
経験を積んできた看護師の中には、「専門看護師になった方が年収が上がる?」とお考えの方もいるのではないでしょうか。専門看護師になると業務の幅が増えるため、基本的に収入アップにつながります。
この記事では、専門看護師の平均年収を年齢別・分野別にまとめました。また、認定看護師との年収差や専門看護師になる方法、資格取得以外で収入を上げる働き方も解説しているので、ご一読ください。
日本看護協会の「「2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書(39p)」によると、専門看護師の平均給与総額は約43万円であり、それを12ヶ月分と計算した場合、平均年収は約518万円となります。
| 専門看護師の平均給与総額 | 専門看護師の平均年収 |
| 43万2,009円 | 518万4,108円 |
参照:日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査 報告書(39p)」
同資料によると、看護師全体の平均給与が約43万円、平均年収は約516万円です。大きな差がないように感じるものの、専門看護師は給与総額40万〜50万円未満の割合が約45%もいることが分かり、比較的高給与なことが特徴です。
ただし、専門看護師の平均年収は年齢や役職の有無、職場の規模などによるため、あくまでも参考程度に留めてください。
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一般的に年齢が上がるにつれて看護師の年収も高くなる傾向にあります。以下では、年齢別の専門看護師の平均年収をまとめました。
| 年齢層 | 平均給与総額 | 平均年収 |
| 20~29歳 | 33万6,246円 | 403万4,952円 |
| 30~39歳 | 38万7,241円 | 464万6,892円 |
| 40~49歳 | 42万3,522円 | 508万2,264円 |
| 50~59歳 | 45万9,478円 | 551万3,736円 |
| 60歳以上 | 45万2,097円 | 542万5,164円 |

参照:日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査 報告書(39p)」
※平均年収は給与総月額を12ヶ月分として独自に計算したものになります。また、上記は専門看護師・認定看護師両方持っている方の平均データです。
専門看護師の年収は、年代が上がるにつれて大きくアップすることが分かりました。特に20代と30代では約60万円も年収に差があります。また、最も高いのは50代の約551万円であり、専門看護師としてキャリアを積み役職に就く可能性があることも関係しているでしょう。
専門看護師の働く分野によってどのくらい平均年収に差があるのか、以下で紹介します。これから資格取得を検討している方も、参考にしてみてください。
| 分野 | 平均給与総額 | 平均年収 |
| 全体 | 43万5,291円 | 522万3,492円 |
| がん看護 | 42万7,220円 | 512万6,640円 |
| 精神看護 | 42万8,486円 | 514万1,832円 |
| 地域看護 | 41万0,996円 | 493万1,952円 |
| 老人看護 | 45万9,810円 | 551万7,720円 |
| 小児看護 | 44万3,733円 | 532万4,796円 |
| 母性看護 | 47万0,038円 | 564万0,456円 |
| 慢性疾患看護 | 42万5,479円 | 510万5,748円 |
| 急性・重症患者看護 | 44万6,566円 | 535万8,792円 |
| 感染症看護 | 44万9,720円 | 539万6,640円 |
| 家族支援 | 42万4,541円 | 509万4,492円 |
| 在宅看護 | 42万2,921円 | 507万5,052円 |
| 遺伝看護 | 35万8,550円 | 430万2,600円 |
| 災害看護 | 42万5,883円 | 511万0,596円 |
参照:日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査 報告書(40p)」
※平均年収は給与総月額を12ヶ月分として独自に計算したもの
専門看護師の中では、「母性看護」「老人看護」「感染症看護」といった分野が比較的高収入のようです。周産期母子援助や高齢者のケアといった専門性の高い業務や、どのような職場でも必要とされる感染症管理など、仕事の幅が広がる分野は資格手当だけではなく基本給が高めな可能性もあります。
実際の給与や年収は職場によるため、上記はあくまでも目安として参考にしてください。
