
この記事では、派遣看護師の仕事内容やメリット・デメリットを解説します。
派遣看護師とは、病院のほかにもクリニックや介護施設などに派遣されて働く看護師を指します。仕事内容は特に、正社員とは変わりません。まずは、派遣の働き方について、基本的な仕組みを解説します。
派遣看護師は、実際に働く医療機関や施設ではなく、派遣会社と雇用契約を結びます。そのため、給与の支払い、社会保険などの手続きは、すべて派遣会社が行うのが特徴です。派遣契約が明確に定められているため、自分の都合に合わせて休みやすかったり、サービス残業がないことは利点の一つと言えるでしょう。
派遣看護師が社会保険に加入するには、いくつかの条件があります。
労働時間や雇用期間、給与額などが上記の条件を下回ると、社会保険の加入が難しい場合もあります。入社時、派遣会社に確認すると良いでしょう。
▼関連記事
派遣看護師は社会保険に入れる?加入の条件やメリットを紹介します!
派遣看護師の仕事内容は、正職員やパートの看護師と基本的に同じです。派遣先によっては、正職員が担当するオンコール対応などが免除され、夜勤の負担が軽くなる場合もあります。詳しい勤務条件は派遣先によって異なるため、事前に確認することが重要です。
派遣看護師の働き方には、具体的に「登録型派遣」「常用型派遣」「紹介予定派遣」の3つがあります。ここでは、3つの働き方とその特徴についてまとめました。
登録型派遣は、派遣先での勤務期間に合わせて派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方です。フルタイムだけでなく、派遣看護師として単発バイトや短期、時短勤務など、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選択できるのは大きなメリットだと言えるでしょう。派遣期間が満了すると雇用契約も終了しますが、延長を打診される場合もあります。
常用型派遣は、派遣会社の正社員として雇用される働き方です。派遣先での勤務が終了しても、派遣会社との雇用契約は継続されるため、次の派遣先が決まるまでの間も給与が支払われます。働き方が安定しており、専門性の高い看護師など即戦力を求める医療機関からのニーズが高いです。
紹介予定派遣は、派遣期間終了後に派遣先の正社員や契約社員として直接雇用されることを前提とした働き方です。最長6ヶ月の派遣期間中に、実際の仕事内容や職場の雰囲気を確かめられるため、入職後のミスマッチを防げます。ただし、派遣期間中のパフォーマンスによっては、直接雇用に至らない可能性もあるため注意が必要です。
派遣看護師として働くことで、高時給が目指せたり人間関係の悩みが減ったり、残業が少なかったりするなどのメリットがあります。ここでは、6つのメリットについてまとめました。
派遣看護師は時給が高く設定されていることが多く、パートよりも高収入が期待できます。時給2,000円前後の求人もあり、夜勤があればさらに深夜手当が加算されるため、経済的なメリットが大きいと言えるでしょう。他職種と比べても給与水準が高いため、効率良く稼ぎたい人にとって魅力的な働き方です。
※集計期間:2025年4月1日~2026年3月31日/比較方法:同期間中に「レバウェル看護」を通じて就業決定したデータから、派遣・パートの平均時給をエリア別で算出・比較
派遣先でのトラブルや悩みは、雇用主である派遣会社に相談できることもメリットの一つです。派遣会社が仲介役となるため、個人では解決しにくい問題もスムーズに対応してもらえます。サービス残業や契約外の業務を強要された場合も、派遣会社を通じて交渉できるため安心です。
派遣看護師の勤務時間は契約で明確に定められており、原則として残業を求められることが少ないこともメリットです。派遣会社との合意がなければ残業を断ることができ、プライベートの時間を確保しやすいでしょう。ワークライフバランスを重視したい看護師にとって、理想的な働き方と言えます。
