
病院の種類を知りたい看護師もいるでしょう。病院の役割や受け入れる患者さんの重症度などは医療機関ごとに分類があり、それに合わせて看護師の業務内容や扱う診療科なども異なります。この記事では、病院の種類を開設主体や機能別などに分けて解説します。自分に合った病院選びのコツも紹介していますので、病院の種類が多くて決められない看護師は、求人探しの参考としてお役立てください。
看護師が働く病院は、国立や公立、公的病院などの開設主体別に分けられます。開設主体とは、医療機関を運営している組織のことです。以下に、それぞれの病院の特徴や役割を解説します。
国立病院とは、厚生労働省が管轄している病院を指します。「独立行政法人国立病院機構」として各都道府県にあり、現在その数は140施設です。国立病院で働く看護師は、国家公務員として扱われます。そのため、国家公務員と同等の待遇を受けられるのが、メリットといえるでしょう。全国各地に病院があるため、夫の転勤などに合わせて異動することも可能です。
公立病院とは、都道府県や市町村などの行政機関が運営している病院です。民間病院による医療提供が難しい地域に医療体制を整備するなど、地域医療の基幹的な役割を果たします。公立病院の看護師は、公務員として働くため、経営状態に左右されにくく安定しているといえるでしょう。
公的病院は、医療法第31条で設置者が定められています。日本赤十字社や済生会、厚生連などが、主な開設主体者です。厚生労働省「資料(p.2)」では、公的病院の役割を「戦後、医療機関の計画的整備を図るにあたり、国民に必要な医療を確保するとともに、医療の向上を進めるための中核」としています。地域医療を担う点では、公立病院と似た役割があるといえるでしょう。それぞれの違いは、公立病院の母体が地方自治体なのに対し、公的病院の運営元は、厚生労働省が定めた公的団体だという点です。
大学病院は、国立大学や私立大学などに付属する病院です。大学病院の数は、80以上にのぼり、その多くは特定機能病院に指定されています。また、大学病院は研究や教育機関としての役割も大きいといえるでしょう。給与水準も高く、最先端の医療技術や専門的な医療を学べるのが特徴です。
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大学病院の看護師になるには?一般病院との違いや転職するメリットを解説
前項に記述した病院以外は、一般病院に分類されます。企業立病院や医療法人、個人病院などの民間病院などが挙げられるでしょう。病院の約7割を医療法人が占めており、開設主体のなかでは、一般病院の数が最も多くなっています。一般病院は、急性期から慢性期まで幅広くカバーしており、その特徴は病院によってそれぞれです。地域に根ざした病院が多く、地域住民の生活を支える重要な存在だといえます。
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企業立病院で働くメリットとデメリットとは?看護師が転職するコツも解説!
病院は、特定機能病院や地域医療支援病院など、機能別でも分類されます。ここでは、看護師が働く病院の種類を、機能別に解説します。
特定機能病院とは、400床以上の病床数を持ち、高度な医療の提供や医療技術の開発を目的とした病院です。ほかの医療機関からの紹介患者に医療を提供する役割を担っています。特定機能病院の指定を受けるには、集中治療室(ICU)などの設置基準を満たすことが必要です。令和4年12月1日現在で88病院が指定されており、そのほとんどを大学病院が占めています。特定機能病院の一覧が知りたい方は、厚生労働省「特定機能病院の承認状況」で確認できますので、ご覧ください。
200床以上の病床数を持ち、救急医療や紹介患者に医療を提供する病院を、地域医療支援病院といいます。2023年9月1日現在、地域医療支援病院の承認を受けている医療機関の数は、700です。かかりつけ医を支援し、地域医療を支える役割があります。
一般病院は、20床以上の病床を持つ医療機関です。19床以下の場合は、診療所やクリニックと呼びます。地域密着型の病院が多く、かかりつけ医として地域住民を身近に支えているといえるでしょう。いくつもの診療科を構えている特定機能病院とは異なり、備えている診療科は病院によってさまざまです。なかには単科に限った病院もあります。