ここでは、病床数別で専門看護師の平均年収を紹介します。病院の規模による年収差を把握したい方は、確認してみましょう。
| 病床数 | 給与総月額 | 平均年収 |
| 全体 | 43万1,730円 | 518万0,760円 |
| 99床以下 | 39万3,792円 | 472万5,504円 |
| 100~199床以下 | 43万8,029円 | 525万6,348円 |
| 200~299床以下 | 38万7,293円 | 464万7,516円 |
| 300~399床以下 | 41万3,930円 | 496万7,160円 |
| 400~499床以下 | 42万2,292円 | 506万7,504円 |
| 500床以上 | 44万4,497円 | 533万3,964円 |
参照:日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査 報告書(45p)」
※平均年収は給与総月額を12ヶ月分として独自に計算したもの
専門看護師の平均年収は、基本的に病床数が多いと高い傾向にあるようです。最も高年収なのは500床以上の病院であり、99床以下とは約60万の差があります。規模の大きな病院ほど専門看護師が高給与なのは、「看護師の業務量が多い」「運営元が安定していて待遇面が良い」といった理由が考えられます。
専門看護師の中でも、勤務先の立場や役割によって年収に差があるようです。以下の表で詳しくまとめています。
| 勤務先での職位 | 給与総月額 | 平均年収 |
| 全体 | 43万2,009円 | 518万4,108円 |
| スタッフ(非管理職) | 39万1,833円 | 470万1,996円 |
| 中間管理職(主任相当職、副看護師長相当職、看護師長相当職) | 44万9,582円 | 539万4,984円 |
| 管理職(副看護部長相当職、看護部長相当職、副院長相当職(部長兼任含む)) | 52万9,156円 | 634万9,872円 |
| 中間管理職、管理職ではないが、専門看護師資格を活かした役割を持っている | 40万2,010円 | 482万4,120円 |
| 経営者、開設者、代表等 | 49万8,000円 | 597万6,000円 |
| その他 | 49万0,166円 | 588万1,992円 |
参照:日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査 報告書(47p)」
※平均年収は給与総月額を12ヶ月分として独自に計算したもの
同じ専門看護師でも、非管理職と何かしらの役職に就いている看護師では年収に大きな差があるようです。非管理職から主任や副看護師長といった中間管理職になると、約70万円も年収アップすることが分かります。何かしらの管理職に就く看護師は経験年数を重ねている場合が多いため、高給与な傾向にあることも影響しているでしょう。
日本看護協会の資料(26p)によると、専門看護師の資格手当が毎月支給される職場の場合、平均資格手当額は1万1,279円という結果です。資格手当のみで、年間13万5,000円ほどになります。看護師によっては「大幅な年収アップにつながらない」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、専門看護師になると看護師として評価されて昇給したり、ボーナス額が増えたりする可能性もあるため、その結果年収自体が上がることも考えられます。
先述したように専門看護師の分野ごとに収入差があるため、資格手当の額も異なる可能性はあるでしょう。具体的なデータはありませんが、「専門性が求められる分野」「難易度の高い看護を実践する分野」は、資格手当も高めかもしれません。
専門看護師と認定看護師は、ともに「キャリアアップにつながる資格」とイメージする方も多いといえますが、平均年収には多少差があるようです。日本看護協会の資料(19p)を参考にすると、専門看護師の方が認定看護師より基本給・給与ともに高いことが分かります。

【専門看護師】
| 平均基本給月額 | 平均給与総月額 | 平均年収 |
| 33万1,456円 | 43万5,291円 | 522万3,492円 |
【認定看護師】
| 平均基本給月額 | 平均給与総月額 | 平均年収 |
| 31万9,013円 | 42万9,170円 | 515万0,040円 |
参照:日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査 報告書(19p)」
※専門看護師・認定看護師両方の資格者は「専門看護師」に含めて集計
※平均年収は給与総月額を12ヶ月分として独自に計算したもの
