慢性期看護師とは?急性期や回復期との違い、必要とされる役割を解説!

慢性期で働く看護師とは 求められる役割を解説のイメージ

「慢性期看護師に興味がある」「仕事内容について知りたい」と考えている方もいるでしょう。慢性期の看護師は、患者さんに対して日常生活援助など長期的な視点でサポートするのが主な役割です。本記事では、急性期との違い以外にも実際の職場についても解説します。1日のスケジュールや向いている人の特徴についてもまとめているので、ぜひ最後までご一読いただき参考にしてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

慢性期の看護師とは?

慢性期の看護師は病状が安定した患者さんに対し、「その人らしい」日常生活を送れるよう、長期的な視点で支援を行うのが役割です。慢性期患者さんは高齢者や生活習慣病などで入退院を繰り返す方が中心であり、複数の疾患や身体・認知機能の低下が複雑に絡み合っています。
厚生労働省の定義に基づき、長期にわたり療養が必要な患者さんや、意識障害を含む重度の障害者・難病患者などを受け入れる医療機能を担っていることが特徴です。患者さんの残存機能を活かし、身体的、精神的、社会的な側面から多角的に関わり、病気と付き合いながらの自立した生活をサポートします。ADLが全介助の患者さんや、意識障害、認知症などにより意思疎通が困難な方への個別的な対応も業務の一つです。

出典
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慢性期と急性期・回復期・終末期の違い

慢性期と急性期では行う治療法や看護の仕方も変わってきます。看護師として働く際には、急性期と慢性期、それぞれどちらが合っているか向き不向きを確認しておくと良いでしょう。また、ここでは回復期と終末期の違いもまとめて解説します。

【急性期】病気や怪我の初期段階

急性期は、病状が不安定な初期段階であり、症状の観察や処置などの集中的な治療を日常的に必要としている患者さんが入院しています。発症初期を指す場合が多く、主に病状を安定させるための治療や手術が行われる時期です。経過が短く、患者さんの状態は刻一刻と変化するため、命の危機がある24時間気の抜けない状況が続きます。長期にわたり病状が安定している慢性期とは対照的な時期だと言えるでしょう。

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【回復期】リハビリや退院を考える時期

回復期は、急性期を乗り越え、患者さんの容体がある程度安定した時期です。ADL(日常生活動作)の向上や在宅復帰を見据えた医療・リハビリテーションが行われます。看護師は患者さんの不安を傾聴し、病気や障害の状態を説明するなど、精神的なケアも重要な役割です。退院後の社会復帰を見据える点が、主に長期療養となる慢性期との大きな違いだと言えるでしょう。

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【終末期】最期を迎える場所

ターミナル期とも呼ばれ、「これ以上治療しても助かる見込みがない」と判断された状況の方が入院します。数週間から数ヶ月程度で死を迎えることが予想される時期を指していますが、厳密な定義はありません。延命を目的としないケアが中心となり、患者さんの痛みを取り除く緩和ケアが重視されます。体力維持や再発予防のための治療を行う慢性期とは異なり、最期の瞬間を迎えるためのケアを提供する場所です。

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慢性期看護師が勤める職場4選

慢性期看護師が勤める主な職場は、療養型の病院や介護施設が多いようです。それぞれの特徴と違いをまとめました。

1.医療療養病床(療養型病院)

長期にわたり療養を必要とする患者さんを対象とした医療保険適用の病床です。ADL(日常生活動作)が低く、医療の必要度が高い患者さんが多くを占めます。慢性期における継続的な医療管理と看護を提供する主要な場だと言えるでしょう。令和7年2月時点で、「療養病床を有する病院(再掲)」は3326床、一般診療所の「療養病床を有する一般診療所(再掲)」409床、療養病床の総数は26万7616床でした。

出典
厚生労働省「医療施設動態調査(令和7年2月末概数)」(2025年10月28日参照)

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2.介護老人保健施設

介護老人保健施設は、要介護者に対し、在宅復帰を目指した支援を行う医療提供施設です。看護と医療、医学的管理下の介護、機能訓練(リハビリ)などが提供されます。医療と介護の中間的な役割を持ち、集中的なリハビリに重点を置いているのが特徴です。病院から在宅へ戻るための中間施設としての機能を持ちます。

3.介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

介護老人福祉施設は、要介護者のための生活施設であり、入所者の在宅復帰を目指す支援を行います。入浴や食事などの日常生活上の支援、機能訓練、療養上の世話が主な役割です。
社会福祉法人や自治体が運営する公的施設であり、原則として要介護3以上が入居条件となっています。

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4.有料老人ホーム

有料老人ホームは、民間企業が運営する施設であり、提供サービスや入居条件は施設によって異なります。「介護」「食事の提供」「家事」「健康管理」のいずれか一つ以上を行っているのが特徴です。施設によっては介護認定を受けていない者も入居できるなど、入居条件が多様だと言えます。充実したリハビリやこだわりの食事など、付加価値の高いサービスを提供する場所です。

