
感染管理認定看護師になるのに必要な受験資格や取得方法が知りたいという方は多いでしょう。医療分野を限定しない感染管理認定看護師の活躍の場は幅広く、需要の高い資格です。この記事では、感染管理認定看護師の役割や認定審査の詳細を解説します。資格取得支援制度や感染管理認定看護師を目指せる病院選びのコツなども紹介していますので、参考にしてみてください。
感染管理認定看護師とは、感染管理分野において、専門的な知識と熟練した看護技術を持っていると「日本看護協会」によって認定された看護師を指します。
日本看護協会「分野別都道府県別登録者数」によると、2023年12月時点の感染管理認定看護師の人数は、以下のとおりです。
| A課程 | B課程 |
| 3,104名 | 549 名 |
参考:日本看護協会「【A課程】感染管理認定看護師数 」「【B課程】感染管理認定看護師数」2023年12月(2024年9月25日参照)
認定看護師制度の改正に伴い、2021年から新しく開始されているB課程の人数は、A課程よりも少なめです。しかし、A課程は2026年度をもって終了予定のため、今後はB課程認定看護師の数の方が増えていくでしょう。
認定看護師制度の主な改正点は、「B課程認定看護師の新設」「認定看護分野の再編」です。認定看護師は「A課程」21分野と、「B課程」19分野に分かれています。それぞれの違いは特定行為研修があるかどうかで、B課程認定看護師には特定行為研修が組み込まれています。
認定看護分野の再編では、救急看護と集中ケアが「クリティカルケア」、緩和ケアとがん性疼痛看護が「緩和ケア」に統合されました。
詳しい変更点は、以下の表をご覧ください。
引用:日本看護協会協会「認定看護分野」(2024年9月25日参照)
A課程認定看護師は永続的に更新できますが、B課程に移行することも可能です。移行したい場合は「特定行為研修」の修了が必要となります。A課程は教育終了期間が決まっていることから、これから認定看護師を取得予定の方は、B課程認定看護師の取得がおすすめです。
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感染管理認定看護師患者さんの役割は、患者さんや病院スタッフを感染から守ることです。ここでは、感染管理認定看護師の仕事内容を解説します。
医療関連感染サーベイランスとは、感染症の発生状況を調査し、現在の感染対策の評価と感染防止対策の改善に活用することです。サーベイランスの手法には、特定の場所や道具に絞って調査するターゲットサーベイランス、より大きな範囲で感染症の状況を把握する包括的サーベイランスなどがあります。
サーベイランスを継続的に行うことで、集団感染やアウトブレイクが起きたときの早期対応が可能です。サーベイランスの結果を職員に周知するだけでも、感染対策の意識づけに繋がるでしょう。
院内の感染症を予防するには、職員一人ひとりの感染対策が必須です。感染対策への意識を高めるための正しい知識や対策の指導も、感染管理認定看護師の役割だといえるでしょう。定期的な研修会や院内掲示による情報提供などを行い、感染管理知識の普及を行います。適宜、院内ラウンドを実施し、院内の感染対策状況の把握と教育内容などの見直しも必要です。
感染マニュアルの作成も、感染管理認定看護師の大切な業務です。感染対策マニュアルがあることで、感染症が発生したときでも、スタッフ自身が正しい対応を迅速にできます。院内で統一した感染予防策を実施するためにも、感染対策マニュアルは重要です。
病院によっては、医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師などから結成された感染対策チーム(ICT)が設置されている場合も。各職種同士が協働し、感染管理システムの構築にも取り組みます。
院内で感染症が発生したとき、感染管理認定看護師の役割は非常に大きいといえるでしょう。当事者の対応や感染源の特定のほか、感染の疑いの可能性がある職員や患者さんの調査などを行い、感染の拡大防止策を講じます。また、針刺し事故など、職務上に起きた感染症への対応も求められます。
