
看護師の中には、経験年数が10年を超え、「そろそろ管理職昇進を目指したい」と考えている方もいるでしょう。管理職は、組織運営に貢献できる大変やりがいのある仕事です。本記事では、役職一覧や仕事内容はもとより、管理職になる方法や必要なスキル、給料・年収に至るまでを詳しく解説。メリット・デメリットについても触れますので、マネジメント業務に興味があるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
看護師の管理職には、主に看護部長・看護師長・看護主任の3つの役職があります。病院によって名称が異なることもありますが、仕事上の立場は基本的に同じです。まずは、組織内の序列に沿って、それぞれの役職が従事する仕事内容から見ていきましょう。
看護部長は、看護師全員のリーダーであり、各病棟の看護師長や一般看護師を総括します。看護師長や一般看護師の意見・計画をまとめ、施設運営に反映させるのが任務です。具体的な仕事内容としては、看護部業務計画の作成や、現場の看護師に仕事を割り振るといった施設運営への参画、病院長・事務長・現場看護師との交渉や調整などが挙げられます。
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看護師長は、各病棟の看護師を統率し、病棟のマネジメントを行います。看護目標を設定し、病棟内の看護の質の向上を図るのはもとより、現場の看護師が働きやすい環境を整えたり、円滑な業務の遂行に向けて問題解決を図ったりするのも大切な任務です。また、指導プランの作成や、患者さんのクレーム対応、リスクマネジメントなども仕事内容として挙げられます。
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看護主任は、看護師長と現場の看護師を繋ぐ、いわゆる「中間管理職」にあたります。管理職として現場の看護師の指導・サポートも行うのはもとより、通常の看護業務も行うため、仕事量が多くなりがちです。具体的には、病棟の運営状況や問題点の把握、新人看護職員の教育、看護師長の補佐などが挙げられ、病棟の問題点については、看護師長へ改善点を伝える役目も担っています。
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看護部長・看護師長・看護主任。それぞれ具体的な仕事内容は違えど、「管理職」という大きな括りの中で共通する役割は、スムーズな組織運営を行うことです。スムーズな組織運営とは、安心で質の高い医療サービスを提供しながら発展していくことであり、そのためには、各管理職が連携して、目標を達成する必要があります。
患者さんにとって最も身近な存在である看護師の視点は、病院経営にとって欠かせないもの。看護組織はチーム医療においても中心的な役割を担うことから、看護部長が副院長のポジションを兼任することも珍しくはありません。地域包括ケアシステムの構築が重要視されている今日、看護管理職に対する期待値はますます上がっていくことでしょう。
看護師が管理職になる上で決まった条件はありませんが、経験年数や資格の有無が影響します。ここでは、看護師が管理職を目指す際に押さえておきたいポイントを2点紹介しますので、今後のキャリア設計の参考にしてみてください。
管理職になるには、看護師として一定の経験を積む必要があり、基準となる年数は役職ごとに違います。以下にて一般的な経験年数を記載しますので、自身がどのポジションに相当するのかをチェックしてみてください。なお、これらの基準は医療施設の規模によっても異なるため、小規模の場合は10年未満でも看護主任に任命される可能性があるでしょう。
取得しておくと有利な資格として、「認定看護管理者」が挙げられます。認定看護管理者は、日本看護協会の資格であり、取得するためには以下の項目に該当する必要があります。
看護師免許を取得後、実務経験が通算5年以上あること。そのうち通算3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験があること。
以下のいずれかの要件を満たしていること。
公益社団法人日本看護協会「認定看護管理者」(2024年4月19日参照)
要件1:認定看護管理者教育課程サードレベルを修了している者
要件2:看護管理に関連する学問領域の修士以上の学位を取得している者
