
「公務員看護師の年収はどのくらい?」と気になっている方もいるかもしれません。公務員として働く看護師の年収相場は、看護師全体の中では高めです。この記事では、公務員看護師の平均年収を、民間の病院で働く看護師との比較とともに紹介します。公務員看護師の給与体系や新卒・勤続10年の場合の給与にもふれているので、参考にしてみてください。
公務員看護師とは、国立・公立の病院や機関で働く看護師のことです。レバウェル看護の独自調査(2024年3月)によると、国立・公立病院で勤務する看護師の平均月給は35万2,016円、平均ボーナスは87万6,404円となっています。
| 平均月給 | 平均ボーナス | 平均年収 (月給×12+ボーナス) |
| 35万2,016円 | 87万6,404円 | 510万596円 |
参照:レバウェル看護の独自調査(2024年3月)
上記のように月給×12+ボーナスで計算すると、国立・公立病院で働く看護師の平均年収は約510万円でした。公務員看護師の平均年収は、勤務する職場の種別・規模や勤続年数によっても異なるため、こちらの数値は参考としておさえましょう。
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公務員看護師には、「国家公務員」「地方公務員」「準公務員(みなし公務員)」の3つがあります。仕事内容は基本的に民間の看護師と変わりませんが、待遇や給与体系が公務員に準ずるものになるのが特徴です。
公務員看護師になるには、職場ごとの採用試験(小論文試験や面接試験など)を通過する必要があります。一般の公務員と異なり、公務員試験は受験しません。
公務員(準公務員)として働く看護師の年収は、高いほうなのか疑問に思う方もいるかもしれません。ここでは、レバウェル看護の独自調査(2024年3月)をもとに、国立・公立病院に勤務する看護師とほかの職場の看護師を比較します。
以下は、国立・公立病院の看護師と看護師全体とを、平均月収・ボーナス・年収をまとめて比較したものです。
| 平均月給 | 平均ボーナス | 平均年収 (月給×12+ボーナス) | |
| 国立・公立病院の看護師 | 35万2,016円 | 87万6,404円 | 510万596円 |
| 看護師全体 | 32万9,817円 | 77万4,069円 | 473万1,873円 |
| 病院勤務の看護師全体 | 33万2,482円 | 77万6,162円 | 476万5,946円 |
参照:レバウェル看護の独自調査(2024年3月)
公務員(準公務員)の年収は、看護師全体の平均値よりも40万円ほど高いことが分かります。ボーナスの支給額が比較的高めで、年収水準が引き上げられている点が特徴です。
次に、国公立病院で働く公務員(準公務員)看護師の平均年収は、ほかの病院で働く看護師とどのくらい違うのか見ていきます。以下は、病院の種別で比較した看護師の平均月給・ボーナス・年収をまとめたものです。
| 看護師の勤務先 | 平均月給 | 平均ボーナス | 平均年収 (月給×12+ボーナス) |
| 国立・公立病院 | 35万2,016円 | 87万6,404円 | 510万596円 |
| 大学病院 | 35万9,575円 | 105万5,282円 | 537万182円 |
| 一般急性期病院 | 34万2,783円 | 72万5,338円 | 483万8,734円 |
| 療養型病院 | 28万5,084円 | 60万3,500円 | 402万4,508円 |
| 回復期リハビリ病院 | 31万7,098円 | 71万8,000円 | 452万3,176円 |
| ケアミックス病院 | 32万6,961円 | 68万3,601円 | 460万7,133円 |
| 精神科病院 | 28万8,125円 | 84万3,000円 | 430万500円 |
参照:レバウェル看護の独自調査(2024年3月)
病院の種別ごとに比較すると、平均年収が最も高いのが大学病院の看護師で約537万円、次いで国立・公立病院の看護師で約510万円でした。看護師の平均年収は、大規模な病院ほど高い傾向にあると言われています。
ボーナスの水準が目立って高めな大学病院よりは低いものの、国公立病院で働く公務員(準公務員)看護師は、病院看護師の中では高年収です。
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この項では、日本看護協会の「2025年病院看護実態調査報告書(p106~110)」をもとに、国立・公立病院に勤務する新卒看護師と、勤続10年の看護師(31~32歳・非管理職)の平均給与を見ていきます。
