
看護師を目指している人や新卒看護師の中には、「看護師の初任給はどれくらいが相場?」と気になっている方もいるかもしれません。職場にもよりますが、看護師の初任給額は近年上昇傾向にあります。この記事では、看護師の初任給について詳しく解説します。手取り額や各種手当、ボーナス・年収にも触れますので、職場選びや将来設計の参考にしてみてください。
日本看護協会の「2025年病院看護実態調査報告書(p30)」によると、看護師の平均初任給は、高卒+3年課程(専門)卒が28万5,078円で、大卒が29万2,527円です(2025年度)。
| 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 | |
| 高卒+3年課程(専門)卒 | 21万6,416円 | 28万5,078円 |
| 大卒 | 22万1,883円 | 29万2,527円 |
参照:日本看護協会「2025年病院看護実態調査報告書(p30)」
※税込給与総額には、通勤手当・住宅手当・夜勤手当・当直手当・看護職員処遇改善にかかわる手当等を含む(時間外勤務の手当は除く)
※夜勤をした場合には、当該の月に三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)をしたものと想定
看護師の初任給は、大卒か専門・短大卒かで7,000円ほどの差があるといえます。なお、看護師の初任給は、それぞれの職場によって異なるため、参考程度に押さえておきましょう。
手取りとは、給与総額から社会保険料や税金などが天引きされた後の、実際に支給される金額です。給与額に「×0.8」で計算すると、おおよその手取り額が予想できます。
学歴ごとに初任給の手取りを見ると、高卒+3年課程新卒の看護師は約22万8,000円で、大卒は約23万4,000円の見込みです。
日本看護協会の調査によると、近年、看護師の平均初任給は右肩上がりに推移しています。以下の表は、看護師の平均初任給(税込給与総額)の過去3年分をまとめたものです。
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
| 高卒+3年課程(専門)卒 | 26万6,558円 | 27万6,127円 | 28万5,078円 |
| 大卒 | 27万4,752円 | 28万4,063円 | 29万2,527円 |
参照:日本看護協会「2023年病院看護実態調査報告書(p37)」「2024年病院看護実態調査報告書(p20)」「2025年病院看護実態調査報告書(p30)」
看護師の初任給は年々高くなっており、2024年度から2025年度にかけては約1万円ほど上がっています。高齢化の進行で医療需要は今後も高まっていく見込みのため、看護師の初任給はこの先も上がる可能性があるでしょう。
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この項では、看護師の初任給に含まれる各種手当や、給与から差し引かれる保険料などについて解説します。給料の支給額の内訳は給与明細で確認できるため、自身の手元にあるものを見てみましょう。
給与には、職場ごとに定められる各種手当が含まれています。看護師に支給される一般的な手当の種類は以下のとおりです。
| 手当の名称 | 手当の内容 |
| 家族手当 | 家族を扶養している場合に支給される手当 |
| 役職手当 | 管理職や役職に就く人に支給される手当 |
| 資格手当 | 看護資格やその他の上位資格を有していることに対して支給される手当 |
| 交代勤務手当 | 夜勤手当とは別で、労働時間が昼夜を通して目まぐるしく変わる負担に対する手当 |
| 通勤手当 | 職場までの通勤にかかる費用に対して支給される手当 |
| 夜勤手当 | 午後10時から午前5時までに働いた分は、給与が25%増しで支給される |
| 休日手当 | 法律で定められた休日(法定休日)に働いた分は、給与が35%増しで支給される |
| 時間外手当 | 法定労働時間(原則1週40時間、1日8時間)を超えて働いた分は、給与が25%増しで支給される |
支給される手当の種類・金額は、人それぞれ職場や状況で異なります。残業や夜勤が多い職場だと、手当の支給によって看護師の給与水準が底上げされている側面もあるでしょう。
給与は、社会保険料や税金が差し引かれてから支給されます。初任給から天引きされる内容は以下のとおりです。
| 天引きの対象 | 天引きされる金額の内容 |
| 社会保険料 | 健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険などにかかる保険料の総称 |
| 所得税 | 給与所得に対してかかる税(所得によって税率が異なる) |
上記に加えて、通常は住民税も給与から差し引かれます。しかし、住民税額は前年の所得を基準に決められるため、看護師1年目のうちは基本的に納税の必要がありません。
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看護師1年目の給料は、「夜勤の有無で給与水準が変わる」「1年目は住民税が引かれない」という特徴があります。この項で詳しく解説するので、確認してみてください。
新卒看護師は、業務に慣れるまで夜勤に入らないケースも多いようです。夜勤が始まると夜勤手当が支給されるようになる分、給与がアップすると考えられます。
看護師の夜勤手当の平均支給額は、以下のとおりです(2025年度)。
| 夜勤の勤務形態 | 1回あたりの平均夜勤手当額 |
| 三交替制 準夜勤 | 4,300円 |
| 三交替制 深夜勤 | 5,211円 |
| 二交替制 夜勤 | 1万1,470円 |
参照:日本看護協会「2025年病院看護実態調査報告書(p37)」