▼関連記事
看護師の残業の実態とは?多いといわれる理由や減らすためにできる対策
派遣看護師は、勤務地や勤務日数、時間帯などを自由に選べます。イベントナースや予防接種の看護師など、単発や短期の求人も豊富にあるため、働き方の選択肢が広いです。資格取得のための勉強時間を確保したい人や、特定の期間だけ働きたい人に適していると言えるでしょう。
派遣看護師は、短期間で多様な職場や診療科を経験できます。期間限定の珍しい求人もあり、自身のスキルや経験を広げたい人におすすめです。さまざまな職場で経験を積むことで、看護師としてのキャリアアップにもつながります。
▼よく一緒に読まれている体験談
うつで復職に失敗した私が、派遣看護師で4つの職場を試して見つけた「続けられる働き方」
勤務時間や仕事内容が限定されているため、派遣先の同僚と適度な距離を保ちやすいです。契約期間が満了すれば職場が変わるため、人間関係に悩む期間が限定され、割り切って働けます。正社員に比べて人間関係に深く関わることが少ないため、精神的な負担が軽減されるでしょう。
派遣看護師はメリットもある反面デメリットもあります。デメリットとして、昇給やボーナスに期待できないことや、長期的に働けないことが挙げられます。
派遣看護師は高時給が魅力ですが、ボーナスが支給されない派遣会社が多く、年収で考えると正職員より低くなる可能性があります。長期的なキャリア形成を考えると、昇給やボーナスがないことに対して不満を感じることがあるかもしれません。勤務年数や実績に関わらず給与が一定であるため、モチベーションの維持が難しくなる場合もあるでしょう。
▼関連記事
看護師のボーナスはいくらぐらい?手取り平均や賞与が高めの病院を選ぶコツ
派遣看護師が同じ職場で働ける期間は最長3年までと定められているため、居心地が良い職場でも長く働き続けることはできません。3ヶ月から半年の契約期間が一般的であり、期間満了後は別の職場へ移る必要があります。派遣先の職場で直接雇用を希望する場合は、紹介予定派遣を利用するか、自分で交渉する必要があるため労力にはなるでしょう。
派遣看護師は外部の人間として見られることがあり、派遣先のスタッフとの間に壁を感じることがあります。同じ職場で働くスタッフと人間関係を築きたいと思っても、よそよそしい態度を取られ、孤独を感じる場合があるかもしれません。契約期間が限られているため、職場に深く関わることが難しく、人間関係が希薄になりやすい可能性があります。
▼関連記事
看護師の人間関係を改善するコツは?悩みの原因や雰囲気が良い職場の特徴も
派遣看護師は即戦力として期待されることが多いため、入職後の研修が不十分な場合があります。職場のルールや場所の説明はあっても、看護スキルに関する指導は期待できないかもしれません。スキルに不安がある場合、仕事を任された際に十分なサポートを受けられない可能性があるでしょう。
医療機関への派遣は、正職員の産休・育休代替など、特定の理由がある場合に限定されるため、そもそも募集枠が少ない可能性があります。派遣看護師のニーズが低い施設もあるため、理想通りの求人を見つけるのが難しいかもしれません。常勤看護師に比べて求人倍率が高くなる傾向があるため、希望の仕事に就けない可能性があるでしょう。
ここでは、看護師の主な派遣先を7つにまとめました。それぞれ、仕事内容についても記載しているため、自分がどの職場に合っているかなど参考にしながらご確認ください。
病院やクリニックでの派遣看護師の仕事は、診療補助や患者さんのケアが中心で、正職員と大きな違いはありません。担当患者を持たず、フリー業務や軽症患者のケアに専念するケースもあります。チームで動くことが多く、医師やほかの職種のスタッフとの連携が求められます。
▼関連記事
病棟看護師の仕事内容とは?種類別の特徴や役割、働くメリットも解説!
