
手荒れに悩まされる看護師は少なくありません。看護師は、頻繁な手洗いやアルコール消毒、手袋の着用などによって、手荒れを起こしやすい職業です。手荒れが進行すると、感染予防のための手指衛生が難しくなるなど、悪循環に陥ることも。本記事では、看護師の手荒れの原因やハンドケアの具体的な対策などを解説します。手荒れが改善しない看護師におすすめの転職先も紹介していますので、今後の職場選びの参考にしてみてください。
手指衛生や手袋の使用が多い看護師は、手荒れを起こしやすい職業だといわれています。
坂木晴世氏「3次元皮膚モデルを用いた擦式アルコール手指消毒薬の in vitro 皮膚刺激性試験」の 「53.3% の看護師に皮膚炎があると報告されている」ということからも、手荒れに悩む看護師が多いことが分かるでしょう。
しかし、日本看護協会「労働者の感染管理」で述べられているように、看護師の主な標準予防策は、手指衛生・個人防護具の使用・呼吸器衛生とされており、感染予防の観点からも
手洗いや消毒剤の使用は避けることはできません。
手荒れは、皮膚のバリア機能低下を引き起こし、炎症を起こした皮膚は細菌やウイルスが侵入しやすくなります。また、皮膚が炎症を起こしている状態だと、アルコール消毒の使用や手洗いを控えるといった悪循環に陥ることも。感染リスクから自分を守るためにも、手荒れ対策は重要だといえるでしょう。
看護師が手荒れしやすい原因として多いものに、皮膚の乾燥や刺激、アレルギーが挙げられます。それぞれの原因について、以下で詳しく見ていきましょう。
皮膚の乾燥は、手荒れを引き起こす大きな要因の一つです。皮膚は、水分の蒸発を防いだり、アレルゲンや細菌などの外的な刺激から守る役割を果たす「皮脂膜」に覆われています。
しかし、頻繁に手指衛生をすることで、汚れや細菌などと一緒に皮脂膜も取り除いてしまい、乾燥によるひび割れやかゆみが生じやすくなります。手洗い以外にも、洗髪や入浴介助といった水に触れるケアが多いのも、乾燥を引き起こす原因です。
手袋の装着や頻繁な手指消毒による刺激も、手荒れの原因の一つと考えられます。看護師は、採血やオムツ交換、滅菌操作のケア時など、多くの場面で手袋の着脱を行います。乾燥によってバリア機能が低下している皮膚に、頻繁な手袋装着による蒸れや摩擦、手指消毒剤の刺激が加わると、炎症が悪化する恐れもあるでしょう。
仕事で使用する製品のなかに含まれる物質に、アレルギーを持つ看護師もいるでしょう。代表的なものに、ゴム手袋やカテーテル類に使用されている「ラテックス」という物質が原因となる「ラテックスアレルギー」があります。アレルギーは、赤みやかゆみなどの症状を伴うだけでなく、アナフィラキシーショックといった死に関わる重篤な状態を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、看護師ができるハンドケア対策についてご紹介します。取り入れやすい方法から実践してみると良いでしょう。
皮膚への刺激を減らすには、手洗いとアルコール消毒の使い分けがポイントです。厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」によると、感染対策に重要なのは「手洗い」で、アルコール消毒はすぐに手洗いができないときの方法とされています。手洗いをした後に改めて手指消毒をする必要はなく、不要な手指消毒を減らせれば、肌への負担も減るでしょう。
手洗いをするときは、泡タイプのハンドソープで擦り過ぎないよう洗いましょう。温水ではなく水を使用して余分な皮脂を洗い流さないようにするのも、皮膚の乾燥を防ぐポイントです。手を拭くときは、ペーパータオルで押さえるようにすると、肌に残った水分を拭き残しなく取り除けます。
手荒れ予防には、日ごろからの保湿が大切です。ナース服のポケットにチューブタイプのハンドクリームをいれておき、手洗いの後はできるだけ保湿を行うようにしましょう。職場によっては、スタッフ向けの保湿剤を常備しているなど、手荒れ対策に力を入れている病院もあるようです。
また、日本感染症学会「アルコール含有消毒薬の液体とゲル剤では効果に違いがあるのですか?」によると、ゲル剤のアルコール消毒剤は液状のものと比べて保湿性に優れているとされています。手荒れに悩む方は、肌に優しい成分や保湿力のあるハンドケア剤を中心に選ぶと、より高い効果が得られるでしょう。
皮膚の炎症を繰り返す場合には、早めに皮膚科を受診して、適切な治療をしてもらいましょう。炎症を起こしている皮膚は、健康な皮膚に比べて感染を起こしやすい状態にあります。感染リスクの高い職場で働く看護師の手荒れは、深刻な問題となる場合もあるため、医師による専門的な治療が必要です。
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処置の頻度や関わる患者さまが少ない職場は、手洗いや手指消毒の頻度も少ない傾向にあります。ここでは、手荒れに悩む看護師におすすめの職場を紹介します。
