看護師の夜勤は何人体制?具体的な人数と休憩の状況や日勤との違いを解説

2023.1.26

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夜勤を含む働き方を検討している看護師のなかには、「看護師の夜勤は何人体制で、どのようなスケジュールで働くの?」と気になっている人もいるでしょう。夜勤の職員体制は日勤よりも少ないのが基本です。職場によっては、1人で対応することもあり得ます。

この記事では、看護師の夜勤が何人体制で行われるのかについて、詳しくご紹介。具体的な人数や日勤との働き方の違いをチェックしてみましょう。

看護師の夜勤は何人体制で行うのか

看護師の夜勤を何人体制で行うのかは、職場によって異なります。基本的には日勤の半分以下になるため、1人あたりの業務量が多いと感じる職場もあるようです。以下では、看護師の夜勤が何人体制で行われているのか、施設ごとにご紹介します。

病院の一般病棟

日本看護協会の『2014年「看護職の夜勤・交代制勤務ガイドライン」の普及等に関する実態調査(P.17)』によると、病棟の一般病棟では、夜勤時の1病棟あたりの勤務者数が以下のようになっています。

看護師看護助手
0人63.9%
1人0.4%30.9%
2人40.1%4.7%
3人42.7%0.4%
4人以上16.8%0.1%
平均2.9人0.4人

引用:日本看護協会『2014年「看護職の夜勤・交代制勤務ガイドライン」の普及等に関する実態調査(P.17)

一般病棟の場合、夜勤看護師は3人体制が最も多く、次いで2人体制という結果になりました。看護助手が0人の一般病棟も多く、夜勤帯は看護師が中心になっているところが多いことがわかります。

病院の療養病棟

同資料によると、病院の療養病棟における夜勤時の1病棟あたりの勤務者数は以下のようになりました。

看護師看護助手
0人5.5%
1人58.6%65.4%
2人37.7%27.9%
3人2.6%0.9%
4人以上1.2%0.3%
平均1.5人1.2人

引用:日本看護協会『2014年「看護職の夜勤・交代制勤務ガイドライン」の普及等に関する実態調査(P.17)

療養病棟の夜勤看護師は、1人体制が一番高く、次いで2人体制が多い結果となっています。また、看護助手も同様です。療養病棟は安定した状態の患者さんが多いため、一般病棟より夜勤看護師が少なく、医療行為以外の介助を看護助手に割り振りしていると考えられます。

介護施設

介護施設で夜勤に入る場合、職場によっては看護師が1人で対応することもあるようです。例えば、特別養護老人ホームの場合、利用者さんの合計が25名以下だと、介護職員または看護師の配置が1名以上とされています。

特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、医療依存度の低い利用者さんが多いので、オンコール対応は少ない傾向です。ただし、利用者さんに問題が発生したとき、1人で対処しなければならないため、「誰かに相談したい」「休憩時間がない」といった事態に陥る可能性も考えられるでしょう。

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看護師の夜勤は日勤と何が違うのか

看護師の夜勤は、患者さんの受け持ち人数・勤務時間の長さ・業務内容などが日勤と異なります。ここでは、看護師の夜勤と日勤の違いについて詳しくまとめました。

1人あたりの患者さんの受け持ち人数

日勤の看護師は、1人あたり6~8人ほどの患者さんを受け持ちます。夜勤は日勤よりも職員数が少ないため、看護師1人あたり12~16人ほどを担当する傾向にあるようです。
日勤の倍以上の患者さんを受け持つ可能性もあるので、医療依存度の高い病棟では多忙になる可能性があります。夜勤を始めたばかりの頃は業務に慣れるのが大変かもしれませんが、経験を積み重ねることでスムーズに対応できるようになるでしょう。

