
「糖尿病看護認定看護師になるにはどうすればいい?」「費用はどのくらいかかる?」と気になっている看護師もいるのではないでしょうか。この記事では、糖尿病看護認定看護師になるのに必要なカリキュラムや認定審査の内容、かかる費用などについて詳しく解説します。資格を取得するメリットにも触れていますので、糖尿病看護認定看護師に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
糖尿病看護認定看護師とは、糖尿病看護のスペシャリストとして、患者さんの状況に合わせた実践的なケアを行う看護師のことです。ここでは、糖尿病看護認定看護師の役割や求められるスキルについて解説します。
糖尿病看護認定看護師は、糖尿病を抱える患者さんに対して、療養生活支援や治療に関する相談・指導を行います。血糖パターンマネジメントや予防的フットケアによって、症状の悪化や合併症の予防に努めることも糖尿病看護認定看護師の役割の一つです。
また、糖尿病看護認定看護師は特定行為研修を修了するため、医師の指示のもと身体所見から病態を判断し、インスリン投与量の調整も実施します。
糖尿病は生活習慣病の一つであり、不規則な食生活や運動不足、肥満などが原因です。糖尿病看護認定看護師は、患者さんが生活習慣を改善して適切な血糖を保てるように指導するスキルが求められます。
糖尿病の患者さんは、神経障害や高血糖によって足先のトラブルが起こりやすいのも特徴です。糖尿病看護の専門性を発揮し、足先のケア方法を伝えられるスキルも大切になります。
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糖尿病看護認定看護師になるには、実務経験の基準を満たして指定の教育機関を修了した後、認定審査に合格する必要があります。糖尿病看護認定看護師の取得を視野に入れている方は、今後の働き方やスケジュールを考える参考にしてみてください。
糖尿病看護認定看護師を目指すには、看護師免許取得後から通算5年以上と、糖尿病看護の実務研修を満たすことも求められます。日本看護協会によると、B課程の糖尿病看護における実務研修の基準(2025年版)は下記のとおりです。
現在勤務している職場で糖尿病患者さんを受け持つ機会が少なく、実務研修の基準を満たせない場合は、転職も視野に入れましょう。慢性期病棟や糖尿病内科・内分泌内科など、糖尿病看護の経験を積める職場はさまざまです。
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糖尿病看護認定看護師になるには、認定分野ごとに指定の教育機関へ入学する必要があります。認定看護制度が改定されA課程の教育は2026年度に終了するため、これから目指す方は基本的にB課程の教育機関に入学することになるでしょう。糖尿病看護認定看護師のB課程が開講される教育機関は数が限られているため、日本看護協会の公式Webサイトで事前に詳細をチェックしてください。
日本看護協会の「認定看護師教育基準カリキュラム(B課程認定看護師教育機関)」によると、糖尿病看護認定看護師の教育基準カリキュラムの内容は下記のようになっています(2026年1月時点)。なお、カリキュラムの内容は変更される可能性があるため、参考程度に確認してみてください。
<共通科目:380時間>
| 教科名 | 時間数 |
| 臨床病態生理学 | 40時間 |
| 臨床推論 | 45時間 |
| 臨床推論:医療面接 | 15時間 |
| フィジカルアセスメント:基礎・応用 | 各30時間 |
| 臨床薬理学:薬物動態・薬理作用 | 各15時間 |
| 臨床薬理学:薬物治療・管理 | 30時間 |
| 疾病・臨床病態概論 | 40時間 |
| 疾病・臨床病態概論:状況別 | 15時間 |
| 医療安全学:医療倫理・医療安全管理 | 各15時間 |
| チーム医療論(特定行為実践) | 15時間 |
| 特定行為実践 | 15時間 |
| 指導・相談・看護管理 | 各15時間 |
<専門科目・認定看護分野専門科目:210時間>
| 教科名 | 時間数 |
| 糖尿病看護概論 | 15時間 |
| 糖尿病の病態及び糖尿病合併症の病態・治療 | 45時間 |
| 糖尿病患者の理解(ライフステージ) | 15時間 |
| 糖尿病患者及び家族・重要他者への援助方法 | 30時間 |
| 糖尿病の治療法と生活調整・療養支援Ⅰ | 30時間 |