従業員の健康管理や相談対応が主な仕事である産業看護師は、病棟に比べて手指消毒の頻度は少なめです。急病やケガの対応などにはあたるものの、頻度自体は多くないため、肌を刺激する薬剤や製品に触れる機会も少ないでしょう。
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健診センターも、手荒れに悩む看護師におすすめの職場です。身長や体重測定、問診対応など、受診者と直接触れる機会のない業務の日は、手指衛生も少なくて済むでしょう。一方で、採血担当になると手袋交換やアルコール消毒が頻回になる場合もあるため、注意が必要です。
処置や医療行為が少ない職場として、保育園も挙げられます。保育園看護師の主な仕事は、園児の健康管理です。ケガの処置や体調不良時のケアを行うことはあっても、軽傷や応急的な対応がほとんどで、頻度も多くはないでしょう。
ただし、看護業務がないときは保育補助を任せられる保育園もあります。保育園は、感染症が蔓延しやすく、子どもと触れる機会の多い仕事です。病棟看護師より手指衛生の頻度は少ないとはいっても、一般的な職業と比べると手洗いや手袋装着などの回数は多いかもしれません。
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訪問看護師は、医療行為や生活援助などが多いものの、病棟のように患者さま同士の頻繁な行き来がありません。1日数件と決められた利用者さまの自宅を順番に訪問するため、必然的に手指衛生の頻度も少なくて済むでしょう。
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治験コーディネーターは、看護師免許を活かして転職できる仕事ですが、医療行為をすることはほとんどありません。手袋を装着して行うような業務も少なく、事務的な仕事がメインです。「手荒れでこれ以上看護業務を行うのは難しい…」と、病院以外の働き方を検討している方におすすめの職場だといえるでしょう。
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25歳のFさんは、新卒から一般病棟で3年間必死に勤務を頑張ってきましたが、手指消毒用アルコールなどが肌に合わず、手荒れに悩まされていました。皮膚科を受診して治療を行うも効果はなく、ブツブツが出た腕は患者さんにも少し怖がられるほどだったそうです。一番ひどかったときは、手に穴が開くことも。「もう看護師は続けていけないのかも」と悩んだFさんは、レバウェル看護に相談してくださったのでした。
「レバウェル看護に相談してくださったということは、看護師の仕事を諦められないのだろう」と感じたキャリアアドバイザーは、病院以外で看護資格を活かせる「保育園看護師」を提案します。
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アレルギーで病院勤務が続けられない…資格を活かせる看護師の職場を提案
ここでは、手荒れに悩む看護師によくある質問にQ&A形式で回答していきます。
医療行為や処置が多い職場は、手指衛生や手袋の着脱頻度も多く、手荒れを悪化させてしまう場合もあります。本記事の「手荒れに悩む看護師におすすめの職場」で紹介している職場は、病院で働く看護師に比べて手指衛生の頻度が少ない傾向にあります。ただし、ケアが少ないといっても、専門知識や迅速な判断力などが必要な職場もあるため、自分の希望分野や向き不向きも考慮しながら選ぶことが大切です。
大谷道輝氏「外用剤の適正使用の問題点 ‐保湿剤を中心として‐(p.98)」によると、10%尿素製剤および 0.3%ヘパリン類似物質含有製剤が、白色ワセリンに比べて保湿効果が高いとされています。なかには、看護師のために作られたハンドクリームも販売されているため、チェックしてみると良いでしょう。
感染リスクの高い環境下で働く看護師にとって、手荒れ対策は重要です。しかし、看護師は手指衛生の頻度が高い職業であり、実際に手荒れに悩まされている看護師も少なくありません。
看護師が日ごろからできるハンドケアは、「手洗いとアルコール消毒方法を使い分ける」「保湿効果の高い消毒剤やハンドクリームを使用する」などがあります。それでも手荒れをくり返す場合は、皮膚科で専門的な治療を受けることが必要です。
「これ以上病院勤務を続けられないかもしれない」と手荒れに悩む看護師は、レバウェル看護に相談してみませんか?看護師が活躍できる職場は病院以外にも多々あります。レバウェル看護では、これまでの経験を活かして、悩みも解決できる転職先のご提案が可能です。同じ状況で転職した方の例もお伝えできる場合があり、一人で転職活動をするよりも選択肢が広がるかもしれません。レバウェル看護のサービスはすべて無料です。看護師としての転職を諦める前に、一度アドバイザーへご相談ください。
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