
慢性疾患看護専門看護師の資格取得に興味がある方もいるかもしれません。専門看護師は、日本看護協会の認定資格です。この記事では、慢性疾患看護専門看護師の役割や活動内容、活躍の場などを詳しく紹介します。慢性疾患看護専門看護師になる方法や資格を持つメリット、目指す際のポイントにも触れていますので、取得を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
慢性疾患看護専門看護師とは、慢性期疾患に対する看護領域で水準の高い看護を行えると、日本看護協会に認定された看護師を指します。慢性疾患看護は、14つある特定専門看護分野のうちの1つです。
慢性疾患看護専門看護師に期待される主な役割には、以下のようなものがあります。
慢性疾患看護専門看護師の役割は、慢性期疾患の治療を受ける患者さんやそのご家族に対して、療養ケアや自己管理のサポートを提供することです。また、生活習慣病予防や健康増進、看護教育や研究活動にも取り組みます。
慢性疾患は幅が広いため、それぞれの看護師が慢性疾患看護のなかでもより得意な領域(サブスペシャリティ)を持って活躍しています。
日本看護協会の「専門看護師」によると、2024年12月時点で慢性疾患看護専門看護師は、約75%が病院に勤務しており、次に多いのが学校・大学、訪問看護ステーションやクリニックです。以下は、病院勤務の慢性疾患看護専門看護師が所属する部署の割合になります。
| 病院内の所属 | 割合 |
| 病棟 | 46.8% |
| 外来 | 23.6% |
| 看護管理部(室) | 13.9% |
| 地域(在宅部門、訪問看護ステーションを含む) | 2.8% |
| ICU・CCU・HCU等 | 2.8% |
| 救命救急センター | 0.9% |
| その他 | 9.3% |
参照:日本看護協会「専門看護師:分野別・所属施設別登録者数(2024年12月)」
病院勤務の慢性疾患看護専門看護師は、病棟所属、外来所属、看護管理部(室)の順で割合が多くなっています。病棟と外来所属が約7割を占めており、現場で活躍している人が多いようです。
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慢性疾患看護専門看護師の活動内容には、「質の高い看護の実践」「ケアシステムの構築」「医療スタッフに対する教育」「研究活動」などがあります。
先述のとおり、慢性期疾患看護専門看護師は、病院の病棟や外来で活躍している人の割合が多めです。現場の前線で専門性を発揮し、慢性疾患を抱える患者さんとそのご家族に対するより効果的なケアを提供しています。
慢性疾患がある患者さんは、病院療養をする方だけでなく、退院して通院しながら自宅療養する方も少なくありません。直接的なケアに加えて、相談支援や生活指導、意思決定サポートも大切な仕事の1つです。
部署の管理職や看護管理部として、ケアシステムの導入や調整といったマネジメントを行う慢性疾患看護専門看護師もいます。より良い医療を患者さんに提供するために、システムの構築は必要不可欠です。部署間の連携や院外の機関との協力体制の仕組みの構築にも携わります。
慢性疾患看護専門看護師は、慢性期領域で働く看護師やほかのコメディカルに対する助言も行います。教育体制や院内の研修プログラムの構築を任されることもあるでしょう。看護実践の質の向上やチーム医療の体制づくり、看護師の働く環境整備なども活動の1つです。
看護実践のなかで研究活動を行うのも慢性疾患看護専門看護師の役割です。学会に参加し研究発表や論文執筆する機会も増えるかもしれません。臨床現場から離れて大学に所属し、研究や教育活動に専念する専門看護師もいます。
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慢性疾患看護専門看護師になるまでには、「実務経験の基準を満たす」「大学院の修士課程を修了する」「認定審査に合格する」という3つのステップをクリアする必要があります。
慢性疾患看護専門看護師の資格を取得するための要件は、以下のとおりです。
慢性疾患看護の実務研修は、病院やその他の施設・地域医療・在宅医療をフィールドに、慢性疾患を抱える成人患者さんに対する慢性看護に携わった経験を指します。上記の要件を満たしたうえで、大学院の修士課程を修了することが必要です。
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専門看護師認定審査を受験するには、看護系大学大学院修士課程か関連領域の大学院修士課程を修了していることが条件になります。修士課程は約2年で修了目安です。慢性疾患看護専門看護師の課程がある教育機関は限られているため、場所をチェックしておきましょう。住んでいる地域の近くに開講している大学院がない可能性もあります。
大学院を修了したら、年1回の専門看護師認定審査を受験します。審査を受験し、専門看護師に認定されるまでの流れは以下のとおりです。
| 専門看護師に認定されるまでの流れ |