クリニック看護師の仕事内容は?平均給料・年収や転職するメリットも解説
▶総合病院の求人一覧ページはこちら
▶一般病院の求人一覧ページはこちら
▶クリニックの求人一覧ページはこちら
介護施設での仕事は、利用者さんが安心して過ごせるように医療ケアや生活支援を行うことです。主な介護施設は以下のとおりです。
食事や入浴、排泄の介助やレクリエーションのサポートに携わることもあります。夜勤専従の求人もあり、紹介予定派遣や常用型派遣など、施設の種類によって働き方が異なるため事前に確認が必要です。
▼関連記事
介護施設で働く看護師の役割・仕事内容とは?施設の種類やメリットも紹介
▶特別養護老人ホーム(特養)の求人一覧ページはこちら
▶デイサービスの求人一覧ページはこちら
▶有料老人ホームの求人一覧ページはこちら
保育園は、園児の健康管理や怪我の応急処置、感染予防などが主な仕事内容です。看護師は基本的に1人体制のため、保育士と連携して業務を進める必要があります。保育業務を任されることもあるため、業務負担が大きくなる可能性もあるでしょう。
▼関連記事
保育園看護師の仕事内容を解説!必要なスキルや働くメリット、給料事情も
▶保育園の求人一覧ページはこちら
企業の産業看護師は、従業員の健康診断やメンタルヘルスケア、応急処置などを担う仕事です。コールセンターで医療機器の説明や健康相談に応じる仕事もあります。イベントナースとして、救護室での対応も派遣看護師の活躍の場の一つです。
▼関連記事
企業看護師とは?職種ごとの仕事内容や働くメリット、転職のコツを解説
健診センターでの仕事は、身体測定や検査の補助、採血などが中心となります。巡回健診に同行する単発の求人もあり、カレンダー通りの勤務が可能なため予定を合わせやすいでしょう。高度な医療スキルは求められず、検査は予約制のため残業も少ないことが特徴です。
▼関連記事
検診センターの看護師の仕事内容!向いている人の特徴や給料事情も解説
献血ルームでの仕事は、採血や血液検査、献血後のアフターケアなどが挙げられます。日勤のみで夜勤はなく、朝も比較的ゆっくり出勤できる場合が多いです。献血バスに同行して出張業務を行う求人もあり、採血が主な業務となります。
訪問入浴は、介護職員と一緒に利用者さんの自宅を訪問し、入浴介助を行う仕事です。看護師は、入浴前後のバイタルチェックや入浴可否の判断を担当します。「週1〜OK」や「ダブルワーク可」の求人が多く、副業としても働きやすいことが特徴です。
柔軟な働き方をしたい人や期間を決めて収入を得たい人、ワークライフバランスを重視したい人は、派遣看護師の働き方に向いています。ここでは、派遣看護師の働き方が向いている人についてまとめました。
派遣看護師は、自分の希望に合わせて、働く場所や日数、時間を柔軟に選びたい人に向いています。1つの職場で長く働くことが苦手な人でも、派遣なら続けやすいという人もいるでしょう。派遣の種類によっては、期間や条件を自分で決めて働けるため、働き方の自由度が高いと言えます。
派遣看護師は、特定の期間だけ働きたい人にも適しています。高時給で収入を得ながら、未経験の分野や診療科で新しいスキルや知識を習得できるのも派遣看護師の特徴です。興味のある分野への適性を確認するための、お試し期間としても活用できます。
派遣看護師は、残業が少なく、プライベートの時間を確保したい人に向いています。家庭の事情で残業が難しい人でも、柔軟なシフトで仕事と生活を両立しやすいでしょう。高時給のため、非正規雇用でも経済的に安定しやすいです。
▼関連記事
派遣看護師に向いてる人はこんな人!仕事内容の特徴、働くメリットも解説
実際にレバウェル看護で派遣の道を選んでワークライフバランスを改善できたママナースの事例も参考にしてください。週3日・14時半までの勤務で、「子育てとの両立が叶った」と語ってくれました。
▼関連記事
40歳看護師の新たな挑戦。初めての派遣で、「やっと子育てに向き合えた」
レバウェル看護の独自の調査では、派遣看護師の平均月収は2024年3月時点で38万2,833円、日勤のみは31万4,250円、夜勤ありは56万円でした。
| 派遣看護師全体の平均月収 | 派遣看護師全体の平均年収 |
| 38万2,833円 | 459万3,996円 |
時給の相場は1,500円〜2,300円程度と、住んでいる地域や条件によっても異なります。
東京都や大阪府などの大都市や都市は時給が高い傾向にあるのが特徴です。
▼関連記事
派遣看護師の給料相場は?時給や手取り年収、正社員との比較も紹介