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慢性期看護師の仕事内容と役割

慢性期看護師は患者さんの日常生活援助を行いながら、長期的なサポートを行うことが主な役割です。

仕事内容

業務の中心は、食事・入浴・排泄・口腔ケアなどの日常生活援助です。

  • 状態観察:バイタルサイン測定、皮膚・呼吸状態の観察
  • 処置や検査:与薬、点滴、採血
  • 褥瘡ケア:清潔保持、体位変換
  • 呼吸ケア:喀痰吸引、呼吸器管理

環境整備や持ち物の整理、散髪の手配など、患者さんと家族の意向に合わせた身の回りのお世話を行います。

役割

患者さんが疾患と向き合いながら、その人らしい生活を送るための長期的なサポートを提供することが主な役割です。患者さんや家族の意向・価値観を尊重するため、コミュニケーションを重ねた個別的な看護を目指します。日々の観察を通じて早期に異常を発見し、症状悪化や合併症のリスクを予防することも重要です。高齢者も多いため、廃用症候群の予防やターミナルケアへの対応も重要な役割となります。

慢性期看護師の1日のスケジュール例

ここでは、慢性期で働く看護師の1日スケジュールを日勤と夜勤の二交替制に分けて紹介します。職場によっても、細かい業務内容や流れは異なるため参考程度にとどめましょう。

日勤の流れ

慢性期看護師の日勤の1日スケジュールは以下のとおりです。

時間帯主な業務内容詳細・ポイント
8:30〜9:30業務開始・朝のケア申し送り、情報収集、挨拶、清潔・排泄ケア
9:30〜11:30ラウンド・経管栄養バイタル測定、点滴・吸引、記録、経管栄養実施
11:30〜13:30食事介助・休憩食事介助、服薬、口腔ケア、交代で昼休憩
13:30〜15:00カンファレンス・午後ケア情報共有、体位変換・排泄ケアを実施
15:00〜16:30ラウンド・日常生活の援助観察、環境整備、足浴や爪切りなど
16:30〜17:30申し送り・退勤準備経管栄養、吸引、夜勤者へ申し送り

配置人数は急性期の7:1に対し20:1と少なく、看護師一人あたりの受け持ち患者数が多いことが特徴です。看護師は看護補助者などと連携し、役割を分担しながら患者さんの看護や日常生活援助を行います。入浴日など、患者さんの生活に関わるイベントがある日はスケジュールが変動することもあるでしょう。

夜勤の流れ

夜勤では16時半〜9時までの流れについてまとめました。

時間帯主な業務内容詳細・ポイント
16:30〜18:00業務開始・夕食介助日勤者からの申し送り、挨拶、経管栄養、食事介助、与薬、口腔ケア
18:00〜21:00ラウンド・就寝準備バイタル測定、排泄ケア、体位変換、就寝前の環境調整
21:00〜0:00消灯・記録・見回り消灯後の見回り、ナースコール対応、カルテ記録。交代で休憩を取る
0:00〜6:00夜間ケア・観察定期ラウンド、吸引や体位変換、経過観察。交代で仮眠をとる
6:00〜8:00早朝ケア・朝食介助採血、バイタル測定、食事介助、経管栄養、与薬、口腔ケア
8:00〜9:00申し送り・退勤準備日勤者への申し送り、退勤前の最終ラウンドと吸引対応

勤務人数が日勤に比べ少なくなるため、看護師一人あたりの受け持つ患者数がさらに多くなるでしょう。消灯後の落ち着いている時間帯に、カルテのチェックや病棟の物品チェックなど、日勤帯ではできない業務を行うこともあります。少ない人数で24時間体制の看護を継続するため、日々の協力体制が不可欠です。

慢性期看護師に向いている人の特徴

慢性期看護師は、仕事と生活の両立を重視したい人や患者さんとじっくり向き合いたい人、家族看護や多職種連携が得意な人に向いています。ここでは5つの特徴についてまとめました。

ワーク・ライフ・バランスを重視したい人

慢性期患者さんは急変が少ないため、突発的な事象も起こりにくいという特性があります。1日の看護業務がある程度決まっているため、残業が少なく、定時で帰りやすい傾向にあると言えるでしょう。急性期や回復期と比べて、特に子育て中の方にとっては仕事と家庭を両立しやすい環境です。規則的な勤務スケジュールの中で、プライベートな時間を確保したい人に向いている職場だと言えるでしょう。

患者さん一人ひとりと向き合いたい人

経過が穏やかな慢性期では、個別に関わる時間が多く、患者さんと向き合いやすい環境です。目まぐるしい急性期などで、一人ひとりへの対応不足に悩んでいる看護師にとって適しているでしょう。患者さんとの距離の近さから深い信頼関係を築くことができ、そこに大きなやりがいを感じられます。患者さんの生活背景や価値観を深く理解し、それに沿ったケアを提供できる環境です。

家族看護を学びたい人

慢性期の長期にわたる入院生活では、患者さんだけでなくその家族も疲弊することがあります。家族看護とは、家族の健康やケア機能を高めるための援助を行うことです。看護師は家族とコミュニケーションを取り、患者さんの状況を受け入れられるよう支える役割を担います。患者さんと家族が落ち着いた良い時間を過ごせるようサポートしたいと考える人に向いているでしょう。