以下は、国立病院で働く新卒看護師と勤続10年の看護師の、平均基本給与額・平均税込給与総額です。
| 国立の病院に勤務 | 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 |
| 新卒(高卒+3年課程)の看護師 | 22万9,122円 | 29万8,682円 |
| 新卒(大卒)の看護師 | 23万6,166円 | 30万8,099円 |
| 勤続10年(非管理職)の看護師 | 27万2,456円 | 36万2,027円 |
参照:日本看護協会「2025年病院看護実態調査報告書(p106~110)」
※ 税込給与総額には、通勤手当、住宅手当、家族手当、夜勤手当、当直手当、看護職員処遇改善等事業に基づく手当等を含む。(時間外勤務の手当及び新型コロナウイルス感染症に係る危険手当等は除く)
国立病院に勤務する新卒看護師と勤続10年目の看護師を比較してみると、平均基本給与額で約4万3,000円、平均税込給与総額で約6万3,000円の差があります。
公立病院で働く新卒看護師と勤続10年の看護師の、平均基本給与額・平均税込給与総額は以下のとおりです。
| 公立の病院に勤務 | 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 |
| 新卒(高卒+3年課程)の看護師 | 24万5,695円 | 30万6,257円 |
| 新卒(大卒)の看護師 | 25万1,512円 | 31万4,685円 |
| 勤続10年(非管理職)の看護師 | 28万8,641円 | 36万8,081円 |
参照:日本看護協会「2025年病院看護実態調査報告書(p106~110)」
※ 税込給与総額には、通勤手当、住宅手当、家族手当、夜勤手当、当直手当、看護職員処遇改善等事業に基づく手当等を含む。(時間外勤務の手当及び新型コロナウイルス感染症に係る危険手当等は除く)
公立病院で働く新卒看護師と勤続10年目の看護師を比較してみると、平均基本給与額で約4万3,000円、平均税込給与総額で約6万2,000円の差があります。
国立病院と公立病院の看護師はともに、勤務年数10年で基本給与が約4万円、手当を含む税込給与総額が約6万円ほどアップすると考えられるでしょう。民間の医療法人の病院よりも、国公立の病院のほうが看護師の昇給額は高い傾向にあると言われています。
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公務員看護師の場合、給与は国家公務員・地方公務員それぞれの給料体系に準じて決定されます。民間の病院や施設とは異なる部分もあるため、確認してみましょう。
国家公務員の看護師は「医療職俸給表(三)」に基づいて、地方公務員の看護師は「地方公務員の給料表の仕組み」をもとに地方自治体がそれぞれ決定します。
公務員看護師の給与体系には「級」と「号」という基準があり、級は職位・役職に、号は勤続年数に応じて上がるという仕組みです。以下は、公務員看護師の給与体系に適用される「級」の目安になります。
非管理職の公務員看護師は2級に該当します。「級」は昇進すると上がっていきますが、同じ役職でも職場の規模によって級が異なる場合も。
「級」を上げるのは簡単ではありませんが、勤続年数を重ねるごとに「号」が上がるため、長く勤務すれば年収はアップしていく傾向です。
人事院の「国家公務員の諸手当の概要(p2)」によると、公務員看護師のボーナスに相当する手当は「期末手当」と「勤勉手当」があります。以下に、それぞれの手当の内容をまとめました。
期末手当と勤勉手当は、民間のボーナスと同じく年2回(6月と12月)支給されることになっています。地方公務員の場合、手当はそれぞれの自治体の規定に沿って支給されますが、この規定も基本的に国家公務員の手当基準に則っているようです。
日本看護協会の「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(p70~72)」によると、国立病院と公立病院それぞれの、看護師に支給される1回あたりの平均夜勤手当額は、以下のとおりです。
| 設置主体 | 3交替制・準夜勤 | 3交替制・深夜勤 | 2交替制 |
| 国立 | 3,886円 | 4,970円 | 9,769円 |
| 公立 | 3,859円 | 4,658円 | 9,048円 |
