
「看護師の後輩指導に悩んでいる」「接し方が分からない」という方もいるかもしれません。後輩との価値観の違いや高齢化社会で業務量も増えていく中で、指導方法に思い悩む人もいるでしょう。本記事では、後輩との接し方のポイントやタイプ別の関わり方について紹介しています。教育方法と目標の立て方についても解説しているので、ぜひご一読のうえ参考にしてください。
時代が変化するとともに、ゆとり世代やZ世代など世代にもさまざまな違いがあり、後輩看護師の指導のあり方も変化しているのです。価値観の違いや昔とは違う職場環境のほかにも、指導する際の悩みについて紹介します。
人によって考えは異なるものの、近年は、仕事とプライベートのバランスを重視する傾向にあり、職場の価値観や期待とすれ違うことがあります。従来の「根性」や「経験重視」の指導が効果を発揮しにくく、指導側も対応に悩むことがあるでしょう。若手のニーズに合わせた柔軟な指導法を考える必要があります。
業務の複雑化や高齢化社会の進行により、短い期間で多くの知識や技術を習得しなければならず、プレッシャーを感じている後輩看護師もいます。電子カルテの導入や他職種連携の増加など、新しい取り組みに対応しなければならず、中堅看護師の負担も増えているのが現状です。
中堅看護師が後輩を指導する際、自分の指導スキルに自信を持てないことがあります。指導経験が少ない場合や、若手看護師が思うように成長しない場合に、指導者としての自信を失いやすいようです。また、後輩に厳しく接するべきか、優しく接するべきかのバランスをとるのが難しく、悩みを抱える看護師もいます。
看護師の業務は多岐に渡り、日常業務だけでも手一杯になりがちです。そのため、後輩指導のための時間を十分に確保することが難しい現状があります。このような状況が続くことで、「十分に教えられていない」と感じ、ストレスを抱えやすくなるでしょう。
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後輩看護師を育成する際に活用できる具体的な指導マニュアル自体が不足している場合もあります。各看護師が試行錯誤で指導することになり、指導の一貫性や質に差が生じやすくなるでしょう。マニュアルの欠如は、指導する側にとって負担となり、後輩看護師にも混乱を招く可能性があります。
後輩看護師と接する際には、優しさと厳しさのバランスや、プライベートな話題、雰囲気づくりなど気に掛ける点がいくつかあります。
後輩看護師への接し方は、バランスが重要です。優し過ぎると緊張感が失われ、業務に対する責任感が薄れる可能性がある一方で厳し過ぎると後輩が萎縮し、必要なコミュニケーションを取れなくなる恐れがあります。適度に厳しさを持ちながら、後輩をサポートする姿勢を示すことで、安心して仕事に取り組めるでしょう。
職場での関係を築くうえで、プライベートな話題の扱いには注意が必要です。後輩のプライバシーを尊重し、こちらから過剰に踏み込まない姿勢を保つことが信頼を築く基本だといえます。後輩が自ら話題を提供してきた場合は、それに応じて柔軟に会話することで、ほどよい距離感を保ちながらコミュニケーションを深められるでしょう。
後輩が悩みや疑問を抱えたとき、気軽に相談できる雰囲気を作ることが重要です。「いつでも相談して良い」と言葉で伝えるだけではなく、日常的に話しかけやすい態度を心掛けましょう。相談しやすい雰囲気になると、後輩が問題を一人で抱え込むことを防ぎ、チーム全体のミスを減らすことにつながります。
指導する立場だからといって「教えるだけ」ではなく、自分も学び続ける姿勢を示すことで、後輩にも良い影響を与えられます。「分からない分野は一緒に勉強しよう」と声を掛けることで、後輩が気負わずに成長を目指せる環境を作れるでしょう。また、自身の知識やスキルを更新する機会にもなるため、教育者としての質の向上にもつながります。
後輩の成長を促すためには、良い部分を積極的に見つけて褒めることが効果的です。具体的に「この点が素晴らしい」と伝えることで、後輩は自信を持ち、さらに努力しようという意欲が高まります。欠点を指摘するだけではなく、良い部分を評価する姿勢を持つことで、後輩との信頼関係も深まり、より良い指導が実現できるでしょう。
後輩看護師と一括りにいっても、それぞれの性格や特性は異なるためその人にあった指導を行う必要があります。後輩をタイプ別に分類し、関わり方を解説したため実際に接する際の参考にしましょう。