他職種との連携が得意な人

慢性期看護では、合併症リスクや複数の原因による症状を抱える患者さんが多く、多角的なケアが必要です。医師、管理栄養士、リハビリ職(PT・OT)など、多様な職種と連携しながら日々のケアを行わなければいけません。チーム一丸となって患者さんの症状改善やQOL向上に取り組むため、多職種連携にやりがいを感じられる機会が多いでしょう。チーム内での情報共有や調整を積極的に行えるコミュニケーション能力が求められます。

慢性期病棟への転職で自分らしく働いている看護師の声

新卒で急性期・救急外来を経験されたWさんですが、訪問看護を通じて高齢者看護にやりがいを見出し、理想の看護観を持つようになりました。しかし、転職先の医療療養型病棟は、看護師配置が25対1と少なく、夜勤はギリギリで残業が常態化している厳しい環境。
職場ではコミュニケーションが難しい患者さんが多いにも関わらず、先輩看護師は声掛けが少なく、褥瘡が見られる状況でもケアが不十分でした。Wさんが理想とするケアを実践しようとすると、かえって嫌味を言われ、孤立してしまったそうです。

思い描いた看護が全く実践できない環境に、Wさんは精神的・体力的に疲弊し、「看護師を辞めたい」とまで思い詰めてしまいました。転職エージェントに相談され、上司へも掛け合いましたが状況は改善せず、転職を提案。Wさんは高齢者看護への情熱は失っていなかったため、エージェントは彼女の急性期スキルを活かし、患者さんのQOL向上を掲げる一般病院の慢性期病棟を紹介しました。

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慢性期看護で大切なことは?

慢性期看護において、患者さんの気持ちを受け止め、些細な変化に気づき敬う姿勢を忘れないことは大切です。

患者さんが抱える気持ちを受け止めること

長期的な治療や療養生活に対してマイナスな気持ちを抱える患者さんの不安を受け止めることは重要です。患者さんの気持ちを尊重しつつ、継続的な治療を受けられるよう精神的な後押しを行いましょう。傾聴と共感を通して信頼関係を築き、治療への意欲を維持できるよう援助することが大切です。

些細な変化もいち早く気づくこと

看護師には、どのような小さな身体的・精神的な変化も見逃さない観察眼が求められます。寝たきりや認知症の高齢患者など、自分で症状を訴えられないケースが多いからです。患者一人ひとりとじっくり向き合い、表情や呼吸の違いといったサインを読み取ることが大切だと言えるでしょう。早期に異常を発見することは、状態悪化や合併症を防ぐためにも大切です。

患者さんを敬う姿勢を忘れないこと

高齢者が多い慢性期の患者さんに対し、敬意を払って接することが基本となります。年長者の患者さんの中には、自身の病状や病院について看護師より詳しい知識を持っている場合もあるでしょう。相手を人生の先輩として敬い、「教えてもらう姿勢」を持つことが、良好な関係構築につながります。

慢性期看護師に関するよくある質問

ここでは慢性期看護師に関するよくある質問に対してQ&A方式で回答します。

看護師が慢性期病棟で働くメリットとデメリットを知りたい

メリットとして、残業や突発的な業務が少ないため、家庭と仕事を両立させやすい環境が挙げられます。また、患者さんのその人らしい生活を送るための個別的なケアに専念できることも利点だと言えるでしょう。その反面、日常生活援助が中心となるため、体力的な負担が大きくなることや、急性期での看護スキルが低下する不安などデメリットもあげられます。

慢性期看護師の求人を探す際のコツを教えてください

勤務条件、給与、施設の種類など具体的な希望条件を明確にし、優先順位をつけて効率的に求人を絞り込むと良いでしょう。これまでの経験や得意なスキルなどの「強み」を整理し、それを活かせる職場を探して自己アピールに活用します。専門的な情報を持つ転職エージェントを活用し、非公開求人や職場の内部情報、待遇交渉のサポートを得ると良いでしょう。

慢性期看護師は新卒でも就職できますか?

新卒での就職は可能であり、慢性期病院や介護施設でも新卒看護師の採用は行われています。長期的な患者・家族との関わりや生活を支援する視点が重視されるため、これらの看護に意欲がある人に適しているでしょう。新卒の場合は、入職後の不安を軽減するために教育・研修体制が整っている施設を選ぶことが重要です。

まとめ

慢性期の看護師は、病状が安定した患者さんに対し、「その人らしい」日常生活を送れるよう、長期的な視点でサポートすることが主な役割です。病気や怪我の初期段階である急性期とは違い、一人ひとりの患者さんとじっくり関われるでしょう。
慢性期の病院や施設への転職を考えている方はレバウェル看護の利用がおすすめです。慢性期看護師の働き方について相談ができます。プロのアドバイザーが自分に合った求人を紹介してくれるため、ミスマッチが起こりにくいのが特長です。利用料無料のレバウェル看護なら、相談のみでも受け付けているので、ぜひお気軽にご相談ください。

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