感染管理認定看護師の役割には、職員からの感染に関する相談対応もあります。病棟には、リンクナースと呼ばれる看護師を置く病院が多いです。リンクナースの役割は、感染対策チーム(ICT)や栄養サポートチーム(NST)などの専門チームと病棟看護師とを繋ぐ役割があります。現場の看護師からリンクナースをとおして相談が挙がる場合もあるでしょう。「手指衛生の消毒ボトルの使用量が伸びない」など、病棟の状況を把握しているリンクナースから相談を受ける場合もあります。問題の原因と状況を把握し、改善に繋がるようアドバイスや対応が求められるでしょう。
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認定看護師と専門看護師の違いって?役割や資格取得の条件を比較して解説
感染看護師になるには、臨床経験などの受験資格などを満たしたうえ、定められた教育機関で指定のカリキュラムを修了し、認定審査に合格しなければなりません。ここでは、認定看護師の資格取得の方法や必要な費用などを解説します。
感染管理認定看護師の受験資格には、以下のようなものが挙げられます。
引用元:公益社団法人日本看護協会 看護研修学校「2025年度 特定行為研修を組み込んでいる教育課程(B課程)募集要項」
・日本国の看護師免許を有する者
・看護師免許を取得後、通算5年以上 の実務研修をしていること
・通算 3 年以上、感染管理に関わる活動実績(感染対策委員会、ICT、リンクナース 会等)を有すること。
・感染予防・管理等において自身が実施したケア等の改善実績を1事例以上有する こと。
・医療関連感染サーベイランス実施における一連の流れを理解していることが望ましい。
・現在、医療施設等において、専任または兼任として感染管理に関わる活動に携わっていることが望ましい。
感染管理認定看護師の取得は、5年以上の臨床経験と、そのうち3年以上の感染分野での実務経験が必須です。そのほかの細かい条件は、異なる場合もあるので必ず確認しておきましょう。
感染管理認定看護師は、A課程とB課程で教育カリキュラムが異なります。日本看護協会で定められたB課程の教育カリキュラムは、以下のようになっています。
| 科目名 | 教科目名 |
| 共通科目(380時間) | 臨床病態生理学、フィジカルアセスメント、臨床薬理学など17科目 |
| 認定看護分野専門科目(195時間) | 感染管理学、疫学・統計学、微生物学など8科目 |
| 特定行為研修区分別科目(61時間) | 栄養および水分管理にかかる薬剤投与関連、感染にかかる薬剤投与関連 |
| 演習・実習(165 時間) | 統合演習 、臨地実習 |
参考:日本看護協会「認定看護師教育基準カリキュラム 」2022年1月(2024年9月25日参照)
A課程の教育カリキュラムは、615時間(選択によって+305時間)ですが、B課程は特定行為研修科目が組み込まれているため、801時間となっています。
試験日程は、各教育機関によって異なります。「応募しようと思ったら出願期間が終わっていた…」ということがないよう、情報収集は早めに済ませておきましょう。
選考方法は、筆記試験や小論文、面接などが一般的です。専門知識を問われる試験は、事前に対策を取っておく必要があるため、過去問題なども活用しながら試験傾向を掴んでおくと良いかもしれません。
感染管理認定看護師になるまでにかかる費用の目安は「約90万円〜170万円」と、教育機関によって差があるようです。費用の内訳は、以下のようになっています。
| 項目 | 費用の目安 |
| 入学検定料 | 約5万円 |
| 入学金 | 約5万円~約10万円 |
| 授業料 | 約70万円~約150万円 |
| 審査料 | 約5万円 |
| 認定料 | 約5万円 |
| 合計 | 約90万円~約170万円 |
上記の費用のほか、参考書代やパソコン代などがかかる場合もあります。また、引っ越しを伴う場合、引っ越し代や家賃などもかかるため、さらに費用がかかる可能性もあるでしょう。
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認定看護師の費用はどれくらい?職場の支援や奨学金の制度を受けられる?