派遣看護師として働く際には、雇用形態が制限されることやタイミングによって産休・育休などが取りにくい場合があるため注意が必要です。
日本派遣看護師協会の「派遣で働くためのルール・条件(p.4)」によると、派遣看護師は派遣される職場に制限があります。具体的には、病院やクリニックなど、医療行為を伴う施設への派遣は原則として法律で禁止されています。
しかし以下のように例外が存在します。
産休や育休などで欠員が出た場合の補充として派遣されることが多く、1〜2年程度の短期間で契約が満了となる可能性があります。派遣先には制限があるため、事前にどのような施設で働きたいかを明確にしておくと良いでしょう。
派遣社員も正社員と同様に、産休や育休を取得することは可能です。ただし、一般の正社員同様、辞める見込みのある場合や勤続1年未満の場合は、取得できない可能性があるため注意が必要です。産休・育休を希望する場合は、早めに派遣会社に相談し、条件やタイミングを確認しておきましょう。
▼関連記事
看護師の産休ってどんな制度?取得方法や手当、育休の詳細も解説
派遣会社への登録は、電話やウェブサイトから申し込むことが可能です。具体的な派遣会社への登録手順は、以下のとおりです。
1.派遣会社に登録する
2.派遣会社を通して派遣求人を探す
3.派遣先にて面談や見学をする
4.派遣先での就業を決定する
5.派遣会社と雇用契約を結ぶ
6.派遣先で勤務を開始する
自身の看護スキルや経歴、希望の勤務条件を明確に伝えることで、ミスマッチを防げるでしょう。複数の派遣会社を比較検討し、自分に合った会社を見つけることが、スムーズな求職活動の鍵となります。
看護師の慢性的な人手不足が続いているため、派遣看護師の需要は今後もなくならないと言えます。厚生労働省の「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況(p.8)」によると、1990年から2020年までの30年間で看護師数は約2倍増加しています。高齢者の増加率は2.4倍と看護師を上回っており、即戦力となる派遣看護師を求める職場は多いです。
「特定行為」の研修制度の開始など、看護師の業務範囲が拡大していることも、派遣看護師のニーズを高める要因となっていると言えるでしょう。派遣看護師は、病院や介護施設、企業などさまざまな場所で活躍が期待されており、多様な業種を経験できます。スキルを磨くことで、将来にわたり重宝される人材になれるでしょう。
ここでは派遣看護師に関するよくある質問に対して、Q&A方式で回答します。
看護師の派遣は2000年代に条件付きで解禁されており、違法ではありません。規制緩和が進み、派遣看護師が働ける場所は増加しています。2021年には、社会福祉施設への日雇い派遣や、へき地の医療機関への派遣も認められるようになっており、柔軟な働き方をしたい人には向いていると言えるでしょう。
パートは就業先と直接雇用契約を結ぶのに対し、派遣看護師は派遣会社と間接的に雇用契約を結びます。パート看護師は給与の支払いや手続きを就業先が行いますが、派遣看護師は派遣会社が行うことも違いの一つです。派遣看護師はボーナスがないことが多いですが、パート看護師よりも時給が高く設定されている傾向があります。
経験の浅い看護師でも、派遣看護師として働くことは可能です。派遣看護師は即戦力として期待されることが多いため、職場選びには注意が必要だと言えます。医療行為が少ない職場や複数の看護師が常駐している職場を選ぶと良いでしょう。
同一労働同一賃金は、正規雇用者と非正規雇用者の待遇格差を解消するための取り組みです。仕事内容や能力が同じであれば、雇用形態に関わらず、基本給や賞与、手当などで公平な扱いを受けられます。この制度の適用により、派遣看護師も昇給やボーナスなどの待遇改善が期待できるでしょう。
派遣看護師は、実際に働く医療機関や施設ではなく、派遣会社と雇用契約を結んで働きます。高時給が目指せて、人間関係のトラブルが少ない反面、昇給やボーナスは期待できず、長期的に働けないことはデメリットと言えるでしょう。
派遣看護師として働きたいと考えている場合、レバウェル看護の利用がおすすめです。
派遣看護師としての働き方やキャリアプランについて相談できます。プロのアドバイザーが自分に合った求人を紹介してくれるため、ミスマッチが起こりにくいのが特長です。利用料無料のレバウェル看護なら、相談のみでも受け付けているので、ぜひお気軽にご相談ください。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載