夜勤手当の支給額は、それぞれの病院が定めています。シフト形態や1ヵ月に何回ほど夜勤に入るかによっても、夜勤手当の支給額は異なるでしょう。
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新卒で入職した場合、住民税の納付は2年目からで、看護師1年目の給与からは基本的に住民税が引かれません。そのため、看護師2年目になって基本給がアップしたものの、住民税が差し引かれると、1年目の月収とほとんど変わらないというケースもあるようです。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」によると、経験年数0年の看護師の平均給与・賞与・年収は以下のとおりです。なお、年収は「給与×12+賞与」で独自に計算しています。
| 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 年収相場 |
| 27万1,200円 | 7万2,600円 | 約332万円 |
参照:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
※所定内給与額は、きまって支給する現金給与額のうち超過労働給与額(時間外手当や深夜勤務手当など)を差し引いた額
職場の施設種別や勤務地にもよりますが、看護師1年目の年収相場は330万円ほどです。1年目から夜勤や残業が多い看護師の場合、年収水準はもう少し高くなるかもしれません。
ボーナスは、職場が職員の頑張りを評価して支給する手当です。看護師1年目のうちは入職したばかりのため、ボーナスが全額支給されない場合も少なくありません。寸志(気持ち程度)か、半期分の支給額になるのが一般的です。
ボーナスの支給額は、「基本給の〇ヵ月分」で決まります。そのため、支給基準が途中で変わらない限り、基本給が上がれば、ボーナス額もアップする仕組みです。1年目は寸志程度のボーナスも、経験年数を積んで昇給すれば高くなっていくことが期待できます。
この項では、「新人看護師と勤続10~14年目の看護師」「看護師・保健師・助産師」の給与をそれぞれ比較して、まとめました。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」によると、経験年数が0年と10~14年の看護師の平均給与は以下のとおりです。
| 看護師の経験年数 | 平均給与 |
| 0年 | 27万8,200円 |
| 10~14年 | 32万6,500円 |
参照:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
看護経験10年以上になると、新卒の頃よりも5万円ほど平均給与が高くなっていることが分かります。同じ職場で長く働き続けた場合や役職に就いた場合、10年目の給与は上記の数値よりも高水準になるかもしれません。
下の表は、経験年数0年で20~24歳の看護師・保健師・助産師の平均給与を比較したものです。
| 職種 | 平均給与 |
| 看護師 | 27万1,200円 |
| 保健師 | 27万7,700円 |
| 助産師 | 29万200円 |
参照:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
新卒の平均給与を比べてみると、看護師と保健師は大きな差がありません。助産師は、看護師・保健師よりも2万円ほど平均給与が高くなっていることが分かります。
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この項では、看護師の初任給・給料が高めな病院の特徴を紹介します。今後のキャリアを考える上で、給料水準も重視したい方は参考にしてみてください。
日本看護協会の「2025年病院看護実態調査報告書(p107~109)」によると、看護師の平均初任給が高いのは、東京都や千葉県、神奈川県です。いずれの都市も、新卒看護師の平均税込給与総額が30万円以上になっています(2025年度)。看護師の給与水準が高い都市は、首都圏や人口が多いのが特徴といえるでしょう。
「同調査(p106~108)」によると、病床規模別に見た看護師の平均初任給(税込給与総額)は、以下のようになっています。
| 病床規模 | 高卒+3年課程新卒 | 大卒 |
| 99床以下 | 27万6,872円 | 28万4,759円 |
| 100~199床 | 28万189円 | 28万6,489円 |
| 200~299床 | 28万3,154円 | 29万145円 |
| 300~399床 | 29万7,410円 | 30万5,719円 |
| 400~499床 | 29万8,472円 | 30万6,462円 |
| 500床以上 | 30万7,734円 | 31万6,121円 |
参照:日本看護協会「2025年病院看護実態調査報告書(p106~108)」
比較すると、病床の規模が大きい病院ほど、看護師の初任給は高くなります。高卒+3年課程新卒でも大卒の看護師でも、同様の傾向にある点が特徴です。
「同調査(p106~108)」によると、病院の設置主体別に見た看護師の平均初任給の(税込給与総額)は以下のとおりです。
| 設置主体 | 高卒+3年課程新卒 | 大卒 |
| 国立 | 29万8,682円 | 30万8,099円 |
| 公立 | 30万6,257円 | 31万4,685円 |
| 日本赤十字社 | 32万147円 | 32万9,144円 |
| 済生会 | 28万9,978円 | 29万8,327円 |
| 厚生連 | 26万5,987円 | 27万5,304円 |
| その他公的医療機関 | 30万8,800円 | 31万5,800円 |