勤務時間

看護師の夜勤は、日勤と勤務時間に違いがあります。ここでは、2交代制と3交代制の勤務時間の例を表にしました。

【2交代制の場合】

勤務形態開始・終了時間勤務時間
日勤8時から17時まで8時間
夜勤16時から9時まで16時間

【3交代制の場合】

3交代制開始・終了時間勤務時間
日勤8時から16時30分まで8時間
準夜勤16時から24時30分まで8時間
夜勤24時から8時30分まで8時間

2交代制の夜勤は勤務時間そのものが長く、3交代制の夜勤は日勤と同じくらいとなっています。2交代制と3交代制どちらを取り入れているかは、職場によって異なるため、事前の確認が大切です。

業務内容

看護師の仕事は、夜勤と日勤とで大きな違いはありません。日勤の看護師の場合は、オペ出しやオペ迎え、入院の受け入れ、医師の診察介助など、日勤帯でしか対応できない業務に対応することが可能です。夜勤の看護師も緊急入院対応を行う場合がありますが、基本的にはラウンドが中心となります。業務の優先順位の付け方や動き方は、状況によって変化するでしょう。

看護師の夜勤と日勤はどちらが大変なのか

看護師の夜勤と日勤は、どちらが大変か明確に断言できません。どちらの働き方にも、いいところと大変さがあります。先入観で向き不向きを判断する前に、それぞれのメリットとデメリットを確認しておきましょう。

日勤のメリットとデメリット

看護師の日勤は、カンファレンスや委員会なども含めて業務の種類が多く、煩雑している傾向にあります。幅広い業務に対応するため、日勤の職員数は多めです。そのため、人間関係の悩みが発生することもあります。

一方で、共に働く職員の多さは、トラブルが生じた際に助け合いや相談がしやすいというメリットにつながるでしょう。周囲のサポートを受けられることは、精神面においても負担を軽減できます。

夜勤のメリットとデメリット

看護師の夜勤は職員数が少なく、イレギュラー対応が求められた場合に余裕がなくなってしまうことがあります。場合によっては、業務に追われて満足のいく休憩が取れないことも。また、職員数が少ないため、一人ひとりの責任が大きくなるのもデメリットといえます。

一方で、一緒に夜勤を担当する人との相性が悪くなければ、人間関係の煩わしさを感じることがありません。業務内容はある程度決まっているので、夜間の救急搬送がなければ無理なく仕事を進められるでしょう。

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看護師における夜勤の休憩時間のリアル

この項では、看護師の夜勤の休憩時間はしっかり取れるのか、実際に休憩時間で何をしているのかといった実態をお伝えします。実際に夜勤帯で働くときにギャップを抱えないよう、理解を深めておきましょう。

休憩時間はしっかり取れるのか

日本看護協会の「安全、健康、生活を念頭においた看護師の1ヶ月72時間夜勤規制に関する研究報告書(P.54)」によると、2交代制の夜勤看護師における休憩状況は以下のようになっています。

病棟機能きちんと取れた大体取れたあまり取れなかったまったく取れなかった休憩・仮眠はない
急性期病棟18.7%59.1%19.5%1.6%1.2%
地域包括・回復期リハ病棟24.5%63.7%9.8%2.0%0.0%
回復リハビリ30.6%59.7%8.3%1.4%0.0%
地域包括ケア10.0%73.3%13.3% 13.3%0.0%

引用:日本看護協会「安全、健康、生活を念頭においた看護師の1ヶ月72時間夜勤規制に関する研究報告書(P.54)

上記の表を確認すると、休憩時間を大体取れている人が6〜7割程度、きちんと取れている人は1〜3割程度にとどまっています。急性期病棟の場合はあまり取れない人が2割となっており、ほかの病棟と比較しても休憩時間が少なくなる可能性も考えられるでしょう。

