看護師の派遣は禁止?許可されるケースとその理由、働く際の注意点も解説

この記事は、看護師の派遣が禁止かどうかと、認められる条件を解説します。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

看護師の派遣は禁止ではない?法律上は?

派遣とは、派遣会社が労働契約を結んだ労働者が、人材を求めている職場に派遣される雇用形態です。給与は、基本的に勤務先である派遣会社から支給されます。

現在、看護師の派遣は一部条件付きで許可されており、全面禁止ではありません。看護師の派遣労働については、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令(第2条)」で定められています。

以前は医療従事者の派遣が全面禁止だった

1985年に施行された当時の法律では、派遣事業が可能な業種は限られていました。法改正の度に対象業種が増えていったものの、看護師を含む医療関係業務の派遣は近年まで全面禁止でした。全面禁止の理由は、医療業務では安全性や職員間の連携体制を保つ必要があるという観点から、派遣事業に適さないと判断されていたからです。

2006年の派遣法改正により条件付きで一部解禁された

2006年の派遣法改正によって、看護師の派遣が一部条件付きで解禁されました。ただし、以下に挙げた病院や診療所などで行う医療関係業務の派遣は、現在も禁止とされているので注意が必要です。

  • 病院、診療所
  • 助産所
  • 介護医療院
  • 介護老人保健施設
  • 医療を受ける人の居宅(訪問看護等)

医療機関とみなされる施設での看護業務のほか、患者さんの居宅で行う訪問看護業務も、派遣が禁止されています。上記以外の施設で業務する場合や許可条件に該当する場合は、看護師も派遣として働くことが可能です。

出典
e-GOV法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令」(2026年2月9日参照)
日本派遣看護師協会「派遣で働くためのルール・条件」2023年6月20日(2026年2月9日参照)
厚生労働省「労働者派遣事業を行うことができない業務は」(2026年2月9日参照)
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看護師の派遣が認められる4つのケースとその理由

下記のいずれかの条件に該当する場合、派遣会社は医療機関へ看護師を派遣することが認められています。派遣看護師の仕事に興味がある方は確認してみてください。

1.紹介予定の職場へ派遣

看護師の派遣が許可される条件の1つが「紹介予定派遣」であることです。紹介予定派遣とは、採用前の職場との相性を確かめる「短期間のお試し勤務を目的とした派遣」を指します。3~6ヵ月後に職場との直接雇用に切り替わることを前提としているため、看護師の派遣も可能になっているようです。

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2.休業取得中の職員の代替として派遣

産前産後休業・育児休業・介護休業などを取得している労働者の代わりとして、業務する場合も看護師の派遣が可能です。休業中の職員は雇用されたままの状態にありますが、その分の人手は不足します。休業開始から復帰するまでの期間限定で人を雇う必要があるため、派遣看護師を募集できるようになっています。

3.へき地にある病院・診療所へ派遣

へき地や特定の地域(厚生労働省令で定める場所)にある医療機関で業務する場合も、看護師の派遣が認められます。一部地域では人材が不足しており、医療の提供が困難な状況です。へき地医療の不足を補うため、看護師の派遣が許可されています。
北海道や沖縄、人口が多い都市圏など、人手不足の地域の医療機関へ派遣されて働く看護師は、応援ナース・トラベルナースとも呼ばれているようです。

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4.医療機関に該当しない施設へ派遣

下記に挙げる施設は法律の解釈上で医療機関に該当せず、看護師の派遣が可能です。

  • 有料老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 社会福祉施設
  • デイサービス
  • 保育園
  • 訪問入浴介護事業所

医療機関以外へ看護師の派遣が認められているのは、基本的に利用者の健康管理が看護師の主な業務になることが理由とされています。
派遣看護師の仕事を主な収入源としたいと考えている方は、特定地域への応援ナースや医療機関以外への派遣がおすすめです。まずは派遣会社や転職エージェントに登録し、派遣を募集している職場の情報をチェックしてみましょう。

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出典
厚生労働省「労働者派遣事業を行うことができない業務は」2023年6月20日(2026年2月9日参照)

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看護師の短期派遣・日雇派遣は禁止されている?