自分だけの仕事をこなし、周囲が忙しくても知らん顔をしているという後輩看護師もいるかもしれません。無駄口が多い後輩に対し、イライラすることもあるかもしれませんが、もしかすると仕事に慣れるのに精一杯で甘えている可能性もあります。曖昧な指摘ではなく、具体的に「ここを手伝ってほしい」とはっきり伝えることが大切です。「若手はこうあるべき」という固定概念で接するのではなく、自分の考え方の問題か相手の特性によるものかを見極める必要があるでしょう。
ミスが多い後輩看護師に対しては、業務量を適切に調整し、負担を軽減することが重要です。また、事前に業務内容を確認する時間を設けて、実施後も報告・連絡・相談を指導することでミスが予防できます。看護師は一つのミスが患者さんに影響を及ぼすこともあり、後輩が安心して業務に取り組める環境を整えつつ、徐々に自信をつけさせることが効果的です。
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コミュニケーションが苦手な後輩看護師には、最初から専門的な会話を求めるのではなく、日常的な雑談や簡単な質問から始めることが効果的です。相手が話しやすい雰囲気を作るために、積極的に声を掛けたり、話しやすいトピックを提供するなどの工夫をしましょう。指導内容を伝える際には、曖昧な表現は避け、具体的で分かりやすい言葉を選ぶように心掛けると良いです。
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覚えが早い後輩看護師は、一見すると指導が不要に見えるかもしれないが、油断は禁物です。早く覚える反面、基本的な手順を省略してしまうことや、自己流で進めがちになるリスクもあります。覚えた内容が正しいかどうかを定期的に確認し、基本に忠実であることの重要性を伝えましょう。また、成長意欲を支えるために、さらに高度な業務に挑戦できる機会を提供することで、モチベーションを維持しスキルアップを促せます。
後輩看護師を育成する教育方法はいくつかあります。プリセプターシップ制度やチームアプローチ、評価制度やOJTとOff₋JTを利用することで効率的かつ効果的に後輩を育てられるでしょう。
厚生労働省の「新人看護師職員研修ガイドライン(p6)」によると、プリセプターシップ制度とは、新人看護師1人に対して決められた先輩看護師が、マンツーマンで一定期間新人研修を担当する方法を指します。この制度を利用することで、後輩看護師は安心感を持ちながら業務を学べるでしょう。
レバウェル看護の公式Instagramで「プリセプター(先輩看護師)がいてくれて良かったことって何?」というアンケートを行ったところ以下の回答が得られました。
プリセプターの看護師は、2年目や3年目など比較的近い年代の看護師が行うことが多く、知識や技術のほかにも精神的なサポートという面も大きいようです。
後輩看護師を育成する際には、特定の指導者だけに負担が集中しないように、チーム全体で支える「チームアプローチ」が有効的です。複数のスタッフが後輩の育成に関与することで、多様な視点から指導を受けられ、後輩の成長を効果的に促せます。相談しやすい環境を作ることで、職場全体の連携も強化されるでしょう。定期的に情報共有を行い、チーム全体で後輩の進捗を確認することも重要です。
後輩育成の成果を評価するためには、評価制度とフォローアップを活用することが重要です。定期的な面談を通じて後輩の進捗を確認し、達成した目標や課題を共有することで、適切なサポートが可能になります。評価は後輩のモチベーションを高めるきっかけにもなるため、ポジティブなフィードバックを含めることが効果的です。
厚生労働省の「教育制度(p40)」によると、OJTとは職場内で行われる職業指導手法のひとつで、後輩に対し具体的な仕事を通じて、知識や技術を指導する教育を指します。反対に、Off₋JTは研修や講義を通じて、現場を離れた環境で体系的に学ぶ方法です。2つを組み合わせることによって、理論と実践をバランス良く習得させられます。OJTで得た経験をOff₋JTで補完し、新しい知識を現場で実践する流れを作ると、学びの効果が高まるでしょう。
後輩看護師を育成する際に重要なのが、目標の立て方です。個人に沿った目標を立てることで、後輩が成長しやすい環境を整えられます。