休憩時間は何をしているのか

下記では、同資料をもとに夜勤看護師の休憩時間の過ごし方をまとめました。

急性期病棟地域包括・回復期リハ病棟回復リハビリ地域包括ケア
食事19.3% 11.9%13.9%7.7%
お菓子・お茶8.0%5.1%5.1%5.1%
仮眠41.2%48.3%49.4%46.2%
スマホ12.2%14.4%13.9%15.4%
何もしない1.5%2.5%2.5%2.6%
仕事・課題13.6%14.4%13.9%15.4%
雑誌など0.3%0.8%1.3%0.0%
雑談2.4%0.8%0.0%2.6%
その他1.5%1.7%0.0%5.1%

引用:日本看護協会「安全、健康、生活を念頭においた看護師の1ヶ月72時間夜勤規制に関する研究報告書(P.55)

こちらのデータを参考にすると、夜勤看護師の休憩時間は仮眠に使う人が多いと判断できます。次いで食事を取ったり、スマホを操作して思い思いの時間を過ごしたりしていることがわかるでしょう。また、先述のとおり、休憩時間も仕事に追われているという看護師も少なくありません。

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看護師の夜勤におけるスケジュール例

看護師の夜勤は、2交代制と3交代制とでタイムスケジュールが異なります。ここでそれぞれの夜勤の流れを掴み、働くイメージを掴んでみてください。

2交代制の場合

勤務時間業務内容
16:00出勤・日勤看護師からの申し送り
17:00ラウンド・点滴の交換・看護記録の確認
18:00夕食配膳・食事介助
19:00バイタルチェック・排泄介助
20:00休憩・食事
21:00消灯・ラウンド・体位変換・排泄介助
2:00休憩・仮眠
4:00ラウンド・体位変換・看護記録の作成
6:00起床・バイタルチェック・点滴交換・採血
7:00朝食配膳・食事介助
8:00記録・日勤へ申し送り
9:00退勤

2交代制の夜勤は勤務時間が高いため、休憩時間に仮眠を取ることで体力を温存できます。ただし、患者さんが急変したり、緊急時の対応を求められたりする際は、十分な休憩時間を確保できない場合もあり得るでしょう。

3交代制の場合

【準夜勤の場合】

勤務時間業務内容
16:00出勤・日勤看護師からの申し送り
17:00ラウンド・点滴の交換・看護記録の確認
18:00夕食配膳・食事介助
19:00バイタルチェック・排泄介助
20:00休憩
21:00消灯・ラウンド・体位変換・排泄介助
23:00ラウンド・看護記録の作成
24:30夜勤看護師へ申し送り・退勤

【夜勤の場合】

勤務時間業務内容
0:00出勤・準夜勤看護師からの申し送り
1:00ラウンド・点滴の交換・体位変換
2:00看護記録の作成・整理
3:00休憩
4:00ラウンド・点滴の交換・体位変換・排泄介助
6:00起床・バイタルチェック
7:00朝食配膳・食事介助
8:30日勤へ申し送り・退勤

3交代制の場合は、夜勤よりも準夜勤の方が忙しい傾向にあるようです。その理由は、日勤帯でケアを受けた患者さんの状態確認をしたり、点滴交換を行ったりと、対応すべき業務が集中しているからといえます。

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看護師が夜勤で生活リズムを乱さないようにするには

看護師が夜勤で生活リズムを乱さないようにするには、日勤と同じように過ごすことが重要です。夜勤明けは夜に眠れなくなるのを避けるため、3時間ほどの睡眠に留めましょう。夜は普段と同じ時間に寝ることで、体調不良を防げます。
朝もいつも通りに起床し、毎日日光を浴びるよう心がけましょう。日光を浴びて体内時計を整えれば、身体の生活リズムが維持されます。
また、普段から適度な運動をすることも、看護師が夜勤を乗り越えるために必要です。有酸素運動を毎日20分ほど行っておくと、睡眠の質が高くなり、疲れも取りやすくなります。

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看護師が夜勤を含む働き方を検討するときは

看護師が夜勤を含む働き方を検討する際は、夜勤帯の人数体制や業務内容、手当の額などを確認しておく必要があります。下記でチェックすべきポイントをまとめているので、転職で求人を探すときの参考にしてください。