| ・Webで受験の申請をする ・審査書類を提出する(オンラインと郵送) ・審査料を振り込む |
| ・認定審査を受験する 1.書類審査 2.筆記試験(論述式:200点満点、120分間) |
| ・合格発表で合否を確認する |
| ・登録手続きを行う ・認定料を振り込む |
専門看護師の認定審査には、書類審査と筆記試験があります。筆記試験は200点満点の論述式で、制限時間は120分間です。審査受験時と合格後の登録時に、審査料と認定料をそれぞれ振り込む必要があるため、金額を確認して準備しておきましょう。
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この項では、慢性疾患看護専門看護師の資格を取得するメリットを紹介します。取得を目指そうか迷っている方は参考にしてみてください。
レバウェル看護【公式】Instagram (@levwell_kango)では、看護師さんに向けて「キャリアアップを叶えた方!どんな道を選んだ?」というアンケートを実施しました。その結果、「資格&認定を取った」ことでキャリアアップを叶えたとの回答が32%でした。慢性疾患看護の領域でスペシャリストとして活躍し、キャリアアップしたい方に、専門看護師の資格取得はおすすめです。
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専門看護師の資格を持っていると、高い専門性や看護技術を有する証明になるので、転職に有利に働くこともあります。特に慢性疾患は領域が幅広いので、活躍の場もさまざまです。希望する職場やポジション、待遇で転職できることに繋がりやすいといえます。ただし、職場によっては、専門性を最大限発揮できない環境のこともあるので、確認が必要です。
日本看護協会の「2022年度専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査報告書(40p)」によると、慢性疾患看護専門看護師の平均給与月額は約42万円です。専門資格を取得したことで、基本給アップや資格手当が支給されたり、昇進して給与がアップしたりする職場もあります。
厚生労働省の「職業情報サイトjob tag:看護師」によると、看護師の平均給与は約26万(2024年時点)です。専門看護師になる人は経験年数を重ねていることもあるが、資格取得が給与アップに繋がっている可能性もあるといえます。
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慢性疾患看護専門看護師を目指そうと考えたら、まずは情報収集と準備をしましょう。資格取得に適した職場への転職もおすすめです。
専門看護師の資格を取得するには、大学院に入学する必要があります。入学資金や大学院の入学試験の準備は、前もってしておきましょう。専門看護師の資格取得までには、およそ200万円かかると言われています。通学のために引っ越しする人もいるでしょう。情報収集をし、奨学金の活用も検討してみてください。
専門看護師を目指したい方は、現在の職場が実務研修の要件に当てはまるフィールドかどうかを確認しましょう。また、業務負担が大きく残業が多い職場だと、資格取得の準備をするのも大変です。その場合は、転職も検討してみてください。
求人を探す際は、資格取得支援があるか、取得後に専門性を発揮できる現場か、資格が待遇に反映されるかもチェックするのがおすすめです。
ここでは、慢性疾患看護専門看護師に興味を持っている人のよくある疑問を、Q&A形式で紹介します。
日本看護協会の「都道府県別登録者数【全体版】【分野別】(日本地図版)(9p)」によると、慢性疾患看護専門看護師の登録者数は、287名(2024年12月時点)です。東京都に集中している傾向にあります。専門看護師の全体人数は3,473名(2024年12月時点)です。
専門看護師の役割の1つに研究活動があります。看護の質の向上のために、研究は専門看護師の大切な活動の1つです。研究会に参加して実績を作ることは、5年に一度の専門看護師資格の更新条件にも含まれています。
老人看護専門看護師は、認知症や嚥下障害など高齢者特有の複雑な健康問題に対するケアを専門とします。慢性疾患看護分野では成人の慢性疾患全般を対象とするので、老人看護専門看護師より幅広い領域を専門とするのが大きな違いです。
慢性疾患看護専門看護師とは、慢性疾患を抱える患者さんやそのご家族を対象とした、質の高い看護の提供を目指すための専門性を有すると認められた看護師のことです。日本看護協会の認定資格の1つになります。取得するメリットは、慢性疾患看護における高い技術や知識を持つことの証明になることです。慢性疾患看護専門看護師になるには、規定の実務研修を含めた勤務経験年数を満たし、大学院の修士課程を修了したうえで、認定審査に合格する必要があります。資格を取得するまでには少なくない時間や資金がかかるため、事前の情報収集や準備が不可欠です。
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