SMART目標は、効果的な目標設定を行うための基準で、「具体的(Specific)」「測定可能(Measurable)」「達成可能(Achievable)」「現実的(Relevant)」「期限付き(Time-bound)」の要素で構成されます。たとえば「1ヶ月以内に患者さんのバイタルサインを正確に行えるようになる」といった目標を設定することで、何をどのように達成すればよいかが明確になります。SMART目標を活用することで、後輩が迷わずに成長を目指せるでしょう。
後輩看護師のスキルや経験に応じた目標設定を行うことは重要です。新人には基本的な業務の習得を中心に、経験者にはより高度な技術や判断力を求める目標を設定しましょう。個々のレベルに応じた目標を設定することで、無理なく成長を促せます。
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目標は短期・中期・長期の3段階に分けて設定すると、後輩が具体的なステップを踏んで成長できます。たとえば、短期目標は「1週間以内に基本的な観察項目を覚えられる」、中期目標では「3ヶ月以内に1人で患者対応ができる」、長期目標では「1年以内に後輩を指導できる立場になる」といった具体的かつに段階的に設定しましょう。後輩は目標達成の達成感を定期的に得られ、モチベーションの維持にもつながります。
後輩看護師の目標管理を個人任せにするのではなく、チーム全体で共有することが重要です。チーム全体で後輩の進捗情報を共有することで、指導者同士が連携しやすくなります。ほかのスタッフからのアドバイスやサポートを受けることで、後輩が多角的な学びを得られる環境を作れるでしょう。また、指導の負担が分散され、後輩の成長がより効率的に進む仕組みを整えられます。
以下の職場は、比較的後輩指導を行うタイミングが少ないとされています。
一般病棟や規模の大きな病院は、働いている職員も多いことから新人看護師や後輩看護師も多く、指導する機会が多いです。しかし、介護施設や保育園、産業看護師など看護師の人数が少なく一人体制であることも多いため、後輩自体が少ないことが考えられます。指導自体に苦手意識がある場合は、上記の職場への転職も検討すると良いでしょう。
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ここでは看護師が後輩を指導する際のよくある質問に対してQ&A方式で回答します。
後輩が提出してきたレポートの出来が悪く、指導が行いづらいという場合は、不足している部分や改善点をポジティブに提案しましょう。単に訂正を求めるだけではなく、後輩を育成する際は考えさせる質問を投げ掛けることで、自分で改善策を考えられる力を育てられます。
後輩に対してイライラする際は、「なぜ自分がイライラしているのか」を冷静に分析すると良いです。期待が高過ぎたり、自分自身の疲れやストレスが影響している場合もあります。「完璧を求め過ぎない」「後輩のペースに合わせる」といった心構えを持つことで、指導の際に余裕を持てるようになるでしょう。
プリセプターシップは主に業務面での指導を担当し、短期間で具体的なスキルを身に着けるサポートを行います。メンターシップは後輩のキャリア形成や精神的なサポートを目的としており、より長期的な関係を築くことを重視しています。2つを適切に使い分けることで、後輩の成長を多角的に支援できるでしょう。
「後輩看護師の指導方法が分からない」「接し方や育成方法で悩んでいる」という先輩看護師もいるかもしれません。時代の変化とともに、価値観や昔とは違う職場環境など後輩の接し方や指導方法も変化しています。自身の指導スキルや、指導時間の確保など後輩の育成にはさまざまな悩みがあるのが現状です。ただ知識や技術を伝えることが指導ではなく、職場の環境づくりや一緒に学ぶ姿勢を見せることで、後輩も安心して学べます。また、教育制度や目標の立て方を知ることで、効率的かつ効果的に成長を促せるでしょう。
「記事を読んでも、後輩の接し方や指導に行き詰っている」「悩みが解消されない」という方は、レバウェル看護への相談もおすすめです。レバウェル看護は転職支援サービスですが、相談のみでも利用可能であり、個人の希望や悩みに沿ってキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングするため、その人にあった回答を得られます。気軽に相談できるうえに、一人で情報収集するよりも詳細な情報を得られるでしょう。
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