| 全体 | 4,567円 | 5,715円 | 1万1,815円 |
参照:日本看護協会「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(p70~72)」
1回当たりの平均夜勤手当額は、国立と公立で大きな差はありません。また、国立・公立の病院は、3交替制の場合は700〜800円ほど、2交替制の場合は2,000円ほど、全体の平均と比べて一回当たりの夜勤手当額が低くなっています。公務員看護師の夜勤手当支給額は少なめだといえるでしょう。
看護師が公務員として勤務する年収面のメリットは、「経験年数を重ねると昇給しやすい」「福利厚生が充実している」などがあります。
記事内の「公務員看護師の年収の決まり方・民間との違い」で解説したように、公務員看護師は勤続年数に応じて昇給する仕組みになっているため、長く働けば高年収を目指せるというメリットがあります。同じ職場で長く安定して勤め、長い目で高水準の年収を叶えたい場合は、公務員看護師が向いているでしょう。
公立病院・国立病院は、福利厚生が充実している傾向にあります。そのため、公務員看護師は、経済的な不安が少なく自分に合う働き方がしやすいでしょう。給与水準が保証されている中で、休みも確保されているためワーク・ライフ・バランスも整いやすいといえます。
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準公務員看護師とは?活躍できる職場やメリット・デメリット、給料を解説
看護師が公務員として勤務する場合の年収面のデメリットは、「経験年数が浅いうちの給与は民間と大差ない」「雇用保険に加入できないといった制限がある」などです。
日本看護協会の「2025年病院看護実態調査報告書(p106~110)」によると、病院看護師の平均初任給(税込給与月額)は28~29万円で、公務員看護師の相場との差は1~2万円ほどです。夜勤手当の支給額が低めなので、基本給が上がるまでは思ったより低いと感じるかもしれません。公務員看護師の年収は、賞与の支給額で引き上がっている側面もあります。
公務員看護師(準公務員は含まない)は、雇用保険に加入できないため、退職後に失業手当が受給できないことも注意が必要です。副業は基本的に禁止という点も、人によってはデメリットと感じることもあるでしょう。公務員として働く看護師への転職に関心がある方は、レバウェル看護の「国公立病院・公的病院で働く看護師さんのキャリア図鑑」も、キャリアプランの参考にしてみてください。
ここでは、公務員看護師の年収が気になる方からのよくある質問について、Q&A形式でお答えします。
地方公務員として働く看護師の年収相場は、400〜500万円ほどだとされています。勤続年数に応じて昇給するため、経験が浅いうちはそれほど高くありません。長く勤めれば高年収も期待できるでしょう。福利厚生やボーナス面が充実しているため、安定した働き方を望む人に公務員看護師の仕事はおすすめです。
公務員看護師は、長く務めることや役職につくことで給与がアップするため、同じ職場で経験を重ねていけば、高年収を目指せる可能性はあります。年収1,000万円を超えるのは難しくても、700万円ほどなら目指せるかもしれません。詳しくは、「看護師は年収700万に到達できる?高収入が期待できる働き方や職種」の記事を参考にしてみてください。
公務員看護師の年収相場は高めですが、大規模な病院や大学病院の看護師であれば民間のほうが高年収のケースもあります。公務員看護師の年収は勤続年数と比例して上がるため、長く働き続けなければ給与面のメリットを感じにくい場合も。長く勤め続けたい安定志向の人は公務員看護師、さまざまな職場や診療科で経験を積みたい人は民間が向いているかもしれません。
レバウェル看護の独自調査(2024年3月)によると、国立・公立病院で働く看護師(公務員・準公務員看護師)の平均年収は約510万円です。同調査の看護師全体の平均年収は約473万円だったため、公務員看護師の年収相場は看護師の中でも高めだといえます。ただし、公務員看護師の給与は勤続年数や役職をもとにした基準で決定されるため、経験が浅いうちはそれほど高年収にならない可能性もあります。福利厚生が充実した職場で安定して長く働き続けたい人は、公務員看護師という選択肢を検討してみるのも良いかもしれません
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