上記はあくまで目安ですが、年収相場で見ると、専門看護師と認定看護師には約7万3,000円の差があります。どちらも貢献度の高い資格であるものの、専門看護師の方が患者さまだけではなくご家族や地域と関わりながら働く機会が多く、業務の幅が広いことが関係しているかもしれません。
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専門看護師は資格の分野や職場によって仕事内容が異なるため、年収と業務のバランスが合っているかも、感じ方は人それぞれでしょう。専門看護師は、より実践的で質の高いケアを行うだけではなく、職場によっては人材育成に携わることもあり仕事も忙しくなります。
日本看護協会の資料(28p~30p)によると、現在の職場のからの待遇面に対して「不満」と感じている専門看護師は、約4割と比較的多いことが分かりました。
専門看護師の資格を活かして働くことで給与は多少アップしても、「仕事とのバランスに納得いっていない」と感じる方が多いのかもしれません。一方、2割程度の方は「満足」「やや満足」と回答しているため、職場や看護師によって、仕事の大変さは異なるといえます。
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ここでは、専門看護師として勤務するメリットを解説します。今後看護師としてスキルアップ・キャリアアップしたい方も、参考にしてください。
先述したように専門看護師として働くことで、基本的に平均年収はアップします。職場によっては専門看護師として勤務していなくても、資格を取得しているだけで手当を受けられる場合もあるでしょう。そのため、これまでは「夜勤に入らないと高収入を得られないのでは…」と考えていた方も、専門看護師になれば日勤メインでも好条件で働ける可能性もあります。
専門看護師の資格を得ることで専門知識やスキルを活かして働けるため、活躍の場が増えるはずです。具体的な業務は分野や職場により異なりますが、緊急度の高い患者さまへのケアや疾患の療養支援、他職種との連携など、多岐にわたります。部署内でも頼りにされたり患者さまやご家族に感謝されたり、看護師としてやりがいを感じられるかもしれません。
専門看護師になるとより質の高い看護を行えるため、任される仕事も増えて職場から評価されやすくなります。現場の調整やマネジメントにも携わる機会も多くなるため、キャリアアップや昇進する看護師もいるはずです。そのため、これまで以上にモチベーション高く働けるようになったり、今後転職を考える際も好条件で求人を探せたりする場合もあります。
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専門看護師になるためには、受験資格を得てから認定審査に合格する必要があります。ここでは、専門看護師の資格取得までの基本的な流れをまとめました。
専門看護師の受験資格は、以下のとおりです。
日本看護協会の「専門看護師」によると、実務研修は、「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」の6項目の実務研修を受ける必要があります。具体的なフィールドは分野によって異なるので確認してください。
試験の審査方法は、書類審査と筆記試験(論述式)です。審査の詳細は以下になります。
| 出題方式 | 配点 | 試験時間 |
| 事例問題 | 100点 | 120分 |
| 総合問題 | 100点 |
認定審査は年に1回なので、働きながら取得を目指す方は仕事の調整に注意しましょう。試験の合否は審査・申請の専用システムで発表されるようです。認定審査に合格した場合は、専門看護師登録手続きを行います。
専門看護師の目指す方法の詳細は、「専門看護師とは?役割と資格の取得方法を解説!認定看護師との違いも」の記事をご一読ください。
専門看護師の資格を取得するまでに、一般的には200万円ほどかかるといわれています。主に以下のような費用がかかるようです。
通学先の大学院が自宅から遠い場所であれば、さらに交通費や住居費がかかる方もいるでしょう。また、資格取得後は5年ごとに約5万円の更新料が必要になります。
「専門看護師になりたいけど、約200万円の支出は厳しい…」とお悩みの方は、奨学金や助成金制度を利用する方法もあります。看護サービスの向上を目的として、専門看護師を目指す方が学費や生計費の一部の支援を受けられる制度があるようです。詳しい内容や利用までの流れは制度によって異なるため、気になる方はチェックしてみましょう。