看護師の業務内容は、急性期や慢性期などの病床機能でも異なります。病床機能別でみた看護師の職場を、以下に解説します。
高度急性期機能とは、急性期の患者さんに対し、高度な医療を集中的に提供する目的を持っています。以下のような機能があることが、高度急性期機能の条件です。
上記のほとんどが、緊急度や重症度が高い患者さんを対象としています。なかには、三次救急医療機関に指定されている医療機関もあるでしょう。
| 救急医療体制 | 対象患者 |
| 一次救急 | 入院の必要がない症状の軽い患者 |
| 二次救急 | 入院や手術などが必要な救急患者 |
| 三次次救急 | 二次救急医療機関では対応が難しい患者 |
三次救急医療機関とは、救急医療体制のなかで最も重篤な患者さんを受け入れている病院です。一刻を争う状況で、救急車やドクターヘリなどで搬送されます。高度急性期機能を持った医療機関で働く看護師は、高度な看護スキルや専門的な知識が必要です。急変にも対応できる的確な判断力と冷静さが求められるといえるでしょう。
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高度急性期病院とは?スキルアップできる?役割や急性期との違いを解説
急性期機能とは、高度急性期の状態とまではいかなくとも、重症度の高い患者さんに専門的治療を集中的に行います。急性期の患者さんも、予断を許さない状況です。状態の変化を見逃さない観察力や対応スキルが必要だといえるでしょう。急性期機能を持つ病院は、一次救急や二次救急医療機関としての役割もあります。
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急性期病院とは?救急病院とは違う?特徴や看護師の役割・働き方も解説
回復期機能は、急性期を脱した患者さんの在宅復帰へ向けて、身体機能の回復を図るための医療を提供します。集中的にリハビリテーションを行う回復期リハビリテーション病院などが挙げられるでしょう。対象は、脳神経系や整形外科などの疾患を持つ患者さんが多い傾向にあります。患者さんの生活上の問題点にも目を向けて、自立を促す視点が必要です。
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回復期リハビリテーション病棟で働く看護師とは?仕事内容やメリットを解説
慢性期機能を持つ医療機関は、長期療養が必要な患者さんを受け入れる病院です。慢性期機能がある病院に、療養型病院が挙げられます。容体は安定していますが、難病などで人工呼吸器や持続点滴など、継続した医療処置が必要な患者さんを対象とした医療機関が多いといえるでしょう。リハビリテーションや看取りに対応している病院もあるようです。療養型病院の場合、入院期間の目安は、3〜6ヶ月といわれています。
ここでは、看護師が病院を選ぶコツを解説します。看護師としてどのように働いていきたいか、自分の理想を叶えられる病院選びの参考にしてみてください。
最新医療や高度な医療を学びたい看護師は、スペシャリストを目指すのがおすすめです。スペシャリストとしての経験を積むには、特定機能病院が良いかもしれません。研究や教育機関としての役割も大きい特定機能病院であれば、スキルアップの機会も多いでしょう。最先端の医療や看護を身に付けられ、常に最前線をいく看護師としての活躍が可能です。
患者さん1人ひとりとじっくり向き合いたい看護師は、療養型病院を選ぶと良いでしょう。慢性期の患者さんを受け入れている療養型病院は、在院日数も長く、容体の安定している方が多いです。そのため、患者さんとの時間を十分に確保でき、ゆっくり関われます。
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療養病棟で働く看護師の仕事内容とは?メリットや向いている人の特徴を紹介
回復期リハビリテーション病院で働けば、患者さんの回復していく姿にやりがいを感じられるかもしれません。良くなっていく姿が目に見えるため、達成感も大きいといえます。自宅復帰に向けて、患者さんと一緒に頑張りや喜びを共有できるでしょう。看護師としてのモチベーションを保ち続けながら働ける職場だといえます。
分野を問わず活躍できる看護師になりたい方は、ジェネラリストが向いています。幅広い知識やスキルを持つ看護師は、どの職場でも重宝される存在だといえるでしょう。ジェネラリストの経験を積むには、地域医療支援病院や総合病院、ケアミックス病院などがおすすめです。
