
精神科訪問看護の仕事に興味があるものの、「きつい」「大変そう」イメージが先行し、転職を迷っている方もいるでしょう。確かに、精神疾患を持つ利用者さまならではのケアの難しさがある仕事ですが、精神科訪問看護でしか得られないやりがいもあります。本記事では、精神科訪問看護師がきついと感じる理由や対処法、働くやりがいなどを解説します。未経験分野への挑戦で、新しい一歩を踏み出したい方はぜひご覧ください。
精神科訪問看護の仕事にきついイメージを持ってしまうのは、「利用者さまの心理ケアが難しい」「暴言などを吐かれそうで怖いイメージがある」などが理由として挙げられるでしょう。ここでは、精神科訪問看護の仕事が大変だといわれる理由を詳しく解説します。
利用者さまをケアするうえで、以下のような状況に苦悩する看護師もいます。
精神疾患においては、心理的ケアが重要となります。しかし、疾患による影響からコミュニケーションが取りづらかったり、ケア自体を拒否されてしまったりなど、思うように看護できない場合もあるでしょう。
厚生労働省「調査研究(p.35)」によると、精神科訪問看護の利用者で最も多いのは「統合失調症・妄想性障害」、次いで「気分障害」となっています。疾患によっては、治療が長期化し、慢性的な経過を辿る場合もあります。懸命にケアしても変化を感じられず、良いケアができているのか不安になったり、モチベーションを維持できなかったりする人も出てくるかもしれません。
利用者さまの精神症状によっては、易怒性や衝動性が亢進し、暴言・暴力を受ける場合もあります。危険行為のリスクがある利用者さまのお宅に、1人で訪問するのが不安という看護師もいるでしょう。
現状、そのようなリスクがある場合には、複数名で訪問対応する訪問看護ステーションが多いです。しかし、実際に暴言を吐かれると、疾患による影響だと理解していても、精神的なダメージは避けられないかもしれません。
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家のなかの清掃が不十分なお宅を訪問する場合もあるでしょう。精神疾患を持つ方は、精神症状による影響からセルフケアが低下しやすくなります。しかし、ご本人にとっては住み慣れた家であり、どこまで環境整備を促すべきかは悩ましいところです。看護師から整理整頓を促された利用者さまが訪問を拒否してしまうなど、状況が悪化するケースもゼロではありません。
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利用者さまのセルフケア状況によっては、日常生活のサポートも求められます。体力のいる更衣や排泄介助などを行う場合もあり、心理的ケアから日常生活の支援まで、業務範囲は幅広いといえるでしょう。精神科訪問看護師=心理的ケアというイメージを持っていると、「想像以上にきつかった」と入職後にギャップを感じ、後悔する人もいるかもしれません。
きついイメージが先行しがちな精神科訪問看護ですが、ならではのやりがいや魅力もあります。ここでは、精神科訪問看護師として働くメリットをご紹介します。
自分のケアが回復に繋がったときのやりがいは格別です。精神科訪問看護師として働くなかで「社会参加ができた」「笑顔が見られるようになった」など、目に見えて分かる変化もあります。
利用者さまとのコミュニケーションに悩んだり、最善のケア方法が見出せなかったりなど、きつい時期もあるでしょう。苦悩を乗り越えた先に、看護師としての成長や達成感を得られるはずです。
精神科訪問看護の経験を重ねれば、在宅ケアや精神科などの領域でスペシャリストを目指すことも可能です。在宅ケア分野であれば「在宅ケア認定看護師」、精神科分野であれば「精神科看護専門看護師」などが例として挙げられるでしょう。精神科訪問看護は、キャリアアップしたい方にもおすすめだといえます。
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夜勤をせずに整った生活リズムで働けるのは、精神科訪問看護の大きな魅力だといえます。土日祝日に加え、お盆休みや年末年始に休む訪問看護ステーションも多いため、周りと予定が合わせやすいのもメリットの一つです。
また、精神科訪問看護は、オンコール制度のある事業所が少ないのも特徴だといえるでしょう。
「訪問看護に興味はあるけどオンコールがきつそう」と転職を迷っている方もいるはずです。精神科訪問看護の求人であれば、オンコールなしの職場が比較的見つかりやすいかもしれません。
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ここでは、精神科訪問看護師がきついと感じたときの具体的な対処法を解説します。
以下のような悩みがある場合は、1人で抱え込まずに訪問看護ステーションの管理者や先輩に相談するのが望ましいでしょう。
場合によっては訪問看護ステーション全体で対応方法を検討し、複数人での訪問や業務の負担を減らすなどの対処をしてくれるかもしれません。業務上の悩みは、利用者さまとのトラブルに発展する可能性もあるため、早めに対処した方が良い場合もあります。対応に困ったときは、状況報告も兼ねて早めの相談を心がけましょう。
精神科訪問看護師は、ケアの難しさなどから、気づかないうちにストレスが溜まっていることも多いです。疲れを感じたときは、以下の方法も参考にしながら、自分なりのリフレッシュ方法でストレスを発散しましょう。
何よりも大切なのは自分のこころと体です。頑張っている自分を労わりながら、ストレスとも上手く付き合っていきましょう。