なお、職場によっては、役職に就く条件として認定看護管理者の資格取得を求めている場合もあるため、事前に詳細を確認しておくと良いでしょう。
「管理職を目指すからには、年収アップを叶えたい」という看護師も多いでしょう。ここでは、役職に就くことで給料や年収にどのような影響が出るのかを、統計データを用いて見ていきます。
人事院「2019年(平成31年)職種別民間給与実態調査の結果」によると、総看護師長・看護師長・看護師の2019年(平成31年)4月分の平均支給額は以下のとおりとなっています。本データにおける総看護師長とは「部下に看護師長が5人以上」、看護師長とは「部下に看護師または准看護師が5人以上」の場合を指します。
| 職種名 | きまって支給する給与(A) | うち時間外手当(B) | (A-B) | うち通勤手当 |
| 総看護師長 | 53万9,846円 | 1万1,255円 | 52万8,591円 | 1万536円 |
| 看護師長 | 43万1,007円 | 3万6,993円 | 39万4,014円 | 1万511円 |
| 看護師 | 35万9,618円 | 4万7,764円 | 31万1,854円 | 1万230円 |
上記の表で最もインパクトが強いのは、「きまって支給する給与」の違いでしょう。総看護師長と看護師を比較してみると、約20万円もの差があることから、実際に管理職になることで収入が増えている様子が伺えます。ただし、上から55.0歳、47.9歳、38.1歳とそれぞれの平均年齢も異なるため、経験年数による基本給の違いも考慮することが大切です。
また、上記のデータをもとに、レバウェル看護で算出した平均年収は以下のとおりです。ボーナスの支給月数は2ヶ月分に設定していますので、あくまで目安としてご参照ください。
※平均年収は「きまって支給する給与」×12ヶ月分+「賞与(年2回・給与2ヶ月分と仮定)」として算出
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看護師長の給料はどのくらい?看護主任や部長との違いは?
前述では、管理職と収入の相関関係に焦点を当てましたが、そのほかに看護師が管理職になるメリットにはどのようなものがあるのでしょう。ここでは、看護師が管理職になるメリットとデメリットについて深掘りしていきます。
看護師が管理職になる代表的なメリットは下記の3点です。
「看護師の役職一覧と仕事内容」でも触れたとおり、管理職になることで、自分の意見や現場の声を提案・反映しやすくなります。上層部と交渉して、働きやすい職場の実現に貢献できる点は、働く上で大きなやりがいとなるでしょう。
また、看護師長以上になると基本的に夜勤はないため、規則正しい生活を送れるという利点も。看護師として長期的に働く意思がある場合は、管理職を目指すことで、身体的な負担の軽減と収入アップの両方を実現しやすくなるでしょう。
看護師が管理職になる代表的なデメリットは下記の3点です。
一般的に管理職というと、板挟みに悩むイメージがあるかもしれませんが、それは看護業界でも例外ではありません。現場の職員と上層部を繋ぐパイプ役になるということは、すなわち双方の主張に気を配る必要があるということ。管理職として交渉することで充足感を得られる場合は良いですが、人によってはストレスや窮屈さを感じる可能性もあるでしょう。
役職に就くかどうか迷っている看護師の中には、周りの管理職の姿を見て、「自分には務まらないのではないか」と躊躇している方もいるでしょう。下記にて、管理職になるために必要なスキルを3つ紹介しますので、自己理解を深め、自信の適性を見極める手がかりにしてみてください。
管理職の看護師は、上司と現場の看護師の間に立って、関係性を調整する役割を担っています。特に、現場で働く看護師の声は、上司に届きにくいものです。どちらか一方を優先するのではなく、双方の意見を傾聴し、折衷案を模索する能力が求められます。
管理職には、リーダーとしてチームをまとめる統率力も必要不可欠です。自分の仕事だけでなく、チームに対して強い責任感を持ち、問題の改善に取り組むスキルが求められます。リーダーシップ能力に自信がないという場合でも、訓練や経験を通じて鍛えることができるため、看護職員との信頼関係を築きながら、意識を高めていくと良いでしょう。
管理職の看護師は、現場をより良く改善するために、チーム全体の看護師と関わります。目先の仕事ばかりに囚われるのではなく、常に現場やチームの問題点・改善点を見つけ出す能力が大切です。他部署への理解を深め、視野を広く持つことも欠かせません。