| 糖尿病の治療法と生活調整・療養支援Ⅱ | 15時間 |
| 糖尿病合併症の病期及び併存疾患に応じた生活調整・療養支援 | 30時間 |
| 血糖パターンマネジメント | 15時間 |
| フットケア技術 | 15時間 |
<専門科目・特定行為研修区分別科目:44時間>
| 教科名 | 時間数 |
| 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 22時間 |
| 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 | 22時間 |
<演習・実践:165時間>
| 教科名 | 時間数 |
| 総合演習 | 15時間 |
| 臨地実習 | 150時間 |
参照:日本看護協会「認定看護師教育基準カリキュラム(B課程認定看護師教育機関)」
2020年度から教育を開始したB課程はA課程と異なり、特定行為研修が組み込まれています。すでにA課程で資格を取得した看護師は、特定行為研修を修了すればB課程認定看護師へ移行することも可能です。
認定審査は毎年1回実施されます。認定審査の申請手続きは下記の流れに従って進めましょう。
筆記試験の会場は47都道府県に設置され、登録した自宅住所に近い場所で受験することになります。審査に合格後、登録手続きを行えば認定看護師として認められます。
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認定看護師として登録した後も、資格を維持するには5年ごとの更新が求められます。更新審査に合格するためには、5年間で看護実績の基準を満たすことが必要です。更新時には、審査料と登録料で合計約5万円の費用がかかります。
なお、更新せず認定資格を一度失行した場合も、再認定審査を受ければ再び認定看護師として活動が可能です。
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糖尿病看護認定看護師になるには、100万円ほどの費用がかかるといわれています。以下は、資格を取得するまでに必ずかかる費用の例です。
| 内訳 | 金額例 |
| 教育機関の入試検定料 | 約5万円 |
| 入学金 | 約5万円 |
| 授業料 | 約70万円 |
| 実習費 | 約10万円 |
| 認定審査料 | 約5万円 |
| 合格後の認定料 | 約5万円 |
教育機関から遠い地域に住んでいる場合、一時的な転居のために引っ越し費用が必要となるケースもあります。そのほかに教材費もかかるため、出費は余裕を持って見積っておきましょう。
通学中は勤務時間を減らしたり、休職したりすることも考えられます。費用面の不安がある場合は、奨学金制度の利用や転職も選択肢の一つです。学費の免除や給与・賞与の支給、生活費の補助といった資格取得のための支援制度が整っている職場もあります。
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糖尿病看護認定看護師を取得するといくつかのメリットが期待できます。スキルアップやキャリアアップを目指している方は、以下で確認してみましょう。
血糖値が不安定になると合併症のリスクが高まり、日常生活に支障をきたすだけでなく、生命の危機に至る可能性もあります。糖尿病看護認定看護師になると、血糖パターンマネジメントの技術が身に付くことで、患者さん一人ひとりに合ったアセスメントの実施が可能です。
「糖尿病患者様のQOL向上を目指したい」「血糖コントロールに力を入れたい」と考えている看護師は、やりがいを感じられます。
糖尿病患者さんの下肢の健康を守り、生活のサポートができるのは、糖尿病看護認定看護師ならではの魅力です。足の傷に気付かずに時間が経ってしまうと、潰瘍や壊疽といった糖尿病足病変に進行するため、糖尿病患者さんはフットケアが欠かせません。糖尿病看護認定看護師としてフットケアの知識・スキルを磨けば、看護・介護職員や患者さんとそのご家族に適切なフットケアの方法を伝えられます。
糖尿病看護認定看護師は、病院やクリニック、介護施設などで活躍できます。日本看護協会によると、2024年12月時点での糖尿病看護認定看護師の就業先は下記のとおりです。
| 勤務先 | 糖尿病看護認定看護師(A課程) | 糖尿病看護認定看護師(B課程) |
| 病院 | 561名 | 269名 |