利用者さんとの関わりに悩みを抱える場合、プロセスレコードというコミュニケーション分析方法を用いて、利用者と看護師との関わりを振り返る方法もあります。
プロセスレコードは、自分のコミュニケーションの傾向に気づくきっかけとなり、自分の看護観を客観的に見直せます。
プロセスレコードについて詳しく知りたい方は、「看護におけるプロセスレコードの目的やその書き方とは?」の記事を参考にしてください。
今の職場がどうしても合わないと感じた場合、転職を視野に入れるのも選択肢の一つです。精神科訪問看護の需要は年々高まっているため、今よりも好条件の訪問看護ステーションを見つけることは、さほど難しくはないでしょう。
精神科訪問看護師の仕事自体が合わないと感じた場合、未経験分野の職場に挑戦しやすいのも看護師免許の強みだといえます。
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ここでは、精神科訪問看護師に向いている人の特徴をご紹介します。精神科訪問看護師は向き不向きが分かれやすい仕事です。転職を迷っている方は、当てはまっているかどうかを確認してから判断するのも良いでしょう。
根気強い人やメンタルの強さに自信がある人は、精神科訪問看護師に向いているでしょう。これまで前述したように、精神科訪問看護では利用者さまとの関わりに悩み、予定どおりにケアできない場合もあります。解決方法を模索し、すぐに状況が改善しなくても諦めずに利用者さまに向き合っていく姿勢が必要です。
相手の行動や言動に影響されず、気持ちのコントロールができる人も精神科訪問看護師に向いているといえます。精神科訪問看護の利用者さまと関わるなかで、感情が巻き込まれそうになった経験のある看護師もいるでしょう。感情のコントロールを失った状態では、看護師として本来するべきケアができなくなります。利用者さまに振り回されず、自分のペースを保つ力が必要です。
精神疾患を持つ患者さまの看護にあたるうえで、コミュニケーションスキルは大切です。利用者さまのなかには、会話によるコミュニケーションが苦手な方もいます。表情や声のトーン、身振りなどの非言語的な手法を用いたコミュニケーションなども重要です。利用者さまやご家族との関わりを大切にしながらケアにあたれる人は、精神科訪問看護師に向いているといえるでしょう。
訪問看護は、自分で判断を下す場面が多い仕事です。1人で業務を進めることに不安がない人は、精神科訪問看護師の働き方が合っているでしょう。反対に、病棟のように複数の看護師で協力しながら仕事を進めたい人は、向いていない可能性があります。ただし、1人への不安は、経験を重ねて自信がついていけば解決する場合も多いです。
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精神科訪問看護師がきついといわれる理由として「心理的なケアが難しい」「日常生活のサポートなどの業務もあり体力的にきつい」などが挙げられます。大変さもありますが、訪問看護や精神科分野でのスキルが身に付けられたり、夜勤なしで働けたりなどの魅力も多い仕事です。
精神科訪問看護がきついと感じたときは、管理者に相談することで解決する悩みもあります。しかし、精神科訪問看護師自体の仕事が合っていない、上司に相談しても改善の見込みがないなどの状況であれば、転職を検討するのも選択肢の一つでしょう。
ただし、転職後の短期離職にはリスクも伴います。これから、精神科訪問看護を検討している方は、転職後に後悔しないためにも、慎重に職場選びを行いましょう。
転職に踏み出せず迷っている方は、レバウェル看護に相談してみませんか?アドバイザーと相談のうえ、転職するかどうか決めていただくことも可能です。メリットだけでなくデメリットもしっかりお伝えするため、転職後のミスマッチも起こりにくいでしょう。疑問や不安を解決しながら、希望ぴったりの職場探しをサポートします。職場見学の調整や応募先とのやり取りなどのサポートも受けられます。サービスはすべて無料でご利用いただけるため、お気軽にお問い合わせください。
ここでは、精神科訪問看護にきついイメージを持つ方によくある質問を、Q&A形式でお答えしていきます。
相手の言動に気持ちが振り回されやすい人や短期間でのやりがいを得たい人は、精神科訪問看護師に向いていない可能性があります。また、1人で判断するのが不安、個人宅の訪問に抵抗があるなど、訪問看護師ならではの働き方が苦手な人も向いていないかもしれません。本記事の「精神科訪問看護師に向いている人の特徴」では、向いている特徴をご紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果 (p.6)」によると、常勤の訪問看護師の1ヶ月あたりの給与費は、46万3,927円となっています。レバウェル看護で算出した想定年収は「約556.7万円」です。精神科訪問看護と一般の訪問看護師との年収差はさほどないでしょう。訪問件数に応じたインセンティブやオンコール手当など、訪問看護ステーションによって支給の有無が異なるものもあります。日勤のみで働く看護師のなかでみると、精神科訪問看護師の給与水準は、比較的高めだといえるでしょう。
厚生労働省「精神科訪問看護に係る実態および精神障害にも対応した 地域包括ケアシステムにおける役割に関する調査研究」によると、1件あたりの訪問時間は、30〜90分が多くなっています。午前と午後で3〜4件ずつ訪問するイメージと理解しておくと良いかもしれません。ただし、訪問時間の短い利用者さまが多いときは、訪問件数も増えるでしょう。
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