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看護師が総合病院で働くメリット6選!転職時の注意点とともに紹介
看護師が病院を選ぶときには、勤務条件も大切な要素です。求人を探すときには、働き方の希望条件をあらかじめ決めておくと良いでしょう。勤務条件は、通勤時間や収入などのほかに、以下のようなものが挙げられます。
長く看護師を続けていくためには、給料や手当は大切です。業務量に収入が見合っていないと、仕事に不満を感じるようになるかもしれません。また、病棟で働く場合は夜勤を求められることが多いでしょう。2交替と3交替のどちらの夜勤体制を選ぶかは、負担の感じ方や生活スタイルによっても異なります。スキルアップのために転職をする看護師は、教育体制の確認も必要でしょう。
転職を考える看護師のなかには、病院の種類の多さに迷っているかもしれません。ここでは、病院選びに迷ったときの対処法を解説します。
病院を決められないときは、病院見学がおすすめです。採用情報だけでは、イメージを掴みにくいかもしれません。実際に病院の雰囲気を感じられれば、自分が看護師として働く姿を想像できるでしょう。入職後のミスマッチも防げます。
合同就職説明会に参加すれば、複数の病院情報を効率良く得られます。なかには、先輩看護師が出向いている病院もあるでしょう。聞きにくいことも質問できるため、その場で不安が解消できます。さまざまな採用担当者の話を聞き、想定していなかった病院が候補に挙がる可能性も。新たなキャリアの選択肢を広げるきっかけになるかもしれません。
転職エージェントを利用すれば、不安や悩みを解消しながら転職活動が進められます。転職エージェントのキャリアアドバイザーは、これまでの転職サポートや病院見学をとおして、さまざまな医療機関情報に精通しています。そのなかから、希望条件を絞った求人を厳選してくれるため、効率良く求人探しができるのもメリットです。転職エージェントのサービスは、求人紹介だけではありません。お悩み相談や選考対策、面接の日程調整など、転職を全面的にサポートしてくれます。
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新しい職場の具体的なイメージがない…本当の悩みと向き合い見つけた転職先
看護師が働く病院の種類は、開設主体別や機能別、病床機能別などで分けられます。それぞれ、役割や特徴があるため、自分の希望の働き方や条件に合った病院を選ぶことが必要です。病院の種類が多くて迷う場合は、病院見学や合同説明会に参加し、現場スタッフから直接話を聞くのもおすすめだといえます。
業務が忙しく情報収集する時間がなかったり、病院選びを1人でするのが不安だったりする看護師もいるでしょう。「どの病院を選べば良いか分からない」という看護師は、レバウェル看護にご連絡ください。キャリアアドバイザーが、希望条件に合った病院を紹介します。情報収集やキャリアプランのご相談のみのご利用も可能です。サービスは無料で受けられますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ここでは、病院選びに悩んでいる看護師によくある質問をQ&A形式で回答していきます。
初めての病院選びに悩む新人看護師も多いでしょう。まだ、看護師としての目標が定まっていない段階であれば、基本的な看護スキルを身に付けられる病院がおすすめです。規模の大きい総合病院などは、さまざまな診療科を併設しており、急性期から慢性期までの幅広い看護経験が積めます。『「病院の種類が多くて分からない…」と迷ったときの対処法』でも、病院選びの方法を紹介していますので、ご覧ください。
手術室看護師(オペ看)になりたい場合は、手術室がある病院を選びましょう。現在の職場に手術室がある場合は、異動願いを申し込むのも方法の1つです。オペ看の求人傾向として、オペ室経験がいる場合や未経験可でも臨床経験は必須など、病院によってそれぞれ異なります。未経験からオペ室になるコツは、「オペ室看護師は未経験から目指せる?求人探しのポイントや仕事内容を解説」を参考にしてみてください。
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