自身の適性を考えた結果、「管理職は向いていない気がする…」と感じた方は、管理職以外の道も検討してみましょう。看護師のキャリアには、下記の4つがありますが、特性や看護観は一人ひとり異なるため、どれが正解ということはありません。自身にとって最も満足度の高い働き方はどれか、熟考することが大切です。
また、管理職への道は、「長い年月を要する」「ポスト数に限りがある」といった理由から、決して容易でないのも事実。勤続年数を重ねながら空きを待っていても、チャンスを得られない場合があることを肝に銘じておく必要があるでしょう。
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看護師のキャリアアップ例とは?メリットや実現する方法・役立つ資格も解説
管理職になるには、ポストの空きを待つ以外に「転職」という方法もあります。医療機関や施設によっては、経験年数やスキルが豊富な看護師を管理職として募集している場合があるため、現在の職場でキャリアアップの望みが薄いと感じる方は視野に入れると良いでしょう。
下記の表は、役職ごとの求人の傾向です。これまでに管理職の経験がない方は、主任看護師候補として入職し、キャリアを積むことをおすすめします。
| 看護部長の求人の傾向 | ・看護部を一新したい場合変更することがある ・基本的には内部昇進が多い |
| 看護師長の求人の傾向 | ・一般病院では少ない ・小規模の病院、老人ホーム、新規開業のクリニックでの募集が多い ・看護師長候補者としての採用が多い ・管理職としての経験や実績、看護師としての経験や実績が評価される |
| 看護主任の求人の傾向 | ・主任看護師候補者としての採用が多い ・看護師としての経験や実績(特に診療科目の実績や専門技術)が評価される |
管理職候補の募集求人を探すといっても、自分ひとりでは働きやすい環境かどうかの判断がつきづらいもの。看護管理職の求人の多くは非公開求人であることも踏まえると、転職エージェントを最大限活用するのが、自分に合った職場と出会う近道だといえるでしょう。非公開求人を多く取り扱っている転職エージェントを比較検討し、効率的な転職活動を行うことが大切です。
ここでは、管理職として活躍したい看護師によくある質問を紹介します。
管理職に向いていない看護師の特徴としては、状況把握力や傾聴力、コミュニケーション能力が低いことなどが挙げられます。また、自分の意見を述べたり、人前で発言したりするのが苦手な場合も、ストレスを感じてしまうかもしれません。
管理職の看護師が辞めたいと感じる要因としては、「業務量の多さ」や「人間関係の板挟み」「責任の重さによるプレッシャー」などが挙げられます。また、現場での看護業務にやりがいを感じている場合は、モチベーションの低下に繋がることも。詳しくは、「看護師が管理職を辞めたいと感じる理由は?降格か転職かの判断基準も解説」をご覧ください。
主任看護師においては、「職場環境の改善」「看護師のスキルアップ」「病院の理念や方針」などを意識しながら目標を設定すると良いでしょう。詳しくは、「主任看護師の目標設定とは?意識すべき点とやり方を紹介」を参考にしてみてください。
臨床での経験年数を重ねると、その後の働き方について考え始める看護師は少なくありません。看護師のキャリアには主に4つありますが、その中でも「マネジメント」は、職場環境の改善に貢献できるやりがいのある仕事です。しかし、いざ管理職になろうと思い立っても、なかなか任命されず、思い通りのキャリアを歩めないと悩むことも。現在の職場で管理職を目指すのが困難だと感じた場合は、管理職候補の募集求人に応募するのも一つの手です。
看護師専門の転職支援サービスである「レバウェル看護」では、好条件で働ける非公開求人を豊富にご用意。あなたに最適な求人をご紹介するのはもちろん、希望の給与や条件の交渉をキャリアアドバイザーに任せることも可能です。サービスはすべて無料のため、「自分にどのようなキャリアが向いているのか客観視できない」「今の職場で管理職を目指したほうが良いのか、転職をしたほうが良いのか判断がつかない」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
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