確認しておきたいポイントの一つです。目安として「年間で120日」は、一般的な年間休日数のなかでも多いといえます。年間休日120日は、週休2日に加え、祝日や夏季休暇、年末年始なども休めるようなイメージです。介護休暇や生理休暇があったり、土日祝の休みを選択できたりする職場を選ぶことも働きやすさにつながるでしょう。
きつくない事業所選びのポイントの一つとして、「車両の貸与や交通費の支給があるか」も挙げられます。訪問看護は移動が多く発生する仕事なので、遠方に訪問する可能性がある場合、交通費としてガソリン代の支給とったサポートがあるかを確認しておきましょう。車両の貸与があれば、走行距離に応じたタイヤの摩耗や車検代などを気にせずに安心して働けます。
緊急時の連絡先やサポート体制が整っているかも、事業所選びで確認したいポイントです。
医療的ケアに関する相談や利用者さまとのトラブルなどの際、すぐに連絡を取ってもらえる職場だと安心して働けます。チャットや電話など、サポート体制の仕組みを確認しておきましょう。
電子カルテやチャットツール、訪問ルートを記録するアプリ、その場で看護記録が作成できるようタブレット端末が支給されているなど、ICT活用が盛んな職場が挙げられます。報告書のフォーマットが用意されていると、記録業務の負担も少ないかもしれません。
ここでは、訪問看護に向いている人・向いていない人にみられる特徴を解説します。「訪問看護が合わなかった」と後悔しないか気になる方は、ぜひご一読ください。
訪問看護師に向いている人には、以下のような特徴があるでしょう。
訪問看護師に向いている人は、在宅療養への関心が強い方や、相手の痛みの症状を察知してサポートできる方です。そうしたコミュニケーション能力は、精神的な疾患のある方への訪問看護にも役立つでしょう。
訪問看護に向いていない人の例としては、以下が挙げられます。
訪問看護では、急性期医療のような環境とは異なり、最新の医療機器に触れる機会はありません。自分のペースで仕事をしやすい分、正解がない仕事ともいえるので、完璧さを求めると苦しくなることもあるかもしれません。
医療センターで4年、がんの専門病院で6年の経歴を持つ、31歳の看護師Fさん。がん患者さまと関わった経験や緩和ケア病棟で培ったスキルを活かし、「より患者さまに寄り添った看護をしたい」とレバウェル看護に相談されました。
Fさんは在宅ケアにも興味があるようで、キャリアアドバイザーは緩和ケアで有名な訪問看護ステーションの提案をします。Fさんは、やってみたい気持ちと未経験の不安で「自分には在宅ケアができるほど経験が足りないので」と、一歩を踏み出せないようでした。そんなFさんに、キャリアアドバイザーは1日体験入職を提案します。
▼続きはこちらから
未経験の分野で働きたい!体験入職で仕事への不安な気持ちを解消
ここでは、「訪問看護の仕事はきつい?」と不安な人によくある質問をご紹介します。
訪問看護師が退職する理由の本音には、「オンコールの緊張感」「移動の多さやスケジュール調整の負担」「一人で判断する難しさ」などがあるでしょう。オンコール対応が初めてであったり、同僚看護師が多い病院内で勤務していた方は特に、ギャップを感じるかもしれません。
自転車で訪問看護の仕事を続けるのは不可能ではありません。ただし、「道を覚えるまで、訪問に時間がかかる」「体力がつくまではきついと感じる」といった点は考慮しておくと良いかもしれません。天候不良でも動きやすい服装を考えたり、電動自転車を使ったりするなどの工夫が必要といえます。
心理的ケアの難しさや暴言などの危険行為を受ける可能性などが、原因として挙げられます。精神科の訪問看護に「危険」「怖い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、関わり方が難しい分、関係を築けたときの嬉しさや自分のケアが回復に繋がったときのやりがいは格別です。精神科の訪問看護については、「精神科訪問看護はきつい仕事?大変だと感じる理由や対策、やりがいも解説」で詳しく解説していますので、ご覧ください。
運転免許証がなくても訪問看護師を目指すこと自体は可能ですが、運転免許証があったほうが申し込める求人の幅は広がります。都市部では公共交通機関での出勤が可能な場合もありますが、求人数は限られることを知っておきましょう。
訪問看護がきついといわれるのには、「オンコール待機の緊張感がある」「移動時間とスケジュール調整の負担がある」などの理由があります。単独で訪問するので比較的マイペースに働きやすい分、一人で判断するプレッシャーもあるようです。しかし、利用者さまと長期的に信頼関係を築けたり、診療科に限らないスキルを身につけ、看護師として成長できる点は大きな魅力といえます。
訪問看護への転職は、訪問看護ステーション選びが重要です。1日の訪問件数やオンコール回数、教育体制などを中心に、複数の求人を比べながら探すのがポイントです。
とはいえ、「1人では自分に合う訪問看護の求人を判断できない」「詳細を調べきれない」方もいるでしょう。レバウェル看護では、キャリアアドバイザーが、ヒアリングをもとに訪問看護の求人をアドバイスしますので、ご相談ください。訪問看護を含め、働きやすい求人選びをINEやメールで気軽に進められますので、この機会にぜひご利用ください。職場見学をしてみたいというご要望も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。サービスはすべて無料でご利用いただけます。自分に合う職場が分からずお困りの方は、レバウェル看護にお任せください。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載