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「働きながら専門看護師の資格を目指すのは難しそう…」とお悩みの方は、働き方を変えることで今より年収を増やせる可能性もあります。以下で詳しく解説しているので、確認してみましょう。
看護主任や看護師長といった管理職に就くと役職手当が支給される職場も多く、年収も増えるでしょう。管理職は看護目標の設定や新人教育、ほかの看護師の相談対応などを担います。一気に活躍の場も増えるため、昇給する可能性も高いといえます。管理職になるには、基本的には必須資格はないため、現在の職場で経験を積み実績を残すことが重要です。
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夜勤回数を増やしたり、現在日勤メインの方は夜勤に入ったりすることで、年収アップを狙えますよ。日本看護協会の「2023年 病院看護実態調査 報告書(31p)」によると、二交替の平均夜勤手当額は1万1,368円、三交替の準夜勤では平均4,234円、深夜勤は5,199円という結果です。月の夜勤回数は勤務形態や職場によりますが、夜勤手当のみで月に約3万5,000円〜約5万円になります。夜勤専従の場合、さらに高収入を目指せるはずです。
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資格の取得以外に年収アップするには、今より条件の良い職場へ転職するのも一つの方法です。具体的には、「基盤が安定している規模の大きな病院」「自由診療が多い美容クリニック」などが挙げられます。これらの職場は福利厚生が充実している傾向にあり、手当が充実していたり、独自の休暇制度が設けられていたりする所が多いかもしれません。看護師にとって働きやすい環境といえるでしょう。
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ここでは、専門看護師の年収についてよくある質問をQ&A形式で紹介します。
専門看護師の年収相場が約518万円なので、1,000万を目指すのはなかなか難しいといえます。また、資格取得後もすぐに大幅な年収アップが叶うとは限りません。専門看護師としてさらに高年収を得るには、「夜勤回数を増やす」「高待遇な職場に転職する」といった方法があります。詳しくは「看護師は年収1000万円を目指せる?稼ぐ人の特徴や給与がアップする方法」の記事をご覧ください。
専門看護師について、現時点で廃止の予定はありません。2026年度に廃止されることが決定しているのは、特定行為研修を含まない認定看護師制度(A課程)になります。より質の高い、充実した医療の提供を目的とした制度改正によるもののようです。認定看護師という資格自体がなくなるわけではないので、気になる方は「認定看護師はなくなる?2020年度開始の新制度と資格の取得方法を解説」の記事をチェックしてみてください。
専門看護師や認定看護師といった上位資格を取得することで、給料アップする看護師は多いでしょう。ただし、資格を取得するまでに時間や労力もかかり、看護師として働きながらだとハードかもしれません。認定看護師の詳細は「認定看護師になるには?資格取得の手順とメリットとは?必要な費用も解説!」をご覧ください。将来のために上位資格の取得を検討している方は、資格取得支援のある職場へ転職するのも一つの方法です。
専門看護師の平均年収は約518万円であり、一般的な看護師より高年収な傾向にあります。また、年齢が上がるほど年収が上がりやすいため、モチベーションを維持して看護師として長く活躍したい方にとって、メリットの多い資格といえるでしょう。
ただし専門看護師になるには、看護系大学院で教育課程を修了し、5年以上の実務研修を経験するなど、すぐに取得できるものではありません。年収アップを叶えたい方は、自身のキャリアプランや希望条件を考慮したうえで、資格取得を検討することが大切です。
「今の職場で年収アップは難しいので、専門看護師を目指すべき?」と現状を判断するのが難しいという看護師さんは、転職のプロに相談するのがおすすめです。
看護師専門の転職エージェントである「レバウェル看護」では、実績のあるキャリアアドバイザーが、希望条件をしっかりヒアリングします。そのうえで資格取得支援のある求人をはじめ、専門看護師以外でも高給与を得られる働き方や職場も提案することも可能です。
今はまだキャリアプランが具体的に定まっていないという方も、前職の実績や経験、適性などをふまえてキャリアプランをともに考えます。サービスはすべて無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
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