| 社会保険関係団体 | 31万422円 | 31万7,646円 |
| 公益法人 | 27万6,134円 | 28万6,883円 |
| 私立学校法人 | 30万5,393円 | 31万2,765円 |
| 医療法人 | 27万6,614円 | 28万2,917円 |
| 社会福祉法人 | 28万8,758円 | 29万4,916円 |
| 医療生協 | 26万3,509円 | 26万9,415円 |
| 会社 | 28万6,058円 | 29万7,928円 |
| その他の法人 | 27万4,479円 | 28万2,068円 |
参照:日本看護協会「2025年病院看護実態調査報告書(p106~108)」
社会保険関係団体や国立・公立、公的医療機関が設置する病院は、比較的看護師の初任給が高めです。病院の規模や設置主体の経営基盤も、看護師の給与に関係しているといえます。
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看護師の平均年収は、以下の表のように右肩上がりになっています。
| 調査の時期 | きまって支給する現金給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 平均年収 (給与×12+賞与) |
| 2021年 | 34万4,300円 | 85万4,600円 | 498万6,200円 |
| 2022年 | 35万1,600円 | 86万2,100円 | 508万1,300円 |
| 2023年 | 35万2,100円 | 85万6,500円 | 508万1,700円 |
| 2024年 | 36万3,500円 | 83万5,000円 | 519万7,000円 |
| 2025年 | 36万5,900円 | 85万6,400円 | 524万7,200円 |
参照:「賃金構造基本統計調査」(職種小分類、企業規模計10人以上)
高齢化が進み、医療の需要は今後も高まると予想されるため、看護師の年収水準は上がっていく見込みがあるでしょう。
とはいえ、仕事の負担・責任が重いこと、長時間労働になりやすいことが影響して、看護師からは「もう少し給料が上がって欲しい」という声もあるのが現状のようです。レバウェル看護【公式】Instagramのアンケートによると、今の給料に満足していると回答した看護師さんは3%に留まりました。

看護師の給与は、仕事に対するモチベーションにも繋がる重要な要素です。給料水準や環境、キャリアプランなどから総合的に判断して、自分に合う働き方や職場を検討しましょう。
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「経済的な余裕が欲しい」という看護師は、月収を気にするだけでなく、金銭管理を行うことも重要です。この項では、新卒看護師が給料を管理するコツを紹介します。
給料が支払われたらすぐに使ってしまいがちで、なかなか貯金が増えないという看護師もいるかもしれません。そういった方におすすめなのが、貯蓄用の口座を別に作り、使ってしまう前に毎月一定額を貯金として振り込む方法です。銀行の自動積み立てシステムを活用すれば、手間をかけずにコツコツと先取り貯金ができます。
貯蓄したい看護師は、毎月の収支を把握するようにしましょう。給与の手取りはいくらか(収入)、1ヵ月でいくら使ったか(支出)をざっくりでも確認すると、収入に対する支出のバランスが取れているかが見えてきます。支出を項目ごとに分けて記録していく家計簿をつけると、無駄遣いがないかどうか見直しやすいためおすすめです。
ある程度の貯蓄がある方は、投資・運用して増やすのも手です。初めての場合は、少額から投資を始められる積み立てNISAが使いやすいかもしれません。長期運用を目的とした投資方法のため、20~30代から始めるのに向いています。一定金額内なら得た利益は非課税になり、投資をする上での節税にも繋がるでしょう。
ここでは、看護師の初任給に就いてよくある質問を、Q&A形式で紹介します。
初めての給料支給日がいつかは職場によって異なります。たとえば、「4月中旬の締め日で、4月末に支給」の場合もあれば、「4月末の締め日で、5月末に支給」の職場もあります。翌月支給と規定されている場合、入職した月は給与の支払いがないため注意しましょう。
経済的な不安がないことも大切ですが、看護師が安定して働くために必要な要素は、給料面だけに限りません。特に、新人看護師が安定して働くには、教育体制や職場の人間関係、労働環境などが整っている職場であることも重要です。
看護師の初任給とは、就職して最初に受け取る給与のことを指します。初任給(給与)は基本給に各種手当がプラスされたもので、そこから社会保険料と税金が引かれて支給されるのが手取りです。手取り額は、給与額に「0.8」をかけると目安が分かります。職場を選ぶ際は、初任給の金額はもとより、教育体制や職場の雰囲気、業務内容なども踏まえて慎重に判断しましょう。勤続年数やスキルアップにより給料は上がっていくため、長く働ける職場かどうかという基準で選ぶことが大切です。
「希望エリアに絞った初任給の相場が知りたい」「想定よりも初任給が少なく転職を検討しているが、行動に移すべきか判断できない」という方は、「レバウェル看護」 に相談してみませんか?「レバウェル看護」 は、看護師に特化した転職支援サービスです。
キャリアアドバイザーが、希望条件を踏まえて、キャリアプランのアドバイスやあなたが働きやすい職場を提案いたします。「入職してすぐに辞めて良いものか」とお悩みの場合は、相談や情報収集のみのご利用も可能です。
今後のキャリアプランを考える際は、ぜひ「レバウェル看護」 にご相談ください。
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