感染管理認定看護師の取得後は、5年ごとの更新が必要となっています。日本看護協会「認定看護師」によると、更新審査の条件は「2,000時間以上の看護実践時間」「50点以上の自己研鑽の実績」「実践報告書の提出(1回目の更新者のみ)」です。
しかし、現行の更新審査は2024年度をもって終了し、2025年度から更新審査の条件が変更となります。新しい更新要件は「看護実践時間の証明書」「実践報告書」の提出が廃止予定となり、60時間の研修受講が必要です。
2025年〜2027年の3年間は特例措置が取られます。特例措置期間の申請要件は「2025 年度以降の専門看護師・認定看護師・認定看護管理者の個人審査変更に関する FAQ(p.2)」をご覧ください。
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認定看護師になるには?各専門分野の種類・条件や資格取得までの流れを解説
認定看護師の支援制度を活用すると、経済的な負担をあまりかけずに資格が取得できるでしょう。ここでは、感染管理認定看護師の資格取得に向けた取り組みをご紹介します。
日本看護協会「認定看護師教育課程奨学金」は、認定看護師取得予定者を対象に、上限120万円を無利息で借り入れできる制度です。応募時は書類審査があり、奨学金の返還期間は2年間となっています。信頼性の高い公的機関からの支援であれば、安心して受けられるでしょう。
各病院でも、認定看護師の資格取得を支援する制度が設けられています。内容は病院ごとに違いますが、以下のように資格取得に伴う費用を負担してくれる場合が多いようです。
入学料や授業料などの負担があるほか、就学中の給料が保障される場合もあります。資格取得支援制度を活用すれば、生活への不安がなく、勉強に集中できる環境が整えられるでしょう。
感染管理認定看護師を目指し転職をお考えの方は、支援制度や資格手当に着目して職場を選ぶと良いでしょう。ここでは、感染管理認定看護師を目指す人の求人の選び方を解説します。
資格取得にかかる費用を抑えたい人は、資格取得支援制度のある病院を選びましょう。入学金や授業料などを負担してもらえる場合があります。詳しくは、本記事の「認定看護師の資格取得に向けた取り組み」をご覧ください。
認定看護師の資格手当があるかどうかも、職場選びの重要なポイントです。日本看護協会「評価・処遇に関する調査報告書(p.26)」によると、資格手当があると回答した認定看護師は41.2%と、半数にも達していません。
資格手当の相場は、約1万円〜3万円といわれており、年収を大きく左右する額です。資格手当の有無は病院によるため、事前に確認しておきましょう。
感染管理認定看護師になるには、5年以上の臨床経験と、そのうち3年以上の感染分野での実務経験などの受験資格があります。その後、教育機関で定められた教育課程を修了し、認定審査に合格すると感染管理認定看護師として働くことが可能です。資格取得を支援してくれる病院もあるため、選択肢の1つとして検討してみても良いかもしれません。
感染管理認定看護師は、院内のスタッフや患者さんを感染から守る重要な役割を担います。感染管理に関するスタッフへの指導や相談、感染サーベイランスの実施など、院内の包括的な感染対策が、感染管理認定看護師の仕事です。
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ここでは、感染管理認定看護師を目指す人に関する質問を、Q&A形式でお答えしていきます。
感染管理認定看護師を目指せる学校は、日本看護協会「教育機関検索」で検索可能です。近くの地域に学校がない場合は、引っ越しが必要となります。また、学校によって試験スケジュールが異なるため、情報取集は早い段階で行っておきましょう。感染管理認定看護師の審査の詳細は、本記事の「感染管理認定看護師になるには」をご覧ください。
学校によっては、過去問題集や試験範囲を公開しているところもあるようです。複数の教育機関の過去問を解いて、難易度や出題傾向を掴むと良いでしょう。入学試験のため、感染症や感染管理の基礎的な知識などが問われることが多いですが、事前の対策は必要です。
感染管理は、診療科を限定しないため、医療分野のなかでも需要は高めだといえます。一般病院や総合病院、介護施設など、活躍できる範囲は幅広いでしょう。「感染管理認定看護師」と限定した求人でなくても、資格を活かして働ける職場の数は多めです。
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