| 訪問看護ステーション | 6名 | 1名 |
| クリニック・診療所 | 55名 | 19名 |
| 介護保険施設等 | 8名 | 0名 |
| 学校・大学 | 13名 | 1名 |
| 認定看護師教育機関 | 2名 | 1名 |
| 会社 | 1名 | 0名 |
| 看護協会 | 0名 | 0名 |
| その他 | 3名 | 0名 |
参照:日本看護協会「認定看護師(分野別所属先種別登録者数一覧)」
糖尿病看護認定看護師は、病院を中心に活躍していることが分かります。糖尿病の専門チームを組織している病院であれば、重要な役割を任されることもあるでしょう。医療施設のほかにも、教育機関で専門性を発揮している認定看護師もいます。
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糖尿病患者数は年々増加していることから、糖尿病看護認定看護師の需要は高いといえます。厚生労働省の「糖尿病患者数の状況」によると、糖尿病患者数の推移は下記のとおりです。
| 2002年 | 2007年 | 2012年 | 2016年 | |
| 糖尿病が強く疑われる者 | 740名 | 890名 | 950名 | 1,000名 |
| 糖尿病の可能性を否定できない者 | 880名 | 1,320名 | 1,100名 | 1,000名 |
| 糖尿病が強く疑われる者と糖尿病の可能性を否定できない者 | 1,620名 | 2,210名 | 2,050名 | 2,000名 |
参照:厚生労働省「糖尿病患者数の状況」
糖尿病の患者さんの中には、自宅で療養しながら外来やクリニックを受診する方も少なくありません。今後は訪問看護や介護の現場でも、糖尿病看護認定看護師の活躍がさらに期待されるでしょう。
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糖尿病ケアに役立つ資格は、糖尿病看護認定看護師以外にもあります。この項では、糖尿病看護認定看護師以外におすすめの資格を紹介するので、資格取得を検討している方はチェックしてみましょう。
糖尿病療養指導士(CDEJ)とは、日本糖尿病療養指導士認定機構によって定められている資格です。糖尿病に関する専門的知識を有し、医師の指示に基づいて療養指導を行える医療スタッフであるという証明になります。取得には、糖尿病患者さんに対する療養指導業務経験の基準を満たし、eラーニングによる講座の修了が必要です。
フットケア指導士は、日本フットケア・足病医学会によってフットケアの専門知識と技術を身に付けていると認められた医療従事者に対する資格です。取得するには、一定の条件を満たし、指導士セミナーの受講・認定試験の合格が必要になります。正看護師だけでなく准看護師も資格を取得できるため、スキルアップを目指したい准看護師の方にもおすすめです。
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ここでは、「糖尿病看護認定看護師になるには?」と気になっている方によくある質問を、Q&A形式で紹介します。
認定看護師認定審査の筆記試験は、マークシート方式・四肢択一で行われ、試験時間は100分となります。教育カリキュラムの内容に沿って出題されるため、教育機関で学習した内容を復習するのが基本的な勉強方法です。就業中の方は、空いた時間を有効に使って勉強しましょう。また、出願者は過去の試験問題(前年度分)を閲覧できるため、過去問を活用した試験対策も可能です。
認定看護師になるには、看護師免許が必要です。そのため、准看護師が糖尿病看護認定看護師を目指すには、まず看護師資格を取得し、正看護師として一定の臨床経験を積むことが求められます。フットケア指導士の資格は准看護師も取得できるので、糖尿病看護関連でスキルアップしたい方は検討してみてください。
糖尿病看護認定看護師は、糖尿病患者さんの看護をはじめ、症状の悪化や合併症予防のための指導を行う役割があります。資格取得のメリットは、将来的に需要の高い分野で活かせる知識・スキルを磨けることです。糖尿病看護認定看護師になるには、一定の実務経験を経て教育機関で教育カリキュラムを修了し、認定審査に合格する必要があります。糖尿病看護のスペシャリストとして活躍したい方は、糖尿病看護認定看護師の取得を検討してみましょう。
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