この項では、看護師の短期派遣と日雇派遣について解説します。短期派遣と日雇派遣の大きな違いは、派遣会社との契約日数です。

派遣会社と31日以上の労働契約を結ぶ場合は可能

派遣会社と31日以上の労働契約を結び、週20時間以上の労働が見込まれる場合の「短期派遣」は可能です。これは看護師も同様で、前述の条件に当てはまれば短期派遣で働けます。短期の派遣看護師求人は、派遣先の施設で働くのが数日間でも、派遣会社との契約期間自体は31日以上で結ぶことがほとんどのようです。
また、週20時間未満でも、以下に当てはまれば短期派遣が許可されています。

  • 本業の収入が500万円以上
  • 世帯収入が年間500万円以上
  • 60歳以上
  • 雇用保険の適用を受けない学生

条件に当てはまる人は、副業として短期派遣の看護師をすることもできるでしょう。

限定的な条件に限り日雇派遣も可能

一方、30日以内の契約である日雇派遣は、一部の業務を除いて法律上禁止されています。看護師も基本的には禁止ですが、へき地の医療機関と社会福祉施設等への日雇い派遣のみ解禁されています。社会福祉施設に限定される理由は、看護師のおもな業務が利用者さんの健康管理で、派遣で人員の入れ替わりがあっても支障が少ないと判断されているからのようです。

出典
厚生労働省「クローズアップ知っておきたい改正労働者派遣法のポイント」(2026年2月9日参照)
日本派遣看護師協会「派遣で働くためのルール・条件」2023年6月20日(2026年2月9日参照)

派遣看護師の働き方の注意点

派遣看護師は派遣会社と労働契約を結び雇用され、派遣された先の施設で働きます。直接雇用の場合と働き方が異なる点もあるため、以下で確認しておきましょう。

派遣会社ごとにマージンや教育体制は異なる

派遣会社は幅広くあり、どこに登録するか迷う人もいるかもしれません。その場合、「厚生労働省許可番号」を提示している派遣会社から選ぶのが安心です。本当に許可されているかどうかは、厚生労働局の「人材サービス総合サイト」で確認できます。
派遣会社によって、マージン(派遣先から支払われた料金から派遣会社が差し引く手数料)はそれぞれです。マージンには社会保険料や教育訓練費なども含まれているため、低いほど良いというわけではありません。教育・サポート体制も踏まえた総合的な判断が重要です。

看護師専門の転職エージェント「レバウェル看護」では、看護師の派遣サービスも提供しています。紹介予定派遣のほか、幅広い派遣求人の中から希望条件に合う提案が可能です。詳しくは、「レバウェル看護の派遣を徹底解説!登録方法や口コミ、メリットを紹介します」の記事で解説していますので、ご確認ください。

給料や就業条件などを担当者にあらかじめ確認する

派遣看護師の給与や勤務時間などの労働条件は、派遣会社と取り決めることになりますので、明示された条件をしっかりと確認しておきましょう。派遣されている間は派遣先の指示に従って業務しますが、労働条件に関しての窓口は基本的に派遣会社です。派遣先で「契約外の残業を求められる」「契約にある通りの休憩時間が取れない」など、問題があれば派遣会社に連絡しましょう。
また、派遣看護師も一定の条件を満たせば、年次有給休暇や育児休業を法律上取得できます。制度を利用する予定がある方は、派遣会社に相談してみてください。

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派遣看護師は育休を取れる?取得条件と産休から受け取れる手当を確認しよう

派遣看護師として3年以上は同じ職場で働けない

派遣看護師としては、基本的に同じ職場で3年以上働くことができません。派遣看護師も、数ヵ月〜1年ごとの契約更新をすれば、長期的に同じ職場で勤務するケースがありますが、上限は3年です。同じ職場で働ける上限(抵触日)がくれば、ほかの派遣先に移る必要があります。同じ職場とは「管理者が同じ職場」という意味のため、同じ病院の違う部署に派遣先を変える場合はカウントされません。

出典
厚生労働省職業安定局「人材サービス総合サイト」(2026年2月9日参照)

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看護師が派遣で働くときの注意点とは?派遣会社の選び方も踏まえて解説