夜勤に看護師と看護助手が何人ずついるか確認する

「看護師2名」「看護師1名・看護助手2名」「看護師2名・看護助手1名」などのように、夜勤の配置体制は職場によって異なります。看護師が2名いれば、相談や協力がしやすくて安心できると考える人もいるでしょう。
一方で、看護助手に介助を任せられる場合、看護師は医療的な対応に専念できるという意見もあります。夜勤に看護師と看護助手が何人いれば自分にとって働きやすいかを考え、仕事探しの目安にしましょう。

職種ごとに業務が分担されているか確認する

業務の負担をできるだけ減らしたい看護師は、夜勤帯の仕事が職種ごとに分担されているかどうか確認するのも手です。きちんと役割分担がされているのか、どの業務なら協力して進めるのか、どのように連携を計っているのかなどを調べておくと、働くイメージを掴めるかもしれません。また、看護師と看護助手とで業務が明確に分かれている職場の方が、医療安全につながり、的確な指示も出しやすいでしょう。

夜勤の業務内容や大変なポイントを確認する

夜勤を含む働き方を検討する看護師は、夜勤時の業務内容や大変なポイントに対する理解が重要です。看護師の夜勤は、点滴の交換やバイタルサインのチェック、ラウンド、採血、記録作成など幅広い業務に対応します。看護助手の夜勤は、おむつ交換や体位交換、食事介助、排泄介助などで、医療行為以外の介護業務が中心です。
「身体介助の対応人数が多い」「認知症患者の徘徊があるので迅速な対応が必要」というように、職場や患者さんの状況によっても、夜勤の大変なポイントは変化します。少人数で業務を回すにあたり、どのようなポイントが大変だと感じるのかを理解しておけば、転職のミスマッチを防ぐことが可能です。

夜勤手当の額もチェックしておく

看護師が夜勤のある職場へ転職するときは、夜勤時の業務量と夜勤手当の額が見合っているかをチェックしておきましょう。業務量が多いのに相応の夜勤手当を受け取れない場合は、やりがいやモチベーションを保てなくなり、早期離職につながる可能性もあります。看護師の転職では、夜勤帯における仕事の負担と収入のバランスに納得できる環境を探すことがポイントです。

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看護師の夜勤についてよくある質問

ここでは、看護師の夜勤についてよくある質問をQ&A形式でお答えいたします。

看護師の夜勤でよく言う「入り」と「明け」とは何ですか?

「入り」は看護師が夜勤に入る日のこと、「明け」は夜勤が終了した日のことを指すのが一般的です。月曜日に夜勤に入り、火曜日の朝に退勤する場合は、月曜日が「入り」で火曜日が「明け」となります。看護師の夜勤明けの翌日は、休みになるのが原則です。

看護師が三交代制の夜勤を続けると寿命が短くなるって本当?

看護師に限らず、夜勤に携わる人は寿命が短くなるというデータが出ています。適切な休憩・休暇・睡眠を取り、疲れを溜めないよう対策していくことが重要です。夜勤者のリスクについては、「看護師さんにつきまとう不安!夜勤をしている看護師さんの寿命は短いって本当?」の記事でも解説しているので、内容をご確認ください。

まとめ

看護師の夜勤が何人体制で行われるのかは、職場によって異なります。病院の一般病棟では3人体制が多く、療養病棟では1人体制が多いようです。病院では看護師と看護助手がそれぞれ1名以上配置されていますが、介護施設の場合は看護師1人で夜勤に携わる場合もあります。
夜勤看護師は日勤よりも1人あたりの患者さんの受け持ち人数が増えるため、状況によっては大変だと感じることもあるでしょう。日勤と夜勤はそれぞれにやりがいと大変さがあるので、自分が無理なく働ける環境かどうかをしっかりと調べることが重要です。

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