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看護師が派遣で働くメリット・デメリット

「レバウェル看護【公式】Instagram」では、看護師さん向けに、派遣で働くメリットとデメリットについてアンケートしました。派遣看護師の働き方に関心がある方は、参考にしてみてください。

派遣看護師として働くメリット

以下は、「レバウェル看護【公式】Instagram」のストーリーズアンケートに看護師さんから寄せられた、「派遣の働き方にはどんなメリットがある?」に対する回答です(一部抜粋)。


・定時上りができる
・シフトが自分で決められる
・いろんな施設や業種が経験できること!
・人間関係
・嫌なら期限まで頑張れば、おさらば出来る

レバウェル看護【公式】Instagram

派遣看護師は、基本的に契約した時間のみの勤務になるため、残業なしで定時に退勤できる傾向にあるようです。労働時間・勤務日数も契約の際に自分で決められることから、ワーク・ライフ・バランスを大切にしやすいでしょう。

派遣看護師として働くデメリット

さまざまなメリットが挙げられた一方で、「レバウェル看護【公式】Instagram」より、「派遣で働いていてデメリットを感じる瞬間」について質問したアンケートでは、以下のような回答が看護師さんから寄せられました(一部抜粋)。


・ボーナスがない、休みにくい
・収入が安定しないこと
・ケースに深く立ち入れないと感じる

レバウェル看護【公式】Instagram

派遣先によっては、契約時にシフトを自分で決められる反面、シフト外の休みは取りにくい場合もあるかもしれません。また、基本的にボーナスが支給されず、昇給も見込みにくいことから、収入が正職員のときよりも不安定になりやすいようです。

出典

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派遣看護師のメリット・デメリットは?仕事内容や向いている人も解説

「看護師の派遣は禁止なのか」に関してよくある質問

ここでは、「看護師の派遣は禁止なの?」と気になる方によくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。

訪問看護師の派遣は禁止ですか?

原則禁止とされています。派遣法で定められている看護師の派遣禁止の条件には、「医療を受ける人の居宅で行う看護業務」があり、訪問看護はそれに該当するためです。紹介予定派遣や代替職員としての派遣など、例外に当てはまる場合は派遣が可能な場合もあるかもしれません。記事内の見出し「看護師の派遣が認められる条件」をチェックしてみてください。

違法な派遣だと看護師も罰せられる?

違法な条件で派遣されていた場合も、看護師自身がペナルティを受けることはありません。あくまでも、使用者側の派遣会社と受け入れる派遣先に適用される法律です。「派遣の契約や実態に違法性があるかもしれない」と感じたら、都道府県労働局の需給調整事業課か職業安定課に問い合わせてみてください。必要に応じて助言や対応をしてもらえます。

派遣看護師が勤務後のトラブルを防ぐには?

派遣会社に登録する際は、「派遣会社の福利厚生が適用される」「交通費の支給有無は派遣会社による」点に注意しましょう。社会保険の加入や有給休暇の手続きも、派遣会社が請け負う仕組みです。また、時給を高額に設定している派遣会社のケースでは、交通費の支払いがないことも珍しくありません。福利厚生や交通費などの詳細は、派遣会社の担当者に聞いておきましょう。

まとめ

看護師の派遣は、現在の法律上で一部解禁されており、「医療機関以外の職場」「紹介予定派遣」「休業中の職員の代替」「へき地の医療機関への派遣」といった条件下で働くことが可能です。勤務地や年齢、収入などの一定の条件を満たせば、日雇いや単発の案件でも、看護師の派遣が認められます。
看護師が派遣で働く場合、派遣会社を通すのが一般的です。登録する派遣会社を選ぶときは、「違法に派遣事業を行っていないか」「信頼できる口コミはあるか」「マージンや教育体制はどうか」などを確認するのがおすすめです。

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この記事を書いた人
「レバウェル看護」編集部
「レバウェル看護」は累計利用者数47万人(※)を超える看護師専門の転職支援サービス。 編集部の制作体制には看護師経験者や現役看護師を交え、これまでに1,000記事以上(※)を執筆。看護師にとっての悩み・不安・疑問を一番に相談する"相談窓口"になることを目指し、医療・介護の現場で尽力している方々をサポートするためのコンテンツを発信中。 (※)2023年6月時点
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